非日常な土曜日 その4
少し遅れました!すみません!
しばらく二人はからかわれ続けたが、後藤さんの「このままじゃいつまで経っても本題に入れないぞ」という発言によって一旦終了した。
こいつらが正式に付き合ったらからかい止むかね?・・・いや、止まんねーなこれ。
で、全員きちんと席に座り(俺らも『命令』を解除された)本題に入ることとなった。
「さて、まず今回みんなを呼んだ理由について話すわねぇ。」
「班長を全員呼び出すということは・・・かなり重要な話なんじゃろう?」
佐々木婆さんの言葉に支部長は頷く。
「そうよぉ。ウロボロスについて、かなり重要な情報が得られたのよ。」
「・・・それは、そこの新人達は関係あるのか?」
川崎はそう尋ねる。
「関係あるわよぉ。なんせ、その情報源のウロボロスの構成員を捕縛したのがこの三人なんだからぁ。」
支部長は何故か自慢げにそう話す。
「しかも、捕縛した構成員のうち二人はTFSPに所属する前に無力化していたな。」
後藤さんが補足した。
「ほう!やるじゃないか!聞いた話によればガンマスターが最近捕まえられたと聞いたが、それを彼らがやったのか!?」
「いや、ガンマスターは流石に別でしょ。あいつ、支部長からも逃げたことがあったんでしょ?」
中島さんが感心しつつガンマスターについて言及したが、立川はガンマスターは別件だと思っているらしい。
「うふふ、中島の言う通りよぉ。海斗ちゃんと理恵ちゃんがガンマスターを倒したのよ!」
「嘘・・・ホントなの?」
「ほう・・・只の愚民では無いようだな・・・」
支部長の言葉に立川は驚き、佐藤は不敵に笑う・・・お前強キャラっぽい雰囲気出したいだけだろ、逆に小物っぽいぞ。と、そこで小澤が「はいはーい」と手を上げ、こう言った。
「ねーねー、そこの喧嘩っ早いお兄さんは何もしてないの?」
お前なぁ・・・何もしてないってストレートに言うなよ。あと誰が喧嘩っ早いってんだ。
『鏡を見るといいと思いますよ?』
今日は毒舌の調子がいいなお前。
「何もしてない訳ではない。『ガンマスター』とは別件で二人捕縛しているからな。」
「でも『ガンマスター』の時にスカウトしたんでしょ?その時は?」
「それに関してはうちの雨宮がな・・・」
「ちょっと後藤!?」
後藤さんが告げようとする言葉に焦る雨宮。ふははは、暴露されて恥ずかしい思いをするがいいさ。
「あー雨宮またなんかやらかしたんかー?」
「またって何よ、またって!私はただ怪しかったからぶっ飛ばそうとしただけよ、紛らわしいこいつが悪いのよ!」
「おうその喧嘩利子付きで買うぞコラ」
テメー後藤さんに注意されたこと忘れてんじゃねーだろーな?おぉん?
『今マスターはさっき小澤様に言われたことを忘れてますが。』
あーうん・・・じゃあいいや喧嘩っ早いで。
『何故そこまでして・・・雨宮様に何の恨みがあるんですか?』
俺は売られた喧嘩を買ってるだけさ・・・あと雨宮には様付け禁止な?
『本気で嫌ってますね!?』
そうだな。俺アイツ嫌い。
「・・・そういえば、彼は自己紹介をしていないのだが・・・」
今にも喧嘩に発展しそうな俺らに川崎さんからそんな声が投げかけられた。あーそういえば。
「そういえば、聞いていませんでしたね・・・いやはや、流れのまま忘れていました。」
大川さん?何忘れてるんですかね?いや俺も忘れてたけども。
「いいんじゃない別に。こいつに自己紹介なんて必要ないわ、地味野郎で十分よ。」
「お前まだその呼び名引っ張んのかよ・・・」
最近気付いた『心眼』と『解析』の合わせ技でスリーサイズ把握して暴露してやろうか?
『それはマスターが引かれると思いますよ?』
まあそうだよな。
「【黙りなさい】」
「!?・・・・・・〜〜!〜〜〜〜!!」
あ、佐々木婆さんに『命令』で黙らされた。
「全く・・・小童よ、早う自己紹介してしまえ。」
「あ、はい。」
とりあえずさっさと自己紹介してしまおう。さっきから本題に入れなくて後藤さんが足踏みし始めてるから。
「俺は大葉隆二。あー、超能力は『サーチャー』だ。よろしくお願いします。」
こんなもんでいいかね。
『良いも悪いも無いと思います。』
あ、そっすか。
「んー?なんか非戦闘系っぽそうな能力名だな?」
「まず最初に気にするのはそこじゃあらへんと思うで?」
中島さんの言葉に城島がツッコミを入れる。
「む?まず気にするべきは強さじゃないのか?」
「あははっ、相変わらず脳筋だね、中島おじさん!」
小澤が無邪気にそんなことを言う。それに対し中島さんはニカッと笑い、
「そんなに褒めるな!照れるぞ!」
「褒められてないからな!?」
思わず突っ込んだわ!!リアルに脳筋と呼ばれて褒めるなって言う奴初めて見たわ!
いや、そもそも今日リアルで見ないようなキャラの奴ばっかじゃねーか!?大丈夫かTFSP!?国際的な機関なんだろ!?
なのに・・・班長共がどう見てもマトモに見えないんだよ!いや全員一緒くたにするのはあれだけど、半数はマトモじゃねーからな!?本当に大丈夫なんですかね!?
はー・・・はー・・・なんかもう色々言いたかったことが脳内で炸裂したわ・・・・・・
『気持ちはお察しします・・・解決は出来ませんが。』
分かってらい・・・はぁ・・・
・・・殺気!?
俺がその殺気の発生源の方を見ると・・・
「・・・そろそろ、本っ当に、いい加減にして、もらえないかぁ・・・!?」
あかん、後藤さんがプッツンしてる。誰のせいだ誰の!
『責任の一端はマスターにあると思います・・・』
知らんなっ!(すっとぼけ)
「ちょっと和也、落ち着きなさい。」
「む・・・すまん、摩利・・・」
海斗と理恵が慌て始めたくらいのタイミングで後藤摩利さんが後藤さんを・・・あー面倒い、和也さんと摩利さんって呼ぼう。
摩利さんが和也さんを宥め、落ち着かせた。奥さんパワーすげー。
「ごほんっ・・・とりあえず、話を再開しよう。捕えたウロボロスの構成員の所からだ。・・・支部長、お願い出来ますね?」
「了解よぉ。」
和也さんの問いに支部長は返事をし・・・顔付きを変えた。
「さて、ここからは真面目な話だ・・・いいな?」
今までとは雰囲気の違うその言葉に、この場にいる全員の気が引き締まる。
なんだよ真面目に出来るのかよ・・・最初っからやってくれんかね?
「まず、情報源となったウロボロスの構成員は四人。その内一人は先程言った通り『ガンマスター』だ。そして、その四人は全て新人の彼らによって捕えられている。」
支部長がそこまで言ったあたりで、テーブルの中心にあった穴からホログラムが現れ、ウロボロスの構成員四人の顔を映し出した。
・・・いやいや待て待てなんだこのオーバテクノロジーは!?それっぽい施設だとは思ってたが実際にホログラムに映し出しちゃうの!?やっべー。あーまじやっべー。語彙力0になるくらいにはやっべー。
こんなん絶対海斗と理恵も混乱して・・・ない・・・・・・だと・・・・・・?
『超能力あるなら何でもありだと思ったのではないですか?』
あー・・・それもそうか・・・そもそもこんな施設作ってる時点で今更か。
「そして、この四人に尋問を行ったところ、重要な情報が三つ手に入った。」
支部長は話を進めていく。
「内容は良い情報が二つ、悪い情報が一つだ。まずは悪い情報から話そうか。」
そこはどれから聞きたい?とか尋ねる場面じゃないか?って言いたいけど真面目な雰囲気だからツッコめない・・・
「これに関しては『ガンマスター』が話した。ウロボロスの規模についての話だ。」
「以前からウロボロスがどれほどの規模で存在しているのか不明でしたからね・・・しかし、それが悪い知らせということは・・・」
大川さんの問いに支部長は頷き、続きを口にする。
「そうだ・・・奴らの規模は、我らと同じ世界規模だ。」
『!?』
その一言で会議室がざわめいた。
成程・・・俺は正直、秘密結社対悪の組織ってほぼ対等な規模なんじゃね?って思ってたからあんまり驚かんかったが・・・日本でしか確認されていなかったのかね?
「実際は、ウロボロスは組織の中の一つに過ぎないそうだ。他の国には、他の名前で存在している。」
「それはもしや、アメリカ支部からの報告にある『フェンリル』なども含まれておるのかのう?」
そんな組織もあるのか・・・てかなんで神話に出てくる存在の名前ばっかなの?
「いや、どんな名前の組織がどの国に存在しているのか、それについては流石に漏らさなかった。」
「じゃあ何で組織が世界に広がってるってバラしたのさ?」
あ、それ俺も気になってた。
「尋問の時にね、貴方を捕まえたからウロボロスは弱体化したはずだ、そう遠くないうちに滅ぼせる、って言ったのよ。そしたら、それに大笑いして『ウロボロスなど一部に過ぎない』って教えてくれたの。」
どうやら尋問を担当したらしい摩利さんが答えてくれた。てか幹部がマジで幹部っぽいこと言ってるな。
「・・・そ、そういえば・・・その・・・世界規模の、組織の名前は・・・なんて、言うんでしょうか・・・?」
珍しく岩田さんがそう発言すると、支部長が答えた。
「ああ、それに関しては奴は話した。その名前はーー」
ーー『ゼウス』だそうだーー
俺はその名前を聞いて、何故だか、妙な寒気を覚えた。
おまけっ!
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隆二「そういや支部長っていつからオカマなんだ?」
雨宮「二年前からよ。」
隆二「意外と最近だなっ!?」
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スキル一覧です。
名持ちスキル
賢神2(思考補助系)
覇王(身体強化、妨害系)
極ノ旗3(スキル強化系)
属性系スキル
閃雷11
蒼炎2
現象系スキル
装甲・腕2
装甲・脚
錬成7
聖光2
念話2
分体3 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
気功法2
思考補助系スキル
解析
身体変化系スキル
性別反転2
竜化2
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX
追記:09/27 22:33に誤字修正しました!