学校にて
前回の投稿がちょっと遅れたので今回は早めに投稿しておきます。
翌日の朝、おれは昨日のことを思い出して後悔していた。
慢心するなって上から目線で言うって何様だよ!恥ずいわ!
現在、俺はそんな感じでややげんなりしつつ電車に揺られ、学校に向かっていた。俺はテニス部なので朝練があるのだ。うちの高校は最寄りの駅から普通電車で二駅ほど行った所にある。俺は駅から降り学校へと歩いていく。現在時刻は6時半である。
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そんで7時くらいから朝練スタートだ。まずは体操から始まり、ランニング、筋トレ、サーブ練習、乱打と言った感じでやっていく。
途中の乱打で『心眼』の効果により弾が遅く見えてしまい一年生の中の1番手の強力なショットを簡単に打ち返してしまい少し驚かれた。コーチから「腕を上げたな」と言われたのだがスキルの効果なので少し罪悪感がした。1番手の人、すいません。
とか思っていたのだが。
『彼もスキル『直感』を持っていますので卑怯では無いかと』
衝撃の事実がライマによって明かされた。なんでも様々なことに直感が働くらしく試しに1番手の人に聞いてみたら「やってみたら出来た」ということが多いらしい。それならまあ、ズルではないかな?
『これからスキルが増えることを考えるとズルかも知れませんが』
上げて落とされた。酷いや。ちなみに骨折については左手の小指にヒビ入っているだけなので問題無く運動出来た。
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朝練は大体8時に終わり、授業は8時半から始まる。そんでその間に昨日のスキル解放から二十四時間経っている訳で新しいスキルを解放しましたー。わーぱちぱちー。やったねー(投げやり)
なんで投げやりなのかというと、内容を聞けば分かる。授業が始まる少し前トイレの中でライマに解放したスキルを教えて貰った。その時の会話がこちら。
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スキル解放条件は既に満たしてるよな?
『はい、既に二十四時間経っております』
よし、それではスキルの効果を教えてくれ!早う!早う!
『そんなに急かされなくてもお教えします。スキルの名称は⋯⋯⋯⋯』
ん?どした?言葉を切られるとなんか不安になるんだけど。
『⋯⋯聞きたいですか?先に言っておきますがこのスキルは絶対に使ってはいけませんよ』
え、何それ怖い。でも一応把握しておきたいので宜しく。
『⋯⋯分かりました。スキルの名称は『自爆・LvMAX』自分の生命力全てとスキルを代償に自爆します。代償にするスキルの数は使用者が指定できます。威力は生命力の強さ×スキルの数と強化回数です。ちなみに今のマスターが全スキルを代償に使用した場合月を殺れます』
⋯⋯マジで?ちょっと待て、何その危険なスキルは。つまり俺が死ぬ代わりに某殺せない先生が月を殺った時並みの威力の爆発を起こせるってこと?なんでそんなスキル作ったんだよ!?(半ギレ)
『スキルを作った人物は私も知りませんが確かに何故こんなスキルを作ったのかが疑問です。』
ホントだよ⋯⋯あれ、自爆・LvMAXってなってるけどなんでMAX?
『どうやら自爆はスキル自体に強度があるようでMAX含め五段階存在するようです。他の自爆は全ての生命力を犠牲にする必要がないようですね。』
それでも多分威力やばそうだからなぁ⋯⋯少なくともこのスキルは使い道が無いのが分かった。マジでいらねぇ⋯⋯つーかスキルを犠牲にする数指定できる必要あんのこれ?
はぁ⋯⋯運ワリィ⋯⋯
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という訳で投げやりだった。いやほんと困るよ。まあ何時までも投げやりではいられないので気持ちを切り替え、今度は次のスキルの解放条件を確認しよう。早う!早う!早う!
『だからそんなに急かされなくてもお教えします。次のスキル解放条件は、『スキルを同時に四つ発動し1時間保つ』です』
ああこれはかなり楽だ。ライマと『心眼』は常時発動だし、そして『閃雷』と『蒼炎』を周りから見えないように指先に小さく纏っておけばOK。さて、1時間待ちますかね。
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8時半から授業と言ったが正確にはホームルーム二十分、そして8時50分から授業だ。そんで8時半からスキルを発動し始めたので最初の授業中に解放が完了した。やったぜ。
という訳で解放したスキルを教えてください。早う!はy『いい加減にしてください』はい、すいません。
『新しいスキルの名称は『竜化』よくファンタジーであるようなドラゴンの姿に変化出来ます。変化の度合いは調整可能でいわゆる『竜人』のような姿にもなれます。また、部分的な変化も可能です』
ええ、何それめっちゃテンション上がる。放課後早速試そう。
『それと恐らくすぐに聞かれると思いますので言っておきますが次のスキル解放条件は『スキルを2つ同時に使い相乗効果を発動させる』です』
相乗効果?何それ。
『今まで見たスキルの中で例を挙げますと『弾丸』と『閃雷』を組み合わせると弾丸に閃雷の効果を付与することも不可能ではないと思われます。恐らくはこのようなことではないでしょうか』
なるほどねぇ・・・単に組み合わせるだけじゃだめ?
『少なくとも『閃雷』と『蒼炎』を混ぜるだけでは無理でしょう。単に閃雷と蒼炎を一回づつ使うのと効果が変わりませんので』
なるほどねぇ⋯⋯まあこちらも放課後検証しよう。
俺は1度スキルのことは置いておき授業に集中するのだった。
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「あ〜終わった〜⋯⋯」
とりあえず昼休み前までの授業が全て終わった。昼休みに入ってたので俺は飯(ライマに作ってもらった弁当)を食おうと思ったがふと廊下を見ると幼馴染み2人が何処かへ向かって行くのが見えた。ちなみに俺らの教室は2階にあり俺は1-2、幼馴染み2人は1-3で隣の教室である。
普段なら2人はすぐに飯を食ってるはずなので(たまに一緒に食う)恐らく昨日のことで何か話し合うつもりなんだろう。俺は気になったので付いていくことにした。
心眼の効果により遠くからでも視認出来るので離れた位置から付いていくと校舎の裏側の昼休みには誰も来ない様な場所まで来た。そこで2人は話し始めたのだが流石に離れた位置にいるので聞こえない。
というかこれ以上近づいたらバレるし、聞こえないんだったら意味無いじゃん。まあでも顔色で少しくらい何か分かるかも。と思ったその瞬間、
「きゃあああああああ!」
「理恵!?」
理恵の悲鳴が聞こえたため、何が起こったのかと思い思わず隠れていたのを忘れて駆け寄ると
「虫いやぁ!」
という声が聞こえて思わずずっこけそうになった。よく見ると毛虫が近くの木からぶら下がっている。そういや理恵は極度の虫嫌いだった。しょうがないのでそのまま俺は近寄ることにした。近寄ってきた俺に海斗は気づき驚いているようだ。
「り、隆二、何でここに」
お忘れの人もいるかもしれないが俺の名前は大葉隆二だ。それはともかく言い訳をせねば。
「お前らが飯も食わずに真剣な顔で出ていったもんで気になって思わずついてきたんだ。すまんかったな」
「ああ、そうだったのか、悪いな心配かけて」
そう言いつつやっぱり顔が少し暗い。ふむ⋯⋯
「え、俺的にはお前がついに告白するのかと思ってついてきたんだが⋯⋯」
「こっ、告白じゃねぇよ!大体なんでそんな思考が出てくんだよ!」
「えー?だってねー?最近前より仲がよろしいようですしねー?ここに来る時も手を繋いでらしたしねー?」
「なっ、違っ」
「いいんだ、分かっているさ、恥ずかしいんだろ?遠慮するな、俺とお前らの仲だ、隠すことなどないはずだ。お付き合いされるのなら全力で応援するさ!」
「だから告白じゃないって言ってんだろ!理恵もなんか言って⋯⋯」
そこで理恵を見るが、
「虫⋯⋯いやぁ⋯⋯」
彼女はしゃがみんだまま震え続けている。俺は無言で毛虫の糸を掴み振り子のようにして草むらへぽいした。
「理恵、虫はどっかいったから立ってくれ」
理恵は涙目で顔だけ上げて海斗を見上げる。
「本当?虫、いない?」
「いないって、ほら立って」
ようやく安心したのか理恵は立ち上がりそして改めてこちらを向いて驚いている。
「隆二君!?なんでここに?」
「お前らが(ry」
同じ説明をした。
「そうだったんだ⋯⋯」
「そんで告白の答えは?」
「えっ!?」
「おい隆二、違うって言ってんだろ!」
「そうなん?理恵」
「ちっ、違うよ!告白されてないよ!」
「なんだ違うのか。⋯⋯(ちっ)」
「今舌打ちしたよな!?」
「はっはっはっ⋯⋯なんだ、結構元気じゃないか」
「え、お前⋯⋯もしかして、」
「その調子で頑張れよ⋯⋯恋愛を!」
「いい加減にしろ!」
元気になったなら良かった。俺は二人を置いて全力で逃げ出すのだった。
その後は教室に戻り急いで弁当を食った。もっと味わって食いたかったぜ。昼休みが終わりその後も授業も終わって部活もほぼ朝と同じ内容のメニューをこなして18時頃終了した。
こうしてスキルを得た後の初めての学校生活が終わったのだった。
なお、骨折関係に関しては本当のところはどうなのかよく知りませんので主人公はそう感じてたってことにしておいて下さい。