特別な夜
『しろ』、どこまでも続く『しろ』
どんなに時が流れても
この『しろ』は変わらない
それでも
1年の1度だけ
何時もと同じだけど
何時もと違う『しろ』がある
遠い昔、聖人の生誕を祝い
それよりも近い遠い昔、愛し合う人たちの大切な日に
雪の輪舞~特別な夜~
-スノー・ロンド-
クリスマス・イヴ
そう呼ばれる日が1年に1度だけある
その日は、深々と降り積もる雪も、静かにたたずむ木々も
何も変わり無いはずなのに
その日だけは、どうしても何かを期待してしまう
去年もその前も、その前の前も
ずっと同じ期待をして
でも、クリスマスに来るというサンタクロースは
あたしの事が嫌いみたいだった
ここに来てからどれだけの月日が流れたのか
もう、そんな事もわからない
最後にお母さんに会ったのは何時だったかな?
この部屋に居なきゃいけなくなった最初の夜
このベットで一緒に寝て
朝、目が覚めると
あたしはひとりだった
神様にお願いしたし、妖精さんにも数え切れないくらい
最初にサンタさんにそのお願いをした時
次の日の朝をもの凄く楽しみにしてた
でも、夜は特別でも、朝はやっぱり何時もと同じ
会いたい、もう1度・・・お母さんに
そうしたら、もうあたしは何も願わない
一生この部屋に居る事になって
二度と会えなくなっても
サンタさん、今日は特別な夜なんだよね?
いい子にしてたらお願いを聞いてくれるんだよね?
だったら、お願いします
お母さんに・・・会わせてください
「ふぁぁ…あさ……」
「また、ゆめ…見ちゃった」
「んっ、今日もいつもとおなじだね」
「今日は何をしよっかなぁ~…」
そっと起き上がった少女の枕の下、小さな手紙が静かに隠れていた
最初という事で2話続けて投稿してみました!
見てお分かりの通り時季がずれまくってますが
2話目はこれじゃないとダメなので
あえて続けて投稿してみました!