七夕
七夕はタクちゃんと付き合いだしてからちょうど1年経つ。
いろいろなことがあったなぁ〜。
喧嘩したり泣かされたりもした。
怒ったりなんかした時もあった。
タクちゃんはよくいろんな女の人をとっかえひっかえしてて私は苦労したものだ。
出会いはほらっ、よくあるナンパ。
タクちゃんモテるからはじめはからかってるのかもと思って知らんぷりしてたの。けど、なん度も繰り返しアタックされて私はついに陥落。
七夕の日にタクちゃんの彼女となりました。
けれども、他の女の人からしたら私は何のつまらないただの女。納得なんかできなかったみたい。
私に言ってくる女もいた。
二人でデートしてる時にわざと邪魔をする女もいた。
けどね、タクちゃん相手にしなかったんだ。
私としてはサイッコーだったんだけど、ある日タクちゃんが体調を崩し、自宅で寝てるのを聞いた私は早速タクちゃんの自宅マンションへ行ったんだ。
タクちゃん、ヘラヘラしながらも嬉しそうに笑ってた。
その時近くにあったビデオカメラを見つけ、撮り始めたの。
その時何故かタクちゃんの肩のあたりが気になって何かもやもやしてて……、瞬間何かが写り込んでたの。気付いた時にはタクちゃん突然奇声を発して倒れちゃって、びっくりした私はビデオカメラを切るのを忘れ机に置いたままに…。
後から気づいた私は録画を停止し、撮っておいたタクちゃんの動画をみはじめたんだ。
するとね、重なるようにタクちゃんのそばに何かが写り込んでるのが見えたの。
よっく見ると、タクちゃんの肩のそばあたりに何かが写り込んでるのよ。再度再生をかけるとそこに写り込んでたのは…女だった。ただし、首しかなかった。
顔はむくんでてハッキリとした顔ではなかったけれど、思わず叫んでしまった。
「た、タクちゃん。これ…何?」
私の考えとタクちゃんの考えは同じであろうことは容易に想像できた。
「まっじかよ、これ、心霊ビデオじゃん。マジやベーよ。」
真っ青な顔でタクちゃんはそう呟いた。
「この顔に見覚えないの?」
「あるわけないだろ?あったらお前に教えてるって。」
でもタクちゃん、大勢の女の人に言い寄られてていちいち覚えてなんかいないと言うのをこっそり聞いてたんだよ。
霊の口元が動き何かを話してるようだった。
試しに声真似をしてみた。
でもわからなかった。
すると小さな声が…。
【…さ…。…たしを…ゆ…い。】
徐々に音声が聞こえてくる。
そして…。
【許さない。私を捨てておいて幸せになるなんて許さない。】
「ヒーィ。」私は怖くなってビデオカメラを置いた。
電源を切っても流れてくるその声はあの世からのメッセージだった。
後から人づてで聞いて分かったことなんだけど、一人振られた後に自殺してたんだよね。
よっぽど好きだったんだね。でも、タクちゃんは私のだから…。
奪おうとしたら全力で邪魔するよ。




