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シェアハウスの日常話

作者: おお·こ·ま

ある地方のシェアハウスの日常話。


そろそろ春が始まろうとするある朝。

俺は朝ご飯を作っている。

湯を沸かし、玉子を割り、特売品の鯖を焼く。

味噌汁の具を何にしようかと、冷蔵庫を開けたところで、おはよ~と声があった。

返事をしながら振り返ると、水無月楓(31)の姿があった。上はTシャツ、下はスウェットと色気のいの字もないその格好にため息がでる。

「愁ちゃん、今日は茄子がいい」

と、リクエストをしながら洗面所に歩いていった楓に、ん、と返事をし茄子と残っていたわかめ、ネギを取り出す。

鯖をひっくり返して弱火にし、茄子を洗って1cm程に切る。

フライパンに多めに油を入れ、茄子の素揚げをつくりながら湯が沸いた鍋に水洗いし刻んだわかめを入れ、沸騰直前に味噌を入れ火を止める。

「おはよーこちゃます」「おはようございます」

と、声がかかった。佐野うみ(4)ちゃんと母親の佐野今日子(29)さんだ。二人は某テーマパークで買ったお揃いのパジャマを着ている。まだ眠いのか目を擦るうみちゃんの手を引きながら、二人は洗面所へ歩いていった。

住人も起きてきたところで、割っておいた玉子で玉子焼きを作っていく。ひょいひょいっと巻いていると足元から視線を感じた。

そこには愛猫のサクラと少し離れたところに愛犬のコータが。

「はいはい、ちょっと、待って、な。今、用意、するから」

言いながら玉子焼きを作り終え、等分に切り、焼き鯖といっしょに盛り付ける。

汁椀に油切りした茄子を入れ、味噌汁を注ぎ刻んだネギをひとつまみ。

テーブルに配膳した後で、サクラとコータ用のご飯を準備。2匹には先に食べてもらって俺は束の間の一服。

2本目を吸い終わるときには3人揃って席に着いたので、朝ごはんの始まり。

手を合わせ、いただきますをしてから食べ始める。

毎日毎朝、変わらない習慣。

変わらない日常。


そんな、どこにでもある、けど俺たちにしかない、そんなお話。


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