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契約成立

新学期が始まりました。正直動きたくない気持ちが抜けません。


でもこの作品を読んでくれている人とリアルで会ってやる気がうなぎ登りし始めたので頑張ります。


⋯⋯更新速度上がるといいんですけど。


最初に族長のいた部屋は天井とか襖とかバッキバキになってるので別の部屋に移動して話すことにした。


早速、協力すると伝えることにしよう。


「とりあえず、さっきの言葉は撤回する。お前らに対する協力を約束しよう」


俺がそう言うと、族長は複雑な表情をした。


「それはありがたいけれど⋯⋯何故、急に?」


協力してくれると聞いて喜びはあるようだが、俺の手のひら返しの早さに何かあるのではと警戒しているようだ。まあ、普通そうだよな。


「その、なんだ⋯⋯正直に言うと、ここに子供がいることを思い出してな⋯⋯」


あーなんか恥ずかしいぞこれ。


「流石に何も知らない子供達を見捨てるのは可哀想だと思い直したんだよ。だから協力することにしたのさ」


そう言い切ると、族長は呆気に取られたような表情を浮かべた後、苦笑いを浮かべた。


「そう⋯⋯貴方は優しい人なのね。あの子達の為だけに自分の意見を曲げるなんて⋯⋯」


そう言うと、族長は頭を深く下げ、


「改めて、謝罪します。貴方のような人を脅した事、本当に申し訳ありませんでした⋯⋯」


と、真剣に謝罪してきた。


⋯⋯まあ、深く反省したみたいだし、多分族長も子供達の為に手段を選んでいられなかったんだろう。完全に許す気にはならないが、時が経てば忘れるくらいには苛立ちは収まった。


「⋯⋯謝罪は受け取る。アンタも必死だったんだろ。今回はもう水に流そう」

「えぇ⋯⋯ありがとう」


族長は顔を上げる。その表情は、最初に比べて幾分か柔らかくなったように見えた。



――――――――――――



「さて、協力することは決まった訳だが⋯⋯俺は何をすればいい?流石に四六時中護衛とかは⋯⋯」


無理だぞ、と言おうとしたが寸前で『分体』の存在を思い出す。いけるじゃん。


「⋯⋯出来たわ」

「出来るんですかぁ!?」


俺の言葉に対し陽菜が突っ込んでくる。おうお前さっきまで静かだったじゃねぇか。


「まあ多少制限がかかるが問題は無いな。で、護衛すればいいのか?」


俺がそう訊ねると、族長は首を横に振り、説明してくれる。


「いえ、護衛はして貰えたら嬉しいけれど、元々そんなつもりはなかったわ。私たちが頼みたかったのは、敵対する吸血鬼に逆に攻め入って重要人物を誘拐してもらうことよ」

「攫うのか?なんでだ」

「人質がいれば迂闊に攻めてこられないから、彼等の命を保証して欲しければ手を出すなと⋯⋯そう要求する予定なのよ」

「成程⋯⋯相手側の族長を倒す、なんて手段は?」


一応聞いてみる。


「いえ、それは流石に過剰防衛よ。それをしてしまえば私達も彼らと同じになってしまうわ。それに⋯⋯」

「それに?」

「私以外の族長は、普通の吸血鬼とは隔絶した強さを持っているの。だから貴方が強くても勝てるかどうか分からなかったというのも理由の一つね」


あーなるほどな。『予知』で俺のことを知れても強さは未知数。俺の力が必要と出ただけらしいからな。それでも俺を脅してまで参加させようとしたのは、誘拐作戦が『予知』の目的だとするならば俺が協力して悪い事はないと思ったからだろう。


まあでも他の族長の『吸血鬼(ヴァンパイア)』の強化段階が例え100とかに行ってても何とかなると思う。『閃雷』はその場でいくらでも上げれるわけだし。


「成程、手伝えばいいことは分かった⋯⋯っと、」


おーおー流石『再生』持ちだな?起きるのが早い。


「ぐ⋯⋯うう⋯⋯」


俺が視線を横に向けると、先程倒した襲撃者が意識を取り戻した所だった。なお、どこからか陽菜が持ってきたロープでぐるぐる巻きにしてある。特に脚は跳躍出来ないように正座のような状態で固定してある。


で、意識を取り戻したはいいが腹が大分痛むようで、呻き声を上げている。


「族長、こいつはどうします?」

「そうね、聞きたいことも色々あるし⋯⋯地下室に閉じ込めておいて」

「分かりました」


大谷は襲撃者を背負って部屋から出て行った。


「⋯⋯それで、いつやるんだ?」

「万全の体勢で望む必要があるから、私達の戦力がきちんと整ってからね。その時は連絡させてもらうわ」

「了解した。大体いつ頃になるんだ?」


族長は少し考え込んだ後、答えを返した。


「恐らく⋯⋯最短で五日後になるわ」


五日後となると⋯⋯日曜日か?最短なら問題は無いが⋯⋯


「⋯⋯出来れば決行は休日にしてくれると助かるんだが」


学生なので。


「ああ、そこは心配しなくても大丈夫。私達も平日は普通の人間のように生活しているから、休日でないと集まりづらいの」


⋯⋯あー、吸血鬼も普通に学校行ったり仕事したりしてるの?目が赤いのはどうしてるんだろ。カラコン?まあそこら辺はどうとでもなるか。


「分かった、そういうことなら問題ない。他に話すことは?」


最後に聞く必要があることだけ聞いてから帰るか。



「⋯⋯そうね、報酬の話をしましょう」

「え?」


お前出せるもんないって言ってなかったっけ?



「流石に何も渡さないということは出来ないわ。と言っても、出せるのはお金くらいのものだけど⋯⋯」


いや待て。ちょっと待て。


「竜の貴方に金銭を出したところであまり喜ばれないかもしれないけど、とりあえず前金で100万ほど⋯⋯」

「ひゅえっ!?」


いやいやいやいや!「とりあえず」じゃねぇ!「とりあえず」の金額じゃねぇよ、びっくりしたわ!変な声出たじゃねぇか!!


「⋯⋯?」


ええい、不思議そうに首を傾げるな!!


「ええと⋯⋯どうしたのかしら?金額が少なすぎたの?」

「ちげーよ!多いわっ!!」

「え?」


族長のすっとぼけた言葉に、俺は思わず声を荒らげる。族長は変わらず頭上にハテナマークを浮かべている。


「竜だから」って⋯⋯なんでそんな先入観があるんだよ⋯⋯おかしいだろ⋯⋯?


「あのな?俺、金銭感覚一般人と同じだからな!?『竜』だからって金いらないとか無いから!めっちゃ欲しいから!!」

「⋯⋯⋯⋯あら?」


あ、分かったぞ。さてはこいつも実はアホの子だな!?


『いえ、流石にそれは⋯⋯』


脅そうとして逆に脅されたり報酬が払えないと先入観で思い込んだりと、なんだかんだポカが多いし!


『それを言うならマスターもスキル関連でボロを出してますけど⋯⋯今回だって『竜化』したままベランダに出たせいですし』


前言撤回。ちょっとうっかり屋さん。


『マスターの手のひらはドリルか何かですか?』


いつもより多めに回しております、的な?


『それは多めに回してはいけないものでは⋯⋯』


ライマとそんな馬鹿なやり取りをしていると、族長が何かに気づいたようで、頭を押さえながら話しかけてきた。


「待って⋯⋯それはつまり、金で雇うことが出来たということ?」


そうだな。脅しとかなんだかんだする前に前金でそんな額出されていたなら⋯⋯


「二つ返事で引き受けたな。金はいくらあっても困らないしな!」

「そ、そんな⋯⋯⋯⋯(ガクリ)」


俺がそう言うと、族長は机に突っ伏してしまった。


「⋯⋯そんなにショックな事か?」


俺が族長のあまりの落ち込みように、疑問に思う。


「⋯⋯貴方が竜やその類いだと分かった時から、協力して貰うにはどうすればいいか考え続けていて⋯⋯その最初の段階で金銭はあまり役に立たないと思っていたの。その、吸血鬼はどの家もお金は有り余るくらいあったから⋯⋯」


あーつまり同じく人外ならば金には困ってなかろうと。そう思い込んじまった訳だ。

⋯⋯金が有り余るってなんだよ!羨ましいわ!!


「今更金銭で解決出来たと知って、今までの苦労がただの骨折り損と分かったから⋯⋯ね⋯⋯」


まあ脅しとか無しで初手札束ビンタされていたら実力的にも多分問題無いし飛びついてたとは思うな。そう考えると族長のした事は全くの無駄だった訳だ。


「⋯⋯まあほら、話は纏まったんだし結果オーライってことでさ?」

「そうね⋯⋯」



そういう訳で、俺は高野家の吸血鬼に協力する事となった。


⋯⋯ところで陽菜よ。お前目をつぶってるけどまさか立ったまま寝てないよな?



――――――――――――



「割と遅くなっちまったな⋯⋯」


その後、連絡手段とかその他諸々を話し合ったため、気づいたら六時を過ぎていた。で、ここから電車で家まで約一時間かかる。現在は駅まで徒歩で向かっている最中である。


結局、護衛に関しては隆二3号を置いてくことにした。分身を見せたら「もうなんでもありね⋯⋯」と呆れられた。うん。自分でもそう思うよ。


しかしさっきの子供にその場の出任せで「飴ちゃんやるから」って言ったが、昨日甘党のクラスメイトである木下君が飴くれてなかったら嘘つきになってたぜ。ありがとう木下君。

「お兄ちゃんまたね〜!」って言ってたが出来ればあまりもう一度会いたくないな⋯⋯疲れるから。


「はぁ⋯⋯子供の相手はベビーシッターがやってくれ⋯⋯」

「でも大葉さん、なんだかんだ子どもに優しいですよね!」


そんなことねー⋯⋯おいコラ。


「おいアホの子お前なんで付いてきてんの?」

「え?」

「え?じゃねぇよ」


テメーは族長側に居ないとダメだろ戦力的に。


「いやー、大葉さんの作ったご飯が美味しかったので、今夜も食べさせてくれないかなーって思いまして。族長の方も大葉さんの分身がいるなら大丈夫ですよね?」

「え、厚かましすぎねぇ?」


料理に護衛に俺に全部任せるつもりかこいつ。


⋯⋯おや?スマホにメールが?あ、族長からか。なになに?『止めようとしたのだけれど大谷がノックアウトされた』『直ぐに自分が迎えに行く』とな?苦労してるなぁ⋯⋯


⋯⋯『大変そうだし今回くらいはうちで預かる』で送信っ、と。


このアホはスキルの強化段階だけはやたら高いからなぁ。暴走したら止めようが無いんだろう。一回は許可してやって、それでもまたついて来るようなら鉄拳制裁を加えるか。


「しゃあねぇ、今回だけだからな」

「いいのですか!?わーい!!」


あ、そうだ。仁美ー!


『む、なんだ?』


今日は家戻って来ていいぞ。同居人居るって言っとくから。


『⋯⋯いや待て。誰が来るんだ?⋯⋯何!?あのアホの子がまた来るのか!?』


あれ。こっちの話聞いてなかったのか?


『こっちはこっちで先程気絶させた吸血鬼が起きたから、お前と族長とのやり取りについて説明していたのだ。で、それが終わってからお前から連絡が来たんだ』


あー、話の最中だから聞いてなかったか、そら仕方無い。


『まあ、とりあえず事情は分かった。私も今から帰ることにする』


おう、今日はサンキューな。




そういう訳で、俺達は家に帰ることにした。ただ、なーんか嫌な予感がするのは気のせいだろうか⋯⋯?

おまけのような何か

――――――――――――

子供達


全員『吸血鬼』持ち。強化段階が五に達していないため日中に外に出るとダメージを受ける。


この子供達は、元々孤児だったのを族長が引き取った。族長本人的には一族を増やすため引き取ったのだが、孤児院と子供達からは優しい人と思われている。子供達に関しては『吸血鬼』となった後でも同様。実際性根は割と優しい。


ちなみに飴を貰った子はぷよ〇よを持ちかけた子。



――――――――――――


スキル一覧です。


名持ち(ネームド)スキル

賢神ライマ3(思考補助系)

覇王バハムート3(身体強化、妨害系)

極ノ旗(バラキエル)3(スキル強化系)

錬金ファウスト3(現象系)


属性系スキル

閃雷20

蒼炎3


現象系スキル

装甲・腕4

装甲・脚

錬成17

聖光3

念話2

分体5 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2

気功法3


思考補助系スキル

解析


身体変化系スキル

性別反転3

竜化3


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX

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