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Listen!!  作者: soir
6/8

告白



帰りのSHRが終わると同時に私はダッシュで生徒会室に向かった。

私が急いでいる様子を見て廊下ですれ違う人々が、わざわざ自分のために道をあけてくれるのでありがたかった。

走っている最中に、心臓が尋常じゃないぐらい速く動いていた。

速く走ったせいじゃないということはよくわかっている。

でもさ、しょうがないでしょ?はやる気持ちって抑えようがないし。




生徒会室には、もう荒木がいた。いすに腰掛けて、ぼんやりと外を見ていた。

なんだかその背中が悲しげに見え痛々しくて、声がかけづらかった。


しばらくすると、荒木は私がいるのに気づき、立ち上がった。

「おう・・・来たか」

「うん」

「いそがしいのに、ごめんな」

今の荒木には朝に感じたあの冷たさが見受けられなかった。

「大丈夫だから。それでさ、本題は?」

心臓のこの高鳴りが荒木まで聞こえてしまいそうで怖い。

はやく決着をつけたい、そしてこの場から去りたい。

「お前、ちょっとは落ち着けよ。あせりすぎだぞ」

「あせってないもん」

「ちゃんと気持ちを落ち着かせて、そしたら俺の言いたいことも分かると思うんだ」

そこで私は深呼吸を数回おこなった。ちょっとは落ち着いたかも?

「さぁ、話してくださいな」


荒木はしばらく真剣な顔をして黙り込んだが、口を開いた。

「俺さ、お前のこと好きなんだと思う。・・・恋愛対象として」

「!?」

「お前が俺のこと好いていてくれてるのも分かっている」

「なんで?」

「生徒総会前の生徒会室で、会ったときにお前が狸寝入りしている俺に向かって…」

「えっ・・・寝てなかったの?」

まさか、全部知ってるのか!?私がやったこと。

「悪かったな」

「まぁ確かに私もあんたのこと、好きだし」

また心拍数が上がってきている。

なんなんだろう。こんなこと経験したこと無いからすごく変。

でも、なんか好きな人と分かり合えるっていいね。


しかし、荒木は私の一言を聞いて顔をしかめた。

そして冷たくいいのけた。

「だからといって悪いが付き合うことはできない」

と。





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