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襲撃

花粉は許されざる存在だと思います(ティッシュを鼻に詰めつつ)


それはそれとして大奥に参加出来ないんですけど⋯⋯あと一章もある⋯⋯


あ、遅くなってすみません。アドリブの弊害です。


高野家の吸血鬼は今、存亡の危機に瀕している。


話を纏めてしまうとこういうことだった。


高野家の、と言っていた事から予想は出来たが、高野家以外にも吸血鬼がいるらしい。


で、原因は不明だが他の吸血鬼が高野家に最近襲撃を仕掛けて来ており、このままでは耐えきれず族長が殺され、高野家が滅亡する、との事だった。


「⋯⋯成程ね」


ドアとかやけに厳重だったのはそのせいなのかね?あんまり意味は成してないみたいだけど。で、それに対抗するために俺が必要だったということだろうか。けども⋯⋯


「それ、俺を脅してまで隠す必要あった?」


普通に協力頼めば良かったくない?いや協力する気はあんまり無かったけど。


「私達は、ほぼ負けが確定している。それを明らかにした場合、素直に協力してくれると思えなかったのよ」

「⋯⋯寧ろ事情を包み隠さず言ってくれた方が俺としちゃ好感が持てたんだがなぁ」


マンガみたいなシチュエーションだし、その場のテンションで応じてしまった可能性はある。多分ライマに諌められて止まるけど。


「というかそもそも、襲ってくる吸血鬼共はそんなに強いのか?大抵こいつ(アホの子)がいれば何とかなるだろ?」


俺が高野⋯⋯あー、族長も高野だし陽菜でいいか。陽菜の方を指差しつつそう言うと、首を横に振った。


「いえ⋯⋯その子は確かに強いのだけれど、襲ってくる吸血鬼は数が多いの。陽菜だけではカバーしきれずに私の所に辿り着く者もいるわ」

「うう⋯⋯すみません力不足で⋯⋯」


陽菜はしょんぼりしてしまった。流石に多勢に無勢って訳か⋯⋯


「成程、事情は良くわかった。」


このままだとこいつらは滅亡すると。だが⋯⋯


「だが、俺が協力した所で何か見返りはあるのか?」


ぶっちゃけ、ほぼ無い。さっきの脅しだって大した脅しにはならない。強いて言うなら良心が咎めるくらいだ。


だが、こっちにかまけてTFSPの方の問題の対処が遅れて、海斗と理恵に被害が及んだりしてはまずい。となればメリットがない以上協力する気は起きない。


『よいのですか?』


ああ、俺は主人公よろしく困ってたら誰だって助ける訳じゃない。


そもそもさっきの脅しで俺は大分怒ってる。寧ろこいつら滅亡させるのに加担しても良いくらい⋯⋯いやそこまでではないような⋯⋯?まあ、少なくとも協力する気にはならないな。


「そうね⋯⋯私達が差し出せるものなんて⋯⋯」


族長もそれを理解しているようで、悔しそうにしつつも強く出れないでいる。


「じゃあこれで話は終わりでいいな?俺は帰らせて貰う」

「そ、そんな⋯⋯待ってくださいよ!」


陽菜が呼び止めてくるが、俺は無視して襖を開けようとし⋯⋯



『マスター!()から襲撃です!!』



その言葉に俺は反射的にバックステップでその場から退いた。


次の瞬間、瓦が割れる音と木のひしゃげる凄まじい音と共に俺がさっきまでいた場所に天井を貫き何者かが侵入してきた。


「何っ!?」

「ひゃあっ!?」


高野達も予想外のようで驚きの声を上げている。ってことはさっき言ってた他の吸血鬼の襲撃か!!


ライマ、鑑定結果は!?



――――――――――――

『吸血鬼7』

『再生』

自然治癒能力が向上する。

『跳躍2』

跳躍時、脚の力が四倍になる。

――――――――――――



サンキュ!ジャンプして突っ込んできたってことか!


俺達が警戒する中、侵入者は、俺達の前で素早く立ち上がる。そして部屋の中を鋭い目付きで見回し、言葉を発した。


「四人⋯⋯予想より多いが、殺ってやんよ⋯⋯!」


その吸血鬼は、見た目は俺と同年代の普通の高校生だった。彼はすぐさま、足を曲げ、跳躍する体勢に入る⋯⋯俺に狙いを付けて。なんでや!


「ちょ、待て俺は部外者⋯⋯」

「覚悟っ!!」


俺が説明する間もなく、そいつは『跳躍』を使用し、右拳を突き出しながらとてつもない勢いで俺に向かって突っ込んできた。


「あぁもう!」


話聞けよ!突進してくるし、以前の雨宮かお前は!!


俺は『心眼』でしっかりと動きを捉えた上で『武装術』を発動、突き出された拳を右側に体を傾けて避けつつ、腕を両手でしっかり捕らえる。


「えっ、」


そしてそのまま勢いを利用してジャイアントスイングもどきを行いその場で回転し、放り投げた。


奴は襖を突き破りながら廊下へとすっ飛んで行った。


「ぐわあぁぁあっ!?」


はぁ、幾ら正面だからって俺を襲うなよ⋯⋯目を見ろ目を、赤くないだろー?


まあいい、この隙に俺はさっさとトンズラさせてもらおう。これ以上付き合うつもりは無いのだから。


そう思い、呆然としている吸血鬼達を置いて開いた襖から部屋の外に出て、そのまま出口の方へと足を進める。


「ぐっ⋯⋯」


襲撃者は廊下の壁にぶつかっていたようで、顰めっ面をしながら起き上がり始めていた。


また襲われては面倒臭いと思い無視して出口に向かおうとするが⋯⋯



「あれ?知らない人だ〜」

「げっ⋯⋯」



さっきの子供のうち一人がすぐ近くにいた。なんでいるんだよ。


「あ、ねぇねぇ、さっきすごい音したけどなんなんだろ?知ってる?」


襲撃者(あいつ)のせいかよ!


どうするかな⋯⋯流石にちびっ子が巻き込まれるのは可哀想だし⋯⋯外に逃がすか?


「あー、そうだ、外に行ったら分かるかもしれんぞ」

「ほんと?」

「さぁな?行って確かめてみたらどうだ」

「うーん、でも、お母さんから外に出たらダメって言われてるし⋯⋯」


あーそういやこいつら吸血鬼でしたね。強化段階も低いらしいし⋯⋯まだ日は登っている。日光に晒されたらどうなるか知らないからなぁ⋯⋯


『マスター、襲撃者がこちらへと向かっています。この子を放置すれば間に合いますが⋯⋯』


いや俺も流石にそこまで鬼畜じゃない。襲われると決まった訳では無いが敵の前に子供を置いていけるかよ。



⋯⋯あー、しまった。子供がいるってことはこの家も見捨てられないじゃんかよ。



「逃がすか⋯⋯!」



そうこうしてるうちに、襲撃者が追いついて来た。気づいちまったし、仕方ないか⋯⋯


「なあ、ちょっとここからしばらく離れてくれないか?」

「んー?なんで?」

「俺、今からあいつとプロレスごっこしてくるから。危ないぞ?」

「えー⋯⋯僕も見たいなぁ」

「あー、飴ちゃんあげるから」

「分かった!はなれとくね!」


子供はすたこらさっさと離れていった。すげぇな飴ちゃんパワー。


「さてと⋯⋯」


俺は振り返り襲撃者を見やる。


「⋯⋯今のは、ガキか」

「そうだよ。可愛いもんだろ?」


関わる分には苦手だけど。


「で、お前らはあんな子供達の事も考えずこの家を潰そうとしてるって訳だ。俺も人の事は言えんがな」

「な、そんなつもりは⋯⋯!」


全く、族長も子供達が路頭に迷うとか言っとけば俺も最初っから協力したってのに。


「⋯⋯いや待て、お前目が黒いが⋯⋯吸血鬼じゃないのか?」

「あ、やっと気づいたか?俺は吸血鬼じゃないぞ?」

「じゃあなんでここにいる!邪魔をするな!」

「いや先に攻撃してきたのお前⋯⋯まあいいか」


どうせ中途半端に都合の悪いことは誤魔化すだろうし。


「で?お前はどうすんの?」

「それを知ってお前はどうする?部外者だろう!」

「いやー、それがそうでも無いんだわ」


俺は襲撃者の向こう側を見やると、そこには追ってきたらしい大谷がいた。俺はそちらへと向かって声をかける。


「喜べ大谷、気が変わった。さっきの話受けてやるよ」

「な⋯⋯いいのか!?」

「おう。って訳でこいつは任せとけ」


俺の言葉を聞き、大谷は少し体から緊張感が抜けたようだった。


『マスター、手のひらが凄い勢いで回ってましたね』


うるへー、俺が一番よく分かってらい!でも、流石に子供を見殺しにしたら良心が咎めるどころじゃ済まないからな。


という訳でだ。


「たった今俺はお前の敵になった。かかってこい」


俺はそう言って、右手を前に出し人差し指をクイクイして挑発した。いやー、一度やってみたかったんだよねこれ。


「吸血鬼でも無いくせに⋯⋯上等だ!」


相手は見事に挑発に乗り、先程と同じように『跳躍』を使用し突っ込んできた。ただ、掴まれることを恐れたのかショルダータックルの姿勢だ。


馬鹿め、掴めなければ大丈夫とでも思ったか?


俺は『気功法』により瞬間的に身体強化、迫ってくる肩に真っ向から蹴りを放つ。

結果、メリッと言う音と共に俺の足の裏は肩にめり込み、タックルはその場で停止した。


「ぐうっ⋯⋯!?」


肩に思いきりめり込んだからか、襲撃者は呻き声を上げる。


「ほらほらパワー足りてねぇぞ?もっと気合入れてタックルしろ!」


俺は足を下ろすとそんな風に挑発した。いやー、強者ムーブも楽しいもんだねー!


「クソっ!調子に乗るな!!」


大分お怒りのようで、俺を射殺すような視線で睨み、一度バックステップした後に再び攻撃態勢に入った。


今度も『跳躍』でこっちに突っ込んでくるみたいだが⋯⋯げっ、ドロップキック!?なんで突っ込んでくる奴みんなドロップキックなんだよ!!


『⋯⋯恐らく、接触の瞬間に『跳躍』を発動することで威力を高めることが狙いだと思われます。先程の強化では押し負けます』


あーね!そういうことか!なら折角だ、もう一度お披露目といくか!


俺は『竜腕』を右腕に発動、肥大化し、硬質な鱗を纏った腕でドロップキックを正面から受け止める。


グワァン!!という、まるで金属を殴ったような音とともに俺の腕に強い衝撃が来る⋯⋯が、ダメージは無い。


「なん、だ、それは⋯⋯」


着地した襲撃者は俺の腕を見て、心底驚いてるようだった。


「なんだ?俺をただの人間と思ったか?」


そう言いつつ俺は襲撃者に近づいていく。


「それより、今のがお前の最大の威力の攻撃だろう?勝ち目は無いと分かるだろ⋯⋯覚悟はいいな?」


そう言い、俺は腕を振りかぶる。


「っ、まだだっ!」


そう言うと襲撃者は『跳躍』によってバックステップしつつ、体の向きを反対にする。『跳躍』を連打して高速で逃げる気か?だが残念。


『閃雷』発動、着地点に瞬間移動!


「はっ?」


後ろから襲撃者の間抜けな声が聞こえてくる。俺はすぐに振り返り、


「逃がすと思ったか?」


『竜腕』のまま右ストレートを放った。


「がはっ!?」


腹に巨大な拳が突き刺さり、襲撃者は吹き飛んだ後に床に落下した。少し起き上がろうとしたものの、力尽きたようで倒れ込み気絶した。


「ふう⋯⋯さてと、大谷!」

「あ、はい!」


俺は腕を戻し、戦いを見て呆然としていた大谷を呼ぶ。


「とりあえず、また族長んとこ行くぞ。改めて協力関係について話をしよう」

「わ、分かった」


俺は襲撃者を拾い上げ、肩に担ぐと先程の部屋へと戻ることにした。


はぁ⋯⋯出戻りってかっこ悪いけどしゃあないよなぁ⋯⋯


『今回は自己責任だと思いますよ』


そうだな⋯⋯




おまけ

――――――――――――

仁美「(気絶させた吸血鬼を見つつ)⋯⋯こいつどうすればいいんだろうか」


とか思っていたら海斗&理恵と八坂さんを見逃しました。


――――――――――――


スキル一覧です。


名持ち(ネームド)スキル

賢神ライマ3(思考補助系)

覇王バハムート3(身体強化、妨害系)

極ノ旗(バラキエル)3(スキル強化系)

錬金ファウスト3(現象系)


属性系スキル

閃雷20

蒼炎3


現象系スキル

装甲・腕4

装甲・脚

錬成17

聖光3

念話2

分体5 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2

気功法3


思考補助系スキル

解析


身体変化系スキル

性別反転3

竜化3


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX



※追記:05/09 12:23高野陽菜の呼び方を変えた理由を追加しました。

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