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あたかも一般人

新作を投稿してみました。楽しんでいってください。

登場人物名

影野木 仁 かげのき じん

南雲 彩葉 なくも いろは

『キーンコーンカーンコーン』チャイムの音が鳴り響く。五時間目の授業が始まる。

「あれ?影乃木くん?もう授業始まっちゃうよ?」先生が言う。「はーい!」僕は元気よく返事をした。そして、教室に戻ろうとする。

だが、何故かその先生は目の前で倒れた。その時は意味が分からなかった。床が赤く染る……先生の背中に刺さった物を理解した瞬間、僕……いや、俺は全力でソイツにその拳を放った。何故か頭がぐちゃぐちゃになるように痛い。そこで、俺の意識はプツンと切れた。

目が覚めてから……俺の人生は一転した。


事情聴取を受け、起こったことをありのまま話そうとする。だが、言葉が詰まる。

警察の様な人は「流石にあんな事があった直後にねぇ……」と心配してくれた。

だが、俺の言葉が詰まる理由はそれとは違った。事件直後の事をなりよりも鮮明に覚えている。おかしい、明らかにおかしい。また、

警官の言う通りありのままのことを全て話そうと口を開く。そうすると、言葉詰まってしまう。……何を言えばいいのだろう?

あの場に居た生物の数?種類?床のシミやホコリ、壁の模様、その時の景色、窓から見えた雲の数、体感気温、湿度、匂い、音、刺されていた場所、血の推測量、自分がどう行動をしたか、相手がどう動いたか……その他にもたくさん、いくらでも思い出せる。それを全部説明する?する必要あるのか?俺は有力な情報だけを選出して話した。あまりにも詳しく話したため、警官は困惑していた。

自分が何者か……その問いに気付けるのは自分だけ…… いつの間にか俺は自分を消していた。



高校生になって、半年が過ぎる。

「おっはよー!」元気な挨拶が飛んでくる。

「……あぁ、おはよう」俺はそう返した。

「もう!暗いな辛気臭いよ〜!」

そう言う彼女は【南雲 彩葉】俺の古くからの友人だ。

「小学生の時はこんなんじゃなかったのになー」

彼女はこれが口癖。俺は昔めちゃくちゃ明るく、うるさい奴だったが、小学生の時にとある拍子で気絶し、そこから物静かになったため、ずっと言ってくる。……オマケにちょっかいを掛けてくる。「何ー?クールキャラですか〜?」

……こうやってな。正直、あまりベタベタ関わってこないで欲しい。その理由は……彩葉が

とんでもなく美少女な為、周りの視線が痛いからだ。言わば学校……いや、県一の美少女ってとこか?本人は気にしてないが俺にとばっちりが来ている。

「……返事してよ……」その言葉に返す。

「ご、ごめん!」流石に焦った。

「わっ!目のクマすご……寝てないでしょ!?」

コクリと頷く。「ま〜た、夜中までゲームか…」呆れたように言う。

"キーンコーンカーンコーン"チャイムが鳴る。

そろそろ一限目か……この無駄な時間はどうにかしたいものだ。そう考えながら授業の準備をした。

「一年生ではこの公式をずっと使うから〜……」

……あぁ、ダルいな。知っていることをダラダラ説明される。これ以上に無駄なことってあるのだろうか。

"キーンコーンカーンコーン"

「あ、続きは明日やりまーす」


「はぁ、やっと終わった……」俺がそう言葉を零すと、「ちゃんと授業聞いてないと中間テストヤバいんじゃないの?」彩葉が声を掛けてくる。

「確かに……な」適当に答える。

「はぁ、早く終わんねぇかな〜」そんな言葉を零して、再び授業の準備をした。


"三時間後"

昼休みになった。いつも通り弁当を食べようとする。そうすると、「お!いつも凄いねー!」

彩葉に声を掛けられる。

「さっすがー!料理上手!」

卵焼きを一つ口に放り込む。

「……砂糖入れ忘れた……」俺がそう言葉を零すと、彩葉は「卵焼きに砂糖……いいよね。私はニラです」……「たまにあるよな。折角なら俺は甘いのが良いかな」

俺がそう言った後、彼女は卵焼きを俺に向けてきた。

「……?」困惑である。「食べてみてよ。私の」

……あぁ、ニラを味わえと。……関節キ……

いや、なんでもない。断わる……必要は無いか。「弁当に置いてくれ」そう言うと、彼女は首を傾げる。「え?今、食べればいいじゃん」

……コイツ警戒し無さすぎだろ。

「あのなぁ……いや、もういい。面倒臭いし」

呆れながら口に入れる。ニラの苦味を感じ……

「砂糖入ってんじゃねぇか」……しょうもない。

俺たちは食べ終わり余った時間を呆然と過ごした。

それから三時間後、学校が終わる。

「んじゃ、気をつけろよー」彩葉にそれだけ言って帰る。そうすると、そそくさと音がする。

「……何で着いてくるんだよ」その言葉に、

「いいじゃん、一緒に帰ろうよ」そう言ってくる彩葉。……どうしたものか。

「……別にいいか」ため息混じりに言うと、

「ふふん♪ やった〜!」めっちゃ嬉しそうだ。

そして俺らは帰路に着き、家まで歩を進めた。

数分歩いただろうか。とある交差点、横断歩道を何も考えず渡ろうとした時、

そのトラックは俺たちの眼前にいた。歩行者信号はしっかりと青だった。

……さて、どうするか?ハッキリ言ってこの

トラックを避けるのも受け止めるのも破壊することだって造作もない。ただ、彩葉がこの場にはいるんだよな。そうして、考えがまとまった俺は彩葉を掴んで明らかにおかしい速度でそのトラックを避けた。

「大丈夫か!?」焦った感じを出す。

「だ、大丈夫……ありがとう……え?今どうしたの?」……そこは聞かないで欲しいが。

「火事場の馬鹿力ってやつだろ。そんなことより……良かった」俺がそう言うと、

「ありがとね!」元気そうに返した。

……てか、謝罪にも来ないのか?気付いてないのかもしれないが。その時、同じトラックが来た。スピード違反……

「なぁ、彩葉。先に帰っててくれないか?」

俺のその提案に彩葉は「え?何で?」と聞いてくる。「ちょっと、今日は用事が……あと、親と喧嘩してな。……泊まりに行ってもいい?」

急な事に「えぇ!?掃除しないと……部屋汚いんだけど……」と言う彩葉。「俺が用事に行ってる間に終わらせてくれ」そう言うと、こくんと頷いた。

去る彩葉に軽く手を振り、俺は目を閉じた。

次、開眼したその時には俺の右目は淡青色に光り輝いていた。黒いマントとお面を取り出し、身に付ける。

そしてその瞬間、アスファルトがえぐれる程の強さで地を蹴った。

ご視聴ありがとうございました。

今後の投稿もよろしくお願いします。

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