長い非日常な土曜日 その3
施設紹介はなるべく早めに終わらせたいですね・・・どうにか設定済みの施設全部を紹介しないで済むように調整するべきでしょうか・・・
友人の名言「カツ丼にはスプライトの組み合わせが最高だよね」
味覚大丈夫なんでしょうか。
次に行ったのは同じB2階の、エレベーターとは最も遠い部屋だった。
今までと同じように扉の横にはプレートがあった。
『食堂』
ああ食堂ね、そりゃ必須だわ。ここに住んでる人とかいるみたいだし。
中は、うちの学校にある食堂よりは狭いが、それなりの広さがあった。机と椅子がやや間をとって並んでおり、調理場が部屋に入ってすぐ左にあった。
あれ?人がいないけど・・・まさか、全自動調理マシーンとかあるのか?
「む?今日は遠藤はいないのか?」
「あー、遠藤さんはインフルかかっちゃったみたいで・・・」
「成程な・・・ではしばらく彼女の料理は食べれないのか、残念だ。」
あ、ちゃんと従業員いるのね。で、インフルかかってると。そういや他の県でインフル流行ってるとかニュース流れてた気もするな。
「まあ、今はここの紹介が先だな。と言っても、扉のプレートや中を見たら分かるだろうが、ここは食堂だ。ここは特に超能力絡みの施設ではない、普通の食堂だな。」
「そうなんですか・・・てっきり、全自動で調理してくれるロボットでもいるのかと・・・」
へい海斗さっきから俺と同じこと考えすぎだぜ。
「あ、それ最初思うよな!残念なことにこの施設ロボットはいねーんだよー!」
あ、いねーの?こんなSFチックなのに?
いや、別にここはSFを求める所では無いか。たまたまこの日本支部を作ったのがSF好きな奴だっただけで本来の目的に関係無いものは作らんかったのだろう。
「流石に夢を見すぎだ・・・そういえばもうこんな時間か。」
和也さんが壁にかかっていた時計を見て呟く。見ると、時計の針は一時頃を示していた。
『正確には12:58ですね。』
ああそういやお前時計機能ついてたな・・・
「料理出してくれる人が休んでるんじゃなー・・・俺料理出来ねぇしよー。」
「・・・え?ここ一人しか料理人いないの?」
いくらTFSP日本支部の所属人数が多く無いからって一人はキツいと思うんだが・・・
「遠藤さんは料理だけすごいスピードで行える超能力者なのさー。」
俺の考えを察したのか梨沙が説明してくれた。なるほどそういうスキルの持ち主か。
「それより飯が食えねぇことの方が問題だ!誰か料理出来ねぇか!?朝飯食いそびれたから腹減ってんだよー!」
元太は片腕を振り回しつつそう言う。その振り回してる腕には何の意味があるんだ・・・
「私は卵焼きしか作れんな・・・昼食には足りんだろう。」
「俺は料理したことないな・・・」
「私は・・・出来ないこともないと思うけど、自信はないや・・・」
「僕も基本コンビニ弁当だったし・・・」
「・・・(ふるふる)」
元太の問いに対し、他の皆の返答は芳しくない。なお最後のは東山妹が首を横に振っていた。
しゃあない、俺がやるか・・・
『マスターは料理が出来るのですか?』
まあ基本お前任せにしてたが、その前から料理は出来たぞ。まあ今回もお前に任せるがな。その方が美味いし。
『了解しました。』
「じゃあ俺が作るわ。調理器具借りていいんだよな?」
「構わんが・・・作れるのか?」
「まあ見てろって。」
さあ、頼むぜライマ!服が破れるくらいうめーもん食わせてやれ!
『そうなるとマスターも対象になりますが、よろしいですか?』
やっぱ普通でいいです。え?てか出来んの?
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そんなこんなで料理が出来た。
メニューはチキンステーキ(多分)とパスタサラダにインスタントのコーンスープの味を整えたもの、そして白ご飯だ。
で、味の感想だが・・・
「うまっ!うまっ!!うまぁぁぁあっ!!」
「五つ星有りうるレベル。ヤバス。」
「ほう!美味しいなこれは!」
TFSP組は普通に絶賛してくれた。ふはははは!もっと褒めるがいい!ライマを!
『照れますね。』
棒読みじゃん。
「隆二もこのレベルの料理作れたのか・・・」
「鈴木さんとあんまり変わらないね・・・こんなに料理上手かったの・・・?」
幼馴染二人にも驚かれた。てかやっといてなんだけどこれしくじってない?仁美と共通点匂わせちまった訳だし・・・保険でちょっと誤魔化しとくか。
「仁美から教わったんだよ。一人の時とかやっぱ自分で食うなら美味いもん作りたいし。」
「なるほどな・・・そういえば隆二は元々料理出来たっけ。」
「おう、伊達に一人暮らししてないぜ!」
「一人暮らし始めたの最近だろうに・・・」
よし多分これで誤魔化せたな。俺が元々料理出来たことも思い出してくれたみたいだし。
「うっ・・・グスッ、ううっ・・・・・・グス・・・」
と、急にすすり泣きと呻き声の混ざったものが聞こえてきた。俺らはその方向を見る。
・・・泣いていたのは、東山兄妹だった。
どうしたんだよお前ら・・・何?なんで泣いてるの?
「お、おい・・・どうした?大丈夫か?」
和也さんが心配そうに訪ねる。それに対し東山兄は涙を拭い鼻を啜ると、こう返した。
「ズズっ・・・すみ、ません・・・こんなに美味しいものは、久しぶりに食べたので・・・」
・・・そんなに前の生活辛かったのか。コンビニ弁当ってそんなに不味いの?
「それに・・・なんと言うか、人の手作りの料理なんて、何年ぶりかと思うと・・・ちょっと、感極まってしまって・・・」
あー・・・そういう・・・人の温もりに飢えてる的な奴かね・・・?と、そこで俺の方をしっかりと見て。
「隆二君・・・こんなに美味しい料理をありがとう・・・!」
そう、お礼を言ってきた・・・のだが、待って。心が痛い。
やめてそんな綺麗な目で見ないで!あーっ!ライマに任せっきりだったから心が痛む!
『・・・代わりましょうか?』
頼む!俺の精神にダメージ来るから!
『了解しました。』
その瞬間、体の制御がライマに移った。ふう、これで安心できる・・・
「あー、別にそんなお礼言われても照れ臭いだけだからさ・・・それに、これからはここに住むんだろ?なら、遠藤さんだっけ、その人の料理を毎日食うことになるんだし、人の手作りの料理なんていくらでも食えるさ。」
ライマは少し照れたのを誤魔化すような風にそう言った。流石ライマ、演技が上手い。
『本心が混ざってますので。』
あ、なんかすみません。
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それから東山妹も泣き止み、食事が終わった。いやー泣くとは思わなんだ。
「さて、昼食も取ったし、次に行くか。いいな?」
和也さんの問いに対し、
「すまん後藤の兄貴!ちょっとトイレ行かせてくれ!」
「あ、私もちょっと御手洗に行きたいです。」
元太と理恵がトイレに行きたいと言った。
「そうか、トイレはこの部屋の奥の方にある。行ってくるといい。」
という訳で二人が戻ってくるまで待つこととなった。
で、海斗がすぐに和也さんに声をかける。
「次は、どんな施設なんですか?」
「ああ、次は『転送室』だ。」
ほうほう転送室ね・・・いや待てなんだそれ。
「転送・・・?どういうことですか?」
「フッ、見てからのお楽しみだ。」
海斗の問いに軽く笑って答える和也さん。何?カッコつけ?
「ふえっくちょん!」
「うわっ!?」
び、びっくりしたじゃねぇか!なんで急にくしゃみするんだよ梨沙!
『えっ・・・・・・マスター。』
あ、おいてめぇ今てへぺろしたろふざけんなコラ。
『マスター!』
うおっ!?び、びっくりしたじゃねぇか!!なんだよライマ!
『スキルの解放条件を達成しました。』
そっか・・・えっ!?今なんて言った!?
『スキルの解放条件を達成しました。』
このタイミングでぇ!?え、スキルの解放条件なんだったっけ、女子のくしゃみを見るだったっけ。
『他人のスキル解放の瞬間を視認する、ですね。』
えっ、てことはまさか・・・
『鑑定結果はこちらです。』
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山崎梨沙
『再現』
『年齢操作』
自分の年齢を操作できる。操作可能な幅は年齢を上げる場合元の二倍、下げる場合元の半分までとなる。なお、どんなに年齢が上がっても老衰で死ぬようなことにはならない。
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やっぱり解放しとるがな・・・
しかしなんとも特殊なスキルだな。使い道は多そうだが・・・なんか真っ先に思いつくのが詐欺とかそっち系なんだよなー。
まあこっちはいいや。俺の新しく解放したスキルを頼む!
『はい、新しく解放したスキルは『錬金』です。効果は、簡単に言うなら『触れた物質を別の物質へと変化させる』です。』
おお、名持ちスキルじゃねぇか!それに効果だが・・・ヤバくね?もしかして石ころから金でも作れるの?
『現段階ではそれは不可能ですが、岩を鉄に変えるくらいなら可能でしょう。』
マジかよ・・・あれ?これ『錬成』と組み合わせればどこでも武器作れるんちゃうか?
『可能でしょうね。』
武器ということは『武装術』が対応するから・・・どこでも戦闘可能じゃん。
『元よりマスターは武器が無くてもあまり問題は無いでしょう?』
まあそれもそうなんだが。とりあえず『錬金』の詳しい話は後で聞くとして、次のスキル解放条件頼む。
『はい、次のスキル解放条件は、『ブリッジをする』です。』
・・・ブリッジ?それって、手と足で体を支えて腹を上に突き出す、小学校の頃にマット運動でやったアレ?
『それです。』
なんともまた簡単なものが・・・いやでもマット運動とかがないと、ブリッジなんてそうそうしないもんだと考えると本来なら難しい条件なのかもな・・・
「・・・おーい?どしたのー?」
あ、やべ、長考してしまったか。
「いんや、てへぺろっていつ頃現れたものか何となく気になって考え込んでただけだ。」
咄嗟の誤魔化しでそう言ったが・・・うん、聞いてる方からすると「何言ってんだこいつ」って感じだろう。俺もそう思う。
「確かに、いつ頃からあるっけー?」
とか思ってたら梨沙が乗っかってくれた。よっしゃこのままてへぺろ会議でお茶を濁すか。
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会議が始まってすぐに理恵が戻ってきて、てへぺろとはそもそもなんなのかという哲学的な議題が上がり始めた頃に、元太が戻ってきた。
なお俺らが凄いどうでもいい会議をしてる間に、海斗と東山兄妹、和也さんは何か色々話してた。内容は聞いてないからライマ後でよろしく。
『あんまり私に頼りすぎないでくださいね?』
分かってらーい。
「さて、それでは全員揃った事だし次に行こうか。」
そう言われ、俺たちは食堂を後にした。次は『転送室』かぁ・・・すげぇ字面が気になるな、楽しみにしておこう。
断固としておまけです。
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隆二達がてへぺろ談義中
後藤「そういえば君と中澤は本当に付き合っていないのか?」
東山兄「え、そうなの?」
海斗「つ、付き合ってませんよ!」
後藤「恥ずかしがらなくてもいいんだぞ?私も既婚者だ、少しはアドバイスができるかもしれない。」
海斗「だから本当に付き合ってないんですよ!」
後藤「むぅ・・・今時の若者は奥手だな。じゃあ、中澤のことは好きなのか?」
東山兄「ちょっと僕も気になるな。どうなんだい?」
東山妹「・・・・・・(恋バナには興味ある模様)」
海斗「勘弁してください・・・」
めっちゃ追求されていた。
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スキル一覧です。
名持ちスキル
賢神2(思考補助系)
覇王(身体強化、妨害系)
極ノ旗3(スキル強化系)
錬金(現象系)←NEW!
属性系スキル
閃雷11
蒼炎2
現象系スキル
装甲・腕2
装甲・脚
錬成7
聖光2
念話2
分体3 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
気功法2
思考補助系スキル
解析
身体変化系スキル
性別反転2
竜化2
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX
スキル解放条件
『ブリッジする。』←NEW!