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現実にもスキルがあったなら。  作者: 高一の勇者
第一章:始まりの非日常
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番外編:八坂美佳子の憂鬱

第一章エピローグ後の最初の月曜日の出来事です。


なお、作者は女心をよく知らないので七割想像です。「おかしくね?」と思われてもそれで納得してください。すみません本当に。


え?更新が遅れた理由?番外編三つ考えてそれぞれ書いたりしてたらこんなことになりました⋯⋯とりあえずいち早く完成させたこれを年末に出そうと思いまして。年末年始関係ないのですが。


さて、今年最後のご挨拶を。今年読んでくださった皆様、ありがとうございました!来年もよろしくお願いします!!


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜⋯⋯」


ある高校の教室で、机に突っ伏しため息をついている女子生徒がいた。


「ミカちゃん、どうしたの?最近元気が無いけど」


近くにいた女子生徒が心配して声をかける。


「あー、ちょっとね⋯⋯あはは⋯⋯」


ミカちゃん――八坂美佳子はそれに対して誤魔化し笑いをしながら体を起こす。


「最初は級長の仕事が忙しくて疲れてるのかなーって思ってたけど、今は大して忙しく無いよね?それなのにまだ元気無いからさ、なんか心配になって⋯⋯」


女子生徒は純粋に美佳子を心配していた。美佳子はそれを感じ取り、そんなに元気無さそうに見えたかなと思いつつ、素直に元気の無い原因を言うことにした。


「実はね、最近気になる人が出来たんだけど⋯⋯」

「えっ!?そうなの!?」


途中まで言ったところで女子生徒は大きな声をあげて驚いた。


「ねぇ誰?誰なの!?ウチのクラスの男子じゃないよね?なら隣のクラスの元気系男子山下くん!?それともカワイイ系男子の中谷くん!?」

「お、落ち着いてそら!違うから!」


一気に大声でまくし立てる女子生徒――宙に慌てて、落ち着けようとするが、効果が無い。


「あ、分かった!!テニス部のイケメン三年生北野先輩でしょ!!いや〜分かるよ〜!!北野先輩は狙う人多いから尻込みしてるんでしょ!?思いが伝えられないから元気がないんでしょ!!」


それどころか勝手に勘違いして納得する始末。


「違うよー!いっつも宙は思い込み激しすぎ!!」

「えー!?違うのー?名推理だと思ったのに〜」


宙は心底残念そうにそう言う。が、直ぐに立ち直り、


「じゃあ誰なの!?もしかして他校の人?ハッ!まさかショタ⋯⋯」


またもや勝手なことを言い始めた。


「ああもういい加減にして!変な噂が広まるでしょ!?」

「うっ、ごめん⋯⋯つい興奮しちゃってー」


美佳子が強めに言って、ようやく宙は落ち着いた。


「でも、教えてくれないと私だって引き下がらないからねー?あのミカちゃんが惚れた相手だもん、気になるよ!」

「あの、って⋯⋯宙は私を何だと思ってるの?」


親友にどんな評価をされているのか美佳子は心底気になった。


「そんなことは今どうでもいいでしょー!?ほらさっさとゲロっちゃいなよ!ハリーハリー!」

「そんなに急かさなくても教えるから!もう⋯⋯」


美佳子はこの親友を制御することは無理だと諦め、その人物を口にした。


「私が気になってるのは、大葉・・隆二・・っていう一年生だよ」

「えっ⋯⋯」


それに対しての宙の反応は、何故か混乱しているようだった。


「⋯⋯どうしたの?」

「え、あーいや!まさか一年生だとは思わなくってさ!」


美佳子が少し疑問に思い声をかけると、宙は何か慌てた様子でそう言った。


「そ、それよりさ!なんでその一年生が気になってるの?一年生とは接点あんまり無いはずだよね?」


誤魔化すようにそう言い募る様子を見て、美佳子は少し不思議に思ったがあまり気にせずに少し考えてから答えた。


「えーっとね、ちょっと前に怖い人から助けて貰ってね⋯⋯それに、こないだ優香が暴走してたのを止めてくれたのも彼だったんだ。それで、ちょっとかっこいいな、って⋯⋯」

「っかー!んだよそれー!ミカちゃんはチョロインか何かですかー!?」

「えっ、どうしたの宙?チョロイン?」


宙がまたもやいきなり叫びだしたことに美佳子は驚く。


「それだけかー?それだけなのかー!?それだけでミカちゃんはそいつに惚れたんかー!?」

「べ、別に惚れたとかじゃ⋯⋯」

「いーや!惚れてるね!だって耳真っ赤だもん!!」

「えっ嘘っ!?」


慌てて手鏡を取り出して確認してみるが、平常時の色そのものである。


「なんだ、別に赤くなんて⋯⋯」

「いや、嘘っ!?って言ったってことはつまり惚れてるよね!!」

「あっ⋯⋯」


反射的に口走ってしまったが、それなら自分は本当に彼に惚れているのかもしれない。美佳子はそう思うと、今度は本当に耳が赤くなり始めた。


「そ、そうなのかな?私、隆二君に惚れてるのかな⋯⋯?」

「あ、これ自覚してなかったパターンなの!?えーと⋯⋯と、とりあえず今まで彼と会って抱いた気持ちを思い出してみて?そしたら判断つくかも」


美佳子は軽く茹だった頭で、隆二との記憶を思い出そうとするが⋯⋯そこで、さっきまで落ち込んでた理由を思い出した。


「⋯⋯はぁ〜〜〜〜〜〜〜⋯⋯」

「えっ⋯⋯ど、どうしたのミカちゃん」

「実は⋯⋯その隆二君と、全然会えてないの⋯⋯」

「あ〜⋯⋯それで最初落ち込んでたんだねー」


一気にテンションが急降下した美佳子の言葉に、宙はようやく得心がいった様子だった。


「だって、今は忙しくないのに会おうとしても会えないんだよ⋯⋯教室行ってもいないし、見かけたと思ったら女の子と喋ってるし、校門で待ち構えても来ないし⋯⋯」

「やだミカちゃんちょっと怖い⋯⋯」


美佳子の言葉に宙は少し引いたが、気を取り直して美佳子を励ますことにした。


「そうだ、いつか会えるだろうし、その時に連絡先の交換でもしたらいいんじゃない?それさえしちゃえばあとは色んな口実作って好きな時に会えるでしょ!だからそれまで頑張ればいいんだよ!」

「れ、連絡先⋯⋯なんで思いつかなかったのかな⋯⋯」


美佳子はそれすら思いつかなかった自分に愕然としたが、そのためにはやはり再び会わねばと、やる気を出し始めた。


「ありがとう宙!連絡先交換できるように頑張るよ!」

「あ、うん、そだねー」


急にテンションが上がった美佳子に宙はまた少し引いていたが、元気になったならいいかと思い直した。





この後、偶然廊下で出会って、慌てすぎて交換し損ねたのは余談である。



――――――――――――



「はーまったく、びっくりしたよ⋯⋯」


宙は放課後、一人で帰りつつ、独りごちる。


「まさかねぇ⋯⋯最近話題の新人(・・)君がミカちゃんの想い人だなんて、ね⋯⋯」


彼女が隆二の名前を聞いた時、動揺していた理由。それは、彼女がTFSPに所属しているからであった。


「はー、まさかうちの学校に私以外のTFSPの構成員がいるとは思わなかったよ」


宙はそう言いつつ美佳子の様子を思い出し、呟いた。


「応援してるから頑張れ、ミカちゃん!」


会えなかった理由


月曜日:隆二が決闘翌日であんまり動きたくなかったので部活を途中で切り上げ帰宅。八坂さんが校門に行く前に通ってしまった。


火曜日:逆に部活が長引き、友達と会話しつつ別ルートで帰宅。よって校門を通っていない。


水曜日:雨だったので海斗と理恵と一緒に帰宅。八坂さんからは理恵が見えたため話しかけるのを躊躇。


木曜日:教室に八坂さんが特攻したが隆二は腹痛によりトイレへ向かっていたためすれ違い。(聖光使えば良かったとは後で気づいた)放課後は八坂さんの友達が体調不良を訴え、家まで付き添ってあげたため会えず。


金曜日:祝日。



隆二「俺は悪くねぇ!」

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