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Do you love Alice?   作者: _(:D ゆあ 」∠)_
Ⅶ――Alice おもいだす
45/67

3 久しぶり!


「ディー、ダム!」


 声を上げたとたんに抱きついてきた二人の勢いに負けて、ぼふっと三人でベッドに倒れこむ。背中に当たるふわふわの枕が妙に心地よい。


「よかった、本当によかった! ね、ディー」

「そうだねぇっ。僕達すっごく心配したんだよね、ダム」

「そうだよそうだよ。後でイグも呼んでこようね、ディー」

「イグも心配してたんだよね、ダム」

「……あのねぇ、アリスの上で会話しないでくれるっ?」


 乱暴に怒鳴って、エシルが私の上のディーダムをべりっと効果音がつきそうな勢いで剥がす。気のせいだろうか、額には青筋。

 ぴくぴくと耳を動かし、未だ引っ付こうとしてくる二人に向けて、エシルは何かを投げつけた。白くて小さい、正方形のもの。……これってまさか……。


「アットのサンドウィッチ……」


 呟いたとたん、二人の顔から色素がなくなった。顔は恐怖のせいか固まり、微動だにしない。


「そーれっ」


 変な掛け声とともにサンドウィッチを二人めがけて投げつける。そこではっと意識を取り戻したのか、ディーが隣で未だにぼうっとしているダムを引っ張り、慌ててサンドウィッチから避ける。エシルの投げたそれは、ぺしゃ、と音を立てて床にダイブ。

 ……味はともかく、これってアットがココロをこめて作ってくれたものよね……こんなことしていいのかしら……。

 アットに悪いと思い、とりあえず二個目を構えているエシルの腕をつかみ、止める。


「ちょっ、アットがかわいそうだってこんなの、」

「……この惨事は一体何なんだ?」


 私の声と、不機嫌そうな低い男性の声が重なった。聞き覚えのあるその声に思わず振り向くと、相変わらず燕尾服をぴっちりと着た、悪趣味な帽子の青年の姿。


「アット!」

「おはようアリス。目が覚めてよかった。……ところで、これは何だ?」


 漆黒の瞳を殺意でぎらりと光らせ、背後に黒いオーラを背負ったアットは、黒いステッキで荒々しく床をたたく。がつん、と大きな音がしたのは気のせいだろうか……。

 その音でびくりと肩を震わせたエシルとディーとダムは、窓に向かって走る。……うわあ、人(約一名猫)ってこんなに早く走れるんだ……。


「逃がさないぞ。アルク」

「いえっさ!」


 三人(二人と一匹?)が逃げようとした窓から、にょっこりとカフェオレ色のウサ耳と同時に、暗い金髪が姿を現した。


「あ、久しぶりアリス。でもオレ、今やることあるんだよなぁ……」


 しゅぼん、と耳を残念そうに垂らしてから、アルクはにいっと嗤った。


「でも、すぐ終わらせるから大丈夫だぜ!」


 窓の冊子に手をつき、懐から手榴弾を取り出したダムに向かってまずは蹴りを繰り出す。お腹にもろで喰らい、腰を折ったダムを見て、横で「ダムっ!」と悲鳴を上げたディーに向けてナイフを投げる。金色の線は真っ直ぐディーに向かう。


「ちょっと、俺最近運動不足なんだからやめてよね」


 きん、と音を立てて、エシルがそのナイフを叩き落した。床に落ちた小型のナイフは、丁寧で細かいウサギが彫られていた。


「……運動不足?」


 何だよ、お前毎晩暗殺の仕事引き受けてるくせに、と呟いたアルクは、少し考え込んでから「ああ!」と手をたたいた。ふわふわの耳がぴんと立つ。


「アリス寝ずに看病してたもんな! 一日の睡眠時間三十分だってアビから聴いたぞ!」


 その瞬間、エシルの笑顔がぴきりと凍りついた。……いや、空気自体が凍りついた。そのことに気がついていないアルクは、未だ独り言をぽつぽつと言っている。


「あのー……」


 本人は気がついていないかもしれないが、今のエシルはさっきのアットと同じくらい怖い。どのくらい怖いかと言うと、あいつの顔が直視できないくらいだ。


「……アルク」



どうでも良いですが、星野はペンタブを買うことになりましたV(^-^)V

と言うわけで、浮き足立っています


わーいわーい(゜∇゜)

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