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キャバリア・スラップスティック  作者: シベリウスP
暗黒領域・魔王決戦編
163/170

Tournament163 The Demon King hunting:3(魔王を狩ろう!その3:VS魔王親衛隊ファルカロス)

ド・ヴァンとアントンは魔王親衛隊のリーダー、ファルカロスと雌雄を決することになった。空間規定能力と『身体拡散』の特性を持ち傷を受けないファルカロス相手に、ド・ヴァンたちはどんな戦いを挑むのか?

【前回のあらすじ】


ウォッカとブルー、ドーラは魔王親衛隊クン・バハと対峙した。表皮を硬化する能力を持つクン・バハに対し、ドーラは『体内魔力結節』を狙撃して苦しめるが、最初にブルーが、そしてドーラが討たれ、ウォッカもクン・バハに止めを刺して力尽きた。


   ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


「……これは驚いた。人間風情と侮っていたが、君は格別に強い。まるでマイティ・クロウと戦っているようだよ」


 ファルカロスはそう言うと、法器を右手に持ち替えた。


「だが、君は魔戦士に毛が生えた程度の実力しか持たない。それを私が証明して差し上げよう。『幻獣召喚ゴーストコール』っ!」


「むっ!?」


 ド・ヴァンの周囲に次元の穴が開き、そこから幾匹もの翼を持った蛇が現れる。蛇たちは赤い舌をチロチロさせながら、ド・ヴァンの周囲を飛び回り始めた。


「ド・ヴァン団長、毒の噴射に注意してください!」


 アントンはそう言いながらファルカロスに突き掛かる。


「ちっ! 君も案外としつこいな?」


 ファルカロスは、鋭い突きをかわすと、


「君は後で勝負して差し上げるので、今は少しおとなしくしてくれないか?」


 アントンのいる空間を切り取ろうとした。


「その手は食わないよ」


 アントンが間一髪でその空間から抜け出した時、


「いや、私の方が一枚上手だったようだね。『消える箱庭(ドールハウス)』!」

「うおっ!?」


 アントンを、自分が創った世界に引きずり込もうとする。


「明鏡止水っ!」

 ジャンッ!


「おおっ!」


 その一瞬の隙をついて、ド・ヴァンの奥義が繰り出された。ド・ヴァンの水の剣はアントンを捉えた空間の結節をも破壊する。


「むっ!?」


 第2撃を繰り出そうとしたド・ヴァンは、目の前のファルカロスが霧のように姿を消すのを見て、本能的にその場から20ヤードほど退いた。


「それで正解です、団長!」

 ビュンッ!


 アントンはそう言いながら、ファルカロスが消えた空間に槍を走らせる。


「チッ!」

 ガシッ!


 霧のように消えたファルカロスだったが、アントンの攻撃を受けると小さなパズルが組み上がるように姿を現し、槍のけら首を握って言う。


「……どうしてマーリンは貴様のようなホムンクルスを造ったのだろうな。忌々しい」


「お前のような魔族がいることを知ったからだろうな。マーリンは世界の秘密にあと少しで手が届くほどまでは研究を進めていたようだからな」


 アントンはファルカロスを睨みつけながら言うと、


「貴様たちじゃ、『虚影の空』に『真実の月』は照らせない!」

 ガスッ!


「むっ!?」


 ファルカロスはアントンに胸を蹴り飛ばされ、呻きながら50ヤードほども間合いを開けた。アントンの槍を警戒しているのは確かだった。


 二人の戦闘中に、ド・ヴァンはファルカロスの隙を衝くため背後に回り込んだ。


「明鏡止水!」

 ズバンッ!


「キュエエーッ!?」


 ファルカロスは、完全にアントンの攻撃に気を取られていた。ド・ヴァンの攻撃はまともにファルカロスの背中を断ち割ったように見えた。


 だが、真っ二つになったのは、ファルカロスが呼び出した幻獣の方だった。


「団長、後ろです! 前へっ!」

 ビュワンッ!


「くそっ!」


 ド・ヴァンの後ろに現れたファルカロスが、幻獣を襲い掛からせる。ド・ヴァンはアントンの声が聞こえる前に思い切り前へと跳躍して、幻獣の顎から辛くも逃れた。


 その様を見て、アントンは槍を持ち替えつつ、ファルカロスが隠れていると思われる空間へ向かって走り出す。


「ここかっ!」

 ビュンッ! ドムッ!


 ギャンッ!


 アントンがファルカロスだと思って攻撃したモノは、やはり幻獣だった。


(……認識の入れ替えか……やはりアルケーが本気で創った魔族は違うな)


 アントンはそう思いながら、次の空間の歪みを探す。ファルカロスは自身の身体を微粒子レベルにまで拡散させ、空間の中に紛れ込むのが得意なのだ。


 ド・ヴァンの方も、ようやくそれを悟ったらしい、幻獣を適当にあしらいながら、空間の結節を探しているようだった。


(さすが団長は両大陸にその名を轟かせただけある。ファルカロスは『魔戦士程度』だとたかを括っているようだが、その実力は『伝説の英雄』にも劣らないと見た)


 アントンはニヤリと笑うと、槍に風の魔力を集め始める。


「D’e quintos arubareta, siene saruvatos om innguram ici, L’quplle ‘est vanita……」

 ゴゴゴゴゴ……


 アントンの呪文詠唱が進むにつれ、彼の周りに翠の風が集まって渦を巻き始める。


「あれは、『終焉を呼ぶ陣風(ラスト・フィナーレ)』!? 風の精霊王が使う魔法を!?」


 アントンの魔法発動を見て、ド・ヴァンは驚きの声を上げる。精霊王の魔法は、精霊王自らが許可しないと扱うことはできない。


 しかも、アントンが詠唱している呪文を使う魔法は、風魔法でも最上位に位置する『奥義』と言ってもいい魔法だ。驚くのも当然だっただろう。


「……ほう、『終焉を呼ぶ陣風』か。完全詠唱は21年ぶりだな」


 ファルカロスが姿を現して……というよりも拡散を解いてそうつぶやく。口元には余裕の笑みが浮かんではいたが、この魔力と暴風の中では『身体拡散』を継続不可能とみて魔法を解いたのであり、右手の法器に鋭い視線を向ける。


 その間に詠唱は進み、アントンの身体はすっかり翠の光を放つ風に覆われてしまった。


「……Asumosu de la Dekeito Wendi Blossom alle Explosion。轟け、『終焉を呼ぶ陣風(ラスト・フィナーレ)』っ!」


 アントンは、槍を突き出して魔力を解き放つ。翠の暴風がファルカロスを包み込むように見えた。


 ゴゴウウッ!

「……『消える箱庭(ドールハウス)』……」


「むっ!?」


 アントンは、ファルカロスを包み込んだ暴風の光が変化しないのを見て、攻撃の失敗を悟る。そして周囲を見回しながら、幻獣と戦っているド・ヴァンに向けて叫んだ。


「団長! ファルカロスは『終焉を呼ぶ陣風』から逃れたようです! そっちに行く可能性が高いのでご注意を!」


「分かった! そっちも気を付けるんだよ」

 ザシュッ!


 ド・ヴァンは双剣で幻獣を斬り裂きながらそう答える。


(ふむ、あれほどの魔法から逃げ切れる奴なら、これはかなり苦戦しそうだな。アントンがいてくれなかったら、ボクは一瞬でやられていたかもしれない)


「やっ!」

 ズバンッ!


 最後の幻獣を斬り落としたド・ヴァンが、ほっと一息ついた瞬間、背中に氷を押し当てられたような寒気を感じた。


「くっ!」


 ド・ヴァンは本能的に上へと跳んだ。それは戦士としての直感だったかもしれない。


 バシュンッ!


 ド・ヴァンがいた空間とその前方が、10ヤードに渡って黒ずみ、一瞬で凝縮する。やはりファルカロスはアントンの魔法から逃れていたのだ。


「ふむ、やはり君たちはマイティ・クロウ以来の好敵だ。非常に戦い甲斐がある」


 ファルカロスが金髪を風になびかせてそう言った時、遠方で大きな爆発が起こった。


 ズ・ズズウンッ……


 一瞬遅れて轟音が三人の耳に届き、そして一陣の風が通り過ぎて行った。


 ファルカロスは、しばらくその方向を眺めていたが、やがて唇を噛み、


「……オデッシアとクン・バハを倒したか。3人がかりだったとはいえ、君たちは思ったよりも手強い敵であるようだね」


 金髪碧眼の魔導士、魔王親衛隊のファルカロスは、火球が空間を揺らすのを感じ取って前後にいる敵にそう言う。


「……こちらこそ、さすがは魔王親衛隊と名乗るだけあると感服しているよ」


 ファルカロスの正面にいる金髪碧眼の騎士オー・ド・ヴィー・ド・ヴァンが、双剣を構え直しながら続ける。


「……何にしても、君はウォッカやマディラ、ブルーやソルティ、テキーラやドーラの仇にもなったわけだ。

 『ドラゴン・シン』のギルドマスター、オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン。必ず貴様を倒し、仲間の無念を晴らしてやる」


 するとファルカロスは、左手を後ろにいる戦士に向けて牽制しながら、片方のくちびるの端をつり上げて答えた。


「オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン殿、今や私も立場は同じだ。クン・バハやオデッシアの仇を取らせてもらう。これから先は手加減などしない、覚悟していただこう」


 そう言うと、ファルカロスの姿は砂の城が波に流されるように消えた。


「ド・ヴァン団長、上ですっ!」

 シュンッ!


 その声とともに、ファルカロスの後ろにいたアントンが、槍でド・ヴァンの頭上に突きかかる。


「はっ!」


 ド・ヴァンがその場から後ろに跳んだ瞬間、ド・ヴァンがいた空間が立方体状に黒く沈み、勢いよく縮小した。


「……空間規定の術式をこんなに連発できるとはね。アントン、助かった」


 ド・ヴァンが言うと、槍を振り回しながらアントンが答える。


「ド・ヴァン団長、ファルカロスの能力で最も厄介なのは、やはり『身体拡散』です。実体が無くなったわけではありませんから、捉えられないことはありませんが……」


 そう言いながら、アントンは周囲の空間が暗くなりかけたのを見て、


「ふん、どうしても俺と団長を引き離したいようだな」


 そう言いながら、穂先に魔力を集めて空間の結節を突き破る。


 バシッ!


 鋭い音と共に空間を切り取ろうとしていた魔力が、まるでカーテンを開けるように消えていく。


「……なるほど、これは『奥の手』を使う必要があるだろうね……」


 ド・ヴァンは、空間規定の術式が起こすかすかな振動を感じ取りながら、ファルカロスの空間規定魔法の回避に全力を挙げることにした。


(ボクの攻撃は奴に効かなかった。しかしアントンの攻撃は届くようだ。仕方ない、悔しいが奴への止めはアントンに任せ、ボクはその補助に徹しよう)


 ド・ヴァンは決して弱くはない。しかし、自分の限界を知って、それ以上の良策があるのであれば、プライドを捨てられる度量の広さも持ち合わせていた。それが結果的に彼と『ドラゴン・シン』を両大陸でも隠れのない騎士、騎士団へと押し上げて行ったのだろう。


「……ふむ、ド・ヴァン殿、君は私との勝負を諦めたようだね?」


 煽るように言うファルカロスに、ド・ヴァンは冷徹な声で答える。


「ボクの目的は団員たちの敵討ちだ。わが騎士団員が貴様に止めを刺せるなら、その目的は達成する。不利なボクが、君への止めにわざわざ固執する理由なんてないさ」


「なるほど。では、アントンを討てば、君の目論見は潰えるわけだ」


 そう言うと、ファルカロスの身体は再び砂の城が崩れるように拡散していく。


「アントン、止めは君に任せる! ボクに奴を追い詰めるための必要な指示をくれ。ボクはそれに従う!」


 ド・ヴァンはそう叫んでアントンの方を見る。アントンはうなずいて、


「分かりました。私が奴の拡散を防ぎますので、止めは団長にお願いいたします!」


 そう答えると、ド・ヴァンの後方に向けて脱兎のように駆け出す。


「団長、敵は後ろに回り込もうとしています!」


 ド・ヴァンはそれを受けて、後ろを振り向いた。その時である、


 ドムッ!

「うぐっ!?」


 ド・ヴァンの胸に、強烈な魔弾が炸裂した。


   ★ ★ ★ ★ ★


 オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン、本名はマイケル・ヤマダ。

 両大陸随一の豪商、ミヒャエル・ヤマダの長子として産まれた彼は、幼いころから利発で見目麗しい子どもだった。


 『一を聞いて十を知る』ような子どもだった彼は、早くから学問にも武術にも優れた天稟を発揮していた。そのため、父ミヒャエルはマイケルの将来に嘱望し、最高の教育を施した。


 おかげで15歳になる頃には、彼の名はヒーロイ大陸の上流階級に知れ渡っており、彼の知らぬところで縁談すら進んでいた。花嫁候補となる女性を彼に近づけて、彼に相応しくない女性に気を惹かれないようにするためだったらしい。


 本人たちには知らされていなかったが、マディラやソルティも、その『花嫁候補』の一人だった。


 しかし、マイケルは父の跡を継ぐことよりも、もっと大きな夢を持っていた。それは、


『ボクはね、もっと広く世の中の役に立ちたい。そのために、今までの騎士団とは一線を画した騎士団を創りたいんだ。

 世の中の役に立つには武力だけではだめだ。もっと広い視野を持って、楽しいことに関われるような騎士団、それがボクの考える騎士団だ』


 ……ソルティやマディラ、ウォッカにそんな夢を語って、騎士団『ドラゴン・シン』を立ち上げたのは、彼が16歳の時だった。


 実家が太く、そして彼自身もいくつかの事業を任されていたため、資金には事欠かなかった。あっという間に百人の団員を集めた彼の騎士団は、ブルーの参加を経て徐々に近隣にその名を知られるようになっていった。


 彼が『マイケル・ヤマダ』の名を捨て、『オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン』と名乗り出したのは、『マーイータケ一揆プッチ』での活躍以降のことである。


『ボクは世の中の不条理に対する怒りを込めて、我が騎士団を『ドラゴン・シン(憤怒の罪)』と名付けた。その団長たるボクが、市井にいた時の名を名乗っていいわけがないだろう? 罪を滅ぼした後、みんなで至福の酒に酔い、幸福を享受する願いを込めて、オー・ド・ヴィー・ド・ヴァンと名乗るんだ』


 それからも彼と『ドラゴン・シン』の快進撃は続き、19歳の時にはあちこちに合計8百万ゴールドもの所領を持つ第1級の騎士団長として、押しも押されもせぬ存在になっていた。



 そんな彼の人生最大の転機は、やはりジンとの出会いだっただろう。


 当初ド・ヴァンは、ジン・ライムの名どころか存在すら知らなかった。ジンの住まいは彼の本拠地トナーリマーチの隣村であったにも関わらず、ドッカーノ村騎士団が立ち上がったことすら知らなかったのだ。


 彼がドッカーノ村騎士団を意識し始めたのは、ジンたちがアルクニー公から招待されたという情報を手に入れた時だった。その時は、ジンよりむしろ小憎らしく思いながらも才能は認めていたワインが団長だと思っていた。


 だが、実際にドッカーノ村騎士団に会ってみると、ジンという少年が団長で、しかも『ユニコーン侯国の獅子戦士シールトゥルク』ラム・レーズンが加わっていると知り、俄然興味がわいた。ド・ヴァンが見たジンの印象と、ウォッカが見たそれが大きくかけ離れていたことも、その理由だろう。


 ド・ヴァンのジンに対する第一印象は、


(擦れていない純粋な少年だ。心根が優しそうだから、騎士には向かないんじゃないか?)


 というものだった。


 しかしウォッカが


『ジンは見た目ほどのほほんとはしていない。実力はかなりある』


 そう評したことで、さらにドッカーノ村騎士団への期待が高まった彼だった。


 ド・ヴァンがジンにほれ込むのは、交流のための練習試合を行った時だ。ド・ヴァンを狙う刺客が彼を襲った時ジンが使った魔法は、ド・ヴァンを救っただけでなく、その後の彼の運命をもまるっと変えてしまった。


『団長くんはボクの命の恩人で、変わることのない友情で結ばれた親友だ』


 ジンに興味を持ち、ほれ込んだド・ヴァンは、口癖のようにそう言っていた。それ以降、彼は陰になり日向になりジンとドッカーノ村騎士団に力添えをした。そして『組織ウニタルム』の動きがきな臭くなるにつれて、いつしかともに行動するようになっていったのだ。


「団長くんは『伝説の英雄』だ。近い未来に『魔王の降臨』が起こったら、ボクは彼と共に戦いたいものだ」


 エーリンギー街道の人狼山賊退治、シメジーノでの『組織』との戦い、マーイータケでの『組織』によるリンゴーク公国乗っ取り作戦の阻止、そしてジンを狙った水の精霊王アクア・ラングとの戦い……それらによってド・ヴァンはジンの実力を見直し、アロハ群島での事件でジンを『伝説の英雄』だと認識した。


 それから先は、『暗黒領域』をジンと共に、あるいはジンを助けて共に進撃し、最大の敵・魔王とジンとの戦いを有利にするため、そして散って行った『ドラゴン・シン』の部下たちのため魔王親衛隊に挑んだド・ヴァンである。


(団長くんの友情に報いるのは今だ。ボクは光輝ある『ドラゴン・シン』のため、そしてボク自身の有終の美を飾るため、ファルカロスをこの手で倒す!)


 アントンとのやり取りの中で、決意をさらに固くしたド・ヴァンだった。



「団長、敵は後ろに回り込もうとしています!」


 ド・ヴァンはそれを受けて、後ろを振り向いた。その時である、


 ドムッ!

「うぐっ!?」


 ド・ヴァンの胸で、強烈な魔弾が炸裂した。


「団長っ!」

 ボウンッ!


 魔弾を受けて10ヤードもすっ飛ばされたド・ヴァンを守るために、アントンは魔力の流れの先端に向かって魔弾を放つ。ド・ヴァンはどこに魔弾を受けたのか判らないが、ピクリとも動かない。


「チッ!」

 バフンッ!


 ファルカロスは『身体拡散』を解き、マントで魔弾を払いのける。そこに間髪を入れずアントンが突き掛かった。


 シュンッ!


「ふん、小癪な」

 バシュンッ!


 ファルカロスは槍先をかわすと、アントンの頭部目がけて魔弾を放つ。だが、アントンは首を傾けて魔弾を回避すると、


「技の選択をミスったな」


 そう言って、槍をファルカロスの胸に叩き込んだ。


 ボシュンッ!

「く……」


 一瞬苦しそうに顔を歪めたファルカロスだったが、すぐに後ろに跳んで突き刺さった槍から身体を離す。胸からはどす黒い魔力が噴出したが、それもすぐに止まった。


「……相変わらず、私の波動に合わせて魔力を調整しているんだな。だが、貴様がホムンクルスである限り、私の命には届かぬ。魔族の術式を使えぬからな」


 右手に法器を構えながら言うファルカロスに、アントンは槍を水車に回して魔力の残滓を払い飛ばし、ピタッとファルカロスの眉間に照準を合わせて笑う。


「まぁ、お前さんの『身体拡散』が効かないだけオンの字だ。俺は別にお前さんに負けようが構わないんだからな。団長がお前さんの首を刎ねる場面を見るだけでいいさ」


「そうか、ではそんな機会は絶対に来ないと断言しよう。ド・ヴァンはさっきの魔弾で胸を撃ち抜かれ、すでに仲間のもとに旅立っているだろうからな」


 ファルカロスが碧眼に淡い光を灯してそう言う。だがアントンは、じりじりと前に進みながら笑って言った。


「団長を舐めるんじゃないぜ。お前さんの魔弾が団長を貫いたかは、まだ分からないんだからな」


 ファルカロスはムッとして言い返した。


「ふふ、私の魔弾をもろに受けて生き残った者はいないんだ。魔族ですら即死するのに、たかが人間が抗いきれるものか」


「それはどうかな?」


 意味ありげなアントンの言葉と、その視線に気付いたファルカロスは、碧眼を細めて肩越しに後ろを見る。倒れていたド・ヴァンが、よろよろと立ち上がるところだった。


「バカな! 私の魔弾を受けて死ななかっただと!?」


 ファルカロスの驚愕した声が届いたのだろう、ド・ヴァンは2・3度頭を振ると、激しく咳き込んだが、やがて息を整えると顔を上げて


「確かに、貴様はボクが対峙した敵の中では最強だと認めよう。だが、ボクだって騎士の端くれ、団長くんとの約束は果たして見せるさ」


 そう言って、唇の端を拳でグイっと拭いた。


 ド・ヴァンは、気丈な姿を見せていたが、その実、かなりのダメージを負っていた。ファルカロスの魔弾は、頑丈な革鎧を貫通こそしなかったものの、その威力で肋骨を何本か叩き折っていた。そのため、ド・ヴァンは息をするのも苦しかった。


(……こいつを倒すまででいい。胸の負傷を抑えるため、それまで魔力が持ってくれさえすれば……)


 ド・ヴァンは、額にじっとりと脂汗を浮かせながら、それでも魔弾を受ける前と変わらぬように、しっかりとした足取りでファルカロスに近付く。


 そんなド・ヴァンに対し、ファルカロスは冷静さを取り戻すと、アントンを一瞥してその動きを牽制し、ド・ヴァンに呼びかける。


「やせ我慢はしないことだ。私はまだ、お前が剣を引くなら苦しませずに殺してやるくらいの寛容さは持っているぞ?」


「平穏に死のうと、地獄の苦しみの中で果てようと、死は死で変わりはない。ボクが今望むのは、貴様の首ただ一つだ」


 ド・ヴァンは、そう言いながら双剣を構える。その構えに違和感を覚えたファルカロスは、ニヤリと笑いながら幻獣を呼び出した。


「ふん、好きにするといい。『幻獣召喚ゴーストコール』」

「むっ!?」


 ド・ヴァンは、グリズリーのような幻獣の群れに包囲される。そんなド・ヴァンを、ファルカロスはせせら笑いながら言った。


「光輝ある魔王親衛隊は、くたばり損ないを相手にするほど落ちぶれていない。今の君にはせいぜいそのくらいが適当な相手さ。

 私がアントンとやらを始末するまで、幻獣程度にやられるんじゃないぞ? 後の楽しみが無くなるからな」



 一方で、ド・ヴァンが何とか立ち上がるのを望見したアントンは、ド・ヴァンの生存に胸を撫でおろしたが、同時にド・ヴァンの負傷を看破した。


(団長が生きていたのは、革鎧に込めた魔力に助けられたからか。貫通はしなくとも、かなりのダメージを負っているようだな……団長の魔力が尽きないうちに、ファルカロスとの勝負を決める必要がありそうだ)


 アントンは再び魔力を自身の身体と槍にまとわせ、呪文を詠唱し始める。


「D’e quintos arubareta, siene saruvatos om……」


 だが、今回は完全詠唱させてくれるほど、ファルカロスも甘くはなかった。


「私は早く魔王様の許に行かねばならない。君と遊んでやる暇が無くなったんだ」


「……innguram ici, L’quplle おっ!?」

 バフンッ!


 アントンは、ファルカロスがいきなり距離を詰めて来て、『魔力の盾』でバッシュしてきたことに不意を突かれ、詠唱を中断して間合いを開ける。


「ふむ、アントン・シエイエス。ここからは人混ぜせず二人きりの勝負だ。私の見たところ、ド・ヴァンの魔力は間もなく尽きる。彼を殺したくなければ急いで私を倒すか、さもなければ彼を連れて逃げるんだな」


 そう言うと、魔力を最大限まで解放した。


 ズゴゴゴゴゴ……


 ファルカロスの周囲に暗緑色の魔力が沸き立ち、それは周囲の空間を振動させる。20ヤードほど離れているアントンも、その振動を肌で感じていた。


「空間規定を習得していない君たちには、私の命を刈り取ることなどできない。それを思い知らせてあげよう。『夜叉万華ヘルイドスコープ』でな!」


 ファルカロスの高笑いと共に、アントンは闇に満たされた空間へと閉じ込められた。


   ★ ★ ★ ★ ★


「これが隻眼の賢者スリング様の『風の魔障壁(グレート・ウォール)』か。聞きしに勝る強力な魔法だな。ジン、これをどうやって突破する?」


 僕たちはド・ヴァンさんたちと別れた後、魔物1匹すらいない荒野を駆けに駆け、遂に『約束の地』がある台地上に到達したが、そこで目にしたのは強大で強力な風の壁だった。


 『風の魔障壁』……それは、千年に一人の天才と言われたスリング様……魔導士エウルア・ライムがその持てる知識と能力をすべて傾けて編み上げた究極の防御魔法であり、物理攻撃はもちろん魔法攻撃すら完全に阻止し、何なら魔力そのものすら通さない完璧な『難攻不落の壁』だった。


 だからこそ、スリング様自身が解くまで、魔王の魔力を完全に封じ込めていたのだ。そんな魔法を解くか破砕しなければ、この中にある『魔王の心臓』に指一本触れられない。


 しかし、魔法を解くとか、無効化するといった手段は、魔法そのものの性質を知らないと取れる方法ではない。魔法体系図すら見たことのない僕にとって、『風の魔障壁』を無効化や解除は、あまりにも難易度が高すぎる。


 かと言って……


「魔力の量が違いすぎるだけでも攻略困難なのに、質も段違いだわ。かなり密度も高いし堅い……結節すら壁の中に隠されているし……」


 『風の魔障壁』をじっと見つめていたジンジャーさんが、諦めたようにそう言って首を振る。ワインが何も言わないのは、さしもの彼でもジンジャーさんと見立てが同じだからだろう。


「でも、何とかしてこの中に入らないと、ド・ヴァンさんたちの努力が無駄になっちゃう。

 ジン、何とかならないかなぁ? 地下を行くとか……」


 シェリーがそう言って僕を見る。しかし、僕より先にアイリスさんがアンバーの瞳を光らせて首を振った。


「ご主人様、魔力を解析したところ、この魔力は天空高くから台地の下まで、ずっと効果範囲になっています。地下を行っても魔力の壁に阻まれるでしょう。やはりこの魔法を解除しないと、先に進むことは難しいと思われます」


「……やはり押し通るしか道はない、か。しかし、風の壁がどのくらい厚いのかも判らないうちは、むやみに突入もできないな……」


 ラムさんは長剣に手をかけてそうつぶやくと、ワインを振り返って訊いた。


「そうだ、転移魔法陣! ワイン、君の転移魔法陣では、この中に入られないのか?」


 ワインは肩をすくめて首を横に振りながら答える。


「試してみたが、やはり『風の魔障壁』が魔力すら通さないって話は本当だったよ。この暴風の内側に出口を設定できないんだ」


「ワインお兄ちゃんの転移魔法陣でもダメなら、もう方法がないってことですか? そんな、せっかくここまで来たのに……」


 チャチャちゃんが悔しそうに、狙撃魔杖を撫でながら言う。


 僕だって、ここまで来て手詰まりは嫌だ。マロンさんやスピリタス侯、シール戦士長をはじめ『勇士の軍団』のみんなの期待を背負ってここに居るからには、何としても『魔王の心臓』を止めねばならない。


(……考えろ、考えるんだ。どんな魔法でも対処法はあるはずだ。みんなの努力を無駄にしないために……何か方法はないか考えるんだ!)


 僕の前では『風の魔障壁』はごうごうと音を立てて猛っている。その凄まじい音は、僕をあざ笑っているかのようだ。


 その時、僕にある考えが稲妻のように閃いた。かなり強引なやり方だが、『風の魔障壁』の魔法体系図すら見たことのない僕にとって、取れる手段はこれしか思いつかなかった。


「みんな、もう少し離れてくれないか? できれば……」


 僕はそう言って周囲を見回すと、ちょうど50ヤードほど後ろに、身を隠せそうな岩があるのを見つけて、


「……あそこの岩陰に隠れておいてくれないか?」


 指をさして言う。


「それは構わないけど、一体何をする気?」


 シェリーが心配そうに訊いて来るが、僕はできるだけそっけなく答えた。


「『風の魔障壁』を吹き飛ばす」

「吹き飛ばすぅ!? いい、いったいどうやって!?」


 仰天するシェリーに、僕は薄く笑って答えた。


「もし俺が『伝説の英雄』なら、このくらいの魔法を吹き飛ばせないで魔王に勝てると思うか?」


 僕の答えを聞いて、真っ先に賛成したのはワインだった。


「……分かったよジン。キミの魔力は『約束の地( ここ )』に近付くにつれて等比級数的に増えている。どんな魔法を選択するかは知らないが、キミならできるだろうと信じているよ」


 そう言うと、ワインはシェリーやラムさんに


「シェリーちゃん、ラムさん、岩陰に行こう。ジンジャーさん、チャチャちゃん、アイリスさんもついておいで」


 そう呼びかけ、岩陰の方に歩いて行った。


 僕は6人が岩陰に隠れたのを確認すると、『風の魔障壁』に正対する。相変わらず轟音を立てながら吹きすさぶ風の壁を凝視しながら、僕は魔力を集め始めた。


「D’e quintos arubareta, siene saruvatos om innguram ici, L’quplle ‘est vanita……」



「……ここは……どこ?……」


 藁のベッドに寝かされていた12・3歳の少女は、うっすらと目を開けるとそうつぶやく。乾草の匂いが彼女を再び眠りに引き込もうとするが、少女は気だるげに身を起こしながら、頭を緩く振って眠気を振り払おうとする。若葉のような髪の毛が、さらりと少女の白い肩にかかった。


「やあ、マロン。お目覚めかい?」


 マロンと呼ばれた少女はその声で意識がはっきりしたのか、声がした方にハッと顔を向ける。部屋の入り口のドアに、年の頃は22・3歳、白髪で緋色の冷たい瞳をした青年が腕を組んで彼女を見つめていた。


「アルケー・クロウ! なぜわたくしがあなたの所に!? あなた、わたくしに一体何をしたの!?」


 アルケー・クロウと呼ばれた青年は、マロンの非難の視線を受けても動じず、


「忠告しただろう?『運命の背反者(エピメイア)』が君を狙っていると。だから君を安全な所にご案内しただけだ。君が寝ている間、君には指一本触れていないから心配するな」


 姿勢すら変えずにそう答える。


 マロンはベッドの上に座り直し、


「わたくしはその提案を断ったはずです。ダイをはじめスコッチやガン・スミスは魔王を迎え撃つために布陣しています。『勇士の軍団』遊撃部隊の指揮官として、指揮を執らねばなりません。今すぐわたくしを元の所に戻してください!」


 怒りを露わにしてアルケーに言う。


 しかし、アルケーは首を振りきっぱりと言った。


「ダメだ。君にはエピメイアとの戦いまで生き延びてもらわないといけないからね。魔王との戦いの段階で君を失うわけにはいかないんだ」


「……『勇士の軍団』の状況は? あなたがここに居るということは、本隊は壊滅したってことでしょうか?」


 マロンがアルケーを睨みつけながら訊くと、アルケーは緩く首を振って答える。


「俺は魔軍2万を『勇士の軍団』本隊の正面まで引っ張って行っただけだ。後の戦いには手を出していない。

 ただ、『勇士の軍団』本隊が壊滅したのはお見込みのとおりだ。代わりに魔軍2万も全滅したがね」


 それを聞いたマロンは、すくっと立ち上がった。新緑のような瞳に、この上ない怒りの炎が燃えている。


「……アルケー、あなた自分が何をしたのか解っているの!?『勇士の軍団』の本隊……『左龍軍団』と『右鳳軍団』が全滅したら、魔王が放つ魔軍に人間が対抗できると思っているの!? あなたはわたくしやジン様の味方だと信じていたのに、見損なったわ!」


 怒りで肩を震わせるマロンに、アルケーは初めて視線を向ける。どこか悲しそうで、落ち着きのない視線だった。


(……アルケーが後悔している? いったいどうしたって言うの?)


 アルケーの視線から、悪い予感を覚えたマロンは、怒りを鎮めて言った。


「……何か、手違いがあったみたいね? あなたの考えは判らないけれど、事態があなたの意図せぬ方向に進んでいることだけは分かるわ。

 お願いアルケー、そろそろ本当のことを教えて? あなたとは一緒に世界の真理を探し、エピメイアを封印した仲間じゃない。

 あなたがそんな眼をするときは、物事が自分の予期せぬ悪い方向に転がって行っている時だわ。話してもらえたら、わたくしだってできる限りの協力をするのに」


 アルケーは一瞬、泣きそうな顔をしたが、すぐに物思いに沈む顔になり、


「……俺は、『虚空ヌル』の存在を軽視していた……いや、正確には『統合意識がそれ自体の意思をもって世界に干渉できる』などとは想像もしていなかった……」


 そうつぶやくように言う。マロンは黙ってうなずき、先を促した。


「俺は目覚めた時、違和感を覚えた。その違和感は5千年前の俺から目覚めさせられたために引き起こったものだと考えていたが、実際はそうではなかった。俺はある根本的な勘違いをしていたんだ」


 アルケーは自嘲気味に言う。マロンはそんなアルケーの態度に、胸騒ぎを覚え始めており、それがマロンから言葉を奪った。


「俺は最初、お前と組んで、ジンとエピメイアを排除するつもりだった。魔王に勝ったジンがエピメイアと相討ちになってくれるのがベストで、そのように運命が転がっていくよう動いていた。


 だが、お前がジンと組んだことや、ダイ・アクーニンという男が現れたことで計画を変更した。最終的には俺とマロンが生き残る世界であることは同じだが、そこに場合によってはジンも加えてもいいと考え直したんだ。そのため、エピメイアとは表面上の同盟を結び、お前とも協力関係でいることにした」


「……わたくしやジン様と手を結ぶというのは、いい判断だと思いますよ? それで、あなたがした根本的な勘違いとは? そして現状のどこが想定外なのですか?」


 マロンがやっとのことで訊く。『最終的に世界に生き残るのは自分とマロンとジン』という言葉を聞いて、マロンの表情は少し和らいでいた。


「俺は、エピメイアを『魔族の敵』として弾劾し、奴の『摂理の二柱』としての権能を『摂理の調停者(プロノイア)』に剥奪してもらう算段だった。

 そのため、ジンが我が『掟』に抵触しないよう、ジンと魔王を戦わせないようお前に頼んだんだ」


「……そういうことだったのね。わたくしは単に魔王がバーボンとして実体を持ったため、ジン様と戦わせるなと言ったのかと思っていました。


 いずれにせよ、ジン様は『遊撃軍団』とも『猟兵軍団』とも別れ、『魔王の心臓』を止めるため、別行動を取ってもらっています。ダイやスコッチ、ガン・スミスたちが頑張れば、ジン様と魔王が正面切って戦うことはないはずです」


 マロンがそう言うと、アルケーは沈痛な面持ちで衝撃的な事実をマロンに伝えた。


「……そのスコッチたちだが、何度かの激戦の末、魔軍を全滅させた。しかし、魔王自らが陣地に攻め寄せたため、『遊撃部隊』も全滅してしまった」


 アルケーの言葉を聞いて、マロンは一瞬頭が真っ白になった。


「……ど、どういうことなの? それで、ダイは? 彼が生き残っているのなら、魔王に再戦を挑むはずよ?」


 やっとのことでそう訊くマロンに、アルケーは物憂げに答えた。


「ダイは生き残っているが、正体不明の魔導士と共に魔王を追っている。こう言った俺にも予想できなかった因子ファクターが、俺の計画を悉く狂わせてしまった。

 その魔導士の正体が分からないうちは、俺もダイには手出しできないんだ」



 僕は、目の前に立ちふさがる『風の魔障壁』に向かって、呪文詠唱を始めた。


「D’e quintos arubareta, siene saruvatos om innguram ici, L’quplle ‘est vanita……」


 詠唱が進むにつれて、僕の胸に翠の光が灯り、魔力を乗せた風を集め始める。僕はゆっくりと『払暁の神剣』を抜き放った。神剣は翠の光を放ち、かすかに振動してすでに魔力をかなり集めている。


「……Asumosu de la Dekeitoum Erekura Blossom alles Explosion! 台地に根付く魔力を吹き飛ばせ、ステージ5『大地の審判(スーパープルーム)』!」


 僕が『払暁の神剣』を大地に突き刺すと同時に、神剣と周囲に集まった『風』の魔力は『風の魔障壁』の外側に障壁を作った。それに刹那の間遅れて、


 ズドドーンッ!


 『風の魔障壁』が吹き荒れている大地から、『土』の魔力が溶岩のように噴き上がって来た。その魔力は『風の魔障壁』を形作っていた魔力と反応し、凄まじい大爆発を起こす。


 しかし、すべては『風』魔法の障壁内部で起こった出来事だったため、目の前で起こったどんな爆発も、爆風も、僕たちに損害を与えることはできなかった。


 濛々とした砂塵が巻き上がり、さっきまで耳を聾するほど吹き荒れていた暴風もすっかり消えている。


「ジン、凄い音がしたけど、何をしたの? 大丈夫?」


 爆音が消えると、岩陰からシェリーが恐る恐る顔を出して、僕に問いかけてくる。


「……魔障壁が消えている……団長、一体どんな魔法を使ったんです?」


 ラムさんもびっくり顔でこちらに駆け寄りながら聞いて来る。


「……魔力にも序列がある。風の精霊王が扱う魔法の最上位なら、土の精霊覇王が使う魔法の最上位でなら対応できないか試しただけだ」


 僕が『払暁の神剣』を地面から引き抜きながら答えると、


「じゃ、早く『魔王の心臓』を止めちゃいましょう!」


 チャチャちゃんが元気いっぱいにそう言って、『約束の地』へと駈け出そうとした。


 それを制したのが、ワインだった。


「待て、チャチャちゃん。魔王の仲間のお出ましだ」


 それを聞いて、シェリーは肩から弓を外して矢をつがえ、ラムさんとアイリスさんは長剣や槍を構えて僕の前に進み出る。


 そしてワインは槍の鞘を払い、ジンジャーさんはいつの間にか隠形していた。


 まだ土煙は完全に収まってはいない。だが、僕たちが進む方向に、誰かがいることは確実だった。地を這うような魔力と、圧倒的な存在感が、砂塵の向こうから感じられた。


 そして砂塵が収まった時、僕はわが目と耳を疑った。そこに居たのは銀髪を肩まで伸ばした中年の戦士だったが、彼はこう名乗ったからだ。


「よく来た、『伝説の英雄』ジン・クロウ。我は魔界を統べる魔王にして、摂理の完全を求めるエピメイア様の仲間、バーボン・クロウだ」


   ★ ★ ★ ★ ★


 ファルカロスの周囲に暗緑色の魔力が沸き立ち、それは周囲の空間を振動させる。20ヤードほど離れているアントンも、その振動を肌で感じていた。


「空間規定を習得していない君たちには、私の命を刈り取ることなどできない。それを思い知らせてあげよう。『夜叉万華ヘルイドスコープ』でな!」


 ファルカロスの高笑いと共に、アントンは闇に満たされた空間へと閉じ込められた。


(マズいな。この空間では俺の五感はほぼ役に立たない)


 アントンが閉じ込められた空間は、万華鏡の世界だった。光源のない光が世界に満ち、そして周囲には自分自身が空間に映り込んでいる。だが、ファルカロスの姿は見えない。


「私の世界へようこそ。ここは虚が実になり、実が虚になる世界だ。この世界からは逃げられないぞ。覚悟しておくといい」


 ファルカロスの声と共に、


 バシュシュンッ!

「むっ!?」


 四方八方から魔弾の雨がアントンを襲う。


「やっ!」

 ドガガンッ!


 アントンは槍を水車のように回して魔弾を弾く。


「ほう、なかなかやるじゃないか。だが、その知覚はいつまで持つかな?」


 ズドドドドンッ!

「くっ!」


 バン、ガン、バシンッ、ギュワンッ、ドガンッ!


 次から次へと襲い来る魔弾を、アントンは辛くもかわし、弾き続けたが、目の前の万華鏡に映り込んだ魔弾の軌跡を錯覚した。


 ドムッ!

「うぐっ!」


 ついに腹部に魔弾を受けたアントンは、それで一瞬動きが止まりかけたが、


(いかん、目で追えば幻惑される)


 アントンは迷わず目を閉じる。


「観念したかい? 目を閉じるなんて殊勝なことだね!」


 ズドズドズドズドズドッ!


 ファルカロスは勝ち誇ったような声で言い、勝負を決めるために今までにも増して多くの魔弾を撃って来た。


「『風の発散(アウスストレメン)』っ!」

 ズバンッ!


 アントンは風の拡散魔法で、襲い来る魔弾を全弾叩き落した。


「ホムンクルスにしてはやるじゃないか。だが、防御ばかりじゃ勝てないよ? それに君の魔力だって無尽蔵じゃないだろうしね」


 ファルカロスは、楽しそうにそう言うと、続けざまに魔弾を放ってくる。アントンはそれを吹き飛ばし、避け、叩き落しながらも、


(この世界の結節は外にあるようだ。外からなら、この箱庭世界を破砕できるんだが……団長に期待するしかないだろうな……)


 ド・ヴァンを信じて、ひたすらファルカロスの攻撃に耐えることにしたのだった。



 一方で、ド・ヴァンはファルカロスが呼び出した幻獣相手に苦戦していた。

 無論、彼が万全の体調なら、グリズリーのような獣がどれだけ襲ってきても歯牙にもかけないだろうが、今はファルカロスの魔弾を受けて重傷を負っているうえに、そのケガをカバーするため魔力も気力も戦闘以外にも振り向けなければならない状態だった。


「明鏡止水っ!」

 ズバンッ!


 ガアアアッ!


 ド・ヴァンの魔力が青い軌跡を残して、グリズリーたちを両断する。一度に数頭のグリズリーを倒しても、魔物は次から次へと湧いてくるので、ド・ヴァンには一息つく暇もなかった。


(……こいつらをいくら相手にしてもダメだ。元から断たねば……次元の結節はどこだ?)


 ド・ヴァンも、この不毛な戦いを続ける意思は毛頭ない。そのため、彼は戦いながらグリズリーたちが転移してくる『次元の穴』を探していた。


(あそこか!)


 ド・ヴァンは、グリズリーたちが蝟集している場所に、探していた『次元の穴』が口を開いているのを見つけた。今まで見つからなかったのは、ド・ヴァンがグリズリーたちの攻撃パターンに慣れるのに精一杯だったことと、グリズリーたちの群れで隠れていたからだろう。


 だが、目指すものを見つけた後のド・ヴァンの行動は素早く、かつ果断だった。『次元の穴』を塞ぎさえすれば、これ以上幻獣が増えることもない。そして幻獣たちを呼び出した張本人は、アントンを倒すために自らの異空間に閉じこもっている。


「兵は拙速を尊ぶ!」


 ド・ヴァンはそう言うと、身体を水色の魔力で覆い、グリズリーの群れに吶喊する。


「道を開けたまえ!」

 ズシュッ!


 グアオウッ!


 グリズリーたちも、どこから仲間が来るかを知っており、仲間が多ければ多いほど自分たちにとって有利であることも理解しているようで、次から次へとド・ヴァンの前に立ち現れては、『次元の穴』に近付けないよう攻撃してくる。


「ムダなことは止したまえ!」

 ザシュッ、ズバンッ、ズシュッ!


 ゴウッ、ガオウッ、ギャンッ!


 ド・ヴァンは、自らの進路を塞ぐ魔物を悉くその双剣の餌食にする。敵の補給路を断てば、後は残敵掃討に移ることができる。いわば戦いの終わりが見える状態になったため、ド・ヴァンの士気も高まっていたのだ。


(もう少しだ!)


 『次元の穴』まであと20ヤードという所で、グリズリーたちはスクラムを組んでド・ヴァンの前に立ち塞がる。体長が5メートルもある魔物が横一列に並んだ様は壮観であり、また威圧的でもあったが、


「邪魔しないでくれたまえ! 『明鏡止水』っ!」

 ズババババーンッ!


 グオウアウ、ギョエウオウッ!


 ド・ヴァンは畢生の魔力を込めて双剣を振り、その魔刃は数十頭のグリズリーを一刀両断にした。


「帰り道は塞いであげよう。こちらでゆっくり遊んで、摂理の許へ逝きたまえ!」


 パアンッ!


 ド・ヴァンは空中に浮かんでいた『次元の穴』の結節を、双剣で叩き斬る。空間の歪みは、鋭い金属音が響いたと思うと、ゆらゆら揺れながら虚空に吸い込まれるように消えた。


「さあ、後は君たちを虚空の許に還してあげよう」

 ズシャッ! バムッ! ドシュンッ!


 ド・ヴァンは、金髪を振り乱し、双剣を回しながら、当たるを幸いとグリズリーたちを斬りまくる。

 グリズリーは魔物の中でも獰猛な部類で、ド・ヴァンの雄姿を見ても恐れもせず、仲間が倒れても気にしない様子で襲い掛かって来るが、10分ほどの激闘が済んだ後、立っていたのはド・ヴァンだけだった。


「……やれやれ、百を超えるグリズリーを相手にするのも一苦労だったよ」


 ド・ヴァンは、そう言って50ヤードほど先の空間に目を向ける。虹色に光る空間がそこに横たわっているのが見えた。


(あれが、ファルカロスが創り上げた次元空間か。まだ解除されていないということは、アントンが頑張ってくれているのだろうな)


 ド・ヴァンは気合を入れ直し、双剣を構えるとゆっくり『夜叉万華ヘルイドスコープ』へと歩き出す。ド・ヴァンの眼には、空間の結節がはっきりと見えていた。


(この空間を叩き割るということは、ファルカロスを自由にするのとある意味同義だ。何の工夫もなく手を出しても、また同じ展開になる可能性が高い。そうなると、ボクも限界を超えてしまうだろう。ここは『奥の手』を使うべきだろうな)


 ド・ヴァンは、イチかバチかの手に打って出ることにした。目を閉じて精神を集中すると、彼を包んでいた水色の魔力が紫に変わる。


「明鏡止水っ!」

 パアアアァァンッ!


 ド・ヴァンの魔刃は、ファルカロスの空間の結節を見事に破砕した。


 それと同時に、


 ドムドムドムドムッ!

「だっ!」


 ド・ヴァンは魔弾をその身に何発も受けて後ろに吹き飛ぶ。ファルカロスがアントンを狙った流れ弾に当たったのだ。


「団長っ!」


 アントンがド・ヴァンを振り返って叫ぶ。その隙を見逃すファルカロスではなかった。


「さらばだ! アントンっ!」

 ドムッ!


「ぐはあっ!?」


 ファルカロスの魔弾は、アントンの右胸を撃ち抜いたが、


「団員の仇っ!『崩壊不可避デスキューブ』!」

「何ッ!?」


 アントンを撃ち抜いて勝ったつもりでいたファルカロスは、ド・ヴァンに止めを刺すため『身体拡散』を解いた。その瞬間、ド・ヴァンの『奥の手』がファルカロスを捉えた。


「き、貴様は人間のはず。人間がなぜ、魔族の魔法を?」


 『崩壊不可避』に閉じ込められたファルカロスは、驚愕して叫ぶ。


 ド・ヴァンは、口からおびただしい鮮血を噴きながら立ち上がり、


「魔族は魔族の術式で摂理に還りたまえ」


 右手を『崩壊不可避』の空間に伸ばしてつぶやくと、


 ボシュッ!


 『デスキューブ』の名のとおり立方体に切り取られた空間は一瞬にして収縮し、


「ぐわっ!」


 ファルカロスの断末魔の声を残して消えた。


「……これで、団員の敵は討てた……」


 ド・ヴァンはそうつぶやくと、がっくりと膝をつく。


 アントンが、ド・ヴァンの様子を見て、唇の端から血を流しながらやっとのことで立ち上がって


「だ、団長……しっかりしてください」


 よろよろとド・ヴァンの側まで歩いて来て、がっくりと膝をついて言うと、ド・ヴァンは血の気が失せた顔で、それでも片方の頬で笑い、


「……ふふ、あの術式は団長くんから教わっていたんだ。ボクの魔力は魔族に近いから、この技だけは使えるんじゃないかってね。おかげで団員の仇を討てた。感謝するよ、アントン……げほっ!」


 そう言って再び鮮血を噴くと、そのままそこに座り込んだ。


「団長、俺は転移魔法陣が使えます。急いで『ドラゴン・シン』の集積所に転送しますので、治療を受けてください」


 アントンがそう言いながら、歯を食いしばって転移魔法陣を描きだすが、ド・ヴァンは緩く首を横に振り、


「いや、ボクはもう持ちそうにない。ひどく眠たくなってきたんだ。君こそボクに構わず早く治療を受けたまえ。そして、ボクたちの最期の戦いの様子を、メアリー・ツィツィに伝えてくれないか?」


 そう言うと目を閉じ、ゆっくりとスローモーションのように地面に転がった。まるで力尽きて崩れるような動きだった。


「団長!」


 アントンは転移魔法陣の発動を中止し、ド・ヴァンににじり寄って耳元でささやく。


「団長、気をしっかり持ってください!」


 苦しい息の下でアントンがそう言うと、ド・ヴァンはゆっくりと目を開ける。いつも鋭い光をたたえ澄んでいた瞳は、どんよりとしていた。


「……団長くん……ウォッカ、マディラ、ソルティ、ブルー……そしてボクの団員たちに永遠の友情を……」


 ド・ヴァンはそうつぶやくと、アントンに見守られながらがっくりと首を横に倒した。


 オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン。両大陸を代表する豪商の家に生まれ、類まれなる天性の資質を持った『騎士の中の騎士』、1級騎士団『ドラゴン・シン』のギルドマスターは、わずか21歳でその生涯を『暗黒領域』に閉じた。


   (魔王を狩ろう!その4に続く)

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

第5話『強敵を狩ろう!』で登場し、それから準レギュラー扱いになった騎士団『ドラゴン・シン』のオー・ド・ヴィー・ド・ヴァン団長。最初はギャグ要員として考えていたのですが、ジンの兄貴分としての行動が結構かっこよかったので、お気に入りのキャラの一人でした。

でも、物語が進むにつれて、『あ、この子は退場しちゃうんだな』と何となく感じていましたが、今回やはり退場してしまいました。

退場・生存どっちにしようか迷ったキャラの一人ですが、結局騎士団長としての責任感とジンへの友情を貫く美学に殉じた感じです。ファルカロスが強かったというのもありますが。

『テモフモフの遺産』との戦い以降、結構退場キャラが出て来ています。今後も退場するキャラがいますが、最終的には納得できるような話にしていきたいと思います。

次回は土曜日の19時から20時の投稿になります。お楽しみに。

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

【主な登場人物紹介】

■ドッカーノ村騎士団

♤ジン・ライム 18歳 ドッカーノ村騎士団の団長。典型的『鈍感系思わせぶり主人公』だったが、旅が彼を成長させている。いろんな人から好かれる『伝説の英雄』候補。

♤ワイン・レッド 18歳 ジンの幼馴染みでエルフ族。結構チャラい。水の槍使いで博学多才、智謀に長ける。『PTD7・淑女』と共に『PTD6・ナルシスト』を倒した。

♡シェリー・シュガー 18歳 ジンの幼馴染みでシルフの短剣使い。弓も使って長距離戦も受け持つ。ジン大好きっ子で負けフラグをへし折った『幼馴染ヒロイン』。

♡ラム・レーズン 19歳 ユニコーン族の娘で『伝説の英雄』を探す旅の途中、ジンのいる村に来た。魔力も強いし長剣の名手。シェリーのライバルである『正統派ヒロイン』。『右鳳軍団』に先行し、ジンと合流を果たした。

♡チャチャ・フォーク 14歳 マーターギ村出身の凄腕狙撃手。謎の組織から母を殺され、事件に関わったジンの騎士団に入団する。シェリーが大好きな『百合っ子ヒロイン』。

♡ジンジャー・エイル 21歳 他の騎士団に所属していたが、ジンにほれ込んで移籍してきた不思議な女性。闇魔法の使い手で、『PTD4・幽霊』を倒すも、右腕を失った。

♡メロン・ソーダ 年齢不詳 元は木々の精霊王マロン・デヴァステータだがその地位を剥奪された。『魔族の祖』アルケー・クロウの関係者で、彼を追っている。『勇士の軍団』遊撃部隊を率いていたが、現在行方不明。

♤ダイ・アクーニン 28歳 賢者ストックの息子で卓越した知力と魔法を誇る弓使い。魔王を目の敵にしているが、魔王の攻撃で仲間だった傭兵隊長コア・クトーや錬金術師のシロヴィン・ボルドーを失った。

♡アイリス・ララ 『PTD10・ドール』を名乗り、ジンを瀕死に追い込むほど善戦した自律的魔人形エランドール。ジンの魔力マナで再起動し、新たに仲間となった。

■トナーリマーチ騎士団『ドラゴン・シン』

♤オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン 21歳 アルクニー公国随一の騎士団『ドラゴン・シン』のギルドマスター。大商人の御曹司で、頭も切れ双剣の腕も確かだが女好き。

♤テキーラ・トゥモロウ 24歳 謎の組織から入団した男。いつもマントに身を包み、ペストマスクをつけている。ジンの父、バーボンの異母兄コニャックが父で、ジンジャーは実妹。魔王親衛隊オデッシアに止めを刺した後、ジンの許に急行中。

♡メアリー・ブラッドレイ 25歳『ドラゴン・シン』で物資調達を引き受けている槍使い。ド・ヴァンを詐欺ろうとして失敗、許されて彼に心酔し仲間になった。

■退場した仲間たち

♡レイラ・コパック 博識で氷魔法の使い手。スナイプのスカウトで加入した。『PTD5・法律家』を倒すも『PTD3・道化』に止めを刺された。享年17歳。

♡ウォーラ・ララ ジンの魔力マナで再起動した自律的魔人形エランドール。彼に献身的に仕えたが、『PTD2・戦士』との戦いで相討ちとなった。

♡ガイア・ララ 謎の組織の依頼でマッドな博士が造ったエランドールでウォーラの姉。『PTD1・学生』と対峙したが、相討ちとなって果てた。

♡エレーナ・ライム(賢者スナイプ)28歳『賢者会議』の一員だった才媛。ジンに自身が人工生命体ホムンクルスであることを明かし『風の宝玉の欠片』を譲る。『PTD3・道化』を倒すも、『道化』が残した瘴気に侵されてしまったが、マーリンの秘薬『諸刃の韻律』によって命は救われた。現在、視力を失いマーリンの許にいる。

♡マディラ・トゥデイ 『ドラゴン・シン』事務長。金髪碧眼で美男子のような女の子。『魔王親衛隊』のオデッシアが召喚したゴーレムに叩き潰された。享年20歳。

♡ソルティ・ドッグ 『ドラゴン・シン』の先鋒隊長である弓使い。調査・探索が得意。『魔王親衛隊』のオデッシアが召喚したゴーレムに握り潰された。享年21歳。

♤ウォッカ・イエスタデイ 『ドラゴン・シン』の副官。オーガの戦士長、スピリタスの息子で無口・生真面目な性格。大陸武闘大会で3連覇を果たすほどの戦士だったが、魔王親衛隊クン・バハに止めを刺しつつも力尽きる。享年21歳。

♤ブルー・ハワイ 『ドラゴン・シン」の遊撃兼偵察隊長である槍使い。記憶力と変装に優れ、情報を分析する能力に長ける。魔王親衛隊クン・バハと対峙し善戦したが、隙を衝かれて戦死した。享年25歳。

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