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ぼくの大事なセンパイ  作者: ふしきの
ぼくの大好きなセンパイ
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シラミしらみ潰し

「ぎゃははは」

 の、下品極まりない笑いはナオさんだ。

 ぼくの身支度の変化を経過観察する医師とマッドサイエンティストのエステサロン社長みたいな素振りとおこないをしてくれるありがたい人だ。でも、センパイの家に勝手に入り浸ろうと画策する人なので心から嫌いだ。

「あんた、ほんと顔の骨格だけは整ってて、いいのに」

 と、意味不明な言葉を良くしてくるのも頭のいい人独特で嫌いだ。

「なんか面白いこと話してよ」

「守秘義務」

「うわっ、この子メンドクサッ」


「ヒロイ、お前、今日は元気ねぇな」

 飯が喉を通っていないのをセンパイにがっかりされた。「最近お前が来るから五号釜飯鍋で炊いているんだ。責任持って食えよ」

 センパイはめん類派なので、飯が残るのを極度に嫌うだけなのに、ぼくは涙が出てしまった。


「犯人扱いされた」の、最初に戻る。

 

 学校は男女とも、全寮制、だけど土日は休み。

 お給料も出るけど、ぼくは、そんなに使うことがないのでおろしたこともない。


「あの事件でまた、ぼくが、シラミを持ち込んだとか言われて……悔しくて」

 ナオさんの馬鹿笑いを止めることもなくセンパイは

「なんで、お前は言い返さない」

 と言うのだ。

「え、言い返せるの? 」

「言い返しちゃいなよ」ナオさんはぼくに言うんだ。「童貞ですから! 」

「うわーっん」

 お前はほんとに口が悪い。とめちゃクソにセンパイは怒ってくれていた。



 昔からそうだった。おばあちゃんそだちのぼくが、名前でいじられた時もそうだった。

『はしのしたひろい』という本名が「拾い子」でなじられたときに「おひろいさま」知っているか?と、無茶苦茶殴りながらひとりひとりに説教したんだ。

「こいつは、未熟児でしかも仮死状態で産まれて、産まれてすぐ、生死を一週間も彷徨ったんだ。わかるか。どんな気持ちで生きたいとか死にたいとかそういうのもなく、わかるか!」

 


「人の名前を馬鹿にするな」

 かっこいいなぁ。って。



「あ、でもお前は、丸刈りな」

「え」

 ナオさんの指摘でぼくの髪の毛を引っこ抜かれた。

「シラミ。これは、毛じらみとは違うからな。一度その長髪刈ったほうが駆除には楽だぞ」

「いやあああああああ、それだけは嫌」


 あの日、上級生を連れて反撃に来た誰かに頭を殴られて倒れてしまった。

 良くは覚えていない。

「証拠は握っておける」のセンパイの声がすごくこだましていたきがする。

 頭から血を流していたぼくに、「おまえ、ガキクセェニオイするなぁ。ほんとにガキはうぜぇわ」って、嫌がらせにも程があるほど大げさに救急車を子供ながらに呼んだのだ。

「アタマが悪くなった理由を聞かれたら、今日縫ったキッポ見せてやれ」

 と、武勇のように言ってくれた。

 コツンと、触れた頭。

 いい家の匂い。

「ガキは体温がたけえなぁ」

「人間湯たんぽって言われたよ」

「お前のばあちゃん幸せだな」

「うん、ひろいがいると部屋が明るいって、変なこと言っているよ。電気ついていないのに」

「お前んち、また電気止められたのかよ。ま、電気はすぐにつけてもらえるからさ、今日は温い部屋で寝ろ」

 その日から電気代金が止まったことがない。

 ボケたばあちゃんは、お金石があると言っていた。

 どう見てもぼくが、殴られたときに「証拠品」として「絶対に手放すな」と言われたやつだとは思うんだけど、よく覚えていないから、センパイにこんど聞けばいいやっていつものそんな感じ。


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