非日常な土曜日 その6
今回はあのキャラが再登場します。ちなみに誰も感想欄で触れていた覚えがありません。
それにしてもトリプルアンチに全敵レーザーってやばく無いですか?
「さて、話を戻すとしようか。」
「確か、一つ目のいい情報の途中やったかいな?」
ああ、そういやそうだったな。えーと、ウロボロスのメンバーの人数と能力が判明したって話だったっけ?
「ウロボロスの構成人数と能力については、この場で話すと余りにも長くなる。後ほど端末に資料を送信するからそれに目を通しておいてくれ。」
まあそんなに少ない筈も無いし説明するとなると長くなるのは当たり前か。
「今回はちゃんと読んでおいて貰いたいものだな・・・」
和也さんがボソッとそう言った。・・・読まなさそうな奴多そうだもんな。小澤とか佐藤とか雨宮とか。
「・・・今失礼なこと考えなかった?」
「ん?気のせいだ。」
なんで気づくんだよ、女の勘って奴か?
・・・よーし試してみよう。雨宮って人の話聞かないしうるさいし上から目線で嫌なやt
「あんた絶対なんか失礼なこと考えてるでしょ!?」
途中で気づかれた。マジかよ。
「おお・・・女の勘って本当にあったんだな。」
「喧嘩売ってんの!?」
「あ、買ってくれる?大歓迎だぞ。」
「上等よ上等!」
『本当にそろそろいい加減にしましょうよ・・・』
えーだって俺あいつ嫌いなんだもーん。
『小学生ですか貴方は・・・』
「ええい・・・いい加減にせんかっ!!」
あっ、やっべ佐々木婆さんがキレた。・・・キレたらどうなるかは知らんけど。
とりあえず俺は立ち上がりかけてたのできちんと座り直しそっぽを向いて誤魔化すことにした。
「・・・君たち実は仲いいのではないですか?」
大川さんがなんか意味わかんないこと言ってる。なんで?
『・・・マスターの反対側に向かって雨宮様がそっぽを向いているからですね。』
えぇ・・・何なの?マジで何なの?あと様付け禁止って言ったろ。
『頑固ですね・・・』
んで、佐々木婆さんは俺らの態度を見て溜息をついた。うーん、これ以上雨宮と喧嘩してもいいこと無さそうだ・・・自重すっか。
「・・・話を戻すぞ。次は、もう一つのいい情報だ。」
支部長は色々諦めた様子で話を戻した。今度はどんな情報だろうな?
『それなのですが、マスター。』
ん?どした?
『この部屋の外、出入口の近くにスキル保持者の反応が二つあります。』
マジか。となると、そいつらがいい話に関係してるのか?
『恐らくは・・・しかし、その内片方が問題です。』
そう言ってライマは俺の脳裏に文字を浮かび上がらせた。
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『炎王』
発動すると炎を自由自在に操作出来る。ただしその炎に自分が触れても影響は受ける。
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・・・ほー、強そうなスキルじゃねーか・・・ん?これ見たことあるような・・・
・・・下っ端のスキルじゃね?
『そうなんです。つまり、部屋の外にいるのは下っ端なのです。』
「実は昨日。ある事情により、二人、新たな超能力者がTFSPに所属することになった。」
ライマが俺に解説するのと同時に支部長がそんなことを言う。
「え、また勝手に所属決めたんですか!?人事に事前に通知しといてくださいよ、処理するの僕なんですよ!?」
「俺も知らなかったな!」
「我もだ・・・何故何も言わなかったのだ、長よ!」
どうやら班長達も聞いていなかったらしい。お陰で大川さんに多大な迷惑がかかっているようだ。この人の疲れ顔原因絶対こういうのだろ・・・あと佐藤。長よって言い方どうなの?いやどうでもいいか。
で、だ・・・状況を整理すると、
外で待機している下っ端。
そして追加の新人。
つまるところ・・・ド〇クエで仲間になりたそうにこちらを見てた感じ?
『倒したから仲間になった、という訳では無いのでは?』
じゃあ三〇無双で登用成功した感じ?
『あまり変わってませんし、まだ仲間になるとは決まってませんよ?』
そうかもしれんが・・・あ、そうだ、もう一人の方は?
『あ、そちらはまだ見たことがないスキルの保持者です。こちらになります。』
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『変色』
触れた対象の色を自由に変化できる。ただし一度に変化させられるのは一つのみ。
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なんか久しぶりに戦闘系以外のスキルを見た気がするな。使い道は割と多そうだが。
「片方は戦闘員として。もう一人は非戦闘員として所属することになる。」
支部長が話を続けているが・・・もうこれ直接聞いた方が速くない?
つーわけで空気を読まずにいってみようか。
「なあ、支部長。その二人って、部屋の外で待機してる二人の事か?」
「・・・そう言えば君は索敵能力があるのだったな・・・そうだ、その二人が新たに所属する超能力者だ。」
「やっぱりか・・・じゃあもう一つ聞きたいんだが、片方なんか知ってる気配がするんだよ。そいつに関しては?」
俺がそこまで言うと支部長は少し不貞腐れたような表情になった。なんだよ俺悪いことしたか?
「はっはっはっ!修一は驚かせるのが好きなのにこいつには全然効かないな!逆に笑えるな!」
中島さんが思いっきり大声で言う。遠慮しないなこの人。
「・・・中島の給料を今度減らすか。」
「何いっ!?」
あーあ、やっちゃった。
で、支部長は一度小さく溜め息を吐いて、返事をした。
「全て大葉君の言う通りだ。二人のうち一人は・・・ウロボロスに所属していた東山正次、発火能力の持ち主だ。」
『!?』
支部長の発言にまたもや全員が驚愕する。支部長の顔はどこか満足気である。そんなに驚かせるの楽しい?
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「という訳で、二人とも入ってきていいぞ。」
海斗の制止を無視し、そのまま支部長がそう言うと扉が開き、外で待機していた人物の姿があらわになった。
片方はやはり下っ端こと東山。前回会った時と違い、目付きが柔らかくなっている。てか目付きだけでかなり印象が違うんだが・・・今ならウロボロスの構成員には見えない。
そしてもう一人は中学低学年くらいの少女。東山の服の裾を掴んでおり、やや怯えた様子だ。そして東山と同じく金髪である。
東山が部屋に入ってきたことで、周囲から少し敵意が向けられる。まあ元々ウロボロスな訳だしなぁ・・・
その中でも一際雨宮の敵意が強い気がする。何があった?
「ええと・・・」
そんな敵意の中、東山が口を開く。一体何を言うのかーー
「迷惑かけてっ!すみませんでしたああああああああああああああ!!」
彼は土下座して全力で謝った。
・・・は?
「この度はっ!!TFSPの皆様にっ!!反抗して多大な迷惑をおかけしっ!!本当に申し訳ありませんでしたあああああああああああああ!!!」
いやいや待て待てウェイトウェイトストップストップ。
なんぞこれ?こんな謝るキャラだっけこいつ?チンピラだったじゃん。噛ませキャラ際立ってたチンピラだったじゃん。
あーみんな呆気に取られてるって。お前の後ろにいる少女まで呆気に取られてるじゃねぇか何してんだよお前。
「ひ、東山くぅん・・・別に謝罪してなんて言ってないわよぉ?」
思わず素に戻った状態で支部長はそう言うが、
「だ、だけど僕が犯罪に手を貸してたせいで絶対この人達に迷惑かかってるだろうし・・・」
東山はそんなことを言っている。お前本当にあの下っ端?僕って言ってるし。
『間違いなく本人ですね・・・別人みたいですけど。』
「はぁ・・・とりあえず、これで皆も東山がもう敵ではないとわかっただろう?」
「まーこんだけ言われれば嫌でも分かるやろ・・・」
「ボクは最初っからどうでもよかったけどねー」
「まあ、別に犯行現場見たわけじゃないしね・・・」
土下座が功を奏したのか敵意はほぼ消え去った。雨宮以外。なんだよお前ほんとに。
「さて東山、頭を上げてくれ。」
「は、はい・・・」
支部長の言葉におずおずと顔を上げる東山。
「君がウロボロスに入ることになった理由を説明してくれ。それで完全に誤解は解けるだろう。」
「はい・・・わかりました。」
東山は立ち上がると、彼がウロボロスに入ることになった説明を始めた。
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彼の名は東山正次。現在21歳。
彼は元々、不良でもチンピラでもなく、ただの優しい青年だったようだ。金髪は外国人の母親の遺伝であり地毛だったそうな。
彼は四人家族だった。日本人の父親、外国人の母親、東山正次、そして、妹。
その妹こそが現在正次の裾を掴んでいる少女である。名前は愛花だそうだ。兄とは7歳差らしい。
東山一家は、外国人が家族にいること以外は特になんの変哲もない暮らしをしてきたそうだ。しかし、彼が高校生の頃。
両親が、事故により亡くなってしまったのだ。
一応遺産は残ったらしいが親戚に恵まれず多くは取られてしまい、東山正次・・・東山兄って呼ぶか。東山兄はバイトを余儀なくされた。
そして東山兄は大学に入る金が無く、しかし高卒のためまともに就ける職業も無かったためバイトを増やして家計を支えていた。
そんなある日、東山愛花・・・東山妹が、外出した際にチンピラに襲われた。その時はたまたま通りかかった善人に助けられたが、それを聞いた東山兄は怒りに任せ、そのチンピラの居場所を突き止め殴り込みに行ったという。
その時に超能力が発現したようで、意図せずチンピラに炎を使ってしまった。
その時に幹部、『ガンマスター』に見つかりウロボロスに勧誘されたらしい。その力を世界征服に役立ててみないか、と。
その時は色々混乱していたが、世界征服よりも妹の身が大切だった彼はその誘いを断った。その時の口調は苛立っていたこともありあの時のチンピラ口調だったらしい。
その後しばらくして・・・またしても、彼は勧誘を受けた。
妹の写真を見せつけられながら。
その後は妹に危害を加えない交換条件を付け、協力することになった。
東山兄は、ウロボロスとして活動している間は意識して口調を変えていたらしい。舐められてはいけないと思い、躊躇してはいけないと思い。
更に悪い事態は重なる。
東山妹が超能力に目覚めたのだ。戦闘系ではないものの、『変色』なのだ。金の偽造やらなんやら、使い道は色々ある。当然ウロボロスが見逃す筈もなく東山一家の家から誘拐、東山兄の知らない建物に軟禁したそうだ。
東山兄はどうにかしなければと思いつつ、何も出来ないでいた。人を襲う時は大怪我を負わせなければ自分の妹がどうなるか分からないため、良心を押さえつけ実行したそうだ。
ただ、人殺しだけは行わなかったようだが。
そんなある日、ついに東山兄は返り討ちにあった。
そう、雨宮のドロップキックによって。
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・・・最後で台無しだなぁ!!
『フォロー出来ませんねこれは。』
ちなみに当の雨宮は妹を人質に取られた辺りを聞いてからちょっと泣いてる。意外と涙脆いなお前。
「・・・ええと、その、悪かったわね、ドロップキックしたりして・・・」
・・・謝った、だと?あの?雨宮が!?謝っただとぉ!?
『いや泣いているのなら自然な流れかと・・・』
ぬぅ、雨宮という先入観が・・・
『どれだけ雨宮さんを嫌っているんですか・・・』
「・・・いや、あの時僕を倒してくれなかったら、今ここにいることは叶わなかっただろうし・・・感謝してるよ。」
雨宮の謝罪に対しそう言う東山兄。お前良い奴すぎるぞ。で、今度は俺の方を向いた。なんぞや。
「それと・・・君にも、迷惑をかけたね。本当に、ごめんよ・・・」
あー・・・そっか、最初に攻撃されたのは俺だったね。うん。とは言え、別に元からあんまり怒ってないし、今の話を聞いたらなぁ・・・
「別に、気にしてないさ。さっき思いっきり謝って貰ったしな。」
俺がそう言うと東山兄はホッとしたようだった。本当にあの時とキャラが別人だなぁ・・・あ、そうだ続き続き。
「それで、TFSPに確保された後は何があったんだ?」
「あ、それは・・・」
内容を簡単に説明するとこう。
あの後目覚めて、改めて自分の敗北を理解。諦め、自分の所業を洗いざらい話すことに決めたそうだ。
最初に事情聴取に来た摩利さんに全てを話すと、摩利さんは『究明』によってなんと東山妹の居場所を特定。第二班の数人を派遣し、救出したという。(なお、東山兄が嘘をついたかどうかはとある手段により判別可能だったらしい。)
その後、超能力を持っているためTFSPに勧誘。給料も出て妹の保護もなされるというのなら当然快諾。よって、TFSPに所属することになった、という訳だ。
なるほどねー・・・コイツにはそんな深いストーリーが存在してたのか・・・
「ああ、そういえば・・・」
俺が感慨に耽っていると、東山兄が何かを思い出し、
「フルフェイスヘルメットを被った人が僕をガードレールから引っこ抜いてくれた覚えがあるんだけど・・・ここにはいないのかな?」
そんな爆弾を投下した。
・・・仁美、頑張れー。
『お前が頑張るんだよ!』
うぃっす・・・
おまけといったらおまけです。
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東山兄の隆二との対戦中の心境
「俺の『パイロキネシス』で燃やすぞ?」
(お願いだ・・・これで引いてくれー!)
「じゃあ死ねよ」
(絶対死なないでくれ!)
「さあ、燃えやがれー!!」
(なるべく燃えませんように!)
「ぐああああああぁぁぁ・・・・・・」
(きっと・・・天罰が当たったんだ・・・)
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折角考えたキャラだから一人くらい仲間に入れたいなーと思ったので東山兄が参入しました。
スキル一覧です。
名持ちスキル
賢神2(思考補助系)
覇王(身体強化、妨害系)
極ノ旗3(スキル強化系)
属性系スキル
閃雷11
蒼炎2
現象系スキル
装甲・腕2
装甲・脚
錬成7
聖光2
念話2
分体3 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
気功法2
思考補助系スキル
解析
身体変化系スキル
性別反転2
竜化2
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX