mission、俺これでも男だから
映画館デートとは、すごくいいものだ。と俺は思う。
口下手な俺が一所懸命に考え喋るのは、少し辛いときもあるのだが映画館は喋ることがマナー違反だ。喋らなきゃいけない場面もなく、この大画面に集中していいのだ。
映画館出たら、この映画の感想言い合おうかな
なんて、気楽な考えを持てるようにまで成長していた。
文庫本で人気があって、それが映画化されたものが放映中だったので俺たちは迷わずそれを選んだ。
「榎本さんって、映画館来たらポップコーン買う派?買わない派?」
俺は売店のカウンター上にあるメニューを眺めながら横に並んでいる榎本さんに話しかけた。
「モチロン‼買う派!飲み物とセットだと割引が効くよっ!」
榎本さんは、テンションが上がってるんだろうなと思えるような声でメニューを指差しながら言った。
「じゃあ、飲み物も買おうか」
俺は(ココは、リードしてやるぜ)と心に決め積極的にメニューについて語ってみた。
カウンターに並ぶ俺に1歩遅れて榎本さんが並ぶ。
注文しようとして改めてメニューを見た俺はあることに気づく。
「あーポップコーン大きいの1つにした方が安いから1つにしようか。塩でいい?」
榎本さんは、少し難しそうな顔をしたあと
「キャラメルと塩のハーフセットがいいな」
と提案をした。
「じゃあ、ポップコーンのキャラメルと塩のハーフを1つと俺が、カモミールティーで……榎本さんはコーヒーだっけ?」
斜め後ろに榎本さんがいることを確認しながら俺は注文が間違えてないか質問をした。
「うん。」
返事と共に榎本さんがコクンと縦に頷く。
俺は店員さんの方に向き直って口を開いた。
「あと、コーヒー1つお願いします。」
「……少々お待ち下さい。」
近くの受け取り口で並んで待つ。
「春原くんは、この映画の原作は読んだ?」
「いや、実は読んでないんだ。人気なのは知ってるんだけど……」
「私は読んだんだ。スッゴク良かった!」
キラキラとした瞳で榎本さんが語りだす。
「そうか、楽しみだ。」
「実は、あの二人は〜で〜なんだけど……!」
「榎本さん…それネタバレ……」
榎本さんは、ハッとした顔になった。そして、照れたようにエヘヘと笑った。
「ごめんね。つい…」
その顔が可愛くて、俺もつい微笑んでいた。
そうして、楽しんでいると過ぎる時間ははやくすぐに注文したものがカウンターに並んだ。
榎本さんがトレーに手を伸ばしかける。
それを俺は横から奪った。
「いいよ、俺もつから」
榎本さんは、嬉しそうに笑う。
ありがとうって言葉をつけて…
んー引っ張りすぎですかね(笑)
ファンタジー要素全くなし…これからなんですけどね?




