休幕:次の始まりへ
忙しさで死にそうです(テストその他諸々)。全然書けないっす⋯⋯
ボックス⋯⋯行けるといいなぁ⋯⋯
あ、スカディ当たりました(勝利宣言)
おはよぉーーーー!!大葉隆二でっす!
いやー、変に遅い時間に寝たせいか逆に寝覚めいいな!何でだろ?
ちなみに今日は土曜日なのでゆっくり出来る。え?じゃあなんで昨日課題やってたかって?土日だからって結構な量出してくるからちょいちょいやらねぇと悲惨なことになるのさ。
それはさておき、と。
先程言った通り今日は土曜日なので時間はたっぷりある。なので⋯⋯
「諸々の事情の説明といくか⋯⋯」
「うん、出来れば隆二君のことは全部知りたいな」
美佳子ってちょくちょく言い回しがヤンデレっぽい時がある気がする⋯⋯
あ、ちなみに仁美はさっさと見回りに向かっていった。
『ラブコメはフィクションで楽しむものだな』
とか言って。うるせぇよ。
――――――――――――――――――
とりあえず、スキルについてを説明することにした。ライマに、
『全て話しても良いのですか?』
って改めて聞かれたけども、あんな危険な目に合わせたんだから、下手に隠し事する方が危ないと思ったので、しっかり説明した。
その過程で当然ライマの能力も話したわけだが⋯⋯
「⋯⋯す、すごいね⋯⋯」
うん、割と引かれた。
「いやまあ、俺も大概チートすぎると思うけどね?」
これで驚きなのが東堂のあの適わない宣言だよ、マジ意味不。これ以上のチートって何があるのかと。
「竜人の姿になってたのもスキル?」
「そうだな⋯⋯というか俺の特殊能力は全てスキルだ」
「⋯⋯何個くらいスキル持ってるの?」
「今は⋯⋯23個かな」
「す⋯⋯すごいね⋯⋯」
改めてドン引きしないでくれ⋯⋯
「あ、そうだ、スキルって偶然解放することもあるんだよね?なら私も何か持ってたりしない?」
と、ふと思いついたのか美佳子が訊ねてくるが⋯⋯一つも無いんだよなぁ⋯⋯
ごめんな、そんなキラキラした目で見られても⋯⋯
「すまん。無い」
「⋯⋯一つも?」
「うん、無いね」
「そっかぁ⋯⋯面白そうなのに⋯⋯」
スキルを持たないことを宣告された美佳子はガックリと肩を落とした。
やっぱりこういうのは男女問わずワクワクするものなんだろうか。俺も未だに次にどんなスキルが解放されるか楽しみにしてるけど。
あ、そうだそうだ忘れてた。ライマ、次のスキル解放条件はなんなんだ?
『はい、次のスキルの解放条件は『誰か一人の自分以外の人間の髪の毛を食べる』⋯⋯ですね』
⋯⋯その展開どっかのマンガで見た気がするよ俺。なんとも言えねぇ。
『気持ちは分かります。ですが、条件としてはかなり楽な部類です。運が良かったと捉えておきましょう。 』
いやまあ、うん。最近のに比べりゃ楽だけどさ。
「どうしたの?なんだか顰めっ面してるけど⋯⋯」
「あー、実は次のスキルの解放条件が『他人の髪の毛を食べる』なんだよ⋯⋯」
「あ、なるほど⋯⋯確かにそれはちょっと⋯⋯」
まぁ、だからって解放を諦める気も無いんだが。さて、どうしたものか⋯⋯
と、思っていたら。
「その、良ければ私の髪、いる?」
「⋯⋯うん?」
⋯⋯いいのかこれは?
「あー、うーん⋯⋯じゃあ、頼む」
結局少し迷った末に貰うことになりました。
「えーとじゃあ、頂きます?」
そう言いつつ貰った美佳子の髪の毛を口に含むが⋯⋯なんだろうね、このやってはいけないことをしている感じ。何も悪いことしてないはずなんだけどなんか後ろめたいんだけど。
というか美佳子の目の前でやる必要無かったのでは?いやもう遅いけど。
とりあえずさっさと飲み込んでしまおう。えいやっ。
『スキル解放条件を達成しました。今回解放したスキルは『赫氷』です』
え、何その名前カッケェ。効果は?
『赤い氷を生成するスキルです。物を巻き込むように生成して閉じ込めることも可能です。生成可能範囲は現段階で半径5mですね』
おおう、緑色の雷に青色の炎と来て赤色の氷か。コイツらもしや同系統?
『それは不明ですが、『竜化』と相乗効果を発揮出来る点は同様です』
やっぱし同系統なんじゃね?
ちなみにこれ、赤い以外は普通の氷?
『いいえ、通常の氷と違い、どんなに高温になっても溶けません。逆に0℃にすることで消滅します』
ファンタジーに稀にあるタイプの奴か。てか、え、それめちゃくちゃ強くね⋯⋯?あ、そういや物理的強度は?
『温度に比例し向上します。100℃の時ならばタングステンと同程度の硬度を誇ります。とはいえ、金属ではないため衝撃には幾分か脆いですが。逆に10℃の時などはおおよそ発泡スチロール並でしょうか。30℃の時が通常の氷と同程度の強度となります』
なるほどねー⋯⋯特徴がハッキリしてて分かりやすいな。つまるところ高温ほど強い氷らしきものを生み出せると。
『そうなりますね』
試しに手のひらを上に向け、その上に小さな塊を生み出してみる。おおう、真っ赤。少し透き通ってはいるがとても赤い。
「わぁ、これ何?」
「今解放したスキルだな。『赫氷』って言って、赤い氷を生み出せる」
「本当に今ので解放出来たんだ⋯⋯」
美佳子が赤い氷を見て訊ねてきたので、軽く説明するとそんな言葉が帰ってきた。
「だって、髪を食べただけでそんな超能力が使えるようになるなんて思わないもん」
「ごもっともで⋯⋯」
解放条件に法則性はあんまりないからなぁ⋯⋯
「まあ、こんな感じでスキルを解放出来るわけだ。OK?」
「うん、それは分かったけど⋯⋯そのスキルを使って何をしてるの?」
「何を?んーまぁ、昨日みたいな、非日常的な?」
そうだな、これらについても説明しておくか。
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そんな訳でTFSPと吸血鬼についても説明。
「⋯⋯そんなことが本当にあるなんて思わなかったなぁ⋯⋯」
そんな遠い目をされても。俺だってここまで非日常に巻き込まれるとか思ってなかったわ。
「でも吸血鬼の方は実際に体験しただろ?」
「そうなんだけど⋯⋯」
まあ、リアルにこんなことが起きたらそうそう直ぐに適応できる奴とかおらんだろ。
『マスターも最初は私のことを幻聴と断じてましたね』
常識的に考えてそう考えるのが妥当と思うぜ。
『こんな優秀なサポートスキルを幻聴と断じる常識が間違ってます』
唐突に暴論差し込むようなキャラだったかお前。
「とにかく、見たものは信じるしかないさ」
「そうだね、分かったよ」
そういう訳で美佳子にも納得してもらえた。
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美佳子への説明が終わる頃には、既に正午近くの時間になっていたので、一旦昼食を取り、その後美佳子を自宅に送り届けることとなった。
行方不明として捜索される直前だったのだ、早いところ家に帰して両親を安心させるべきだろう。
美佳子もそれに同意し、現在、電車に乗って美佳子の家へと向かっている。
「結構遠いな⋯⋯」
「もうちょっと近ければ良かったんだけどね」
それはどうしようもないと思う。
「ご両親には連絡した?」
「うん、帰るって言ったら、あんまり心配させるなって怒られちゃった」
「そうか⋯⋯ごめんな、俺のせいで」
「隆二君のせいじゃ無いよ、気にしないで」
そんな会話をしていると近くの受験生らしき少年が「リア充共め⋯⋯」とか言ってるのが聞こえた気がするがスルーする。
「それならあんまり怒られないように俺からも説明しようか?」
「ううん、大丈夫だよそこまでしなくても。それに、隆二君が来たらもっとややこしいことになりそうだし⋯⋯」
「そ、そうか?」
「うん、主にお父さんが⋯⋯」
お父さんが⋯⋯?と疑問に思っているとさっきの少年が「あれだろ?娘はやらん!とかいきなり言い出すやつだろ?」とか呟いてたので納得した。そんな漫画みたいなタイプの父なのか。
「そういうことなら止めておくけど⋯⋯心配だし、家の前までは送るよ」
「隆二君⋯⋯わざわざありがとう」
「元はと言えば俺のせいだし、この位はな」
「もう、だからそれは隆二君のせいじゃないって」
さっきの少年が「誰か、ブラックコーヒーをくれ、見るに堪えない」とか呟いてる。さっきから丸聞こえだからやめてくれない?
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その後は特にトラブルも起こることなく美佳子を送り届けることが出来た。玄関で美佳子の母がダッシュで来て泣きながら抱きしめてたのを見るに、とても家族思いなんだろうな⋯⋯
その後父親も来て、安心したような顔を見せた後にこちらを警戒するような目付きで見てきたのは気にしないでおこう。今は気にすることじゃないよね。うん。
今はそんなことを考えつつ、電車で帰っている。
しかしこの一週間は中々忙しかったな。ていうかまだスキル解放し始めてからひと月くらいしか経ってない筈なんだが。
『マスターは巻き込まれ体質なのかもしれませんね』
ぶっちゃけ遠慮したい。が、難しいだろうなぁ⋯⋯最上家にもウロボロスにも情報は伝わってそうだし。
それならもういっそ巻き込まれる前提で能力を高めるとしようか。つーわけで次のスキル解放条件おせーて。
『すぐに訊ねないから忘れているかと思いましたよ。次の解放条件は『他人に対し、自分が得となる取引を行う』です』
わ、わわわ忘れてねーし!?それはともかく、自分が得となる取引をする、か。また別ベクトルの条件が来たなぁ。
『ちなみに仁美様は対象外のようです』
ちっ、一円渡して十円渡してもらったら即達成と思ったのに。
しゃあない、条件を満たせる対象が現れるまで待つとするか。
となると今日は暇だな⋯⋯課題をさっさと終わらせてしまうか?後は、支給されたあの武器の練習をするのもいいかもしれない。
本当は東堂ファミリーの時に使おうかと考えてたんだが完全に頭からすっ飛んでたんだよなぁ⋯⋯まあTFSPの連中が来たから結果的には見せなくてすんだから良かったけど。
そんなことを考えていたら。
「うん?なんか着信来てるな」
あ、秋人からだ、なんか久しぶりな気がする。
「よう、何の用だ?」
『⋯⋯新しいスキル解放した』
「ファッ!?」
え、お前マジで?嘘やろ!?
『とりあえずお前に調べてもらおうと思って⋯⋯』
「OK分かったすぐ行く!」
そんな訳で俺の今日の予定は秋人のスキル確認となったのであった。
『あ、それと宿題教えてくんね?』
「お前そっちが本題じゃなかろうな?」
おまけだ、もってけ!
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一方東堂ファミリーのアジトでは
「クソっ⋯⋯コイツら面倒臭い能力持ってたね⋯⋯大分逃がしちまったよ」
「ぐっ⋯⋯本調子であればこんな奴ら⋯⋯」
高強化度の吸血鬼により何とか半数ほど逃げ切っていた。
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スキル変化
錬成21
解放条件
『他人に対し、自分が得となる取引を行う』