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Do you love Alice?   作者: _(:D ゆあ 」∠)_
Ⅳ――Cheshire Cat 重ねる赤と青
24/67

9 水と共に流す貴女

次章への通過地点という訳で短めです

というか短いです


……嘔吐シーンあり、短いです↓




「……かはっ…………」


 白い洗面台に、喉の奥から込み上げてきた不快なものを吐きだす。痕が残るほど喉をきつく握り、腰を折る。

 鼻を衝いてきた刺激臭と、先ほどから頭の中で繰り返される記憶を流すために、きゅっと蛇口を捻った。水と共に、ぐるぐると渦巻きながらそれは消えて行く。

 洗面台の端に手をかけ、誰も見ていないのににやりと笑った。今迄で一番弱い笑み。それはきっと、『チェシャ猫』の笑みではなく、俺自身(エシル)の、笑み。


「馬鹿みたいだ」


 また喉に込み上げてきた不快なものを押さえつけて、ぽつりと呟いた。誰に向けたのか、その答えが出たらどんなにいいか。

 憎いほど透明で綺麗な水を両手ですくい、口を濯ぐ。運動なんてしていないのに息が荒れている。はあ、と溜息をつきながら前髪をかき上げると、いつの間にかそれは冷や汗でうっすら濡れていた。

 顎から滴る水を見ながら、ぐるぐると廻る記憶に蓋をしようとする。


「……エシルか」


 入り口の方で控えめに声が掛けられ、俺は弾かれたようにそちらを見た。

 黒い燕尾服に、派手なシルクハットを認識して、ぼやける視界の中でもそれがアットと言う事が認識できた。ステッキを構えている所、敵だと思ったのだろうか。

 俺は鼻が麻痺したのか、もう匂いは何も感じなくなったものの、アットは来たばかりだ。息を吸うと同時に鼻を衝いてきた刺激臭に顔をしかめ、こちらに近づいてきた。


「来ないで」


 ひりひりと痛む喉で、無理やり言葉を紡いだ。普段より掠れていて、しかも水の音で聞こえにくいと言うのにアットは聞こえたらしい。ぴたりと忠実に足を止め、ステッキで床を叩いた。


「キッチンにアリスがいた。お前の事だ、前回の『アリス』と『侯爵夫人』の姿が彼女に重なったんだろう」


 流石はアット。分かってらっしゃる。

 皮肉交じりに吐きだそうと思った言葉さえも出ない。カラカラの喉を潤そうと水を口に含む。


「……喋れるか? 残念ながら今日の午後から白ウサギが来る。お前の姿を見た途端口論になりそうだから、早く出ていってくれ」


 親切なんだか無愛想何だかよく分からない言葉を残して、アットは足音も立てずに立ち去って行った。


「……本当、アットは人の感情に敏感だな……」


 ようやく水分を吸い取った喉で、呆れながら言う。知らず出てきた溜息をその場において、未だ流れる水に手を浸す。

 気がつくと目の前の自分の手に、べったりと紅いものが付いていた。驚いて素早く引っ込めると、紅は幻の様にゆらりと揺れて消えた。


「……あの時……」


 確か、あの時の夜もこんな、こんな――、色だった。

 



次章、完璧に過去の話です

プロットになかった章を導入すると言うね←


吐くシーンが好きな作者は吐かせます、悲鳴を上げていても吐かせます

エシルがやったから、次はアビかな?(おい

アリスも今の所吐く予定←

こんな作者嫌だと思ってもバックしないでください!;;


そして、たくさんのお気に入り小説登録ありがとうございます;;

増えるたびにPC、または携帯の前で歓声を上げています、常に←

さあ次は感想をまとu((殴


兎に角、次のお話は七月七日に更新予定です

この話は塾で更新できなかったお詫びと言う事で←


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