ラブコメ⋯⋯?
なんで隆二が八坂さんを呼び捨てするようにしようとしただけなのにこんな蛇足が付くんですかね⋯⋯まあ、私の執筆はノリと勢いなので仕方ないですね(諦め)
あ、何故疑問形のサブタイなのかというと作者自身が「ラブコメになって⋯⋯なってるかこれ?」と自問したからです。もしかしたら疑問形じゃなくなるかもしれないしタイトルが変わるかもしれません。
あとGWはカラオケと課題と魔女兵器で忙しかったです。
とりあえず時間的にもそろそろ晩飯の準備をしないといけないので、彼女ら三人でやることになった。俺は建前とは言え体調が悪いので、当然部屋で休んでるように言われた。
ないとは思うが、八坂さんか陽菜がメシマズでないことを願おう。まあ、最悪それでも仁美がカバーしてくれるだろうけど。
それはさておき⋯⋯八坂さんについてだ。なあライマ。
『なんでしょう?』
勘違いでなければ⋯⋯八坂さん、俺に惚れてる系?
『はぁ⋯⋯やっと気づきましたか⋯⋯』
ライマにため息つかれた⋯⋯やっとってことは、結構前から分かってた感じ?
『恐らく『狂乱』持ちを鎮圧した時には既に。その後あまり会ってませんでしたが、今日の様子を見ていれば確信出来るでしょう』
まあな?流石にあそこまで露骨に家に残りたがってるのを見ればなぁ⋯⋯顔赤いのもそれだろ。しかし、そんな前から分かってたのか。なんで教えてくれなかったんだよ!
『マスターの恋愛に口を出すのはいかがなものかと思いまして』
「アイツ惚れてるぜ」ぐらい教えてくれてもいいじゃないか!
『私としてはマスターが気づかないことに驚いてました。鈍すぎませんか?』
いや、危ない所助けたからって惚れるとかそんなん二次元の出来事じゃね?
『リアルでも格好良い行動したら好意を持たれますよ!それに、貴方は彼女の人生を救ったようなものですよ?惚れられてもおかしくないでしょう!』
⋯⋯あー、ヤク中になりかけてたのを救ったり、友達との仲を修復したりしたもんなー。
⋯⋯あ、確かにっ!惚れるわそりゃ!!自分でやっといてなんだが主人公か何かかよ!!
『今更気づいたんですか⋯⋯?』
いや、スキルがあるから出来ることと思ってたからかな。なんかこう、凄いことしてる実感があまり⋯⋯
だが、そうか。八坂さんからはそんな風に見られてたわけか。はぁ、なるほどねぇ⋯⋯
⋯⋯じゃあ、オーラはあれ、嫉妬ってことでいいのかな?
『お二人に、自分以上に親しそうな印象を抱いたのでしょう。特に仁美様に関しては、お互い名前で呼び捨てですからね』
ああー⋯⋯なるほど。でも、陽菜は見た目小中学生だし、俺の事は名字で呼んでたから嫉妬の対象になるとは思えないんだが⋯⋯
『どちらかと言うと創作物のキャラクターに対する「羨ましいそこ代われ」みたいな想いがあったのでは?』
例えがなんかアレだな⋯⋯分かりやすいけど。
しかし嫉妬するということは、それだけ俺に好意を持ってくれているということでもあるよな。
あー⋯⋯こんなこと経験ないし、どうすればいいのかやら⋯⋯悩む。
それからしばらく唸っていたが⋯⋯
「おい!晩飯出来たぞー!」
という仁美の言葉が聞こえてきた。もうそんなに時間経ってたのか。
仕方ない。しばらくは様子見するか⋯⋯
俺はそう決めて、リビングへと向かっていった。
――――――――――――
⋯⋯さて?とりあえず、俺はこれを見てなんて言えばいいのかな?
左には卵が入れられており、しかし少しだけ茶色いおこげのようなものが見えるお粥。
そして右には⋯⋯白と黒が混ざり合い、更に焦げ臭さに加え何故か甘い匂いの漂うお粥らしきもの。
ちなみにそれぞれのお粥の側には、
左には八坂さん
右には陽菜
が座っている。
とりあえず⋯⋯うん。ひとつ聞こう。
「なんでそれぞれで違うお粥作ったんだ⋯⋯?」
お粥作るのは分かるぞ?体調悪い時の定番だもんな?でもわざわざ別にする必要なくね!?全部仁美が管理してりゃ良かったじゃねぇか!!てか仁美作のお粥ねぇのはなんでだ!!
「それがな⋯⋯私が材料を出そうとしている間に高野が急に粥を作り始めてな⋯⋯」
「お粥ってお米に水足して塩かけて煮ればいいんですよね!」
「と、言ってな⋯⋯私は慌てて止めようとしたのだが、突然アッパーを繰り出されて、不覚にも気絶してしまったのだ⋯⋯」
えぇ⋯⋯?マジでえぇ⋯⋯?何故アッパーしたし⋯⋯しかも仁美が反応出来ず気絶するレベルってそれ絶対『吸血鬼』の身体能力使ったろ。
「私だってお粥くらい作れるんですよ!邪魔しないで欲しいです!」
「いやその有様を見ろよ絶対それ失敗してるって!」
どう見ても焦げてんじゃん!!そして絶対塩と砂糖入れ間違えただろお前、さっきからカラメルみたいな香りがプンプンしてるんだよ!!
ふざけんなよお前マジで!話合わせて八坂さんの疑念を解いてくれたのは有難かったけどこれでもうパーだわ!
「それで、私が気絶している間に、流石にあれはまずいと思ったようで、八坂さんがな」
「あれを食べさせたら、隆二君の体調更に悪くなると思ったから⋯⋯」
それで作ったのがそのお粥か。
「お母さんに教えて貰った作り方だったんだけど、ちょっと焦げちゃって⋯⋯」
そう言って少し恥ずかしそうにする八坂さん。
「いやいや、充分だって、普通に美味しそうだ」
それに自分を好いてくれてる女の子の手料理と思えば味が少し悪くてもいい気がする。
「そ、そうかな⋯⋯?」
俺の言葉に顔を赤くし、照れ笑いする八坂さん。それを見て俺もやや反応に困ってしまう。一々反応がなんというか、可愛いなぁ⋯⋯
「⋯⋯むー、私のお粥だって美味しいと思うんですけど⋯⋯」
「「「それはない」」」
「酷くないですかぁ!?」
自分のお粥を否定されてアホの子はしょげてそんなことを言ったが、その場の全員によって否定された。それに対して抗議しているが、当然である。
「はぁ⋯⋯その後、八坂さんが作り終えた後私が起きてな。何も出来ずにすまんな」
「いや、仁美は悪くないだろ、陽菜がバカやっただけだし」
そういう訳で。
「そのお粥はお前自身で食っとけ。俺は八坂さんの食わせてもらうから」
「えぇっ!?これをですかっ!?」
おうやっぱ失敗してるって自覚あるじゃねーか。
「美味い自信があるんだろ?なら食えるだろ」
「い、いやほら!大葉さんの為に作ったものですし!」
「おお、そうか。じゃあ味見くらいしたんだよな?」
「し、してるに決まってるじゃないですか?」
せめて激しく泳いでる目をどうにかしてから言ってくれない?
しかし、自分の罪を認めないというのなら仕方が無い。
「そうか⋯⋯そう言うのなら⋯⋯」
俺はお粥の側に置いてあったスプーンで失敗お粥を救い⋯⋯
「もっかい味見しとけっ!!」
「もぐぁっ!?」
『思考加速』『武装術』『心眼』をフル活用し、正確に陽菜の口内へ突っ込んだ。
陽菜は反応する間も無くお粥を口にし、反射的に吐き出そうとするが、素早くスプーンを引き抜き口が開かないよう抑える。
しばらくして、諦めたのか非常に嫌そうな顔をしながら咀嚼し⋯⋯飲み込んだ。
「⋯⋯で?味の感想は?」
俺が訊ねると、陽菜は泣きそうな顔をしながら、
「⋯⋯⋯⋯甘くて、苦くて⋯⋯目が回りそうです⋯⋯」
と言った。目が回りそうってどんな味だよ。
「つまり美味いか不味いかでは?」
「死ぬほど不味いのです⋯⋯」
陽菜はそう言い残し、ちゃぶ台に突っ伏した。
「だろ?つーわけで八坂さんの食わせてもらうな?」
「あ、うん、いいよ!どうぞ食べて⋯⋯」
とそこまで言って八坂さんは、何かを思いついたようで言葉を途切れさせた。
⋯⋯顔が赤くなってるが⋯⋯なんだ?何を思いついた?
「そのさ⋯⋯わ、私が、食べさせてあげよっか?」
⋯⋯今なんて言った?
食べさせてあげよっか?だって?
それはつまるところ⋯⋯「あーんしてあげる」ってことでいいのだろうか!?
真面目に考えると「別にそれをしてもらうほど体調悪い訳でもない」とか浮かんでくるけども、そんなことはどうでもいい。
女子からのあーん、だぞ!?細かい理由とか抜きにやって欲しいに決まってんだろおい!!
『⋯⋯やけに興奮してますね?』
そうか?まあ男なんてこんなもんだろ。そんなことを思いつつ返事をする。
「⋯⋯頼んでいいか?」
俺の返事を聞くと、八坂さんは恥ずかしそうにしつつも嬉しそうに、
「う、うん!任せて!」
と言って、早速別のスプーンでお粥をすくい、俺に差し出してきた。
こ、これは⋯⋯赤い顔が真正面から近くに迫ってきて⋯⋯やばい、俺も女子に免疫ないから顔が熱くなってきた。
「じゃあ⋯⋯頂きます」
そう言って、俺はスプーンを咥える。おっ、普通に美味いな。お焦げ混じってるけど個人的にはこの味も嫌いじゃない。
「うん⋯⋯美味しい」
「本当?」
「ああ、美味しいよ。少し焦げたのも個人的には好きだしな」
「なら、嬉しいな」
八坂さんはそう言って笑みを浮かべると、またお粥を掬って差し出してくる。あ、うん、そうだね、最後までやるよねそりゃ。
「あー⋯⋯私は自分達の晩飯を作ってこよう。陽菜も手伝え」
「あ、はい、分かりましたー!」
仁美は気を利かせたのか、そう言って陽菜と共にこの場から去った。
⋯⋯が、八坂さんは何故か今になって更に顔を赤くしてぷるぷる震え始めた。ああ、もしかして見られていることに気づいてなかった?
⋯⋯そのまま固まって動かねぇし⋯⋯大胆なのか恥ずかしがり屋なのか分かんねぇな。
「おーい、八坂さーん?大丈夫か?」
「えっ、はいっ!大丈夫でひゅ!!」
ダメじゃん。思いっきり噛んでるじゃん。可愛いなこの人。
「とりあえず落ち着け。スプーン置いてほら深呼吸して」
「は、はい⋯⋯スー⋯⋯ハー⋯⋯」
俺がそう言うと素直に従い深呼吸しだした。しばらくそうしてると、顔の赤みも引き、ある程度落ち着いたようだ。
「ふぅ⋯⋯ごめんね、見苦しいとこ見せちゃって⋯⋯」
そう言う八坂さんを見て、ふと、俺はからかってみたくなった。
「いや、見てる分には面白かったから大丈夫だ」
「ならよかった⋯⋯え、面白い?」
「おう。顔色がコロコロ変わって面白かったぞ?」
「⋯⋯それ、馬鹿にしてない?」
八坂さんはムッとした表情でそう言う。バレたか。
「ごめんごめん、冗談だ」
俺はそう謝ったが、八坂さんはいかにも拗ねたような表情をして、
「そんなことを言う人にはこれ以上お粥あげません!」
と言ってきた。これは、俺がからかったからやり返そうとしているのか?何それ可愛い。
「それは勘弁してくれ、俺が悪かったから!流石に一口じゃ足りねぇって」
俺が再び謝ると、八坂さんはしばらく考え込んだ後⋯⋯また頬を赤く染め、言った。
「⋯⋯じゃ、じゃあ私のことも名前呼び捨てで呼んでくれたら許してあげる」
⋯⋯グイグイ来すぎだって!待って、俺ちょっともう割と限界なんだけど!こんなアピールされたら俺のメンタルがヤバい!
『アピールされてるなら受け入れてしまえばいいのでは?』
あ!?そう易々と決めれる訳無いじゃん!?
俺は色々と隠し事もしてるし、厄介事も背負ってんだよ!
八坂さんの気持ちは嬉しいし、俺だって男だ、彼女くらい欲しいさ!!でも、そんなすぐに決めれる程俺の境遇は単純じゃ無いし、俺の覚悟も決まってねぇんだよ!!
だから困ってるんだよ!彼女にどう対処したらいいのか、分かんねぇんだよ!
『マスター⋯⋯』
はー⋯⋯はー⋯⋯心中で叫んだらちょっと落ち着いた。うん。とにかく、俺はそれらを決めるには時間がかかる。だから、今は⋯⋯先送りにするしかないんだよ。
「⋯⋯隆二君?駄目、かな?」
彼女は、俺が黙ったことで、少し不安そうな様子で訊ねてくる。
「いや、そんなことは無いよ」
でも⋯⋯このくらいは別にいいだろう。
「美佳子⋯⋯これからは、そう呼ぶよ」
「⋯⋯!うん!お願いね!」
八坂さん⋯⋯いや、美佳子は、まるで花開くかのような、満面の笑みを浮かべた。
この時、俺の心臓は確かに矢に貫かれたように感じたんだ。
『⋯⋯なんですかその表現は⋯⋯』
⋯⋯結構興奮してたんです。
おまけ
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その頃キッチンでは
「おいこら、何故チャーハンを作ると言ったのにケチャップを取り出すんだ!?」
「え?チャーハンって卵でお米を包んだ料理ですよね?ケチャップはその上にかけるためですよ」
「それはオムライスだっ!!」
「え?違いますか?じゃあイカはいらないですね」
「オムライスでもイカは使わないぞ!?」
仁美が苦労していた。
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スキル一覧です。
名持ちスキル
賢神3(思考補助系)
覇王3(身体強化、妨害系)
極ノ旗3(スキル強化系)
錬金3(現象系)
属性系スキル
閃雷20
蒼炎3
現象系スキル
装甲・腕4
装甲・脚
錬成17
聖光3
念話2
分体5 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
気功法3
思考補助系スキル
解析
身体変化系スキル
性別反転3
竜化3
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX