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錯綜の序曲

今日、何となく書けそうな気がしたのでつらつらと書いていたら一話分出来てしまいました。ありゃま。


あと、やっとアーラシュが実用レベルまで育ちました。ストーリー進めるためには星五優先だったから仕方ないですよね。はい。


それと、現在45階です。行けそうな気がする。


裏庭に着くとそこにいたのは、なんだか大人しそうな印象を受ける男子と、活発そうに見える女子がいた。二人は何やら話し合っている様子だ。


ちなみにスキルはどっちがどっち?


『『歪曲』が女子、『破傷』『速読』が男子ですね』


なるほど。と、女子の方がこっちに気づいた。


「あ、来た来た、こっちだよー!」


女子の方がこちらにブンブン手を振り、呼びかけてくる。

その声に反応して男子もこちらに振り返る。なんか「えっ、マジ?」みたいな表情してるけどどうした?


俺達が二人の元に着くと、女子の方は俺の方を見つめ「ほうほう」とか言い、男子の方は⋯⋯なんだろ、えっと⋯⋯憧れのものを見るような目で俺を見つめている。なんで?

と、女子の方が何かに納得したように頷いた。


「うん、やっぱり本当に大葉隆二みたいだね?」

「へ?」


本当にってどういうこと?


「ふっふっふっ⋯⋯昨晩はお楽しみでしたねぇ?」

「え?」

「ミカちゃんを家に泊めて何をしたんだぁい⋯⋯?さぁ吐くのだ!」

「はぁ!?え、ちょなんでそれを!?」


何故に美佳子が家に泊まったことを知っている!?


「ふはははは!改めて自己紹介しよう!私は二年一組、TFSP第九班所属、新見にいみそら!ミカちゃんの大親友であるっ!!」


俺が驚愕していると、新見は高笑いを上げ、自己紹介をした。


「マジかー⋯⋯」


美佳子の親友がTFSPに所属しているとは⋯⋯世間は狭いなぁ。


「ミカちゃんは恥ずかしがって詳細を話したがらないけど、君になら聞いてもいいよね〜?」

「そこは遠慮してくれよ」


俺だって普通に恥ずいわ。あーんとか。


「さぁ吐け!どんどん吐けぇ!どうせミカちゃんが惚れてるのをいい事にあれやこれや要求したんでしょー!?」

「んなわけねーだろ俺をなんだと思ってるんだ!」

「女子の顔面をぶん殴るような鬼畜男だもん!」

「雨宮はノーカンだろ!?俺そんな鬼畜じゃねぇから!!」

「本音は?」

「変わんねぇよ!?」


どんだけ疑って来るんだよこいつ!巫山戯んな!


「おい新見、本題忘れるなよ⋯⋯?」

「ハッ!いけない、ヒートアップしちゃった。自重自重⋯⋯すー⋯⋯はー⋯⋯」


男子の方が諌め、そのお陰で新見が深呼吸して落ち着きを取り戻した。なんなのこいつ、情緒不安定かよ。


「新見がすみません⋯⋯コイツ、興奮すると話を聞かなくなるんです」

「そうみたいだな⋯⋯止めてくれて助かった」

「どういたしまして。じゃあ、僕も自己紹介を。僕は唐澤からさわ亮二りょうじ、3年生で、TFSPは第三班に所属しています」


そう言って唐澤は手を差し出してくる。握手か?


「ご丁寧にどうも。俺は大葉隆二、1年生で、TFSPは今のところ所属無しだな」


そう言って、俺が唐澤と握手をする。しかし今更だが俺達の所属はいつ決まるんだか。和也さんは「相談中だ」って言ってたけど。


手を離した後、何故か唐澤が自分の手を少し見つめていたが、直ぐにこちらに視線を戻す。


「それで、そっちの二人が中澤理恵と柏木海斗かな?」

「あ、はい!柏木海斗、1年生で所属無しです!」

「中澤理恵です。同じく1年生で所属無しです」

「うん、今回はよろしくね」


⋯⋯んん?さっきから喋り方安定しないなこの人。俺に対しては敬語で二人にはタメ口。それに握手も要求してない。この扱いの差は何?


と、思ったら何やら二人がヒソヒソ話してる。なんだ?ライマ教えて。


『はい。

「ちょっと唐澤っち。なんで大葉くんにだけ敬語なのさー」

「いや、あの新人さんにタメ口きける訳ないだろ?」

と話しております。』


ん?新人さん?


「どういうことだ?」


思わず気になり訊ねてしまう。


「ありゃ、聞こえてた?実はねー、こいつ」

「わー!言うなよおい!」

「って訳で内緒ねー?」


なんなんだよそれ⋯⋯でも、俺だけ敬語ってのもなんか嫌だ。


「海斗と理恵にタメ口で話すなら、俺とも同じように話してくれ。俺だけなんかハブられてるような感じがするし」

「え、いやでも⋯⋯」


何となく俺に対して何か好感らしきものを持ってることは分かるが、それでここまで露骨に態度を変えるのは⋯⋯ちょっとなぁ。


「というか海斗と理恵に失礼だからやめろ」

「あ、はい、やめます⋯⋯じゃなくて、やめるよ」


よろしい。


「あははー、怒られてやんのー!」

「お前の方を俺はぶん殴りたい」

「なんで!?」


人を鬼畜呼ばわりする奴は文句言えないと思う。


『そういった思考が鬼畜と呼ばれる原因なのでは?』


目には目を、歯には歯を。それを実践してるだけさ。


「って、また本題から逸れるとこだった⋯⋯昼休みの時間も長くは無いし、さっさと話に入ろう」

「あ、すまんかった」

「いや、大葉さんは悪くないから⋯⋯」


何はともあれ、本題に入ることになった。


「今回この学校にいる人員を呼び出した理由は、最近この周辺で起きた超能力絡みの事件についての情報を伝えるためだ」

「それって⋯⋯この二人が昨日鎮圧に向かったっていうやつ?」


思い当たるものがそれしか無かったのでそう聞くと、唐澤は頷いた。


「そうだ。けれど、それだけじゃない。僕と新見もそれぞれ似た事件に遭遇しているんだ」


唐澤はそう言うと海斗と理恵の方を向く。


「まずは、君たちが鎮圧した事件の詳細について、教えてもらえるかい?」

「はい、分かりました」


海斗は頷くと、説明を開始した。


「昨日、俺達がいた近くで事件が起き、後藤さん経由で鎮圧に協力を求める連絡が来ました。俺達はそれを受けて現場に向かいました。そこは、人が多く通る駅の近くの大通りでした」


大通り⋯⋯あそこか。確かに昼でも夜でも人は結構見る。そんな所でスキル関連の事件があったのか。


「現場には、一般人はいなくなってました。近くに他のTFSP所属の人がいたので話を聞くと、単純な身体能力強化の超能力持ちが暴れ回ったという話でした」

「所々窓ガラス割れてたり地面が砕けたりしてたね⋯⋯」


調子乗ったアホが馬鹿やったと。


「現場にいた人は戦闘向きでは無かったため鎮圧出来ず、監視していたそうです。なので、俺達で鎮圧に向かいました」

「あれ、そういやどうして現場にいた人はTFSP所属の人って分かったの?」


地味に気になる。


「空気呼んでくれよ隆二⋯⋯相手の方から「最近入ったバレットにシールドだね?」って話しかけてきたんだよ」


ああ、あったねそんなコードネーム的な奴。


「なるほど、分かった。続けてくれ」

「⋯⋯それで、犯人は俺たちを見るなり即座に襲いかかってきました。理恵のシールドを抜けなかったので苦戦することなく無力化出来ました」


あれ?何事も無く終わり?いや、流石にそんなはずは無いか。そう思い、海斗の次の言葉を待つ。



「ただ、気絶する前に犯人はこう言っていました」


やはり、何かあるか。さて、どんな内容か⋯⋯



「俺達吸血鬼(・・・)が、いずれこの国を支配する、と」



⋯⋯っ!?


思いがけぬキーワードに、俺は動揺してしまう。やべっ、ライマ、代役頼む!


『了解しました。これに動揺しないというのは無理でしょう』


ああ⋯⋯まさかここでいきなり二つの案件が繋がるとは思わなかったぞ⋯⋯


「?隆二、どうかしたか?」

「あーいや、昨日吸血鬼が主人公の小説読んだもんだから、ついタイムリーだなぁと。すまんすまん」

「お前な⋯⋯まあいいや。とにかく、俺達の報告は以上です」


交代前に少し動揺したのを見ていたのか海斗にそう言われたが、ライマが適当に言いくるめてくれた。


で、こんな話をしたと言うことは⋯⋯


『恐らくは、新見様と唐澤様が接触した人物も、吸血鬼と名乗ったのでしょう。そこから、これらの事件は関連性があるとして、今回情報共有することになったのだと思われます』


だよなぁ⋯⋯多分高野家とは別の吸血鬼だとは思うが⋯⋯まあ、他に分かることも無いし、今回の集会の趣旨は理解した訳だし、巻きでいこう。あ、もう交代はいいぞ、助かった。


『はい、お役に立てたのなら何よりです』


さて、じゃあさっさと核心に入ろう。


「ってことは、新見と唐澤も吸血鬼と会ったってことか。それで、俺達はそれにどういう対応をすべきなのかね」

「ちょ、確かにその通りだけど!話進めるの速すぎるぜ大葉っち!」

「誰が大葉っちだ」

「⋯⋯流石大葉さんだな、理解が早い⋯⋯」

「お前のその高評価はなんなんだ⋯⋯」


新見はわざとふざけてるんだろうけど唐澤、お前はその天然ボケなんなんだよ。


「あー⋯⋯気にしないでくれ。それより、吸血鬼に関してだけど、今のところ存在が確認されたのはこの近辺のみで、捕縛した三人のみだ。彼らが本当に吸血鬼かどうかは今日本支部で検証中だそうだよ」


日光浴びせたりニンニク食べさせたり十字架触れさせたり?強化段階にもよるが、日光には弱いからまあ本物と判断されそうだな。高野家にいた子供はみんな強化段階2だったが、普通に日光に弱かった。

そういや日光浴びるとどうなるの?


『灰になったりはしませんが、吐き気、目眩、頭痛、寒気、身体能力低下、肌の痒みなど、中々に酷いことになります』


うわぁ⋯⋯辛そう。


敵は魅了も使って来なかったみたいし、強化段階は低いだろうな。可哀想に。


「それで、TFSPの方針としては、吸血鬼を名乗る存在が現れたのなら、可能な限り捕縛。また、各自で吸血鬼に関連する情報を手に入れたなら即座に報告すること。無理に情報収集をする必要は無しだそうだ」

「まあ、そんなもんか」


ウロボロスっていう明らか規模がデカい組織の方が重要だし、今のところ脅威も分かってないだろうからな。明確に対処する必要は感じられないのだろう。


ただ⋯⋯問題は強化段階が5以上の『吸血鬼』が出た時が怖いな。大谷はちょうど強化段階が5だったが、日光耐性も魅了も持っていた。


この場にいる人間⋯⋯いや、支部長でも対抗しづらい相手だ。なんせ抵抗に必要な条件はスキルの強化段階なのだから。


『一応、精神力が強ければ極論、陽菜様の魅了すらスキルを持たない人でも打ち破ることは出来るのですが』


え?マジで?スキル抜きで抵抗可能なんだ。


『まあ、そんなことはほぼ起こりえませんが。それとは別に、精神由来の状態異常に抵抗を得るスキルもありますから、強化段階が全てと言う訳では無いですよ』


そうなのかー⋯⋯いやまあ、それでもコイツらでは抵抗は難しいだろう。


どうにかして魅了の情報をTFSPに流しておきたいな⋯⋯フルフェイス仁美にでも頼むか。


『相変わらず仁美様をこき使ってますね⋯⋯』


最近あいつ俺よりお金消費してるからな?最近新しい服を着てるとこを見るようになったし⋯⋯


「それじゃあ、これで話は終わりだ。何か質問はある?」


って、ちょっと関係ないことに思考を飛ばしすぎたわ。気づいたら話が締めに入ってる。まあ、特にこれ以上重要なことは言ってないだろ。


「はーい!ありますありますっ!」

「え⋯⋯?何の質問?」


と、新見が勢いよく手を上げ、質問があると主張してきた。なんだろう?



「結局大葉っちはミカちゃんに何したのか聞きたいです!!」

「はい解散していいよー」

「スルー!?」


いい加減しつこいから美佳子本人から頑張って聞き出してくれ。



おまけンタウロス

————————————

唐澤亮二がやたら隆二を尊敬していた理由

〔隆二が最初の印象で大人しそう、と思ったように、彼は大人しい人物です。しかし今の自分に本人は不満を持っており、男らしい人間になりたいと常日頃思っております。そのため、隆二のやった「相打ち顔面ストレート」に酷く感銘を受けた訳ですね〕

「そんな設定があったのか⋯⋯」

〔なお、彼は草食系男子として割と女子に人気です〕

「そんなどうでもいい設定もあったのか⋯⋯」

――――――――――――


今回より、スキル一覧は廃止し、スキル解放条件と、変化があったスキルのみ表示します。


スキル

変化無し


解放条件

「自分の保持するスキルと同じスキルを持つ人物を五人確認する」(カウント4)



追記:05/19 15:03に誰がどのスキルを持っているのかを表記しました。

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