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ラプリシアの探検

こんにちわ!私はソロ冒険者のラプリシア!Bランクだよ!

昔々にメンバーとこじらせた挙げ句、追い出されました。

さらに根も葉もない悪評を広めるというおまけ付き!

やっぱり女3人寄れば姦しいって言うしね!男1人に女4人のチームだった。

おかげでソロ活動を余儀なくされました!

よかった!

余裕のあるときに初歩の治癒とか痛み止めとか身体強化のスキル覚えといて!


安全に格下を狩って細々とやっていたところ昔の仲間と偶然再会しまして。

向こうさんはだいぶ大きな団になっていました。

私が出ていった後は4人だったのに20人強の大規模までに育ってて。


出てった後はとにかく離れようと遠くに行ってからその周辺で仕事してたから

まさか会うなんて。


たまたま自分の分も合わせて採りにいこうかと自生スパイス"ペリッツ"の

採取依頼を持っていこうと思った時に依頼の紙が後ろから取り上げられ

反射で取り戻そうしたら昔のリーダーで呆然として。ううーん。

そっからこけにされて何やら凶悪なモンスターを狩るんだと自慢され…


記憶が定かでないや。我ながら動揺しすぎだったな。


ほんとだったら依頼の分と余分に自分の分採ってって思ったんだけど…

怒り少し悲しみ多大で森の中歩いていた。

はした金でもお金はお金なのに


高ランクモンスターはめったにいない森だし

でかい虫モンスター程度?ワームなら糸と毒にさえ注意すればいいし。

鎌持ちは速い上に鎌は割と斬れちゃうので。目をつけられたくないね。

大木をすぱっとまではいかなくても人間の骨ならいけることもある。

そういうのに出くわすときにかぎって布の薄い服着てたりするからね。


「ペリッツみっけ」赤っぽい実の中の種を乾燥させて潰して肉にかけると

美味しいんだよ。野営とかしょっちゅうだからね。

でも材料もあまりない中で凝った料理もできるはずもなく。

日持ちする食料なんて買い込めるほど財力はないから。

これを振りかけてお肉を焼くと美味しいんだよ。

お肉だけだとどうしても味気なくなってしまうからね。

こいつ(ペリッツ)なしの食事は信じられない。


ほぼ毎日現地調達。我ながら野性的な生活をしてるなあ。

数日フィールドに出て、まとめて受けた依頼をこなしてから

街に戻って換金して一晩だけ宿で休む。


Bラン(弱小)ソロ冒険者なんて数ヶ月で潰れるのが定石なんだけど

なんだかんだ保ってるのが意外だ。どこでも寝れるのが幸いしてるのかな。


Aランはソロでも同格を狩れる。なんかそこまでいくと財力とか貴重な素材とかで

装備の底上げもあって渡り合ってたりする。

リスクも高いからあまりいないけど。


Bランはせめて同ランクペアでもいいが人数がほしい。

私の装備はごみだ。ほんとは昇格したてだったんだ。

装備に充てるはずだった資金と素材を旅の費用に充てて。


Cランはランク上のメンバーにくっついていって死なないことがお仕事かな

完全に安全だとわかってる場所での採取で出くわした中型モンスターを

倒せたりするとランクをあがれたりする。

まあこのへんはいいとして


装備も新しくしたいけど生活費でカツカツな私にはハードルが高い。

でも同格ともやり合わないと装備も変えれないし、余剰な金なんてできるわけない。

でもそのための装備がない。

でも整えるための資金がない。

って永遠ループしてる…うー。


スンスン スンスン


森の奥から肉が焼けてる匂いがする。

こんなところに人住んでたっけ。まあありえるか。

ここまで深いとこに来たことはないから気づかなかっただけだろう。

森の道なき道を匂いで辿っていくと部分的に森が切り開かれている。

確かに誰かが住んでるようだ。切り株も穴凹もないから

土で埋めたあとに芝生が生え揃うくらい昔から?


そこそこ深い森でここまで整備するのは至極重労働だったろうに。

もしかして洞窟をおうちにしてるのかな。かっこいいな。

私も手頃な洞窟見つけたらおうちにしてみようっと。


火が焚かれていて長い串にでっかいお肉が刺さってる。

こいつが匂いの元だったのか…いいのかな。おいしそうに焼けてるけど。

もうちょっとしたら焦げそう。いや余計なことはするまい。


ちょっと周りを見てから帰ろうかな。目的のものをろくに探さずに

来てしまったから帰りに採ろう。こんなとこで暮らす人ってどんなのだろうな。

集落ってわけでもなさそうだし。串の数は4本だった。小家族?


会ってみたいけどどれでどうするのさ。言葉の通じないやつだったら

気まずい気がするじゃん。

「なんだてめえ、オデのナワバリに入りやがって。やっつけてやる」

的な展開になったら困るじゃん。


触らぬ飛竜に災害なし うんうん。


でも気になるから4本の内1本だけ抜いて石に置いとこう。

うん。1本だけならもしなんらかの事情があっても怒られないでしょ。

火が当たらない程度にでも冷えない程度に離しておく。



ザササッ


木が揺れる音がしてバッと振り返る。

木立の隙間から見えるのは4つ足…馬?

こんな森の中じゃその機動力も活かせないだろうに。

白馬のようだが薄紫のギザ模様が何本か走っている。


下半身しか見えないなあ。大樹に隠れちゃってる。

このへんは半分樹海と化してるから。

なんでさっきまで気づかなかったんだろう。

もしかして警戒させちゃってたかな。


横尻だけ見せていた馬が向きを変え斜め向こう側に歩を進める。

おかげでこっちには気づかないまま私は馬?の全貌を目の当たりにした。

…馬じゃない。

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