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Do you love Alice?   作者: _(:D ゆあ 」∠)_
Ⅳ――Cheshire Cat 重ねる赤と青
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2 悪魔は笑みを浮かべ

「そういえば、新しい『アリス』が来ましたよ」


 アビの自宅に遊びに――否、仕事の邪魔をしに来ていた時、彼が唐突に言った。相変わらず目線は手元の資料に落とされている。生真面目にもほどがあるんじゃないのか。

 黒いふかふかのソファーに深く凭れ掛かっていたいた俺は、びっくりして金色の目を見開き、オウム返しをした。


「珍しいね、アビがそんな事俺に教えてくれるなんて」

「前回のアリスが来たとき、あまりにも接触が遅すぎたので。三日後に登場とかふざけているのではないかと本気で殺意が湧きました」


 仕事の時にだけかけている銀縁の眼鏡をかちゃりと押し上げ、ルビーの瞳を細めて睨んでくる。ふわり、と窓からの柔らかい風で彼の被っていたフードが浮き上がり、背中に落ちた。

 銀を基調としているアビの部屋には、一体何年かけたら読み終わるんだと思うほどの量の本と、灰色のキャビネットに黒いソファー、銀色の机位しか家具の類は見つからない。テレビは見ない主義らしく、仕事でパソコンは使わないらしい。食料は最低限しか供えられていなく、それも栄養ドリンクやビスケットなど、手軽に満腹になるお菓子類が部屋の隅にあるビニール袋の中に乱雑に突っ込まれているだけだ。玄関を上がったすぐ右にキッチンがあるが、使わないし掃除が面倒臭いと言う事で何年も放置してあり、何重にも埃が積もっている。

 いかにも仕事中心生活をしているアビのような部屋だが、街はずれにあるこのアパートは窓からの眺めがいい。四階の高さと言う事もあるだろうが、特に目立って高い建物や木がなく、遠くに聳え立つハートの城が良く見える。……きっと監視目的でこのアパートを借りたんだろうな……。

 ごろん、とソファーに仰向けに寝っころがると、「聞いているんですか殺しますよ」と、また睨まれる。

 どうやら俺は延々と説教――いや、愚痴を言われていたらしい。彼の周りには殺気が立っており、手元の資料を見るとさっきのページから進んでいない。いつもならすぐに被り直すはずのフードもそのままだ。


「……エシル。聞いているのかと訊いているんです」

「ははは、聞いてない。にしても、いろんなことそっちのけで俺にかまってくれてありがとー」

「僕の仕事の邪魔をしていると気が付いたのならさっさと出て行ってください。泣いて喜びます」


 またまたー、と茶化すと本気で睨まれる。「ごめんねー」と謝ってみるも許してくれないようだ。

 さて、どうやって彼の機嫌を戻そう……。

 にやにやと笑いながら一応考えていると、とんとん、と控えめにドアがノックされる音が聞こえた。


「……あ、来たようですね」


 まったく読み進んでいない資料を名残惜しそうに眺めてから、かたんと軽快な音を立てて椅子から立ち上がる。彼の純白のウサ耳がふわりと揺れる。

 仕事より――俺より、大事な人。俺は人間関係に敏いはずだが、アビにそんな人がいるなんて噂、一回も聞いたことがない。

 ぎし、と音を立ててソファーに座り直す。ピンク色の猫耳がぴくぴくと揺れ、普通の人よりも鋭い鼻が匂いのきつい香水の香りを掬い取った。

 どくん。心臓が飛び跳ねる。

 アビの足音が遠ざかるほどこの場から逃げ出したくなる足。震えだす手。逃げろ、逃げろと警鐘を鳴らす脳。夜のホテル街を歩き、成り行きでなってしまった夜の事を思い出す。シャワーの音はアビの足音。きゅっ、とコルクを捻り水を止める音は彼の一オクターブ上がった声。かちゃりとドアを開ける音が記憶の中の情景と重なる。

 何故。何故俺はこんなに慎重なんだ。今からこの部屋に入ってくる人物を異常に恐れている。四角く切り取られた空間から白いウサ耳がちらりと見えた。先に歩いてきたのだろう、後から小さなスリッパの足音が追いかける。


「すみません、お待たせいたしました」


 礼儀正しく生真面目に謝ってから、俺を見てアビはルビーのまん丸の目を見開いた。


「何故、ナイフを構えているんです」


 言われて気が付く。いつの間にか手の中にきらりと光るナイフが収まっていた。警戒したように目をぎらぎらと光らせたアビは、ドアの向こうにいるであろう人物を腕で庇った。


「……ごめん、忘れて」


 今にも銃を取り出しそうな彼の表情にクシャリと顔を歪ませ、肩を竦めわざとおちゃらけて謝る。足音の大きさからして彼の背後の人物は女性。きっとチェシャ猫は女性なんかに怖がらない、ナイフさえ向けない。

 笑いながら、アビに気づかれない様にふるふると首を振る。


「分かりました、忘れます。……それで、貴方に紹介したい人がいるんです」


 優雅に、同性でも見とれそうな動作でエスコートし、“あの人”は俺の前に現れたんだ――。


「……お話では聞いていたわ。こんにちは、チェシャ猫さん」

「――アリス」


 濃いめの香水に身を包んだ女性。一直線に弾かれた真っ赤なルージュを三日月型に歪め、ニコリと優雅にスカートを抓んで腰を軽く折り曲げる。

 誰もが見とれる綺麗な金髪はサラサラで、窓からの光を受けキラキラと光っている。人形のような端正で触れるのを躊躇ってしまう顔立ちに、紅のエプロンドレス。すぐに折れてしまいそうな華奢な身体。

 噂で聞いていた、吐き気のするようなか弱い、守りたくなる少女(あくま)の姿。


「……こんにちは……」



テストから帰還した星野です

死 に ま し た


……とまあそれは置いておいて(現実逃避

わーいPCに触れられるー><

きゃっほーいうふふーな状態ですが何か((

ああPCは私の恋人d((



という訳で、行数めっちゃ少ないけど約二千字です

過去の話に突入しました。時間系列が曖昧です(-"-;)

いきなり過去から現在にトリップします。エシルの一人称もそうです←

まあそれは置いておいて((おい


アビ君の部屋に遊びに何て行きたくなi((

料理作ってやってください、誰か←

彼は基本ハートの城でご飯を食べます、徹夜何ていつもの事☆

……と言う妄想をしてみました←

それでもいざとなった時はエシルに作ってもらう←

エシルは基本何でもできます。夜のお相手にどうz((


それにしても前回のアリスさん……香水つけすぎです

実は今日の登校中に香水の匂いきっついおばさんとすれ違って、友達とめっちゃ「くっさ」とか言ってた実話から来ました←

英語の先生も結構匂いきついです……

何であんなにつけるんでしょうかね←


それでは次回の分も書いちゃいます☆

毎日更新再開ですー





追伸:短編消去しました

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