神々
「今回はいまいち盛り上がらなかったのう」
老人のような神が嗤う。
「魔王が弱すぎんだよ。もっと根性みせろよなぁ!」
悪態をついた神が嗤う。
「今回は私の策がぴったりハマりましたねぇ。いやいや儲けさせてもらいました」
いらやしく舌なめずりした神が嗤う。
それを見て周りの神々が嗤う。
戯れに運命に干渉し、理を捻じ曲げ、即興の喜劇を見て嗤う。
あざ嗤う、腹を抱えて嗤う、声を殺して嗤う、神々が嗤う。
次の喜劇はどうするのか、魔王が勝つか、勇者が勝つか。
世界を賭けに、暇をつぶす。飽きるまで。
飽きた後は……。
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神々に見捨てられた世界は、加護を失い荒廃していった。
しかしそれは、新たな人の時代の始まりでもあった。