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出会いは久しぶり
彼を見た瞬間、頭が真っ白になった。
人混みの先。
じっとこちらを見つめている。
茶色がかった髪、すうっと通った鼻筋。
優しそうな瞳。
微笑んでいるのか、それとも真顔なのか分からない表情でこちらを見ている。
服装もあの人が好きだったブランドの服。華奢なスタイルもあの頃と同じ。人混みの中ただ立ち尽くしている姿は、紛れもなくあの人だった。
何で、どうして、ここに
いつのまにか息が苦しくなってその場にしゃがみこむ。
あの人の事を私が見間違える筈がない。
何であの人がいるの?だってあの人は…
一年前に亡くなったのに。