6 ネズミの手も借りたい。
行き成りのアリスです←
アリスの一人称、時間帯は現在です
「ええと、薄力粉っと……」
いつものエプロンドレスの上に白い、控えめにフリルの彩られたエプロンをつけて、シンクの下の引き出しから薄力粉を出す。半分くらいしか残っていないけど、とりあえずは間に合うだろう。
「材料もそろったし、後は味見係と言う名の邪魔者が来たら排除するだけだね」
ずらりと並べられた材料の薄力粉、バター、牛乳、ベーキングパウダー、塩、グラニュー糖を見て私は溜息をついた。
昨日は、ハートの城の門の前で呆然に突っ立っているとアットとアルク(オアは昼寝中で起こすとナイフが飛んで来たらしい)が迎えに来てくれた。どうやら、代々アリスは帽子屋敷に泊まることになっているらしい。という訳で帽子屋敷の豪華な客室に泊まることになったんだけど、その部屋がすごく豪華。流石権力者、床にはふかふかのカーペットが敷かれ、ベッドは部屋の四分の一を埋め作るほど大きい。三階の部屋に泊まったためか、窓からは黒く茂る森と、その後ろにちろりと見える街の色々な色のネオン。青で統一された部屋の家具は一目で高いものだと分かる。水色のキャビネットに青い机と椅子、クローゼット。
こんな部屋に泊まっていいものか不安になった私は、お茶会用のスコーンを作ってみようと思い、黄色い太陽が昇ったのを確認して、キッチンに向かった。
材料を勝手に使うのはいいのか分からないけど、まあいいだろう。お茶菓子は専門のコックさんたちに作ってもらっていると訊いたので、どうせ少し減ったって怒られやしない。……失敗しなかったら、だけど。
「うう、とりあえずやろう……」
コックさんにもらったレシピを見ながら作業をスタートさせる。まずは薄力粉とベーキングパウダー、グラニュー糖を混ぜる。
「ボウルに入れて混ぜるのかな?」
首を傾げながらボウルに入れる。薄力粉は半分減っていたため少し軽かったものの、ベーキングパウダーが新品で結構重い。……うう、何だよこれ、何グラムあるんだ……。
文句を言いながらも何とか混ぜ終えた。額には汗がうっすら浮かんでいる。
「はあ、次にふるいにかける、と……」
「あ、アリス何してるの?」
「ちょっとスコーンをね……ってわあ! お、オア君?」
「こんばんは、アリス」
ニコリと爽やかな笑みを浮かべて挨拶をしてきたのは茶色い、小さなネズミ耳が頭にちょこんとついている、ロングTシャツの男の子。頭の位置は私の肩から胸辺りで、ひくひくと鼻を動かしている。
「何だ、まだ粉の匂いしかしないや……へっくち!」
匂いを嗅いでいたオア君は、同時に粉も吸ってしまったらしく、小さくくしゃみをした。それからぶるぶると首を振って、背伸びでシンクの上を見る。
「へえ、まだまだじゃん。これじゃあ僕が起きているうちに作り終わらないみたいだね……」
「残念、まだかかるわね。……って言うか、オア君寝ないの? まだ四時ぐらいよ?」
アットに教えてもらったが、一日の過ぎ方は私の記憶の中にある物と同じだった。一日は二十四時間、一分は六十秒。
そうして数えると、今はまだ四時前だ。アットもアルクも、屋敷の人たちはみんな寝ている。
「『眠りネズミ』は夜行性だから。暗くなると意識がはっきりしてくるんだよ。……まあ、今はもう眠くなってきたけど……」
成る程、だから挨拶が「おはよう」じゃなくて「こんばんは」なのか。
納得したようにふーんと相槌を打つと、裾から出ていないオア君の手がシンクの上のボウルを指した。
「で? 僕意外と料理なら作れるよ? 眠くなるまでだけど、手伝おうか?」
「うーん……」
お菓子作りは力仕事もある。出来るならば猫の手……いや、ネズミの手も借りたい。でもこれは帽子屋敷に泊まらせてもらっているお礼なわけで。オア君に手伝ってもらうのは違うような……。
唸りながら渋っていると、ぎん、と濃い灰色の瞳がこちらを睨んで来た。
「キッチン汚されたら困るし、僕も後一時間くらいは起きてるから、手伝わさせてね」
有無を言わせぬその迫力に、私はつい「はい…………」と返事をしていた。
塾なのに投稿した私を褒めてください←
はい、テンションの高い作者です☆(キモ
行き成りのアリス一人称にビビった方もいると思います! 落ち着いてください!(お前が落ち着け
……いやあ、今日テストが返されたんですよね、そしたらなんと、
国 語 が 九 十 五 点 !
ビビりました^^;
という訳でテンションが高いんですが(落ち着け
久々(?)のオア君です! エシルと思わせてオア君です←
アルクも出すつもりです、って言うか出したi((
そういう私はイグ担☆((
兎に角、続きは明日でー
塾なのでサヨナラです




