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説教確定時の緊張感

エイプリルフールに夢オチの閑話でも投稿しようとして書いたものを保存し損ねる痛恨のミスを侵し、ボーダーランズにハマった結果がコレです。投稿頻度クソですみません!


「とりあえず⋯⋯なんで雨宮がここにいるんだよ」

「あら、大葉じゃない。お邪魔してるわよ⋯⋯緑の3」

「む、帰ってきたか⋯⋯これはパスしかないか」

「いや続けんなし」


マイペースかこいつら。


「私としては鈴木さんが大葉の家にいる事の方が気になるんだけど」


いきなり核心を突くような質問やめてくれないかなぁ?


「訳あって居候させて貰っているんだ。悪いが、詳しくは⋯⋯」

「そう⋯⋯分かった、無理には聞かないでおくわ」

「すまないな」


おお、あっさり丸め込まれてくれた。ナイス仁美。


⋯⋯ていうかお前なんかやたら仲良くなってるけどもしかしてあれから何回か会ったりしてるのか?


『⋯⋯まあ、パトロールとかしてる合間に偶然会ったりはしてるな』


偶然ねぇ〜⋯⋯?


『そう、偶然だ』


お前よくもまぁそんな堂々と言えるな。俺には無理だわ。まあ、やることはしっかりやってるみたいだから良いけど⋯⋯


っと、それはともかく。


「結局雨宮はなんでここに?」

「あ、そうそう、忘れる所だったわ。ちょっと鈴木さん、悪いけどちょっと席を外してくれない?」

「ん、分かった、聞かないように離れていればいいんだな?」

「うん、お願いするわ」


そう言うと、流石に真面目な話なのかカードを片付け、仁美へと離れるように頼む。仁美に聞かれたら不都合な話となると……TFSP関連か?


「とりあえず⋯⋯あんた、端末見てないでしょ」

「え?端末?」


えー?あー⋯⋯何だっけそれ。


「⋯⋯この顔は存在自体忘れてるって顔ね」


何故バレたし!?


「ほら、TFSPに入った時に後藤から貰ったでしょ。アレを確認してみなさい」

「⋯⋯あー!アレか!」


確かに存在自体忘れてたわ。どこにしまったっけ⋯⋯


東堂ファミリーの所に突撃する前に壊すと不味いからって理由で家に置いといた筈⋯⋯あった!


で、通知は⋯⋯


『新規の能力者参入』

『吸血鬼を名乗る存在についての続報』

『所属能力者の情報更新』


ここまでが全体に対しての連絡。次に個人に対しての連絡だけど⋯⋯おっとぉ?


一件目

『聞きたいことがあるのでちょっと来てね(意訳)』


二件目

『新しい情報も入ったから早く来て欲しいな(意訳)』


三件目

『ねぇねぇ無視しないで来てくれないかな(意訳)』


四件目

『おうコラ無視せず来いや。いてこますぞコラ(意訳)』


五件目

『警告:雨宮をそちらへ派遣する。彼女からも説明されると思うがこれ以上こちらへ来ないようなら軽い処罰も考えている。君がまだ未成年であり、現実味も薄いというのもあるだろうが、組織に所属している以上責任という物がある。理解して頂けると幸いだ(意訳無し)』




「⋯⋯⋯⋯俺、もしかしてやらかしてる?」

「もしかしなくてもやらかしてるわよ」


見ろよこれ。発信元が支部長になってて、最初の方はあの人らしいオカマ口調のふざけた呼び出しだったのに最後とか完全にブチ切れ業務連絡じゃんか。怖っ!


やっべー⋯⋯まじ、っべー⋯⋯あ、変な汗出てきた。


あれだな⋯⋯吸血鬼達を壊滅させる力を持っててもブチ切れた上司とか先生とかは怖いんだなぁ⋯⋯


「流石に今日は来なくていいって言ってたけど、予定が無いなら明日には行った方が良いわよ。支部長は普段アレでも国際機関の支部長なんだからその辺は厳しいから⋯⋯軽い処罰って言っても処罰は処罰だから面倒臭い事になるわよ」


始末書の類を山ほど書かされていた事を思い出したのか雨宮が遠い目になった。


「ああ、素直に明日の朝速攻で行くわ」


俺は端末をすぐそばの机の上に置くと、ため息を吐きつつそう言った。



「じゃあ、用事も終わったし私は帰るわね」


俺の返事を聞いた雨宮は、どこか急ぐように立ち上がり、帰り支度を始めた。


「ん、そうか?もう結構遅いし飯ぐらい作ろうかって考えてたんだが」

「う、その提案はとても有難いのだけれど⋯⋯今日はあの馬鹿兄の誕生日なのよ。少しくらい祝ってやらないとうるさくなりそうだし」


少し目線を逸らしつつ、そう答える。雨宮お前⋯⋯


「⋯⋯自分で言っておいて何だけれど、何処のツンデレよ私⋯⋯」


あ、顔を片手で覆って項垂れた。


「⋯⋯そんな訳だから!もう帰るわね!!」

「お、おう気をつけてな⋯⋯」


夜道は危ないから送ろうかとかちょっと考えたが『雷神(インドラ)』持ちのこいつに限ってそれは無いだろう。



と、そこでふと思いついた。


ライマ、雨宮の次のスキルの解放条件見れるよな?


『ええ、確認出来ますが⋯⋯』


折角だし試してみよう。スキル解放条件、オープンッ!!


『そのハイテンションも久々のように感じますね。こちらです』



――――――――――――


雨宮涼子

スキル解放条件

『二十四時間肉に属する物体を食べない』


――――――――――――



まさかの肉限定の断食!?俺がカニバリズム要求されてるのに対してこっちは食うなってか。


まあ、条件に関しては難しく無さそうだ。で、これを解放してもらう意味はあるかって話だが、既に充分強いし解放しなくてもいいかもしれないんだよな。

あ、いや待った、確か『武装術』の強化条件って『他者のスキル解放、強化の手助けをする』だったよな?


『そうですね。つまり雨宮様のスキルを意図的に解放することが出来れば、カウントもあと一回ですので『武装術』が強化されます』


よし、それなら折角だし解放してもらおうか。

問題はどうやって伝えるかって事なんだが⋯⋯いや待って?


これ、つまり『雷神』解放してから⋯⋯一度も肉を食わなかった日はないって事か?


その割に太った様子は無いが⋯⋯しっかり運動してるのかな。



⋯⋯あ、そうだ、直接的じゃないがこれなら一日くらい肉を食わなくなるかも。



「そういや雨宮」

「何?」


俺は玄関で靴を履いていた雨宮に声をかけ、こう言った。




「最近太った?」

「⋯⋯フンッ!!」

「ゴハァッ!!?」



腹ッ!!腹パンッ!!痛いっ!とても痛いっ!!



「⋯⋯何をやっとるんだお前は」

『マスター、最低です』


見送りに来た仁美に呆れられ、ライマに軽蔑されたがそんな事に構ってる余裕は無い。雨宮テメェ『雷神』発動しやがったな!?しかも鳩尾にクリティカルだぞ死ぬわ!!


「じゃあ鈴木さん、今日は楽しかったわ。また会いましょ!」

「ああ、コイツに関しては後は任せてくれ。また会おう」


雨宮はいい笑顔でそう言ったあと、玄関から出ていった。


玄関のドアがバタン⋯⋯と音を立てて閉まると、一つため息を吐いたあと、仁美が言った。


「お前は何故自ら死にに行くような真似をした?」

「ひ⋯⋯必要悪、なのさ⋯⋯」


俺は何とかそれだけ絞り出すと、その場に倒れ伏した。



――――――――――――――――――



「⋯⋯もっと上手くやる方法はあっただろうに」


俺が事情を説明すると仁美からはそう言われた。さっきから呆れられっぱなしである。


まあ、これで『武装術』の強化が入ったら作戦大成功って事で。


『にしたって女性に「太った?」は無いでしょう』


いい案だと思ったんだよ!俺だって相手が美佳子とかだったら言わねぇよ!


『「そういう問題じゃない」です』


そ、そうか⋯⋯いやライマお前は肉体無いから関係無いだろ?


『もう一度言いましょう。そういう問題じゃないです。マスターは女性の扱いがなっておりません』


いや男子高校生に女の扱い云々期待されても⋯⋯


「言い訳は女々しいぞ?」


うぐ、分かったよ⋯⋯今後に期待してくれ。でもお前がパトロールサボったのは許さん。


「薮蛇!?それは⋯⋯いや、悪かった、ちゃんとしよう」


ふっふっふっ、言い訳は女々しいと言った手前何も言えまい!!


『マスターと仁美様のやらかし度合いは明らかにマスターの方が上ですけどね』


ぐうの音も出ないぜちくしょうめっ!!



「ああそうだ、話は変わるが報告しておきたいがあるのだが」


ん?なんだいレディ、言ってみたまえ。


「キモッ⋯⋯私が街中をパトロールしている最中にだな、『解析』のスキル保持者を見かけたのだ。これはつまり同じスキルを持つ人間な訳だが⋯⋯」


キモッてお前もうちょっとオブラートに包んでさ⋯⋯


いや、それより同じスキルを持つ人間を見たってことはつまり⋯⋯ライマ、『封印』の強化カウントは!?


『確認したのですが、増加してませんでした。あくまでマスター本人が視認する必要があるようですね』


ちっ、これが上手くいったなら分体をばら蒔いてサクッと色々達成出来たってのに!!


⋯⋯いや、つーかもうちょっと早く思いつけたよねこれ。今更確認することになるとは思わなかった。


まあ、仁美のパトロール範囲内にいたならいつか俺が会うこともあるかもしれないな。『封印』は強力だし強化はしておきたいが焦ったって仕方ねぇだろ。あと五人も見つける必要ある訳だし。


あ、そういや『聖光』の使用回数も俺が使わないとダメ系?


『ダメ系ですね』


そっかぁ⋯⋯『性別反転』の物質破壊を仁美に任せたりは?


『それは⋯⋯大丈夫みたいですね』


えぇ⋯⋯?基準が分かんねぇ⋯⋯


『私自身も、判定は出来るのですが、その理由が説明出来ません。曖昧な表現ですが、『勘』としか言いようがありません』


本当に謎だらけだなおい。



そうだなぁ⋯⋯とりあえず、今日達成できそうなものだけ達成して、さっさと寝るか。

明日寝坊してTFSP行けませんでしたテヘペロじゃ済まされないし。


そう思っていたら陽菜から秋人の部屋の確認の電話が来た。言い忘れてごめんな!文句は邪魔したガキ共に言ってくれ!



気を取り直して、簡単なものから達成していこう。まずは『気功法』!


条件は500回の防御。カウントはあと74回だった筈だから例の如く仁美のパンチを捌いて完了。え?雨宮のパンチ?防げてないからノーカンだよ。


気功法3→4


強化内容は普通に貯めれる生命力の増加。400%になったぜ!



次、錬金(ファウスト)。条件は毒の作成。


これ、最初は青酸カリ作ろうと思ってたけど、そんな危ないもの作らなくても簡単な方法を思いついた。


この毒ってのが生物にとっての毒ならなんでもいいのならば⋯⋯蚊取り線香の煙でもいけるのでは?という。


何故か叔母が「夏に備えて」と送ってきた(多分実家の在庫処理)蚊取り線香に火をつけてみて⋯⋯どうだ?ライマ。


『⋯⋯あ、条件を達成しました』


発想の勝利だな!強化内容は扱える元素の種類の増加。やっとそこそこ使えるようになってきたレベル。


錬金(ファウスト)3→4



そして『念話』と『竜化』。これは強化条件が似ている。


『念話』は15個のスキルの同時発動。

『竜化』は15個のスキルを同時発動し、一時間継続。


更に『念話』は『自爆』が邪魔をしてるがギリギリ20個同時にスキル発動か可能なので第4段階にも出来る。


という訳で飯を食いつつ体から『閃雷』をバチバチ言わせたり風呂に入りながら指先で『蒼炎』を発動してコントロールの練習みたいな事したり『赫氷』を『装甲・腕』で纏ってみたら壁を傷つけてしまい慌てて『錬成』で戻したりとしていたら一時間が経っていたようで強化が完了した。


強化内容は『念話』は普通に距離の拡大。

竜化は発動時のサイズ、全身の強度の増強。

まあどっちもあんまり変化を実感する機会が無いんだけどな⋯⋯


念話2→4

竜化3→4



あと帰宅中にいつも通り『錬成』が強化入ってたな。こいついつまで強化続くんだろ。気づいたら人体まで対象にできるようになってたし⋯⋯


錬成21→22



今達成出来るのはこんな所だな。どれもこれも純粋な強化だったな。あとは寝る前に『聖光』を発動すればOK。


さて⋯⋯明日は支部長に何を言われるのか⋯⋯今からちょっと緊張してきたぜ。



えかも(逆文字)

――――――――――――

雨宮家にて

颯太「おお、おかえり涼子!ご飯できてるぞぉ!!」

涼子「⋯⋯ねぇ兄貴」

颯太「ん?」

涼子「私、最近太ったかしら」

颯太「何を言っているんだい涼子」

涼子「そ、そうよね、私太ってなんか⋯⋯」

颯太「涼子がぽっちゃりになっても俺は涼子の事を愛してるぞ!!」

涼子「⋯⋯フンッ!!」

颯太「ゴハァッ!?」

――――――――――――


スキル変化


気功法3→4

念話2→4

竜化3→4

錬金ファウスト3→4

錬成21→22

――純粋な能力強化


聖光3→4

――次回解説



※6/12仁美がいる場でTFSPについての話を思い切りしていたので描写を追加。

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― 新着の感想 ―
[一言] おっとぉ? 錬成から危ない匂いがするぞぉ? 時間経過で何もしなくても強化されてく能力って... しかも錬成... 最高Lvが存在しない(ゲームではないから)なら途中から他の能力要らなくなるぞ…
[一言] 更新ありがとうございます! なんとなくホームを見たら高一の勇者さんの活動報告があって数秒間思考停止してしまいました(笑) コロナで学校がなくなったり、課題が大量に出されたりと最近嫌なことが…
[一言] この世で理解出来ない真理とは女心である。
2020/04/13 00:13 退会済み
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