非日常な土曜日 その5
そういえば100万PV達成しました!いやまさかこれ程私の作品が読まれることになろうとは・・・皆様、本当にありがとうございます!
・・・言うなら前回言えって話ですけどね。
「『ゼウス』か・・・『全能』、とでも宣言するつもりか?この我を差し置いて・・・」
「なんやネーミングセンスが佐藤と同レベルやなぁ・・・」
「何っ!?我と憎むべき敵のネーミングセンスが一緒だと!?その言葉、万死に値するっ!」
その名前に対し、佐藤と城島がコントをして場の雰囲気を和ませていたが、俺は何故だかふざける気分になれなかった。あーなんだろうな?この感じは・・・
『どうしたのですか?マスター。』
いや、何かよくわからんが嫌な予感がしてなぁ・・・ま、気のせいだろ。
「・・・支部長。それで悪い話は終わりか?」
「ああ。残りは良い話だけだな。」
川崎さん口数は少ないけど話をしっかり進めてくれるな。結構脱線しまくるから大事な存在だよなぁ・・・
で、支部長が話の続きを始めた。
「まず一つ目のいい話だが・・・ウロボロスに所属する超能力者の数と能力がほぼ全員割れた。」
「おお!それはいいことだな!はっはっはっは!」
「ふむ・・・最上よ、『ほぼ』とはどういうことだい?」
中島さんは本当に分かってるのか・・・?
それはともかく、佐々木婆さんの言ったことは俺も気になってた。流石に全員の能力は分からなかったってことか?
「うむ、実は肝心のウロボロスの頭首の能力が分かっておらんのだ。」
「うーむ・・・流石にそこは漏らさないようになっていたか・・・」
まあ情報は大切だからねぇ・・・流石にボスの情報バレたらあかんやろ。
「あの・・・ちょっといいですか?」
ふと、急に海斗が手を挙げて、話に入ってきた。
「なんだい?海斗君。」
「その、佐々木さんの能力って、多分『命令した相手はその命令を必ず聞く』、そんな感じの超能力ですよね?」
「ほう・・・?よく分かったのう。その通りじゃ。」
俺と雨宮に対して使ってたからな・・・それで見抜いたのか。やっぱこいつ主人公なんじゃね・・・?とか思っていたら続きの言葉を聞いて俺はフリーズした。
「えっと・・・その能力で幹部から情報全部聞き出せば良かったんじゃないんですか?」
その瞬間会議室は静まり返った。
・・・・・・その発想は無かった!!ナンテコッタイ・・・
『・・・言われてみればその通りですね。何故気づかなかったのでしょうか・・・』
心なしかライマも声がしょんぼりしている。あー・・・俺らの方がスキルに詳しいのにスキルすら知らない人にスキルの活用法見抜かれたー・・・。
俺はそんな感じでガックシきていたのだが・・・それとは別に摩利さん、和也さんと支部長が、なんだか雰囲気が暗くなっている。
「どうしたんですか・・・?」
その雰囲気に心配した理恵が声をかける。その後も少し沈黙は続いたが・・・やがて、支部長が口を開いた。
「私達もそれを最終手段として使おうと思っていた。しかし・・・それは出来なかったのだ。」
「・・・それは、何故・・・?」
海斗の問いに、支部長は言った。
「『ガンマスター』は、『ゼウス』の名を口にした直後・・・謎の死を遂げたからだ。」
『!?』
その発言に、俺達だけでなく班長達までもが動揺した。あいつが・・・死んだ、だと・・・?
「それは・・・自殺した、ということか?」
「いや、そうではないようだ。死因は唐突な心臓麻痺。毒や外傷などは見られなかった。」
自殺では無い。しかし流石にそのタイミングでの自然死、などはありえないだろう。となると・・・
「口封じ、ということね・・・」
同じ結論に達したらしい立川がそう呟く。
「恐らくはそうだろう。特定のキーワードに反応して心臓麻痺を起こしたのではないだろうかと推測されている。」
ってことは遠隔で心臓麻痺を起こせる手段があるってことかよ・・・おっそろしいなー・・・
確実にスキルによるものなんだろうが・・・俺も遠隔で人を殺すことは出来ない。強いて言えば『閃雷』で高出力の落雷を起こすことである程度までは可能だがそれでも視認出来る範囲までだ、ここまでのことは出来ない。
うーん・・・死んでしまえば『聖光』でも治すことは不可能だろう。即死系統には要警戒だな。
しかし・・・
「口封じの為に殺されるなんて・・・」
「血も涙も無いな・・・くそっ。」
二人は明確な「死」をここで初めて突きつけられた訳だ。これが悪い影響を及ぼさなきゃいいんだが。
さて・・・それはそれとして新たな疑問が出た。
「支部長・・・少し聞きたいことがある。」
「・・・何だ?」
「何故、この事を最初から言わなかった?」
「・・・」
これは明らかに「悪い情報」に分類されることだろう。それなのに海斗が指摘するまで支部長達は何も言わなかった。それはつまり。
「どうしてこの件を隠そうとしたのか、教えてくれよ、支部長。」
そう、隠そうとしたことに他ならない。実際、海斗が佐々木婆さんのスキルの効果に気づかなければ、自然に話を進めることが出来るように話していた。
・・・まあ、質問しといて何だが・・・正直、大体理由は察せる。
「・・・『ガンマスター』が死んだ、ということを君達に知らせれば、精神的に不安定になるのではないかという判断でな・・・それ故に、言わなかったのだ。」
やっぱり、か。まあ当然と言えば当然だ。普通の高校生がいきなり人が死ぬことに何も思わないはずがないのだから。俺も『ガンマスター』が死んだ、という情報には衝撃を受けた。
だが・・・言わないというのも間違ってる筈だ。
「・・・確かに、俺は『ガンマスター』が死んだって聞いて・・・少し、怖くなりました。」
海斗が言葉を紡ぎ始める。
「でも・・・だからってそれを知らずに生き続けるなんて・・・その方が、俺は我慢が出来ない・・・!」
海斗の目に迷いは無く、拳を強く握りしめている。
「支部長・・・貴方の配慮は俺たちのことを思ってのことだったんでしょうけど・・・俺たちも、犯罪組織と戦うことを覚悟してここにいるんです!だから・・・そういった情報を隠すことは、しないでください!」
海斗は支部長をまっすぐ見て、そう言った。セリフが主人公すぎる。
「私も、そのくらい覚悟してます!人の死に立ち会ったこともありますし・・・平気ですから!」
理恵も同じように主張している。うんうん、虚勢でも無くしっかり覚悟決まってるみたいだ。安心したよ。
だがまあ正直。新人の為の配慮というのは半分嘘だな。
『どういうことでしょうか?』
まあ黙って見とけ。
「それで?試験は合格か?支部長。」
「・・・ほう?気づいていたのか?」
「「え?」」
やっぱか・・・性格悪いだろこのオカマ。
「今黙っといてもいつか『ガンマスター』がどうなったのかは気づくだろ?捕まえた人達の処分はどうなるのかとかこいつら聞いたりするだろうし。」
「その通りだな。」
「つまるところ、人が死んだという情報を与えて・・・どんな反応を示すか見たかったってことだろ?」
「ああ。覚悟が無ければ恐怖に怯えることになるだろうからな。そのような者は戦闘させるべきではない。非戦闘員にするか、全て忘れてもらうか。どちらかだろう。」
つまり、戦闘に出せるかどうかの心構えを試したって訳だ。
『・・・マスター。熱でもあるのですか?』
んー?そりゃどういう意味だ?ライマ。
『いえ、やたら鋭いので・・・脳に異常でもあるのかと・・・』
そこ正直に答えるか!?まあネタばらしすると、念の為ONにしといた『解析』のお陰ではあるな。判断材料は揃ってたからな。
『それを聞いて安心しました。』
てめぇ・・・いつかお仕置きしてやる。
「君は頭の回転が速いな。・・・優秀な新人は、大歓迎よぉ?」
支部長が最後だけオカマ口調でそう言う。急にキャラ変わると反応に困るからやめてほしい。
「それはありがとよ。で、どうなんだ?」
「・・・ああ。二人ともしっかり覚悟を示してくれた。君はそれ以上に冷静だし、問題は無いだろう。改めて、君たちにはTFSPとしての活動をお願いしたい。」
「「はい!」」
全く・・・正直、二人にはビビって欲しかったんだがなぁ・・・心配だし。
『そうならないことは、以前の会話から分かりきっていたとは思いますけどね。』
そうだな、ま、頑張ってサポートしていくとしますかね・・・
『上から目線にならないよう気をつけてくださいね?』
うっ・・・そうだな、気をつけねーとなー・・・
おまっけ
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隆二を怒らせたあの二人は今
「ねーこの拘束具凄い邪魔なんだけどー・・・」
「風呂くらい入らせなさいよー!」
見張り(こいつら状況分かってんのか・・・?)
文句を喚き散らしていた。
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ちなみに幹部こと『ガンマスター』の本名はifでちらっと苗字だけ出てましたが西岡剛士です。
スキル一覧です。
名持ちスキル
賢神2(思考補助系)
覇王(身体強化、妨害系)
極ノ旗3(スキル強化系)
属性系スキル
閃雷11
蒼炎2
現象系スキル
装甲・腕2
装甲・脚
錬成7
聖光2
念話2
分体3 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
気功法2
思考補助系スキル
解析
身体変化系スキル
性別反転2
竜化2
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX