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Do you love Alice?   作者: _(:D ゆあ 」∠)_
Ⅶ――Alice おもいだす
51/67

9 ショッキングピンク


「……ここ、何処?」


 エシルに連れてこられたのは森の奥。正に見渡す限り木々。最早木以外のものが見つからない。来るまでは丁度良かった気温が急に低くなり、半そでの服から出た私の腕が寒さで鳥肌。

 何でこんな所に連れて来たんだと反論すると、曖昧な笑顔を浮かべる。


「ん、ちょっとね」


 それから悲しそうな表情になり、一輪の紅い花の所まで歩いていく。


「…………何してんの?」

「うん」


 そこの近くでしゃがみ込み、きゅっと目を強く瞑って手を合わせたエシル。その後ろ姿に向かって声をかける。

 少しの間そのままの状態で、ようやく気が済んだのか目を開けてゆっくり立ち上がる。


「ついて来てくれてありがとう。でももう、ここにも来ないかな」

「……エシル?」

「ここね、夫人の墓なんだ。ほら、この世界命が軽いでしょ? だから立派な墓なんて作れなかったんだけど。……この小さなものでも、彼女はきっと笑ってくれるから」


 そう言って、近くにある花を愛おしそうに見る。


「……今迄、ここでずっと懺悔してたんだ。馬鹿みたいに毎日。少しでも俺のしたことを赦してもらえるようにって。でも貴女に会って、こんなこと意味がないかもとか思い始めたんだ。ほら、今は今、過去は過去って。綺麗さっぱり忘れ去る事なんてできない。でも、一生ここに縋りついて泣くこともできない。だったら、前を見てみようと思って」


 へへへ、と頬を掻いたエシルは、私の目を見て続けた。


「ありがとう」

「……別に、感謝されることなんてなぁんにもやってないわよ、私」

「それでもいいんだ。俺が楽になったからね。ちゃんとエシルも『チェシャ猫』も肯定する。……出来る気がするんだよ」


 金色の瞳は純粋に輝いている。なんの色も交じっていない、黄金に。


「アビに自殺止められたとき、正直言って嬉しかった。……それを気づかせてくれたのはアリス何だよ」


 ……きっと、彼はもう大丈夫だ。過去から離れて、それでも後悔をして、そして――アビと仲直りできる。

 私はほっと胸をなでおろした。自分の事でもないのに嬉しい。エシルに頼られたのが嬉しい。……あれ?

 さっきなんて思った? ん? んん? ちょっと待って、エシルに頼られたのが嬉しい? …………あれぇぇぇっ?


「な、なななな、何思って……」


 ば、馬鹿じゃないの私ぃ! 恋をしたら死ぬのよ! って言うかその前に目の前のこいつは変態で変人でストーカー野郎で白スーツで人殺しでピンクの猫じゃない! あり得ないあり得ない……。


「何やってるのアリス。新しい遊び?」

「ばばば馬鹿じゃないのエシル! 木の幹に頭ぶつけてなんかないわよ!」

「……俺何も言ってないんだけど」

「ああそう!」


 ……おかしいよ私、何か狂ってる! そうか、ここの住人達に頭の色が染められたのね。見事なショッキングピンクに!


「…………やっぱおかしいって、貴女」


 ふわり。

 私の前髪をあげて、エシルが額に手を置く。普通の人より高めの体温が直接当たり、その熱が一気に全身に行き渡る。顔が熱い。卵焼きできるんじゃないかと思うほどの温度だ。


「……? 熱でもあるんじゃない?」



どぅゆありももう少しで終わります

……あくまでも予定ですが←

自作も多分アリスモチーフです

ホラー色が濃いやつ書きたいです



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