プロローグ
2030年 増え続けるニート問題、さらには少子高齢化からの国力の衰退を鑑みて、政権与党の美顔党はとんでもない法案『陰陽法』を可決させた。
人格形成期である小学校を卒業した段階で、陰と陽を確定させ、陽の者を優遇する政策である。
当時の超絶イケメン党首はこう語る……
「いわゆるインキャってやつですか? 完全に区別してしまいましょう」
だが、当然に猛反発が起き、ネット界隈は戦場と化した。
しかし、陰陽法の是非や撤廃をかけて解散総選挙が実施されたが、美顔党は大勝。再選してしまう……
そう。増えすぎたニートは、ネットでは強いイキリ陰キャだったであるが故に、選挙には行かなかったのだ!
そうして日本は陽の者に支配され、当然だが陰の者は虐げられ、辛酸を舐める世界が到来してしまったのである。
2030年。日本は陽の炎に包まれた。女は避け、希望も枯れはて、あらゆる陰キャは絶望したかに見えた! だが、陰キャは絶望していなかった!
区別という名の差別を受ける、一部の陰の者たちは、陽キャ! いや、学校! いやいや、日本!? を相手に小さな抵抗を開始する。
陰陽法が運用されはや五年経った2035年……
公立桜ヶ丘高校には既に、強大な勢力『陽キャラ』に対抗するべく、秘密組織が存在していたのである。