作戦会議
次の話は、明日の15時に予約しましたー。
よかったら読んでみてください。
生徒総会も無事終わり、今年も残りわずかになってきた。
まさに「光陰矢のごとし」だなぁと思う今日この頃。
結局荒木とは何の進展も無いまま。学校の廊下ですれ違ってもお互い目を合わせようとしない。生徒会でも必要最低限のことしかしゃべらない。なんだかこのまま終わってしまうのもいやだなぁと思うが、何をすればいいのか分からなくて・・・。
「あー、もうどうしよう・・・。」
昼休みになったときの第一声。4時間目の数学の授業内容を耳に入れないで、ずーっと荒木のことについて考えていた。うん、やっぱり恋は人を狂わす。
「また荒木君のことで悩んでいるの?」
私の前の席に座っている珠洲が、心配してくれる。・・・って話していないのに何で知ってるの?
「べ・・・別にあいつのことなんか・・・」
「図星ね。美香ちゃん分かりやすいよね。」
「ねー珠洲、助けてー。」
「別に助けるのはいいけど、結果がどうなっても知らないわよ」
「曖昧なのが一番イヤだから、お願い!!今度たい焼きおごってあげるから」
「いいわ。協力してあげる」
「ありがとー、珠洲!!」
珠洲はたい焼きが大好きだ。ほぼ毎日のようにたい焼きを食べているのに、モデル並みにスタイルがよろしい。神様は不公平だ。
「で、何かいい案あるの?」
期待を込めて私は聞く。
「あるわよ」
「教えてっ!!」
「一週間後、とてもビックなイベントがあります。さぁ、なんでしょうか?」
「・・・まさかクリスマス祭?」
「正解。」
クリスマス祭とは、我が校のクリスマスに催されるイベントで生徒会主催で行われる。ついでにこのイベントでは生徒会から支給されるちょっとしたもの(毎年支給されるものが違う)を好きな人に渡してリア充になってしまいましょうというイベントだ。しかしこのイベント、クリスマスの日の朝にわざわざ学校に集まってやるっていうのがめんどくさい。
「やっぱりそれしかないのか~。」
「だから美香ちゃんはそれまでになるべくいい印象をもってもらえるようにしなくちゃね。」
「例えば?」
「うーん。やっぱり挨拶するとか?」
基礎中の基礎って感じがする。もっとガンガンいってもいいのでは?
「だってさー、いきなりクッキー焼いてあげたりするのも変でしょ?」
確かにそうだ。明日は雹が降るとか言われかねない。
「あとは、さりげなーくクリスマス祭に誰にあげるとか聞くとか」
「それはちょっと・・・」
「まぁ、明日から頑張ってみて。」
「うん。頑張ってみる!!」
こうしてアプローチ大作戦が始まったのだった。