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第一話:課金馬鹿

 Ultimatewar、それはスマホ、パソコン向け戦争ゲームである。


  プレイヤーは、軍の指揮 官として兵士たちの特性などを考え配置し相手の陣地

に攻め込み、敵 を全滅させるか指揮官を仕留めるか降伏させることが勝利条件

である。


  ゲームの基本のシステムは、出撃させる兵士にどの座標に向かいどのような

作戦行動をとるのか指示しておき、あとは兵士たちの性能によってその状況

にあわせて行動する。


 そんな兵士や兵器の侵攻を単純な地図で表された画面、地形などが立体的に

 表され小さなミニ兵士やミニ兵器が行き交うのが現された画面、そして最後

 にまるで戦争映画の中に入り込んだかのような超リアル映像画面の三つの

 画面モードに切り替え楽しめるのもこのゲームの醍醐味だ。


 出撃した後でも指示をすることは、可能だが、このゲームでは、それが命取

りになる,なぜならその指示を相手プレイーヤーに傍受されたりする危険性が

このゲームには存在する。


 そう、このゲームは、とてもシビアな設定が多く、風向きや天候などの条件

がリアルタイムで 変化したり、新しいアイテムが出てもどのように使うかも

解らず又、アイテム合成なども運営側は、何一つヒントを公表してないので

自力で何とかするしかない。


 しかも偵察機などを飛ばさないと敵兵の位置や敵拠点や周辺の地形などが一

切判らない。

  それらを考慮したうえでどのような指示を兵士に出して置くのか、補給を

どやって前線まで届 けるかなどもはやゲームとは、呼べない、まさにリア

ルな戦場設定である。


   だがそんなゲームに4人の強者が存在した。


    小さな兵力と物資で勝利をもぎ取る「silverコマンド」


    大量の課金アイテムで敵を圧倒する「課金狂獣ミツル」


    敵に希望を抱かせ最後に一方的に殲滅する「鬼畜王D」


    バランスの取れた戦略に定評のある「スマート伊藤」


    これは、強者4人の生き様を描いた熱き物語である。


 その部屋には、パソコン画面が五台ならび、暗い部屋を青白く照らしている。


 右二台の画面には、株価と為替がグラフで表示され左二台の画面には、

国際的な政治情勢や自 然災害などがながれている。


 だが中央の画面だけは Ultimatewar の画面が映し出され画面の前には

プラチナブロンドの美しいロングヘアーの一人の少女が 足を組んで女

帝のように鎮座し中央の画面を獲物を品定めする蛇のように見つめていた。


少女の名は、一之瀬 神流。 年齢:十六歳、花も恥らうJKであり

Ultimatewarでは、誰もが恐れる超重課金プレイヤー、課金狂獣

ミツルが彼女のもう一つの顔である。


 神流は登校時間が迫っているにもかかわらず登校準備もしていない。


 神流にとって学校など卒業できればいいのであって出席日数を稼ぐ

 以外出る必要がない。

  それに神流にとって、なんの苦労もしてない同年代の平和ボケし

 た顔を見るのは虫唾が走る以外の何者でもない。


 そんな暇があれば株や為替取引で資産を増やし、この世で君臨する

 力を蓄えるそれが神流の流儀だ。


 そんな神流を熱くさせるものがUltimatewar だった。


 Ultimatewar には、神流の求めるすべてがあった。

  負ければ蹂躙され勝てば全てを奪い取る!!そんな単純かつ純粋な

 弱肉強食の世界に魅せられた神流は、今日も画面の中の敵と喰う

 か喰われるかの戦いに興じるのであった。

  

神流「変ねぇ…偵察機も飛ばしてこないなんて、このゲームでは索敵が

   鍵を握るのにあえてそれをしない…ふふっ、どうやら相手は、

   かなり狡猾な狸野郎見たいね。」


   パソコン画面には 索敵完了の知らせが表示される。


神流(心)「90%完了、さすがに私の送り込んだ偵察機は打ち落としに

      きたみたいけどそれ以外のアクションは何一つみられない。

       そして天気は曇りで分厚い雲が空を覆っているこの状況

      …不気味ね。どんな手で攻めてくるのかしら90番台、空の

      大怪鳥田中!!」



 同時刻、ネットカフェの個室のパソコンの前に座って真剣な表情で画面

 を見ているサラリーマン、空の大怪鳥田中こと保険営業マン、田中 空男

 の姿があった。

  

  田中(心)「どうやら今のところはこちらの動きは、ばれてないようだ。

        だがまだ気を抜けないな、なんたって相手は課金狂獣ミツル

        だ、油断すれば…」

      

  田中の脳裏に浮かび上がる。


   それは、一瞬だった。

 

 ミツルの対戦相手は、決して弱くはない上位ランカーのタンク和人、その名の

 通り戦車メインの戦闘スタイルで緻密な戦略に定評のあるプレイヤーだった。


その日の戦闘も和人に落ち度など何一つなかった。

  だがミツルは、拠点からのありえないほどのミサイルを放ち和人の拠点も

 戦車も消し炭にしてミツルは、外に部隊を送ることなく勝利した。


 俺は思った、圧倒的な物量の前では戦略など無意味なのか、いや、そんなは

 ずはない絶対に突破口があるはずだ。


 いくら圧倒的な物量で攻められても戦略で凌駕できるはず、それを俺が証明

 してみせると!

 そして、飯食う時も、会社の重要なプレゼンの時も、営業で外回りしている

 時も、考察しまくって導き出された結果、レーダーに反応が出ないステルス

 爆撃機による視認による発見ができない高高度からの爆撃と超低高度からの

 ステルス戦闘機による高速接近による同時攻撃っ!!

 こちらの動きをつかめなければどんなに強大な課金兵器だろうと無意味だ、

 もし物量による拠点への直接攻撃が来ても迎撃用のミサイルなどの装備も

 万全だ。


 過去の対戦データからミツル側の拠点やその周辺の地形データも割り出した

 から偵察機を飛ばし初動を悟られる可能性も抑えられた、しかもミツルの拠

 点は地上からの進行がやりづらい山岳地帯だが超低空で進行するには山がい

 い目隠しになって見つかりにくい。


だが、これだけだと仮にも四強と言われているミツルを相手にするには保険

 会社の営業マンの俺としては、も一つ保険が欲しい、

 そこでブラフとしてステルス戦闘機ではないが性能的には申し分ないF-16

 戦闘機を先にミツルの拠点へ進行させることでこちらがメインの戦略だと思

 わせておきその間に高高度爆撃担当のB-2による高高度から進行とFー117

 の超低高度からの進行でのダ ブルアタック、これが俺、保険営業マン田中の

 戦術、トライデントクイックイーグルストライク。


しかも今日は、分厚い雲が発生して発見されにくい、我に勝機あ、


 次の瞬間、ミツル側から、戦闘機F-16の軍勢が飛び立ち始めた。


 田中「何だ、あの尋常じゃないF-16の量は、まさかこちら動きが気づかれ

    たのかっ!!」


 神流「ふっ、私がこの程度の動きに遅れを取ると思ってたの」


 不敵な笑みを浮かべる神流。


 田中「そんなっ、たった開始数分で負けるのかっ、…俺はっ!!」


 冷や汗が田中の額を流れ落ちる。


 神流「私は、この世界でどれだけの修羅場をかいくぐって来たと思ってるの

    、この程度のこと想定内だわ。」


 田中は、イナゴの軍勢の如く押し寄せるミツルのF-16を前に敗北を覚悟した。


 神流「ふふっ、この程度の株価の変動など、想定内っ、今よ、千株全

    て売り払えーっ」


 神流が気づいていたのは田中の戦略でなく株価の変動の方だった。


 田中「ふぅっ…あんな量出にでてくるからあせったよ…」


 冷や汗をかいた田中だったが安堵した表情に戻る。


  画面上に、ブラフで放った田中のF-16にミツルのF-16が吸い寄せられる

  ように殺到している様子が映し出されていた。


 田中「ひとまず、第一関門は、突破できたかな。さて本命を動かすか。」


 パソコンを操作して高高度からの爆撃担当のB-2と超低空からの攻撃担当の

 F-117を発進させた。


 田中「この勝負、俺がもらった!!」


 神流「私の勝ちね。今の取引で、五千万の利益かぁ、まあまあね。それと

    こっちは、敵の戦闘機と交戦中かぁ、まあとりあえず様子見ね。」


 神流の部屋のドアを母親がノックして部屋に入ってくる。


神流、母「神流、部屋に篭ってないでちゃんと学校にいきなさい。このまま

     だと高校卒業できなくなるわよ。」


神流「うっさいわねー、出席日数、計算して問題ないようにしてるんだから

   ガタガタ言わないでよ。」


神流、母「そんなこと言ってないで学校に行きなさい、友達を作ったりして

     学校生活を楽しめばいいじゃない、人間関係だって重要な勉強

     なのよっ!!」


神流「はっ、笑わせないでよ。あんな温室育ちの金魚みたいな奴らと話が

   合うわけないじゃない、一緒にいるだけ時間の無駄ね。」


神流、母「いい加減にしなさい。お母さんは、あなたのこと思っ」


 神流は母親の手に万札を握らせ耳元でこう言い放った。


神流「新しく、発表されたブランド物のバック、あれ欲しそうににしてた

   でしょ?でも手の届く金額じゃないわよね?」


神流、母「なっ…お金ででなんでも解決できるなんてそんな考え間違って」


神流「それじゃ、そのバック代全額負担してあげる。」


神流、母(心)「ぜっ、全額負担ですって!!…私がコツコツ節約して貯めた

        へそくりでも届かないもはや夢のまた夢だと思って諦めて

        た、あのバックが私の手に…だめよこんなことに屈したら

        母親の威厳がっ…」


神流「別に買収しょうってわけじゃないの、ただ日ごろの家事をがんばって

   くれてる母さんに私からささやかなプレゼントをしたいだけなの。

    …だだ、そんな母親思いの娘の我侭を少し聞いてくれたらなーって」


神流のゲスな囁きが母の倫理観を侵食し破壊してゆく。


神流、母「くっ…」


 そして母は、無言で部屋から去っていった。


神流(心)「この貨幣経済の世界でどんなに綺麗ごと言おうが金の前では

      無意味なのよ。

       この世は物も人の心も大概のものは金で買収できる。

      これがこの世の心理よ。」


神流「さて、そろそろ相手の拠点を突いてみよっと」


田中の拠点めがけて長距離弾道弾が又もイナゴの大群のように押し寄せる。


田中「くっ、判ってはいたが自分がこれを捌かないといけないとなるとぞ

   っとするな。

   …だが持ちこたえて見せるさっ、迎撃開始。」


迎え撃つ田中の迎撃システム、だがやはり物量の違いで、撃ち漏らした

ミサイルが田中の拠点を蝕んで行く。


田中「ははっマジかよ、もう拠点損傷率が30パーセントかっ、頼むっ

   あと数分もってくれっそうすればっ」

  (超低飛行で物凄い速度で深い峡谷をF-117が駆け抜ける。)


神流「へぇーっ、よくがんばってるわね。

    私が、直接、拠点から攻撃してくることを想定して迎撃

  のための準備してたんだ。…なかなかやるじゃない、でも

  このままだと勝てないわよ、まあ何か手があるんでしょう

  けどね。」


楽しそうに微笑む神流、そこに神流、父が部屋に入ってくる。


神流、父「神流っ、また母さんを買収してっ、今日という今日は

     、お前の根性叩き直してやるっパソコンからすぐに離

     れて学校に行けこのどら娘がっ」


神流「うっるさいわねー、今すごくいいとこなんだからっ!!

   話はあとで聞いてあげるからとっ

   とっと部屋から出て行って、しっしっ。」


 神流、父「なんだっ、親に対してその態度はっ誰のおかげで

      生活できてると思ってるんだっ」


 次の瞬間、父の顔面に、一千万の札束が顔面に横殴りされた。


 神流「じぁかましぃーわっ、この経営能力ゼロの屑親父がぁーっ」


 神流、父「ぎにゃーーっ」


 倒れた父親の上にマウントポジションになり、一千万の札束で殴打

 し続ける。


 神流「この屑親父っ、テメーの経営能力がゴミ過ぎて会社が倒産した

    時の負債処理してやったのは誰だぁーあぁーっ!!」


 神流、父「ぶげっ、あっ、あなた様でずっ」


 神流「だーれがっ、新しい会社設立の資金出してやったか覚えてん

    のかっ!!」


 神流、父「ぶげっ、あ、あなた様ぶげっ、ですっ」


 神流「そっれを、偉そうに、{誰のおかげで生活できてると思って

    るんだ}とかほざきあがってこの屑がっ身の程をしりあがれっ」


そういいながら殴打に使っていた札束を父の口に捻じ込みマウントポ

ジションを解除したとたん父は、「ひぃいぃぃぃっ」と言いながら

札束を咥えて一目散に逃げていった。


 神流「たくっ、朝からいいとこだったのに白けたじゃない。

    …まあそれよりどうなったかな?」


 そのころ田中は希望に満ち溢れた眼差しで画面を見つめていた。


 田中「くっ、拠点損傷率70%…だがっこの勝負俺の勝ちだっ。」


 田中のF-117が神流の拠点に進行が成功し攻撃を開始する。


 神流「いくらステルス戦闘機だからといっても気づかれずに

    ここまで接近は至難の業、私が主に自身の拠点から

    相手の拠点にミサイルなどの長距離攻撃メインで

    歩兵などを外に出さないから歩兵などの視認での発見

    の可能性が低いと読んで超低空からの進行を選んだって

    わけね。


    でも随分とリスクの高い方法をとったものね、どんなに

    レベルの高いパイロットを乗せてもそんな低空をしかも

    断崖絶壁すれすれを飛んでたら事故率も高いから無事に

    ここまでたどり着ける可能性も低いのに…でもリスクの

    先にこそ勝利があるって考え、嫌いじゃないわ。」


 そう言い微笑む神流


 神流「でも、その程度の武力で私は、落とせないわよっ。」


 田中のB-2も拠点に着いたと表示される

(分厚い雲の中を進むB-2)


 田中「これで終わりだぁぁーっ。」


 爆撃が開始され神流の拠点に炸裂する。


 神流の画面に拠点損害率が表示される。


 神流「ふふっ、なかなかの狸ね。最初のF-16はブラフなのは、

    想像がついたけどまさか超低空で進行させたF-117

    までブラフだったなんて…最っ高ーに楽しめたわ。」


 次の瞬間、神流の拠点が大量のクラスター爆弾が投下され

 火の海となり焼け落ちた。


田中「ついに、…ついにやったぞーっ、俺はっ、俺は間違って

   いなかったんだ。

    これでどんなに物量の差があろうが戦略次第で打ち倒

   すことが可能だと言う事が証明されたぞぉー」


田中は歓喜していたが画面を見て凍りついた。


田中「どっどういう、ことなんだ拠点もきっちり破壊した…

   なのに何故、制圧率が1%なんだっ、なにがどう

   なっているんだっ。」


 神流が椅子に女帝のように座り笑っていた


 神流「ふふっ、あはっ、あはははっ、ほんとすごいよ

    空の大怪鳥田中っ、今まで私の百あるうちの

    一拠点も落とせた人いなかったのに、褒めて

    あげるわ。 

     でも残念、そんなところに私の本体はいな

    いわよ。これが私の戦術、ホロウ・キャッスル

   (虚構の城)」


田中のパソコン画面に新たにいくつもの拠点の反応が映し出される。


田中「なんてことだっ、奴にこちらの動きを悟らせないために

   偵察機も飛ばさず過去の対戦データから拠点の座標を割

   り出し攻撃をしかけたがそれが仇となっちまったかっ…

   いやどちらにしてもまともに索敵などさせてもらえず

   他の拠点の場所などわからなかっただろう。」


田中に神流から降伏するようメッセージが届く


田中「降伏かぁ、確かにこれ以上は、こっちとしても物資が減らずに

   済む…だがここまで攻め込んで降伏などせんっ、ミツルの手の

   内を少しでも暴いて散ってくれるわっ!!」


田中は、新たな拠点の反応があるとこに向けて進行させた。


神流「ふーん、敗北はしても私の手の内を少しでも暴こうって考えみた

   いねっ。

    でも無駄よっこれから私の拠点にかすり傷一つ付けずに全滅

   するんだからっ。」


田中の進軍しているFー16、F-117、B-2に向かってイナゴの軍勢の

ようなおびただしい数の何かが迫ってくる。

 その正体に気づいた田中は、驚愕の表情を浮かべた。


田中「夥しい物量による攻撃や複数の拠点の数々でお前がとてつもない

   重課金プレーヤーだってことはわかってたよ…だが運営側があま

   りにも強力すぎるが故に手が出せない金額に設定し一機、リアル

   な金額で百万円もする最強の戦闘機F-22ラプター、それが今、

   大群で俺を殲滅しにきてやがるっ、テメー一体どんだけ金つぎ

   こみやがったぁーっ」


田中の戦闘機や爆撃機は、一矢報いることなく次々と打ち落とされてゆく


神流「あーあっ、折角、降伏するよういったのに。」


  不敵な笑みを浮かべる神流


神流「田中、あなたの戦略で私のダミーだといっても拠点の一つを落と

   せたことは褒めてあげるわ。

    あなたがただ課金しているだけで戦略も何もない物量押しの奴

   に負けてたまるかって思いがひしひしと伝わってくるわ。

   でもこの物量を運用するかがすでに私の戦略の一つ、

   ゲームの世界はゲームの中だけで完結すると思っているのなら

   まだまだ甘いわっ、課金というシステムがあるのなら現実世界

   で課金するだけの資金を運用することすら勝つための戦略と

   いっても過言じゃないわ。


これが私の課金戦略、インフィニティー・マネーワークス(無限の札束製造)」


田中「認めんっ俺は、認めんぞーっ、こんな課金による物量が

   強さなど認めてたまるかーっ!!」


 田中の拠点からありったけのF-16が神流の放ったF-22ラプターに

 向かって雷のごとく飛んで行き空中で激しいドッグファイトが始まる。


 神流「もはや残りの兵力を投入したところであなたの戦略が敗北を

    帰した時点で私に一矢報いることなど無理なのよ。

     ここからは、私のターンよ。せいぜい私の勝利に華をさか

    せなさいっ」        


神流がパソコンに拠点進行の指示を出し神流の表情は、獰猛な獣ような

表情ではあるがそこには美しさも垣間見え戦の女神と化していた。


 神流「はぁぁーっ、金っ、金っ、金っ、金っ、金っ、勝利ッ!!!!!!!」」


 神流の叫びと共に田中のF-16が次々撃墜されて逝き、神流のF-22

 ラプターの何機かが田中の拠点に疾走してきた。


 神流「これで終わりよっ、消し飛びなさいっ」


 神流のF-22ラプターからミサイルが放たれ田中の拠点に炸裂し

 火柱があがり神流のパソコンの画面に制圧完了の文字が出た。



 田中は、パソコン画面の前でやる気をなくしたチンパンジー

 のようにうなだれていた。


 田中「くそっ、なんだよこの世は、愛だ友情だ努力が大事

    なんていっておきながら結局、金が全てなのかよっ

    …畜生っ俺の努力は何だったんだっ…はぁっ…会社

    、休も。」


 そのころ、神流は妖艶な笑みを浮かべご満悦だった。


 神流「あはははっ、地獄の沙汰も金次第、ゲームの世界も

    金次第、この世は金が全てなのよっ、持たぬ者は

    溝鼠の如く這いずり、持つものは百獣の王の如く

    君臨するっこれこそこの世の心理なのよっ。」


 高笑いする神流、次の瞬間、神流の部屋に一人の男が現れる。


 その男を見た神流は高笑いを止め表情が凍りついた。


 神流(心)「この世に存在するものなら神さえ買収する自信が

       私にはある。

        でもこの世にはそんな懐柔が効かない例外、

       私にとって最大の天敵が存在する。

       それが今、私の目の前に立っている男、私の

       小学生のころからの幼馴染、鬼弩 真二だ。


       こいつは私を登校させるためには手段を選ばない

       非人道的な奴でこの前、話術で言いくるめて学校

       をサボろうとしたら問答無用とか言って首根っこ

       鷲掴みで引きずって無理やり登校させるなどとい

       う暴挙で私の尊厳を踏みにじった屑野郎だ。」


 ナレーション「どう考えても神流が屑野郎。」


 神流(心)「でも今回は私の勝ちよ、鬼弩、あなたに穏便に

       話術で丸め込もうとしたのが敗因、その程度の

       ことでは、この屑野郎のメンタルを揺さぶるの

       は不可能だとこの前、証明された。

        でも今回は、話術なんて生易しい手段じゃな

       くどんな高潔な人間の心もブレイクする手段を

       用意したわっ。」


 鬼弩「神流、早く準備しないと遅刻するぞ。…もしかしてまた

    サボろうって思ってるんじゃないだろうな。」


 神流「ええ、出席日数さえ稼げば卒業できるし問題ないでしょ。」


 鬼弩「はぁーっ、またそんなこと言って、まあ無理やりにでも

    連れて行くけどな。」


 神流「まあまあ、あなたが私のため思って私のこと思って迎えに

    来てくれているのは感謝してるわ。

     そんな鬼弩に私からプレゼントがあるの。」


 そういうと神流は、机の引き出しから紙を束ねている塊を取り

 出した。


 それは札束だった。


 神流「これは、私のほんの感謝の印よ。

    三百万あるわっ、高校生のお小遣い額の何倍かしら?これ

    だけあれば学校終わりの学生ライフをエンジョイしたり、

    高校生では手の届かない金額の物だって余裕で買えるわよ。」


 神流(心)「高校生のみみっちい、小遣いの数百倍もの金額を前に

       して心の揺らがない奴なんているはずがないっ。

        そして揺らいでる隙にこちらの要求をのませるッ!!」


 神流「そのかわりと言ってはなんだけど私がサボるのを見逃してほ

    しいの。

     あなたは、私を見逃すだけで大金が懐に転がり込む、

    おいしい話でしょ?」


 神流の話を聞いて少し考えこむと鬼弩は、手を前に出した。


 神流「それじゃー交渉成立ということで」


 神流(心)「これで私の勝ちね。」


 神流が札束を手渡した。鬼弩がそれを受け取りこれでことが

 済んだかと思われたその時、鬼弩が神流から受け取った札束

 で神流の顔面を殴打した。


 神流「ルーぶるっ!!」


 神流は、わけのわからない叫びを上げ、その場に倒れこみ驚愕

 の表情で鬼弩を見上げる。


 鬼弩「まさか付き合いの長い俺を買収しようとするなんて覚悟

    はできてんだろぉーなぁー。」


 拳を鳴らし不動明王のような表情で神流を見下ろす鬼弩、

 後ずさりする神流。


 神流「まっ、まって、はは話し合いましょ、君みたいな高潔で

    友人思いな人に三百万じゃ、少なかったわよね。

     五百万円だしましょうっ…つ。」


 鬼弩「てめーこの期に及んでまだ金で解決できると思ってんのか。

     ここまで正根腐ってやがるとは、まあいいや、今から容赦

    なく叩き直してやるから歯ぁー食いしばれ。」


 神流(心)「なんてことなのっ、あれだけの金額を前にして揺ら

       がないですってー、てっそんな場合じゃないわっ、

       このままだと私、ご臨終してしまうわっ」


 神流「まっ、待ってよ、仮にも私は、か弱い女の子よっ、

    ぼぼ暴力反対っ!!」


 鬼弩「知ってるか、神の前では皆平等って言葉、この言葉は皆平等

    に扱えという意味で屑はたとえ女だろうが平等に血祭りに上

    げろという実に素晴らしい意味になるんだよっ。」


 神流「明らかに、解釈間違って、ぎにゃーーーーーっ!!!」


 数分後、神流の部屋から鬼弩が出てきた。鬼弩の手には、モザイク

 加工された神流が引きずられていた。


 神流、父「鬼弩君、悪いねー神流の相手させてしまって。」


 鬼弩「いえ、御気になさらず。」


    そういうと鬼弩はモザイク加工された神流を引きずりながら

    神流邸の玄関を出た。


    モザイク状態から復活した神流と鬼弩が並んで高校までの道

    を歩いてゆく。


 鬼弩「今度、買収しようとしたらこの程度じゃすまないからな。」


 神流「わっ、わかったわよ今回のは、私が悪かったわ。

    …でも正直あの額見て心が揺らがなかったの?」


 鬼弩「?、なんで?」


 神流「なんでって、私を見逃せば手に入ったのよ。それをな…」


 鬼弩「あんな、紙切れよりも君のことが心配だからに

    決まってるからだろ。」


 神流「なっ…」


 神流は頬を赤くしてうつむいて鬼弩のほうを少し見ながら

 むずがゆそうに小声でこう言った。


 神流「…ばか」


強者達の熱い戦いはまだまだ続く。

 



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