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じゃあね
私はそのまま教室に行った。
やっぱり珠洲は待っててくれた。
「珠洲。おまたせ」
珠洲は自分の席で勉強していた。
「美香ちゃん・・・」
私の顔を見て心配そうな顔をした。
泣いたせいでまだ目が腫れていたのだろう。
「フラれちゃった。あは」
まだ泣きそうだけど、無理やり笑った。
友達の前では泣きたくない。
「無理しないで・・・」
そっと抱きしめられた。
珠洲のぬくもりで、私の張りつめていた気持ちが緩み、涙が出てきた。
「でも、私は後悔してないよ。珠洲」
「なんで?」
「初めて本気で人を好きになれたから。そのことを後悔するの?絶対そんなことはしたくないもん」