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Do you love Alice?   作者: _(:D ゆあ 」∠)_
Ⅶ――Alice おもいだす
43/67

番外編 欲情、してますか?



パソコンが壊れて更新できないため、携帯でぽちぽちやりました

本編と全く関係ないです

スルーOKです


それでも良ければどうぞ↓








 麗らかな午後。いつもの如く窓から私の部屋に侵入してきたエシル。それを当たり前のように空気の存在にしていると、奴が行きなり口を開いた。


「アリス、よくよく考えるとさー、俺らってお互いの事良く知らないんだよねー」


 だから何だと言い返そうとしたとき、「反論したらキスするからね」と脅されて、口を閉じる。


「だぁーいじょうぶ。俺だって年中欲情してる訳じゃないって」

「信用出来ない」


 ふい、とそっぽを向く。その私の前に、エシルがニヤニヤとシニカルな笑みを浮かべて立った。気のせいだろうか、ピンクの耳はピコピコと楽しそうに動いており、金の瞳は玩具を見つめているような純粋の輝き。


「うっ……」


 今までの苦い思い出はどこに行ったんだと訊きたいほどのかわりっぷりに、心が揺らぐ。こいつだって心を入れ替えたのかも知れない。確かに、年中欲情している訳ではなかろう。アビだってアルクだってオア君だって、獣耳を持ってるもののそこまで欲情していない。


「……そう言えば、何でエシルはそんなに欲に従順なの?」


 気になったので訊いてみると、エシルが珍しく目を丸くした。な、何か変なこと言ったかなぁ……?


「ぷっ、あははっ!」

「……何で笑うの」

「だってさー」


 クスクスとお腹を押さえて笑いながら、目尻に浮かんだ涙を拭き取る。よっぽど可笑しいのだろう、痙攣を起こしそうな勢いだ。

 笑われるのはいい気がしないので軽く睨み付ける。


「怖い怖い。だってアリスが欲に従順って。……ぷっ、駄目だギャップが」


 まだ笑い出しそうな勢いのエシルの鳩尾に蹴りを入れる。「ぐふっ!?」と悲鳴を上げて腰を折ったエシルは、近くにあった机に手を付き体制を整えた。


「……で? 質問に答えてよ」

「ああ、なんだっけ?」

「だぁーかぁーらぁー。エシルがその、無駄に欲に従順してるのは何でかって訊いてるの」


 今度は笑われないように慎重に訊く。


「うーん。俺が考えるに、別に俺だけが欲情してる訳じゃないと思うんだよね」

「はぁ? どの口が言うか」

「あのねぇ。アビだって欲に従順だよ」


 むー、と口を尖らせて反論するエシル。

 ……アビが……?

 私の脳裏に、いつも仕事で忙しそうにしている彼の姿が浮かぶ。

 ……ないだろ。


「アビはいつも仕事で忙しそうにしているんだよ。何で欲に従順? 寧ろ全く達成できてないじゃない」

「……アビは仕事大好き何だよ。だから言うならば、『仕事欲』」


 仕事欲……。物好きな奴だ……。


「あ、じゃあオア君は? ……睡眠欲か」

「せいかーい。因みに俺はせいよ、」


 く、と言ったと同時に、エシルの腹にグーパンを突き付ける。再び呻き声を上げて腰を折った彼は、涙目で「……凶暴すぎない……?」と反論した。

 ふい、と顔を逸らして無視をして、まだ名前がでていないアルクの事を訊いてみた。


「アルクはなんなの? あの人畜無害な生き物は」

「…………『アット欲』……?」


 何それ。聴いたことないんですけど。


「どんな欲よ……?」

「アットに懐いたり、何かと言うとアットを呼んでいるでしょ? そんな感じ」


 ……つまり、エシルの相手がアットに変わったみたいな? まあ、あの純粋無垢ウサギには下心と言うものがないだけましか……?


「アリス、何か今俺の事悪く思ってない?」


 上から言葉が降ってきて気が付くと、エシルの顔が思ったよりも近くにあった。奴の鼻先と私の鼻先が挨拶をしそうな距離。

 いけない。この距離は非常にいけない。


「ちょっ、離れろ変態っ……!」

「うーん、無理」


 エシルの方から、甘い薔薇の香りが鼻を付く。頭がぼおっとして来る。


「何かさー、アリスとまともに話したの久しぶりだなー、って思って」


 そうだろうね私いつもあんたの事殴ったり蹴ったりしかしてないもんって言うかあんたのスキンシップは過激なんだよ変態っ!

 いっそのこと頭突きでもしてやろうかと思った時、ばん! と元気よく扉が開いた。


「アーリスっ! アットがお茶会やるから来いだってさ! …………お邪魔しました」


 ニコニコと花の咲くような笑みで部屋にはいってきたアルクは、私達の状況を見て、ばたんと扉を閉めて退場。


「……へ?」


 ぽかんとアルクがいた所を見つめていると、エシルが肩をつかんで強引に壁に押し付けた。

 な、これはマジでヤバいんじゃないの的な……?


「あ、アルク助けて! 私死ぬ!」

「大丈夫だって死にはしないから」

「アリスー、悪いんだけどアットから『ピンクと紫の猫がアリスとじゃれていたら見捨てろ』って言われたんだよね……」


 扉越しに聞こえた申し訳なさそうな声に、私は怒鳴っていた。


「あんたねぇ!! 私とアットどっちが大事な、」


 待て待て自分。浮気発覚した彼氏に怒る彼女みたいなセリフだぞ。恥ずかしい。だけど言ってしまった言葉は消せない訳で。しかも、


「え? アットに決まってんじゃん」


 何て言われたら落ち込むぞ。


「アリス、大丈夫。貴女には俺がいる」

「死ね」


 さり気なく顔を近づけて来たエシルに思いっ切り頭突きをかます。頭に火花が飛び散るが、どうやら私の方が石頭だったようだ。


「アリス!? 何かすっげー音がしたけど大丈夫か!?」

「全然よゆー。もっかいしても良いくらいだわ」


 まあ、しないけどね。

 でもまあ、これにこりて変態が直れば良いんだけど……。


「アリス、ここ数日考えてたんだけど、やっぱ貴女ってツンデ、」

「死ね」






 数日後。

 エシルの額にもう一つ傷跡が出来たのは勿論の事。それに加えてアットがアリスにシカトされると言う、珍しい現象も起こったらしい――。





最後に


10000アクセスありがとうございます!

さらにさらに、89ポイントありがとうございます!!

いやぁ、びっくりしましたよ~!


次は100000アクセスを目標に頑張ります!




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