深まる謎と勘違い
こいしに連れられて森を進んでいく間俺は自分の装備を確認していた。
最初は刀。半ばから折れてしまっているが刀身は黒く水晶のように透き通っている。いったいどんな素材を使えばこんな刀身になるのだろうか。そして今気づいたが、両方の太腿にホルスターと銃があった。見てみたが、全体にヒビが入っていて使えそうになかった。だが、何かとても大切なものだった気がしてそのまま持っておくことにした。
次に服装。黒のランクコートに、青いシャツ。ズボンは、ゆったりとしていていわゆるカジュアルパンツというやつだろうか。なかなか動きやすく気に入った。
持ち物には、何故か狐の面があった。その狐の面を見ていると何かを感じるような気がした。と、ここでふと疑問を感じた。
(あれ?なんで俺はこんなにも自然に装備の確認をしているんだ?・・・むかしの俺は、このことが当たり前のことだった・・・?)
と、ここまで考えたところで、
「着いたよお兄さん」
と言うこいしの声で思考の海から戻ってきた。そこは、洞穴のような所だった。
「ここに入るのか?」
「うん、そうだよ」
どうやらここが入り口らしい。ここに来るまでに地霊殿は、地底にあると聞いていたがまんま洞窟だったとは・・・
「それじゃあレッツゴー!」
「あ、ちょっと待てよ!」
少し驚いていたらこいしが先に行ってしまった。後を追いかけて俺も洞穴へ入って行った。中に入ってみるとかなり暗かったが、すぐに目が慣れた。中はかなり入り組んでいるようで案内がなければ二度と出られないかもしれない。すこし進むと、
「あれ?今日はキスメたちいないんだ」
とこいしがいった。
「キスメって?」
「このあたりに住んでいる妖怪だよ。ついでだから紹介したかったんだけれどなー」
「そうなんだ」
そんなことを話していた時だった。急に寒気がした。
やばいと思う前にこいしを抱き抱え、横に飛んだ。
するとさっきまで俺たちが立っていたところを熱線が、焼き払っていた。素早くその方向をみると、そこには、一人の少女がいた。だがその子には、普通の人間と違って羽が生えている。
「こいしさまを離せ!」
「は?」
いきなり言われたことに戸惑ったが、相手は気にせずに突っ込んできた。
二度目の攻撃も避けたが、少し掠めてしまった。それでも服には何もダメージがないようなので安心した。ここで相手に
「いきなりなんだ!俺が何をしたって言うんだ!」
と、問いかけた。すると
「こいしさまと一緒にいるということは、お前はこいしさまを攫おうとしたやつの仲間なんだろう!」
「はあ?」
「だからここでお前を倒してこいしさまをたすける!」
意味が分からん。こいつ言っていることが無茶苦茶だ。
「お空待って!」
「大丈夫ですこいしさま!必ず助けてみせます!」
こいしも止めるが聞く耳を持たない。そしてまた攻撃してきたので仕方なく刀を構えるのだった。




