新しい友達、紅さん。よろしくね♪
side 由美
はぁ、はぁ、はぁ。
やっと教室に着いた。
みんな、友達と話してて、ざわざわしてるなぁ。
うーん、私も話したいけど、みんなもう話し始めてるし…
「神城さん、こんにちは」
「え、あ、こんにちは!」
…いきなり話しかけられたけど、この子誰だっけ?
「あ、私美由希。紅 美由希。
よろしくね」
「紅さんかぁ…。
紅さん、よろしくね」
・・・紅さん⁉︎
あの、友達作りの天才と呼ばれる紅さん⁉︎
にしても、可愛いな。
「はい♪
そういえば、神城さん、誰か待ってるの?」
「え、いや、誰も…」
「そうなの?じゃあ、私と話さない?」
「いいですよ。」
「…」
返事をしたら、紅さんが黙り込んでしまった。
私、なんか悪いこと言ったかなぁ…
「あ、あの、紅さん…?」
「あ、ごめんなさい!
あまりに可愛いから…」
「え?」
紅さんから、予想しなかった返事が返ってきて驚く私。
「神城さん、髪型に気を使ってるの?」
あ、髪型のことか。
私の髪は腰ほどまであるロングストレートで、ほんの少し茶色がかかっている。
いつもきれいにするんだけど、今日は特に気合を入れてお手入れしたんだよね。
気づいてくれて嬉しいな。
「え、あぁ、まあね」
「ふふ、どうりで可愛いと思うわけだ。
そうだ、ちょっと待ってて」
そう言って紅さんはバッグの中から何かを探し出した。
「紅さん、どうしたの?」
「これ、神城さんに似合うと思って。」
そう言って、紅さんはバッグの中からゴムとシュシュを取り出して私の髪につけた。
「わっ、可愛い‼︎」
紅さんの手鏡を借りて自分を見てみるととても可愛らしくふんわりとしたイメージになっている。
「うん、やっぱり似合ってる。あ、それあげるよ。
友達記念!」
「あ、ありがとう」
あ、チャイムだ。
「あ、チャイムなっちゃった…
じゃ!」
そう言って紅さんは席に着いた。
ふふ、また明日も話せるかな?