表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Do you love Alice?   作者: _(:D ゆあ 」∠)_
Ⅱ――Alice 猫とMad Tea-Party
7/67

3 帽子屋とウサギパートツー

昨日一日中PCが使えなかったので今日は二回更新です><

毎日更新って難しいなぁ……(遠い目


キャラクターが増えるとゲームの仲間が増えたみたいで楽しいです←

え、エシル……? 誰そr((


「黙れ」


 黒い、喪服のようなスーツに、純白の白手をはめている。一見執事のような服装だけど、漆黒の彼の頭には、まるで緊張感のないド派手な帽子が乗っかっていた。

 ……一体何故その趣味の悪い帽子を被っている……?


「ほらアット、アリスがきょとんとしちゃってるよ、貴方のその帽子のせいでさ」

「黙れ」

「ねえ登場してから『黙れ』しか言っていないけど大丈夫?」


 それにそろそろステッキ仕舞ってよ、と続けたエシルを一睨みしてから、渋々と言った感じでステッキを下ろす。

 それから私の方に向き直し、優雅な動作で帽子を外す。


「Good tea timeアリス。私は『帽子屋』のアット。今回の屋敷は少々過激なところに立っているが、よく来てくれた」

「ええよろしく。……アットでいいかしら。それと、少々過激って……?」

「気が付かないのか?」


 す、と彼の視線が右下に流れた。何があるのかと思わず体を強張らせた時、からん、と足元の小石が落ちた。

 ……ん? 落ちた?


「君は足を動かさない方がいい。落ちるぞ」

「せっかく俺が無事に届けたって言うのにさー、落ちるって可哀そうだよねー」


 私の爪先の地面がない。

 恐る恐る足元を見ると、下にはごうごうと音を立てて流れる――いや、暴れる川。落ちたら生きて帰れないと思う。

 そう、ここは、


「崖の上――――っ!?」


 あり得ない、あり得なってこれ!

 こんな所に屋敷が立つはずがないと思い周りを見回すと、黒い、大きな建物が目に入った。

 黒いレンガで作られたその屋敷は、私の周りの木も慄くような威圧感を発している。カーテンは所々開いていて、廃墟という訳でもなさそうだ。大きめのドアには『帽子屋敷 入ったら殺す by三月ウサギ』と書かれたプレートが掛けられていた。


「……三月ウサギ……?」

「私の部下だ。まあ、会っても良いことはな、」


 ぱあん。

 アットのセリフをかき消すような破裂音がして、私の横に立っていた木に黒い鉛がめり込んだ。


「………………っ?」


 音のした方を見てみると、黒い拳銃を構えている、まだ幼さが残る男の人が立っていた。私と同じくらいの歳か、あるいは少し上か。


「お前、敵か?」

「て、敵じゃないって……って言うかそれより……」


 私の目線が彼の頭に行ったのを見て、思わず頭のモノを手で隠した。


「み、耳を見るなぁ!」

「あら、イイと思うわよ。白ウサギと違って立ったウサギ耳も可愛らしいじゃない。それに、色も可愛いし」


 そう、彼の頭の上にはふかふかの、カフェオレ色のピンと立ったウサ耳が付いていたのだ。少し癖毛の暗い金髪によく似合う耳が。

 手に持った物は彼の容姿にミスマッチだが、なんだかそう、


「可愛い……」

「えーアリス、俺の耳はぁー?」

「アルク、オアはどうした」

「ちょっとアット、俺の存在スルーしないでほしいなぁー」

「見えない」


 エシルの方向を見ずにさらりと冷たく言い放つ。それから私を安全なところまで誘導し、可愛らしいウサギの人――アルクと言うらしい――に銃を下ろすように言った。


「……遂に存在をスルーされるところまで来ちゃったのね……」

「何のことだ。私はいたって健康体、視力だっていい」

「……まあいいけど…………」


 苦笑いを浮かべてエシルの方を見るも、彼は気にしていない模様。「あ、紅茶なら俺も飲むー」と言いながら私たちの後をついてくる。


「お前に飲ませる紅茶はない」

「アットがそういうならオレが猫退治しようか?」


 にやり、と嗤い私に向けられていた黒い銃の口をエシルの方に向ける。ちらりとアットの方を見ていることから、彼のゴーサインを待っていると言う事が分かった。

 この人……いや、このウサギ本気だ……。

 気が付くとアルクから嘲笑うような笑みは抜け、しっかりとエシルに狙いを定めている真剣な表情が浮かんでいた。それに比べてエシルはいつものシニカルな笑みを浮かべている。逃げ出そうとする気配も、対抗をしようとする気配も感じられない。


「ちょっ、止めないのアット!」


 冷や汗を浮かべながら助けを求めると、彼は溜息を吐き空を仰いだ。


「……いい天気だ…………」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ