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あなたがそうおっしゃったのに。  作者: 友坂 悠


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20/35

招待。

 ここ、アルメルセデスは神に護られた剣と魔法の国。

 その冬は雪深く、春のことほぎを待つまでは国内の貴族の大半が雪をさけ温暖な聖都アルメリアで社交に勤しむのが常だった。

 貴族の子弟らが通う貴族院も基本この冬の間がメインとなる。

 夏は、それぞれの領地の経営に勤しむのが基本とあって、長期の夏休暇はたいてい子等も親と一緒に領地に帰る。

 学業は高位の貴族であれば大概それぞれの家に教師を呼び学ばせる。

 あくまで貴族院は、貴族としての嗜み、そしてその貴族としての矜持を学ぶ場所でもあったから。


 そんな貴族院の卒業が春であったからか、貴族の婚姻は圧倒的に春に行われることが多かった。

 初秋に婚約を結び本格的な冬の訪れを前に盛大に披露し、冬の間の社交を経て春に改めて結婚披露を行うのだ。

 このように、家格が釣り合っている場合は本当に余程の事情がない限り、ゆっくりと婚約期間を置いてからの結婚がほとんどではあったから。

 エーリカのように秋に婚姻まで結んでしまうのは、よほど急いでいるか、何か事情があるのでは、と、周りからは思われる。


 実際、フォンブラウン侯爵の焦りもあったから、自らがみそめたエーリカとジークハルトの婚姻を急いだわけではあったのだけれど。



 ジークハルトとエーリカが最初に出席するパーティーが決まった。

 色々な誘いがある中、これはどうしても断りにくい、と。

 侯爵がそう悩んでいたそれ。


 アルメルセデス王国の第二王子であるナリス・ド・アルメルセデスと、スタンフォード侯爵家の令嬢であり、前聖女、第百八十代聖女であるアナスターシア嬢との婚約披露パーティー。

 流石に王国の威信をかけて開かれるそのパーティーに招待され断るわけにもいかないと、そう苦悩していたそのパーティーに出席することを承知したジークハルトに安堵して。



 さて。

 そんなパーティーへの出席を「承知しました」と答えたエーリカであったのだけれど、一つだけ悩みがあった。


 それも。

『そんなパーティーに出席できるようなドレスを持ち合わせていない』

 といった極めて現実的な悩み。

 自分の結婚披露の時に来たドレスはあるけれど、あれはそこまで豪華でないまでも一応婚姻の主役が着る用のウエディング用ドレス。

 真っ白に輝く一丁羅。

(流石にそのまま他人の婚約披露の場には着ていけません)

 そう肩を落として俯いた。


 どうしましょうかと悩みに悩み、自分でフリルなどを繕ってお直ししようかしらと考えたところでジークが彼女の顔を覗き込み、云った。


「なあエリカ。俺に君のドレスを選ばせてもらえないか?」


 と。

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