表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/88

恋色の戯曲

テストとレポートで疲れました。なお、まだ終わった訳ではないです。電車に乗ってる時に書き進めました。


もう20日近く更新停止してましたからね。出来たなら出さねばと。


あ、そういえば50階制覇には成功しました。しかし今回のイベントはまだ参加出来てません。暇が無い。メイド服可愛いくらいしか言えることが無いです。


あと咳が1週間止まりません。誰か助けてください。


それはそれとしてサブタイいいのが思いつかないんですけど。〜曲縛りはやっぱり無理があったのでしょうか⋯⋯


そんな私の近況ですが、気にせずに読んでください。


昼休みが終わり、授業が再び始まる。


午後の授業は⋯⋯理科に国語か。そういや文系と理系どっち行こうかなぁ⋯⋯まあ多分理系だな。文系行ってもやりたいことが無さそうだ。


さて、学生なんだししっかり勉強しますかね⋯⋯



――――――――――――――――



「⋯⋯古文は嫌いだ⋯⋯」


なんで「うつくし」の意味が「可愛い」になるんだよ意味わからん。あとなんで平仮名の読み方違うんだよ!同じでいいじゃん!?


国語の授業が終わり、俺は机に突っ伏してため息をついていた。


『仕方ありません。人の言葉は時代と共に移り変わるものですし』


「リア充」は今でこそ通じるけどちょっと前は一般的では無かったって話は聞いたな。そんなもんか?


『⋯⋯まあ、間違ってはないと思います』


なるほどなぁ⋯⋯なら仕方ないかもな。


とか考えてたらクラスメイトが声をかけてきた。


「おーい大葉!突っ伏してねぇで掃除するぞ掃除!」

「あ、わりぃ。すぐ片付ける!」


俺は机の上の筆記用具を急いで片付ける。ってあれ?あいつ授業中寝てた筈なんだが。


⋯⋯まあいいか。あいつは多分さっさとやることを終わらせておきたいんだろ。今日は掃除さえ終われば授業は無いからな。


そんな訳で俺が廊下を箒ではばいていたら。


「よう隆二!色々聞きたいことがあるんだが!」

「お、秋人か」


そういや昼は話し合いで時間ほぼ潰れてたから話せなかったんだよな。


「まずは今日の朝、二年の八坂先輩と一緒に登校してたって噂だが⋯⋯本当なのか?」


秋人はニヤニヤしながら聞いてくる。何が面白いんだよ。


「まあ、確かに一緒に登校したが⋯⋯」

「うーわマジかよ!ってことは何?付き合ってんの?」

「いや、今のところは付き合ってない⋯⋯かな?」

「なんで疑問形なんだよ」


そんな事言われても⋯⋯俺もどうすべきか分かりませんし⋯⋯はい⋯⋯


「まあいいや、もし正式に付き合うことになったら言えよ?祝福してやるからさ!」

「せめてその右拳隠してから言って?」


嫉妬か知らんが拳を握りしめて震えてる時点で俺を殴ろうとしてるのバレバレだから。


「殴られるのはリア充の責任だろ?」

「そんな責任ねぇよ⋯⋯」

「ちぇっ。まあいいや、それで昼間は何があったんだ?」


おっと、この話題は気をつけないとな。俺は声を潜めて伝える。


「⋯⋯TFSPの集会だな。吸血鬼を名乗る奴らが暴行事件を起こしてるらしい」

「うげっ⋯⋯それってお前が昨日関わってた奴らじゃねぇの?」

「確かにそうだが、派閥的なものが違うんだと思う」


確認した訳では無いが、彼らはそんな事をするようには見えなかった。


「ふーん⋯⋯まあ、お前がそう言うんなら多分そうなんだろうけどよ。まあ、精々夜道には気をつけるわ」

「ああ、そうしてくれ。襲われたら最悪、アレ(触手)で応戦しろよ?」

「アレ使ったところであんまし変わる気がしねぇけどな⋯⋯」


秋人が苦笑しつつそう言ったところで、


「お前らくっちゃべってねぇでさっさと真面目に掃除せぇや!」


と、さっきの奴に怒られた。真面目にってお前には言われたくないな。



――――――――――――――――



そんなこんなでHRも終わり放課後。さて、部活に行こうと思ったのだが。


なんと美佳子が教室に凸ってきた。


「隆二君いるー?」


で、教室の入口でそんな事を言うものだから、みんなの視線がバッ、と一斉に俺に集中する。いや怖いわ!


「あー⋯⋯、いるぞー」


俺が少しげんなりしつつ荷物を持って美佳子の方へ向かう。


「ちょっと、部活動の見学がしたくて⋯⋯」

「やっぱり放課後の方も来る予定だったのか⋯⋯まあ多分大丈夫だと思うぞ」


それよりもこの視線の雨から逃れたい。


「それじゃ、さっさと行こうか」

「うん!」


と、さっさと教室から出ようとしたのだが⋯⋯


「待ってください!」


唐突にうちのクラスメイトが声をかけてきた。なんだコイツ。


「ズバリ聞きます!大葉と八坂先輩は付き合ってるんですか!?」


え、ちょ、お前それ聞いちゃう!?


「嘘だろ野崎⋯⋯勇者かよ⋯⋯」

「噂が本当かは知りたかったけど、直接聞くとかマジか」

「本当にそうなのかな⋯⋯?」


彼の行動にザワつくクラスメイト。いや、そんな事を言われても返事に困るのだが⋯⋯


「え、え?そ、そんな事言われたって⋯⋯あうう」


美佳子も顔赤くして思考停止してしまったし⋯⋯しょうがないな。ここは最終手段に出るか。


すなわち⋯⋯逃走だ!!


『えぇ⋯⋯』


俺は美佳子の手を掴むと、軽く引っ張り歩き始める。


「え?り、隆二君?」

「逃げるぞ美佳子!相手にしてられるか!」


どうせ明日またなんか言われるんだろうけどその時はその時で考えればいい!


そうして俺達は部室がある方へと逃げていった。


「⋯⋯え、ちょ、なんで逃げ!?」

「そんなに聞かれたくなかったの⋯⋯?」

「いや待て、大葉、八坂先輩を呼び捨てしてなかったか?」

「あ、確かに⋯⋯!」


後日、このことで更に深く追求されることになった。



――――――――――――――――



そして今は部活中。流石にテニスコートまで聞きに来る輩はいなかったのだが、こっちはこっちで朝にあった奴のせいで根掘り葉掘り聞かれそうになった。


コーチが「そんな深く突っ込んでやるな」って言ってくれなきゃあと一時間は拘束されてた気がする。


なお、そのせいでもう美佳子の顔は真っ赤っかである。大丈夫か今にもオーバーヒート起こしそうだけど。


あと、女テニの連中も色々聞きたそうにしてたけど、自重してくれたようだ。でも視線がひしひしと伝わってくるのはどうにかしてくれ。


⋯⋯なお、活動中はやたら俺に向かって玉が飛んできました。おい待て一番手君、君のスマッシュはヤバい。てかお前は多分モテる側だろうが。


⋯⋯ちょっと聞いてみたら幼馴染に振られたそうな。強く生きろ⋯⋯



――――――――――――――――



そんなこんなで部活も終わり、放課後。美佳子と共に駅へと向かっている。結局一日中付いてきたね?


「凄いね、テニス部って。あんなに勢い良く玉が飛ぶんだね?」

「あー、まあ、慣れてないと速く見えるだけだよ」


普段より一割増しくらいの速度だった気はするけど。練習試合の時より速くない?


「あと、結構危ない所に飛んでくるんだね?」

「あー、まあ、よくある事だから慣れたよ」


今日だけで50発くらい飛んできたからな。慣れるわそりゃ。あいつら容赦なく撃ってきやがって⋯⋯


しかし『心眼』を駆使して背後から飛んできた玉を弾いたのはちょっとやりすぎたかもな。背中越しでも分かるどよめきが上がってたし。


お、そろそろ手前の駅に着くな。


「あ⋯⋯」


美佳子もそれに気づいたようだ。


「もう、着いちゃった⋯⋯」


⋯⋯その寂しそうな声やめてくれない?心臓に悪いから。


「⋯⋯⋯⋯」


駅の前、踏切の手前で彼女は立ち止まる。

体は駅の方へ向いているが、何か葛藤している様子で、少し俯いている。一体どうしたんだ?


「あ、あのさ⋯⋯隆二君⋯⋯」

「なんだ?」


俺に声をかけてからも、しばらく美佳子は悩んでいたが、答えが決まったのか、バッと顔を上げ、俺の方へと向き直る。


「つ、伝えたいことが⋯⋯あるの⋯⋯」


その顔は、ここ最近で何度も見たように、頬が赤く染まっていた。


これは⋯⋯もしや、告白かっ!?このタイミングでっ!?


あ、やばいどーしよう。そうだと意識したら俺も心臓が高鳴ってきた。


「あ、あのね⋯⋯実は、私⋯⋯」


顔を益々赤くしながら、美佳子は言葉を紡ぎ始める。


「あのとき⋯⋯薬中だった私を救ってくれた時から⋯⋯!」


ど、どうしよう⋯⋯告白は嬉しいし受け入れたいと思うけど、まだ俺はどうするか決めきれてない⋯⋯!彼女を俺の事情に巻き込む訳にはいかないし⋯⋯ああでも⋯⋯⋯⋯!!


そうこう考えている間にも、顔が熱くなり心臓は更に早鐘を打つ。


バクバクと鳴る心臓と、カンカンと鳴り始めた踏切の音が酷くうるさい。思考を掻き乱し、判断を鈍らせる。


そして、俺が答えを出す前に、一度深く深呼吸をし、覚悟を決めた様子の彼女が、



「隆二君のことがっ、」



告白⋯⋯




「大――『ガタンゴトンッ!!ガタンゴトンッ!!』」




⋯⋯出来なかった。




あー⋯⋯うん。そういや踏切鳴ってましたね?


『なんという間の悪さでしょうか⋯⋯』


予想外の展開に、お互いに硬直する。


そうしている間に、電車が過ぎ去り、静寂が戻ってくる。


美佳子の声は、電車の通り過ぎる音でほぼ全て掻き消されてしまった。彼女も、それを理解しているのだろう。顔を俯かせ、肩を震わせている。


こっちからは表情が伺えないが⋯⋯だ、大丈夫かなぁ。


「⋯⋯う」

「⋯⋯う?」

「うわぁーーーん!!」

「あっ、ちょっ、美佳子!?」


悲鳴を上げ、バッと振り返ると脱兎の如く駅へと逃げ去ってしまった。あ、改札にぶつかってICカード叩きつけてる⋯⋯駅員さんがなんとも言えない表情で見送ってる。



あー⋯⋯えっと。まあ、俺の方が覚悟決まってなかったし、結果的には良かったのかも?


『男としてどうなんだそれは?』


今女のお前的にはどうなん?


『優柔不断なのは好かん。どちらにしても早く覚悟を決めるべきだな』


一般的な女の意見なのかなそれ。でもまあ⋯⋯その通りだよなぁ⋯⋯


俺は一度深くため息をつくと、再び歩き始めるのだった。


あーあ⋯⋯明日どんな顔して会えばいいんだか⋯⋯


俺はそう悩みつつ、帰途についた。

おまけさんですよ

――――――――――――――――

八坂さんの今日の目標


・駅前で別れるまでに告白する


成果


・電車に声を掻き消されて勇気が尽き、心が折れる


なお、某友人には「そんなに急がなくてもいいのに⋯⋯」と呆れられた。

――――――――――――――――


スキル


変化無し

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ