第七話:戦術都市 中編
悟は洋式トイレに腰掛け、足を組み気色悪い、薄ら笑いを浮かべながら
スマホを操作する。
悟「くっくっくっ、大層立派なレーダーを使っているようだが、
これには対応出来るかな?」
その頃、安倍 守の画面に飛行する物体がレーダーに捉えられる。
安「随分と小さく複数の反応…なんだ鳥の群れか、このゲームは
リアル志向過ぎて普通に関係のない鳥とかランダムに飛んで
いるからな、まあそのこだわりがこのゲームの魅力でもある
けど紛らわしいなぁー。」
安倍はパソコンを操作して、無人偵察機を飛ばす。
安倍の飛ばした無人偵察機は打ち落とされることもなく悟の拠点の
情報を送信してくる。
安「おい、どうして偵察機を打ち落とさないっ、何かの罠かっ!!」
そう、安倍が思った時、無人機は悟の拠点の対空砲によって撃ち落された。
安「なんだ、迎撃に遅れただけか…四天王と言われてるが偵察機の迎撃も
瞬時に行えないのではたいしたことないな。」
安倍は偵察機から送られてきた情報に目を通す。
安「なるほど、港に四十隻のイージス艦か…港にはそれだけか、そして
今の所、滑走路にも動きがないかどうやらまともな偵察が出来なく
て動けないといったところか、だったら今が動く時だな。」
安倍は悟の拠点の方角に向けて火炎放射戦車(九十七式中戦車)
投入していく、そして森の木々を焼き払い、最短で進行可能な道を作り出す。
安「普通ならこのような進行方法は遅い上、敵の爆撃に合うリスクが高い、
だが私の強力なレーダーによってすぐさま迎撃可能なためこのような
方法が成立する。
しかも、道を作ってしまえば多くの補給や兵器を最前線にすぐさま
供給可能となる。
これが私の戦術、ヴィクトリーロード!!
勝利の道も私色に染め上げて見せましょう。」
その頃、悟は、もう楽しくて仕方なくて、最早魔物の形相となっていた。
悟「ぐひひひっ、さあ、俺の拠点情報を手に入れてそろそろ進行してくる
だろう、まあ今のままでも勝てるがまだ泳がせた方がきっといい断末魔を
あげてくれるはずだ、だから後少し惨殺するのを我慢しないと。」
そんな、もう楽しくて仕方ない悟の耳に、便所の外の音が聞こえてくる。
その音は悟の嫉妬した園児三人の声だった。
園児1「おいっ、悟の奴どこなんだよっ!!」
園児2「確かに外に出ていったんだけどなぁー。」
園児3「そういや、悟と一緒にいる三浦が知ってるんじゃね?」
園児1「それだっ!!」
園児三人は教室で積み木で遊んでいる三浦に詰め寄る。
園児1「おい、三浦っ!!、お前悟が何処にいるか知ってるだろ!!」
そして少し間をおいて三浦は、応えた。
三浦「確か、悟くんなら飼育小屋に行くって言ってたけど?」
園児3「飼育小屋だな。」
園児1「行くぞっ!!」
園児三人は飼育小屋に向かって走り出す。
そんな外の状況を悟は聞いていた。
悟(心)「流石、俺の忠実な下僕、三浦くんは俺のオーダーにしたがって
嘘の情報をあの馬鹿園児三人に流してくれたようだ。
これで、あと少し時間が稼げたな。」
悟がそんなことを思っていた時だった。
悟のレーダーに三つの小さな飛行物体が映った、その大きさから鳥だと確認する。
そして、その鳥は拠点の敷地に降りたった。
それを確認した悟も口元が三日月のようにつり上がる。
悟「これで、ようやく楽しく惨殺出来る、くくっ、チャリオット安倍よっ、
生きてるのが辛くなるぐらいの嬲り殺しを体験させてやるよっ!!」
その頃、安倍は最短距離の進行ルートを着実に作っていた。
安「よし、順調に道が出来てる、これなら後、数分で私の装輪装甲車部隊を
投入出来そうですね。
これで私の勝ちは目前…」
安倍がそう思った時だった、安倍のパソコンに損害報告が出た。
それを見た安倍が驚愕の表情を浮かべ、脂汗を垂れ流す。
安「なっ、どういうことなんだっ!!…ありえないっ、何故まともな偵察も
行ってないのにっ、何故、私の戦術都市の電力供給を支える発電用の
ダムを破壊出来たんだっ!!」




