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誤解と強化とDrawfour

伏線を蒔き蒔き。


一週間以内に書き上げようと思ったのに普通にオーバーしましたごめんなさい。


しかし最近コロナウィルスの話題ばかりですね。皆さんもお気をつけください。

まず、どうして秋人の家に突っ込んで来たのかって話だが。


「私は今、超能力者達に追われていて⋯⋯引き離すことには成功したから、一日誰かに憑依してやり過ごそうかと考えてたの」


ぐずぐずしているとまた追手に見つかる可能性があった為、人の気配があって楽に侵入出来そうな所に向かってきたのだそうだ。


秋人の住むアパートは大抵が一人か二人しか一部屋に住めない程度の広さだ。

外見からある程度それは分かったので、とりあえず突っ込み、一人ならそのまま、2人なら片方を迅速に気絶させるなりして憑依しようと考えていたらしい。


そこら辺を歩いてる人ではダメだったのかと訊ねると、


「歩いてるってことはどこかに向かってるってことだから、そこに憑依すると私の存在を誤魔化しづらいのよ。憑依先の知り合いに会う可能性も高いし⋯⋯」


その点家にいる人に憑依すれば憑依先の予定に関わらず、大抵を不調を装うことで乗り切れるそうな。


まあ確かにいきなり女性が飛び込んできて気づいたら一日経ってた、とか他人に話したところで信じられる訳無いし、そっちの方がいいのかもな。



そんな訳でとりあえずここに突っ込んできた理由は分かった。




十中八九、超能力者達というのはTFSPの事だな。


あの日、東堂ファミリーの本拠地にやってきたTFSPの集団が俺らを見失った後にビルに突入、吸血鬼達を制圧したのだろう。


で、『憑依』の吸血鬼はそこから何とか逃げ出すことに成功。追っ手を撒くために憑依先を探し、秋人の家に侵入。


が、そこにはまさかの俺。ビビった『憑依』吸血鬼は気絶⋯⋯と。



『⋯⋯運悪いなコイツ』

「よりにもよって隆二のいる所に突っ込んでくるとかなぁ⋯⋯」

「私が何したっていうのよ⋯⋯」

『んー、美佳子の体を乗っ取ったりしたなぁ?』

「隆二がおこだぞ」

「すみませんでしたっ!」


瞬時に土下座の体制に!?


⋯⋯もういいか、多分こいつも戻るところがほぼ壊滅した訳だし。


『しょうがない⋯⋯高野家に預けておくか』

「えーと、高野家に預けるとか言ってるけど⋯⋯」

「い、いいのっ!?」


土下座から顔をガバッと上げ、嬉しそうに言う。


⋯⋯あれ?敵対してたんじゃ無かったの?


「高野家なら優しいから殺される事は無いだろうから⋯⋯」


あー、うん、確かに割と優しいよな高野家。殲滅じゃなくて重役捕らえて脅して停戦交渉を狙うってのもまだ優しいやり方だと思うし。物騒ではあるけど。


それはそれでいいとして⋯⋯


『そろそろ顔合わせても大丈夫じゃないか?』

「えーと、隆二がこのやり取りの仕方面倒臭いからこっち来てもいいかって」


意図を汲んでくれるのは有難いけど身も蓋もねぇな。


「嫌!!」

『えぇ⋯⋯?』


勢いよく拒否られた。


怖がられるのは仕方ないけどさぁ、危害加えないのはもう理解して貰えたと思うんだけど。ビビり過ぎでは?


「なんでそんなに⋯⋯」

「だ、だって⋯⋯」


少し言うのを躊躇うような素振りを見せたが、バッ、と顔を上げ、言った。



「私達のボスを殺したのは⋯⋯竜、貴方なんでしょう⋯⋯!」



⋯⋯ああ、そっか、なるほど。

そう、思ってたわけか。


「待て!隆二がそんな事する訳――」

「実際にボスは死んでるのよ⋯⋯竜以外、あの時殺せた奴なんている訳ないでしょう!!」


恐怖より怒りが勝ち始めたのか、語気を強め、責めるように俺に叫び始めた。


「⋯⋯一応言っておくが、俺はやってない」

「っ⋯⋯!そ、そんな言葉信じると思うの!?」


俺が扉越しに直接答えたことで、少し怯んだものの、それでも彼女は強く俺に言葉を浴びせる。


「私達のボスを!殺した男なんて!!信用出来るはずが無いでしょ!!」



⋯⋯全くもって、その通りだろう。少なくとも彼女からすれば、そうなんだろう。



「クソッタレが⋯⋯」

「っ⋯⋯や、殺るなら、いっそ殺りなさいよ!!」


思わず俺が漏らした言葉と怒気に、『憑依』女はそのように返す。顔は見えないが、声は震えていて、心底恐怖しているだろう事が伺える。


けどそうじゃない。そっちに怒ってる訳じゃ無い。


俺の怒りはここまで事態をややこしくしてくれた、東堂を脅迫していたという全ての元凶らしき存在に対してだ。


そりゃ殺人者扱いされた事自体に苛立ちはあるが、元はと言えば元凶がいるのだ、当然そっちにヘイトは向く。

この『憑依』女も状況からすれば勘違いしても仕方ないのだから。


『⋯⋯秋人、すまんが俺は帰る。ここに迎えを寄越すからそいつにその吸血鬼を引き渡してくれ』

「⋯⋯あんまり気に病むなよ、お前が殺人なんてしないってことは俺は知ってるから」

『あぁ⋯⋯ありがとう』


俺は秋人に礼を言い、『憑依』女に声をかけた。


「⋯⋯高野家に迎えに来てもらう事にしたからここで待ってろ。まだ色々言い足りないかもしれないが今度聞く。今は休んどけ」

「⋯⋯⋯⋯」


返事は無く、息を荒らげる気配だけがした。


俺は踵を返すと、秋人の家から外に出た。


『⋯⋯マスター』


慰めの言葉なら要らないからな、ライマ。


恐らくは、東堂を殺した奴と高野家を狙ってる奴らの背後にいる奴は同一人物の可能性が高い。吸血鬼騒動に二つも別の人物が関わってるとは思えないしな。


つまり、このまま吸血鬼の件に関わり続けてれば黒幕とはいずれ会えるだろう。そん時にそいつに全力の一撃をぶちかましてやればそれでいい。


全部終われば、誤解も解けるだろうさ。



『そうでしょうね⋯⋯ですが、マスター。私とて、謂れのない中傷をマスターに向けられれば平常心ではいられません』



⋯⋯ん?それってつまり⋯⋯


『はい。私も怒っております。ええ、とても』


⋯⋯え、いつもはお前が謂れのない中傷を俺にしてくる癖に?


『そういう軽口は今はいいです』


アッハイ。


いやちょっと待って、そんなに怒ることだったかあれ?


『罪を被せる先を間違えるなど言語道断。それこそ人として最も忌むべき罪なのです。この私、ライマの名においてそれは確かなことだと保証します』


おーいライマさーん!?戻ってきてー!なんか怖いよ!?




『⋯⋯私の名において(・・・・・・・)⋯⋯?どういうことでしょうか⋯⋯?』




え、自分で言っておいて疑問形?


『⋯⋯いえ、とにかくマスター。私は貴方に濡れ衣が着せられているのが我慢なりません』


ああうん。それはよく分かった。なんかお前が取り乱してるとこっちが落ち着くわ⋯⋯


まあ、俺はそんなに気にしてないから、な?落ち着け落ち着け。


『マスターがそう仰るのであれば⋯⋯』


ていうかこれでそんなに怒るなら雨宮の時も怒ってそうなもんなんだが。初対面でウロボロスの構成員と間違われたじゃん。


『殺人の濡れ衣程ではありませんでしたし、すぐに誤解も解けましたから』


そういうもんか⋯⋯


まあいいや、お互いに落ち着いたところで陽菜でも呼んで来てもらお。


『⋯⋯おや?』


お?どした?


『⋯⋯ええと、私の強化段階が上がっております』



⋯⋯⋯⋯ファッ!?



――――――――――――――――――



とりあえずやることは済ましておこうということで陽菜に電話をし、『憑依』女を保護するように頼んでおいた。


『何がどうなったらそのような事態になるのですか』

「俺に聞かれても困る。友人の部屋に突っ込んできたのは相手側だし」

『⋯⋯分かりました、こちらも東堂ファミリーの二人が起きましたし、合わせて情報を確認しようと思います』

「分かった、頼むぞ」

『はい⋯⋯ひゃっ!?ちょっ、こら!スカート捲りとか何やってるんですかこの悪ガキ共!!あっ、失礼しますね!』

「お、おう⋯⋯」


ドタバタという足音と『陽菜お姉ちゃんが怒ったー!』『逃げろー!』とかいう子供の声がしてたからあのチビ共にちょっかいかけられてるんだろうな⋯⋯真面目になった分対応に苦労してそう。



さて⋯⋯じゃあ帰りつつ諸々の確認といくか。急ぐ訳でも無いしゆっくり歩いて帰ろう。


まず、ライマの強化内容について。というか何故強化入ったんだ?


『私の感情の強い発露が強化の条件だったようですね』


つまりライマがムカ着火ファイヤーしたから強化されたと。


『だからマスター、古いです。強化内容についてですが、まず索敵範囲が半径250mになったこと、強化条件の四段階目の把握が可能になった事です。これは毎回の事なので詳しい説明は必要ないでしょう』


いつものだな。またスキル確認しとかねぇとな。


『次に追加された能力ですが⋯⋯他者のスキルの解放条件の把握が可能になりました』


へぇ、そりゃ凄い。やったね!



⋯⋯いやいやいや待って?今なんつった?



『他者のスキル解放条件も把握できるようになりました。強化条件は確認不可ですが、スキルの解放条件はいくらでも確認できます』



⋯⋯それはヤバいだろ。それってつまり俺がちょっとその気になればいくらでもスキル持ちを増やせるっていう事だろ?

今までは成長型チートだったが⋯⋯今度は量産チートかよ、留まるところを知らねぇ!!


はぁ⋯⋯みだりに確認しないでおこうか。


『同意します。世界のパワーバランスが壊れかねません』


よし、それで他には能力強化は無いか?


『他には特にありません』


OK、そんじゃあ他のスキルの強化条件について確認しようか。あ、ついでに俺の今持ってるスキルも再確認させて。


『了解しました』



――――――――――――――――――

名持ち(ネームド)スキル

賢神(ライマ)4(思考補助系)

覇王(バハムート)3(身体強化、妨害系)

極ノ旗(バラキエル)3(スキル強化系)

錬金(ファウスト)3(現象系)


属性系スキル

閃雷20

蒼炎3

赫氷


現象系スキル

装甲・腕4

装甲・脚

錬成21

聖光3

念話2

分体5 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2

気功法3


思考補助系スキル

解析


身体変化系スキル

性別反転3

竜化3


干渉系スキル

封印


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX


――――――――――――――――――



⋯⋯ここまで増えるとそろそろ俺自身も把握が辛くなってくるな。これ合計⋯⋯24個か。パないわ。あと『封印』は新カテゴリ扱いなのね。


名持ち(ネームド)スキルを除いて唯一他のスキルに干渉するスキルですから』


そう言われると確かに⋯⋯結構レアなのかね。


あ、そういえば強化数的に『分体』が強化されてもおかしくなさそうなんだが⋯⋯されてないの?


『されておりませんね。恐らくは何か別の条件に変化したのかと⋯⋯』


『閃雷』と『錬成』は全く変わる兆しを見せねぇのに⋯⋯いや、もしかしたら変化入る可能性もあるのか?


『可能性はありますね。スキルにはあらゆる点で法則性が読めませんので』


同じだったり毎回変わったり意味がわからないよな。


そんじゃ次、強化条件の確認といくか。『封印』とか『赫氷』とかの確認もしてなかったしな。


『了解、こちらです』



――――――――――――――――――

スキル強化条件


聖光

『このスキルを15回使用する(カウント14)』


心眼

『悪事を10回止める(カウント8)』


蒼炎

『スキルを3つ特殊強化する』


竜化

『スキルを15個同時に使用して一時間保つ』


覇王バハムート

『一騎当千を達成する』


錬金(ファウスト)

『毒を作り出す』


性別反転

『一定以上の硬度の物質を破壊する』


念話

(第二条件)『スキルを15個同時に発動させる』

(第三条件)『スキルを20個同時に発動させる』


武装術

(第二条件)『他人のスキルを合計5つ以上解放もしくは強化する(カウント4)』

(第三条件)『他人のスキルを合計7つ以上解放もしくは強化する』


極ノ旗(バラキエル)

名持ち(ネームド)スキルを合計20個確認する。(カウント18)』


装甲・脚

『スキルを10個以上保持している人間を発見する』


気功法

『攻撃を500回防御する。(カウント426)』


封印

(第一条件)『自分と同じスキルの保持者を10人視認する(カウント5)』

(第二条件)『自分と同じスキルの保持者を15人視認する』

(第三条件)『自分と同じスキルの保持者を20人視認する』


赫氷

(第一条件)

『他者の爪を食べる』

(第二条件)

『他者の皮を食べる』

(第三条件)

『他者の肉を食べる』


――――――――――――――――――



⋯⋯これあれだな。脳裏に表示させても覚えきれないわ。ライマに管理任せた方が良さそう⋯⋯まあ、とりあえず確認していこう。


で、初っ端目に付いたのが⋯⋯『覇王(バハムート)』。


出たよまた闘争系のが!一騎当千を達成ってこないだのじゃダメだったのかよ!!


『恐らくは⋯⋯文字通り、一人で千人(・・・・・)を打ち倒す必要があるのでしょう』


今度は無双ゲーのムーブ要求してきやがった⋯⋯このスキルは俺に何を求めているんだか。達成出来る気がしねー⋯⋯


ほいで、次。スルーしてたが『蒼炎』の強化条件が中々に面倒臭くなってるな。特殊強化三回って⋯⋯お前⋯⋯


『同じスキルで特殊強化を複数行ってもカウントは1回のようです』


⋯⋯本当に面倒臭くなったな!?まあ、本気出すなら『閃雷』使いそうだしいいんだけどさ⋯⋯


んで、『錬金(ファウスト)』。毒ってお前⋯⋯物騒だなぁ。前回まで料理とかじゃなかったか?


まあ毒なんて青酸カリ作るだけだし簡単に達成出来そうだな。


『作り方が分かるのですか?』


漫画で読んだ!!(ドヤ顔)


『えぇ⋯⋯』


まあ作った毒を使うって訳じゃ無いんだし。暇な時に作るか。


最後に『赫氷』。何を要求してくるんだよ何を!!こういうのなんて言うんだっけ?


『カニバリズムですね』


そうそれ。なんでカニバリズム要求してくるんだよ!?しかもこのまま行ったら絶対人一人の全身食えとか要求してくるだろ!


はぁ⋯⋯まあ、2段階目くらいなら誰かに頼めば出来るか。3段階目は達成しなくてもいいや。


『⋯⋯⋯⋯そうですね、それがいいです』


⋯⋯んー?なんか変な間が無かった?


『気のせいでは?』


誤魔化しが凄い雑!?


『それこそ気のせいでは?私は特に間を空けたつもりは無かったので』


そ、そうか⋯⋯まあいいか。


残りのスキルは⋯⋯大体そのまんま回数が増えただけだし、深い確認は要らないな。


『聖光』は使えば今すぐ強化出来るけど⋯⋯念の為寝る前までやめとくか。緊急事態が起きた時に強化段階的に『分体』は遠くからの回復が出来ないしな。


お、そろそろ家に着くな。さて、落ち着いたら色々考えねぇとな。


昨日の俺と東堂ファミリーの戦いが周囲にどんな影響をもたらしてるのか分かんねぇし、用心しておくに越したことはないだろう。


それに⋯⋯



『いい、か、あの者、には⋯⋯⋯⋯今の、貴様でも⋯⋯⋯⋯手も足も出ない(・・・・・・・)



東堂武蔵が言い残した、『あの者』。


一体何者なのか⋯⋯少しでも情報を集めておこう。何となくだが⋯⋯いずれ相見える時が来る気がするから。









「Drawtwo!赤よ!」

「Drawfour、青」

「ああっ!?六枚ドローは卑怯でしょ!?」

「調子に乗って同じ色を大量に出すからそうなるんだ⋯⋯」


⋯⋯俺が真剣に考えてる中仁美と雨宮(おまえら)なんでウチでカードゲームやってるの?


ekamo

――――――――――――――――――

『憑依』吸血鬼

あんな事言って次会った時殺されないか今更怖くなり始めた。

秋人

そういえば結局宿題あんまり進められなかったことに気づいて困っている。

陽菜

秋人のアパートの部屋番号聞きそびれた事に気づき恥ずかしがりながら隆二に電話するまで後十分。

――――――――――――――――――


スキル変化

賢神(ライマ)3→4

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございます! 主人公(ライマ)のチート化が加速していくw でも『あの者』に勝つためにはそれだけじゃダメなんだろうなぁ… そろそろ閃雷を上げなおす必要があるかも? ところで秋…
[良い点] スキルの解放条件と強化条件が分かった時と、それを達成しようとしてる時が、私は1番ワクワクしますね! 今回の話を読んで、めっちゃワクワクしました!! [一言] 投稿ペースが不定期でも、なんだ…
[一言] あれ?ライマの強化条件(5)って自分で分かるのでは? 赫氷の強化条件いずれ地球外生物(エイリアン)を食べるとか出てきそうw
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