mission、俺が言うべき言葉
「私はね……魔法が使えるの」
「えっ……」
俺は、即理解することは出来ず驚きの言葉を口にして固まってしまった。
「信じられないって顔だね。まぁ当たり前か」
榎本さんは楽しげに指でクルクルと空中に円を描いた。
「じゃあ、俺が…榎本さんを……になったのも…」
「それは別件。ちゃんと春原くんの感情から生まれたものだよ。」
止んでた雪がまた降りだしたのが窓から見える。
「私が使えるのは限られているの。」
榎本さんは、少し声のボリュームを落として言う。
「……?」
「雪を降らせる魔法だけ。今雪が降っているのは私のせい」
俺は何も言えなかった。何と答えたらベストなのかを考えてしまっていたからだ。でも、正直な感想を言うならば、まるで……
「まるで、ア○雪みたいだね。」
榎本さんが不意を衝かれたような表情になる。
その顔をみて俺はハッと口を押さえた。
思ったことをそのまま口にしてしまっていたらしい。
どっどっどうしよう!
「ごっごめん、なんでも…」
そこまで言った俺は榎本さんの顔をみてハッとした。
彼女は、笑顔だった。今にも散りそうな桜のような儚げでは、あったが笑って榎本さんはいう。
「本当だね。気づかなかったわ。」
俺が何か言おうと口を開きかけた。
榎本さんは遮って話を続ける。
「今日は、もう帰ろうか。こんな私で良かったら、明日も仲良くしてね。春原くんといると楽しいから。じゃあ」
榎本さんが軽く手をあげた。
彼女は最後に明日ね。とは言わなかった。俺が榎本さんをどう思うか、そして明日どうするのか、分からないから明日の約束をしないのだろう。彼女と仲良くするか判断は俺に任せるということだろうか?それなら、俺はこういうべきじゃないだろうか?
「……うん。また明日。」
俺がそう言い終わると榎本さんは嬉しそうに笑った。そして、人差し指で右目を擦った。
「また、明日ね。」
榎本さんは小さく手を降って改札口に吸い込まれていった。
やーとファンタジー要素入りました。
ファンタジー系書くのは初めですが、頑張ります!




