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アホの子吸血鬼

アホの子って傍から見てる分には面白いんですけど関わり合いにはなりたくないですよね。


あ、インフルは完治しました。


とりあえず、信じてない風の対応をしようとしただけなんだがなぁ。



「あーはい吸血鬼ねーはいはい凄いねー」

「ふふん!もっと褒めてもいいのですよ!!」

「あーはい吸血鬼ねーはいはい凄いねー」

「そうそうじゃんじゃん褒めるがいいのですよ!!」

「あーはい吸血鬼ねーはいはい凄いねー」

「そ、そんなに褒められると少し恥ずかしくなってきました!」



すげぇ、こいつ同じ文なのに全く違う反応を返してきやがる。


『アホの子にしても限度があるだろう⋯⋯?』

『というかマスターもふざけすぎでは?』


最初はからかうために棒読みしたのに全然気づかないからさぁ⋯⋯つい。


てかそろそろ気づけよ。こいつIQ大丈夫?逆に不安になって来たわ。


「あーはい吸血鬼ねーはいはい凄いねー」

「⋯⋯あれ?もしかして同じことしか言ってなくないですか?」


あ、良かった気づいた。既に十一回言ってるけど。


「それで、お前吸血鬼って言うけど証拠はあるのか?」


ふざけてたのに気づかれないようにサクッと話題を変える。普通の人なら露骨な話題変換に怪しいと思うところだが⋯⋯


「えー?証拠ですかー⋯⋯魅了は効きませんしー⋯⋯」


怪しむ素振りゼロかよ!?こいつ本当に大丈夫か!?人として社会に出れる!?


「あ!そうだ!」


俺が目の前の少女のアホさ加減に戦々恐々としていると、どうやら何か思いついたようで、立ち上がると近くにあったテレビを、


「よいしょっと」


片手でヒョイっと持ち上げた。


「⋯⋯わーお」


これは凄いな⋯⋯流石に強化段階18なだけはある。


『『覇王』や『閃雷』でようやく張り合えるレベルの膂力でしょうね。⋯⋯この子、頭こそアレですが、高い身体能力に加え、複数の厄介な能力を持っています。その戦闘力は支部長クラスと言っても過言ではありません。』


「どうですか!これで認めました?」

「おう、認めるしかねぇよこんなの」


ドヤ顔でいう少女にとりあえずそう言っておき、俺はもう一度訊ねた。


「で、その吸血鬼様がなんでここに?」


そう、結局この問いに戻ってくる。超能力者か何かって聞いただけでやたら脱線してしまったな。


「え?そ、それはそのぉー⋯⋯」


あ、またかよコイツ。話が進まねぇじゃねぇか。

しょうがない、からかい式情報開示術を使うか。


『なんですかそれは?』


まあ見てろって、多分コイツなら引っかかる。


「⋯⋯待てよ?吸血鬼が人の家に上がり込んできたってことは⋯⋯まさか!血を吸う気か!?」


とりあえず吸血鬼繋がりで適当に推測し、大袈裟に驚いてみせる。


「えっ、いや違いますけど⋯⋯」


どうやら違うらしく少々困惑しつつ訂正しようとするが、その前に俺は言葉を続ける。


「くそっ、あんなゴリラみたいな怪力相手じゃ抵抗できねぇ⋯⋯!」

「ゴリラ!?失礼なこと言わないでください!じゃなくてそもそもそんな目的じゃ⋯⋯」


サラッと悪口に分類される言葉を混ぜながら心底悔しそうな顔をし、拳を握りしめる。ここもオーバーリアクションで。

当然少女は戸惑いを深めつつ再び訂正しようとする。


「そういえば吸血鬼に噛まれたらそいつも吸血鬼になるんだったか!?人間卒業とか嫌なんだけど!!」

「だから違うって言ってるじゃないですか!?」


更に勝手に想像した結果を言って勝手に嫌がることで少女は訂正にムキになる。


「じゃあ何の為に来たんだよ!!吸血鬼が血を吸う以外で俺の所に来る理由があんのかよぉ!!」


という訳でそのままのノリで聞いてみようか。


「ありますよ!族長に言われて貴方を連れ出しに来たんですよ!!」

「あ、そうなんだ。」

「ふぇっ!?」


わー、物の見事に引っかかったぞコイツ。


『⋯⋯もうなんか色々と酷いですね。』


うん。こんな方法使った俺もだが、それに引っかかったこいつはそれ以上に酷いな。


「族長とか言ってたけど何?お前ら吸血鬼はコミュニティでも築いてんの?つかなんで俺が連れ出さなきゃいけないんだよ。魅了とか言ってた辺り俺の意志を無視してるみたいだし。」

「ふぇぇ⋯⋯この人怖いですぅ⋯⋯」

「あ?初対面で魅了して意のままにしようとするお前の方が怖いわ、常識的に考えて。」

「そんなこと知りませんよぉ⋯⋯みんな魅了かければいいなりだったんですもん⋯⋯」


みんな、ってことは、さてはこいつ常習犯だな?うーんこいつを放っておくと面倒なことになりそうだ。


それに族長とやらの目的を知りたい。何故俺を連れてこさせようとしたのか?俺が選ばれる理由となると、スキル関連の可能性が高い。なんせ現在全人類の中で最もスキルを持つのは俺だろうしな。


どうするか⋯⋯そうだ、隆二3号を使って族長とやらの所に会いに行かせるか?いや、こいつのスキルを考えると族長のスキルの強化段階がどの程度か不明だ。そうなるとスキルが弱体化する3号じゃ不安だ。隆二3号を残して俺が族長の所へ行く方がいいだろう。


『普通そこは分身を行かせた方が安全なのですが⋯⋯』


下手にスキルのことをバラしたくない。となればライマのサポートを十全に受けれる本体の俺が行った方がいい。


他の手段としては⋯⋯そうだな、場合によっては吸血鬼全員能力者として判断したってことでTFSPに連絡して対応してもらうか。あ、いやそうなると隆二3号残す方が不自然だな⋯⋯もういいや一日学校休むか。


「よし分かった。お前、族長の所に俺を案内しろ。」

「⋯⋯はい?」

「聞こえなかったのか?俺を族長の所へ案内しろと言ったんだ」

「え?え??いいんですかぁ!?」

「俺を呼びつけた理由が気になる。あとアホの子のお前を遣わした理由もな」


だってこいつ能力は高いがとんだポンコツなんだもん。そんなの送り込んでくるなよ、自分の首絞めることになるぞ?


「よ、良かった、これで族長に怒られずに済むのです⋯⋯」


アホの子って言われた事に気づいてないのかこいつ?まあいいけど。


「そりゃ良かったな。じゃあ案内頼むぞ、えーと⋯⋯」


そういやこいつの名前聞いてないな?


「およ?どうしたんですか?」

「いや、名前聞いてないなと思って」

「あ、そういえば言ってませんでしたね!」


少女は俺に向き直ると、(あんまり無い)胸を反らして、自己紹介した。


「私は吸血鬼の高野たかの陽菜ひなというのです!今年で十七歳になります!」


へー、十七歳かー。



⋯⋯⋯⋯と・し・う・え・か・よっ!?



――――――――――――



とりあえず、今日はもう遅いので、帰ってもらって明日行こうと思ったのだが、「夜道を歩いてたら何故か補導されるので泊めてください!」と言われた。まあこいつ見た目十二歳だもんなぁ⋯⋯


それに「一晩のうちに逃げるかもしれないじゃないですか!」とも言われた。まあ相手目線からしたら当然かもしれない。


というか補導に来た人を魅了して俺を保護者に仕立てあげて戻ってくるのではないかと思ってしまったので面倒くさくなって泊めてやることにした。


仁美に関してはネットカフェで過ごしてくるとの事。すまんな。


「お風呂入ってもいいですか?」

「お前着替えあるのか?」

「無いです⋯⋯」


仁美の服はサイズが会わないしなぁ⋯⋯そもそも勝手に上がり込んどいて風呂貸して貰えると思ってんのかこいつ。


「まあいいです、この服を使い回しますので風呂に入らせてください!」

「お前それを俺が許可すると思ってるのか⋯⋯?」

「臭くなりますよ!!」

「一日くらい平気なんじゃね?」

「酷いです!!淑女に風呂に入らせないとか鬼畜です!鬼!悪魔!」

「鬼はテメーだろうが⋯⋯」


淑女て。いや十七歳なら淑女と言ってもいいかもしれないけどこいつ見た目十二歳だし⋯⋯


でもなぁ、その見た目だからこそ風呂入らせないのも可哀想に思えてくる。


『マスター、そもそも料理食べさせた時点で手遅れだと思うのですが』


あーうん⋯⋯そうだな。調子乗るようならお灸を据えてやればいいだろ。


「しゃーない、入っていいぞ」

「いいのですか!?わーい!!」


俺が許可を出すと、高野は淑女とは思えない歓声を上げた。そういうとこだぞ。


とりあえず風呂場の場所を教えてやった後、明日休む件をコーチと担任と幼馴染、あと秋人に連絡しておいた。理由は秋人以外は激しい体調不良とでも打っとくか。秋人には状況を全部伝えておく。


そしたら返信が来たのでそのまま会話する。


『なんだよそのラノベ的な展開は』

『今更じゃないか?』

『ラノベ的展開の掛け持ちってお前大丈夫かよ』

『最悪分体いるからなんとかなる⋯⋯かな?』

『しかし魅了って怖いな、言いなりとかやだわ』

『まあ俺には効かないけどな』

『吸血鬼もまさか侵入したのが竜の巣だとは思わんだろうよ』


竜の巣って。まあ『竜化』あるしあながち間違いじゃないかもしれないが。あ、そうだヤバくなったら「俺竜なんっすよーっ、へへっ」で乗り切ろうかな?


『しかし族長とやらの目的が気になるな。気をつけろよ』

『ああ、分かってる。ありがとうよ』


秋人は多少心配してくれているみたいだな。大事にならんように気をつけないと。


さて⋯⋯そろそろ一時間経つんだが。いつまで風呂に入ってるつもりだあいつ。


しかしここで風呂場の方を見に行って着替え中とかだったらアレだしなぁ⋯⋯


『流石にそんなご都合的な展開はそうそう起きないのでは?』


家に見知らぬ少女が乗り込んできた時点でもう一般論通じねぇだろ。


と、ライマと会話しているうちに風呂場の方から声が聞こえてきた。


「すみませーん!バスタオルどこですかー!」

「あー、洗面所の下の引き出しにある!」

「ありがとうですー!」


しまった、なんか普通に返事してしまった。


⋯⋯まあ風呂入らせたならバスタオルの場所教えるくらい同じか。


「ふぅー、さっぱりしました〜あ、アイスありません?」

「調子に乗るな」

「あだだだだだだだだだ!?」


うん、流石にアイスたかるのは調子乗ってるな。誰がテメーにアイスなんてやるかよ!!あめだまならくれてやるよオラッ!


俺が両拳で頭を挟み込みぐりぐり(これがあめだま)してやると悲鳴を上げて逃れようとする。力は強いが残念、そう簡単に逃がさねぇよ?『武装術』あるからな!


『スキルの無駄使いな気がします⋯⋯』


俺の力だ、誰にも文句は言わせん!


『そのフレーズ久々に聞きましたね』


「うぅ⋯⋯案外チョロいと思ったんですけど無理でしたか⋯⋯」

「当たり前だ馬鹿野郎」

「野郎じゃないですー!淑女ですー!!」


あー言えばこー言う⋯⋯面倒いなコイツ。


相手にするのも疲れるな、さっさと俺も風呂入って寝てしまおう。俺はそう思いつつため息をついた。





寝る前にも一悶着あった、ゲームしたいとか子供か!年上なら我慢しとけ!!

おぉまぁけぇ

――――――――――――

ネカフェにて


「おお、漫画喫茶とくっついているのか、沢山漫画がおいてある」

「え?ゲームが無料で出来る?凄いな⋯⋯」

「そうだ、ネットカフェなのだからPCのMMORPGでもやってみるか」


満喫していた。


――――――――――――


ちなみに作者はネカフェには行ったことないです。一度行ってみたいですね。


スキル一覧です。


名持ち(ネームド)スキル

賢神ライマ3(思考補助系)

覇王バハムート3(身体強化、妨害系)

極ノ旗(バラキエル)3(スキル強化系)

錬金ファウスト3(現象系)


属性系スキル

閃雷20←8Up!

蒼炎3


現象系スキル

装甲・腕4

装甲・脚

錬成16←Up!

聖光3

念話2

分体5 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2

気功法3


思考補助系スキル

解析


身体変化系スキル

性別反転3

竜化3


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX

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