人生初の連続!?
「うわ少食男子って顔しているのによく食べるんだねぇー」
榎本さんは俺の前の席でニコニコとそんなことを言う。
「それよく言われるんだよな~」
俺は独り言のようにそう言った。
「でしょ!あんまり食べませんって感じだもの。最高でどのくらい食べたことある?」
なにやら難しい質問だ。俺は後頭部を掻きながら考えた。
「ん~牛丼3杯くらい?このくらいの丼で」
俺は手でサイズを示した。
「ほぉやりますな。私なら1杯で充分・・・」
「いやぁ...一応、これでも男ですから」
いかにも優男といった顔を気にしながら(小さい頃は女の子とよく間違われた)ささやかに自分の性別を主張した。
「やっぱり、そうだよねー!うちの弟もよく食べるもん」
「えっ榎本さん。兄弟いるんだ?一人っ子かなーって思ってた!」
榎本さんは、話上手だ。彼女のペースにのせられて俺は自然に彼女と話せてしまっていた。
女の子と話すのって楽しいかも...
そんな風に話が盛り上がっている中ふっと榎本さんが俺の後ろに視線を動かした。
「あー春原くん!早く食べないと午後の講義間に合わないよ~」
榎本は壁時計で時間を確かめたらしく慌てたようにご飯を口に運んだ。
「残念。榎本さん。俺もう食べ終わってる。」
俺は空の丼を誇らしげに見せつけた。
「えーいつのまにぃ~」
かきこむように榎本さんは食べ始めた。
「落ち着いて食べないと喉に詰まるよ」
「おちふいてなんへぇたべれないお……」
リスのように膨らんだほっぺたでまだ喋ろうと努力する姿が面白くて俺はクスリと笑った。
程無くして榎本さんは、箸をおいた。
「ごちそーさまです!」
パチンと両手を合わせ満足した幸せそうな顔で小さくそう言った。
「片付けよっか」「やばーい!残り10分‼」
榎本さんは、バタバタと荷物をまとめると返却口へと向かった。
カタンと食器を置くと学食のおばちゃんにも声をかける。
「ごちそーさまでした!」「はい。どうもー」
反射でいい子だなと俺は思う。
「そうだ。」
榎本さんが俺の方に振り替える。
「午後の講義は、次で終わりだよね?」
「うん。そうだけど……」
「ヒマ?」
「特にこれと言って用事はないけど……」
「じゃあこれ終わったらデートしよう!話してて楽しいかったし、もっと春原くんのこと知りたいなぁーなんて……ダメ?」
ちょっとおどけたように首をかしげて榎本さんはこちらをうかがっていた。
こんな風に誘われて断れる男がいるだろうか?俺は人生初の勇気を使った。
「いいよ。デートしよ」
「やった。じゃあ講義終わったら正門の時計台前で」
それだけ伝えると榎本さんは逆方向に走り出した。
少しして講義開始のチャイムがなる。
俺も彼女を追うようにして走り出した。
今回は大学生だから、高校生とは違った雰囲気にしたいなぁ~なんて奮闘中です。
大学生って感じてもらえるかな?




