第五文
久しぶりに創作意欲が・・・!
今回は区切りのいい所で区切ったため、ただでさえ短い話が更に短くなっております。
「ハクション!」
麗霞は大きなくしゃみをすると鼻を啜った。
外は雪がチラついている。
月餅片手に私は旧正月を迎えていた。
「本当、良くやるねぇ…。」
人で賑わう大通りを眺めながら、そう思った。
この国でも年末年始の大売り出しというか、バーゲンセールみたいなものがある。
そのせいで早朝から忙しなくウチの従業員たちが総出で準備をしていた。
バーゲンねぇ・・。
行ったわ、繭ちゃんと。
デパートで某会社の紅茶とか服とか買ったなぁ。
そんで、「あー、これサイズ合わない!」とか良くあったもんだよ。
しみじみと思い出に耽っていると、コンコンとドアがノックされた。
「どうぞ。」
ドアが開くと、商人服を着た睿泽が立っていた。
いつものじゃない方の、公の場で着るようなやつの方だ。
髪もいつもより整っていて、なんだか違和感を感じたけども。
「麗霞。今すぐこれを着て、余所行きの格好をしろ。」
そういう睿泽の手には小さな商人服が。
パシッと投げられた服を華麗にキャッチして、それをじっと眺めるとあることに気がついた。
「お揃いですね。」
「ああ、ウチの伝統のデザインだ。それよりとっとと支度しろ。」
金の糸で縁取られた緑のなんかの植物柄の服。
これが、この国最大のシェアを誇る商会の制服ですか。
促されるままに支度を済ませると、門へと向かった。
──────朱、金、緑。
いかにもな中華の馬車が玄関先に止まっている。
ギンギラギンに輝いており、目には優しくない。チカチカした目を私は擦った。
馬が動き、装飾がジャラジャラと音を立てる。
麗霞はその存在感に無言になっていた。
うわぁ・・・。
これまたえげつないわぁ。
大丈夫?
これ、この世界の痛車とかじゃない?
──この時はまだ知らなかった。
その先にどんな未来が待ち受けているかなんて、知る由もなかったのだから・・・。
◆☯◆
「ほう…中々に興味深いな。」
「そうですかー。」
ニタリと笑みを浮かべた男を見て、私は死んだ目で返事をした。
くそぅ!
誰か!救世主でも英雄でもいいから助けて!
それからは永遠とも思える時を過ごすこととなった。
お読みいただき有り難うございました!
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