表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中華転生の日常  作者: sia
3/6

第二文

鞠があのまま過ごして数日経った頃。

アンテナを張り巡らせ、必死に情報を集めた努力の成果を手に入れた。


やはり、ここは中華風異世界だったらしい。

判断材料は話している言葉と格好と街の雰囲気で、決め手は文字だった。

暇だったので外をぼんやりと眺めていたら、とあるお店の看板が目に入った。

そこに書かれていた文字は明らかに中国語っぽい何かであり。

現状をようやく本当に理解したのである。


何故、中華なのが気になるが。

私が天へと旅立つ前にやっていたのは、ザ・異世界って感じの人気RPGだったのに。

こういうのって普通、直前とかにやっていたゲームの世界に転生するもんじゃないのか?

まぁ、結構中華もの好きだったけど!華流ドラマをニヤニヤしながら観てたけど!


────コホン。

それともう一つ衝撃的なニュースがあった。

あの美人──美雨(メイユイ)さんと厳つい男──睿泽(ルイジェ)がなんと、ななななんと、夫婦だったのです!

えええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!


いや、もう、本当にびっくり。

それに大商店の店主だったなんて。

この国のシェアの半分を占めてるって!

部屋を見た時に「あ、きっと裕福な家だな〜」くらいには思っていたけれど。

やっぱ、今世の私ツイてるわ!


だが、やはり人生。都合よくはいかないのであった。

この情報を得るために私が差し出した代償は何かというと。


精神年齢がとっくに成人を超えてるのに赤子として世話をされることである。

なんかよくわからない動物の乳を飲まされるし。(なお、激マズ)

着替えを勝手にされるし。

オムツとお風呂でさえ拷問なのにまだ上乗せする気か!


なんかここ数日で、人間として逞しくなった気がする。


特にやる事も無いまま、ひたすらゴロゴロしていると。


緑っぽい髪をお団子で纏めた女性が来た。

鞠を白い布で包むと籠に入れる。

どうやらどこかへ連れて行かれるようだ。


出来れば、孤児院とか殺処分場とかじゃ無い方向でお願いします。

切実にそう願っておこう。


◆☯◆


連れて行かれたのは、とある部屋であった。

使用人一同も控えており、その場には重々しい雰囲気が漂っている。

鞠がさっきのとは別の寝台に乗せられると睿泽が口を開いた。


「赤子の名を決めようと思う。意見があるやつは言え。」

その言葉を聞き、私は盛大に寝台から転がり落ちた。

それは私の中の睿泽のイメージが崩れ落ちていくのと同時にである。


そして、好感度が0から1になった。

てれててっててー!

私の頭に有名RPGのレベルアップ音楽が流れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ