非日常な土曜日 その3
MGはキューブ作戦には向きませんね。辿り着く前に死にます。
そして夢の国のリスさん、二体目来られても反応に困るんですが・・・
スキル分析してる間に、後藤さんに席に着くように促されて全員席に座った。テーブルは円形で全員が全員の顔を見ることができる。
この間ずっとあの女性に睨まれております。そろそろイラついてきた。あ?ヤンのかコラ?
と、全員が席に着き終わった後、支部長が話し始めた。
「まずは、皆集まってくれてありがとうね?」
それに対してガタイのいい男が
「いいってことよ、修一!俺とお前の仲だ、当然だろ!」
とまあなんか馴れ馴れしく返答していた。
「中島はいつも通りねぇ。けど、いつもは引きこもってる子がいるじゃない?」
その言葉に緊張してる様子の少女が肩をビクッと震わせる。
「加奈ちゃんはウチが連れてきたで。三人も新入りがいるし、ウロボロスに関しての重要な情報が入ったって聞いたからなぁ、直接聞いてもらった方がいいと思ってな?」
「そうねぇ。ありがとうねぇ城島ちゃん。」
「お礼はええで、ちゅーか、どうせ引き込もられたらウチがもう一回説明することになるやろし、引っ張り出す方が楽やわ。」
えー・・・この城島と呼ばれてるのは、病んでそうな少女です。
・・・てめぇなんでそんな格好してんだよ!?引きこもってるって言葉聞いた時真っ先に思い浮かんだのお前なのに逆に引っ張り出す方なのかよお前!!しかも関西弁かよ!
『見た目と中身が合っていませんね。』
で、加奈って呼ばれた少女は肩身が狭そうに縮こまっている。この子スキルあっても戦えなさそうな気がする・・・
「支部長さん、それより早く会議を始めようよー。僕はさっさと帰ってゲームしたーい」
おうショタお前は大体見た目通りで安心したぞ。
「そうねぇ・・・でもその前に自己紹介しましょ?皆お互いの名前も知らないでしょう?」
支部長はそう提案をする。で、それに中島と呼ばれた男が真っ先に手を上げ、
「じゃあ俺から行こう!俺は中島剛人!!超能力は『ロングアーム』だ!これからよろしくな!!」
と言った。超能力名まんまだな。で、次はババアが手を上げ、
「じゃあ次は私じゃ。私は佐々木千代。超能力は『オーダー』じゃの。よろしく頼むぞい?」
と言った。なんか普通だったな・・・次に自然にクールそうな青年に目がいくと、空気から察していたのか自己紹介を始めた。
「・・・川崎晶だ。超能力は『ガードマン』・・・よろしく。」
うーむクールですなぁ。んで次は睨み女。
「私は立川真波。超能力は『ハイドロキネシス』。よろしく頼むわね。」
と、こちらを睨みながら自己紹介した。てかハイドロキネシスって言葉ありなんかな?いや詳しいわけじゃないからどうなのか知らんけど。
というか睨むのはどうにかならないのか?ポーカーフェイス身につけてくれ・・・で、次は引きこもりこと加奈ちゃん。
「え・・・えっと・・・わ、私は、い、岩田加奈と、申しま・・・す。超能力は、『スピードジャンキー』・・・でふ。じゃない、です。よ、よよよろしくお願いしましゅ・・・うぅぅ」
うっわぁ・・・緊張しすぎだろ。あと、えーと・・・『スピードジャンキー』?ジャンキー要素どこだよ?スキルにそれらしいものは見当たらないし・・・まあ、後で説明あるだろうからそん時に聞くか。
ほいで次。ショタ。
「はいはーい、僕は小沢峯木!超能力は『ポイズン』だよー、よろしくねー!」
さっきの帰りたい発言とは裏腹に楽しそうに自己紹介をした。あれだな、目先のものに目を奪われるタイプだ。自己紹介楽しそうだと途中で思ったんだろうなぁ。
次。幸薄そうな人。
「あ、僕は大川真司と申します。超能力は『メディック』、これからよろしくお願いしますね。」
営業っぽいスマイルで自己紹介してくれました。なんだが疲れてそうな顔してるんだよなぁこの人・・・
で?えーと・・・次一個飛ばしたいんだけど。あーほら「クックック・・・」って笑い声上げ始めたよほらー。
「良く聞け愚民どもぉ!我が名は『災禍の黒』!!我が力、『グラビトン』にてこの世を混沌に貶める災厄の遣いなり!!ククク・・・我が名を聞いたからには嫌でも協力して貰うぞ、愚民共よ・・・!」
・・・TFSP所属なのに世界を混沌に貶めちゃダメだろって突っ込んでいいかな?
「ん?どうした?我が威光に体が竦んで声も出ないか?」
呆れて声も出ねーだけだよ・・・
「クックック、その程度か新人共よ!全く笑わせてくれ「もうやめるっすよ!!」・・・え?」
え、どうした上田?そんなマジな声出して・・・おいなんだその目は。哀れな者を見て苦しむような目は・・・
「何故邪魔をする上田。我はこやつらに我が偉大さを知らしめているだけだ。」
「もうそんな中二発言はやめるっす!それ以上続けていたら・・・いつか後悔する日が来るっすよ!もう遅いかもしれないっすけど、傷は浅くなるっす!」
なんかすっごい必死に訴えかけてるけど・・・そんなキャラだっけお前。なんで痛みを堪えるような表情をしながら説得してるんだよ。
『マスター、さっきから気になっていたのですが・・・』
ん?何?
『中二病とはなんでしょうか?』
え?ああ・・・あれだ、中学二年生が主に患う病気でな、簡単に言えばものすっっっげぇ痛い奴になる。
『ああ・・・そういえば以前マスターも痛いこと言ってましたね。』
あれはその場のノリで言っただけで別にいつもそんな訳じゃ無いからな?
『それは分かってますよ。で、このブラッディ・ディザスターが中二病という訳なんですか。』
そういうことだ。まあ一番恐ろしいのは中二病が治った後なんだよ。
『と、いうと?』
あれだ、素になって考えると、リアルにあんなこと言うとか・・・羞恥プレイもいいとこじゃん?
『ああ・・・それで上田様は必死にブラッディ・ディザスターを止めようとしている訳ですね。』
そういう訳だ。・・・あとあいつ『ブラッディ・ディザスター』って名前じゃないからな?
『成程、それも中二病だから名乗ってるだけなのですか。』
そうそう。真面目な声で『ブラッディ・ディザスター』とか言わんでくれ笑いそうになるから・・・
で、この間もずっと上田と中二病が言い合いしてたんだが・・・
「ええい貴様の言うことなど誰が聞くあびゃが!?」
中二病が急に硬直したかと思ったら机に突っ伏した。あー・・・もしかして隣の病んでそうな見た目の子がやった?
「上田ー、気持ちはよー分かるけど、今はそんなこと言い合ってる場合じゃないやろ?」
「め、面目ないっす・・・」
「全く・・・あ、それとこいつの名前は佐藤健人やから。ウザったいだろうけど仲良くしてやってや。」
「さ、佐藤・・・では、ない・・・『災禍の黒』だ・・・」
「まだ言っとるし・・・えいっ」
「ぎょぺっ!?」
お前なんでそんな病んでそうな見た目してんの?紛らわしいんだけど。
「あ、そうだ私のこの格好はコスプレやから気にせんといて。昨日寝落ちしたせいで着替える時間が無かったんよー。」
あ、そうなんか、謎が解けた・・・
「ともかく、自己紹介するでー。私は城島湊。超能力は『パンデミック』や、よろしゅーなー。」
なんかすげーまともじゃんこいつ。なんか安心した。あと何気に超能力名がちゃんとスキルと合ってるのは初めてだな。
「班長達の自己紹介は終わったわね。じゃあ次は貴方達お願いね?」
「えっ?班長?」
・・・え?こいつら班長なの?海斗とか口に出してるレベルで「長」って役職とは思えねーぞこいつら。いやこいつらって言っても岩田と小沢と佐藤くらいだけど・・・ん?班長ってどっかで聞いた覚えが・・・
『後藤様が自己紹介した時に第五班班長と言っていましたね。』
あー!そういや言ってたな!そう思って後藤さんを見るとそれに気づき、
「よく覚えていたな。そうだ、私も班長だ。」
と言った。となると・・・これ、十班まであんのか。
ちなみに海斗は思わずポロっと「えっ?班長?」って口に出したせいで中島と佐藤に絡まれてる。理恵はオロオロしている。立川は俺を睨んでいる。・・・もう文句言ってもいいんじゃないかこれ?
とか思ってたら意外な所から助け舟が来た。
「ねえ立川、なんでアンタそんなにこいつ睨んでるのよ。」
雨宮がそう尋ねる。・・・俺を指さして無きゃ多少見直したのに。
「・・・私が超能力の強さが分かるのは知ってるでしょ?その子・・・物凄く能力が強いのよ。あと、睨んでないわ、目付きが悪いだけよ!」
あ、目付き悪いの気にしてるタイプの人だこれ。
「こいつの能力が強い?・・・ハッ。」
「今鼻で笑ったよな?よしその喧嘩買った表出ろや。」
「ふん、上等よ!」
む、しかし武器が無い・・・あ、ここの椅子持ってくか。
『マスター?いい加減雨宮様の発言を聞き流すくらいしてくださいよ。』
邪魔をしてくれるなライマよ。俺は売られたケンカを買ってるだけだ。
しかし俺らが席を立った直後。
「〖止まりなさい〗」
「「!?」」
な、なんじゃこりゃぁ・・・体がピクリとも動きやしねぇ・・・!
『・・・なんか余裕ありません?』
いやこれ佐々木さんのスキルだよね?分かってるとあんまり驚かないもんだね。いや体が動かないのは新鮮な体験だけども。
『マスター、スキルが分かっていても油断はしてはいけませんよ?』
ああ、そうだな。慢心、ダメ、絶対の精神で行こう。
あ、驚く演技よろしく。
『了解しました。』
「え、ちょ・・・体がピクリとも動かねぇんだが!?」
「むぐぐ・・・佐々木!アンタでしょ!これ解きなさいよ!!」
「喧嘩はダメじゃとあれほど言っておるじゃろう?しばらくそのまま反省しておくが良い。そこの童も一緒にな。」
「わっぱとかリアルで初めて聞いたぞ・・・てか、え?これ超能力?やべぇ・・・」
「うぐぐぐぐぐ・・・」
そういやライマ、これ解除する方法ってある?
『『聖光』を使えば解除出来ますね。』
『聖光』万能過ぎない?一日一回とはいえ強力だなぁ・・・
『まあマスターがその気になればスキルの強化値の差によって余裕で拘束を破れるでしょうね。』
『聖光』必要ないんかい。そう考えると『閃雷』の最も強力な効果は幾らでも強化出来ることなんじゃね?
『あながち間違いと言えませんね・・・』
それより正直この拘束ぶち破って雨宮殴りたい。
『女性を殴るのは人としてどうなんでしょうか?』
雨宮だからセーフ。
『結構緩いですね・・・』
で、俺達が動けなくなったのを見て溜息を付きつつ、支部長が海斗達を促す。
「とりあえずこの子達は放っておいて貴方達から始めてちょうだい?」
「あ、はい!・・・こんな隆二あんまり見た事ねぇな・・・」
あ、小声でなんか言った気がする。
『こんな隆二あんまり見た事ねぇな、だそうです。』
あ、サンキューライマ。お前いる限り俺は難聴系主人公にはなれなさそうだな。
『そもそもマスター自体が主人公という感じではないのでは?』
うーん、かもしれないけど直接言葉にして欲しくはなかったかなー?
今も確かに目をつけられてるのは海斗で、俺はその友人って立場だし・・・あれ?俺これ脇役じゃね!?・・・知ってたけどさ。
俺がそんなことを考えていると、二人が自己紹介を始めた。
「俺は柏木海斗と言います。超能力は『バレット』です。よろしくお願いします!」
「私は中澤理恵です。超能力は『シールド』です。よろしくお願いします。」
無難に自己紹介を終えたな。絡んでくるやつがいなくて良かった良かった。
「ねぇねぇ、聞いてもいーい?」
「えっと、小澤君、だったっけ?何かな?」
小澤が海斗に話しかけたが・・・嫌な予感が
「柏木さんと中澤さんって付き合ってるの?」
二人は酷く赤面した。これだからこいつらは・・・
「な、何をいきなり」
「えー?何となくだったんだけどー、そんなに顔を赤くしてるってことは・・・そうなの?」
「ち、ちちち違うよ!私達は別にその、恋人・・・ううう」
理恵お前、恋人なんかじゃない、と言おうとして言えなかったんだろ。
「あらあら初心ねぇ」
「青春だな!はっはっはっ!」
「若い頃を思い出すのう」
「・・・・・・」
「いいわねー・・・私も彼氏欲しいわ」
(オロオロしてるが少し羨ましそうにしている)
「学生とはいいものですねぇ・・・」
「ふんっ、我は孤高にして唯一の存在・・・恋人など要らぬっ!」
「あー口から砂糖出そうやー」
班長達も口々に色々言ってる。うん、とりあえず佐藤君は悔しそうな顔隠しながら言おうね?
「大葉さん、この二人高校生っすよね?」
上田がジト目で二人を見つつ訊ねてくる。
「そうだな。」
「・・・初心過ぎっすよねどう見ても。」
「昔っからほぼカップルみたいなもんでな・・・逆に恋愛ってものがよく分かってないんだよこいつら。」
「なんすかそれ・・・」
上田は呆れた様子である。他の第五班の面子も似たような様子だ。
まったく、どこでもこいつら弄られるんだな。そう思いつつも今更ながらちょっと彼女がいないことを悔しく思ったのは秘密だ。
『あ、そうですか。』
秘密だかんな!?
おまけでございます
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〔災禍の黒のブラッディは
本来「血」とか「血塗れの」とかそんな意味ですが(Google翻訳によると)
佐藤君は「黒」だと思って使っています。
口頭なので隆二も「血の災厄」とでも書くのかなーぐらいにしか思っておらず
佐藤君が間違えてることには気がついておりません。
佐藤君英語苦手なのに無理してるんですよ。〕
『苦手なのに無理したのは貴方もですよね?TFSPも元はSCMでしたし・・・』
〔あっはっはっは、過去の失敗を蒸し返すのはやめて頂けませんかね!?〕
『こんなの書いてる時点で一人芝居ですよねそれ。』
〔はいじゃあスキル一覧でーす!(誤魔化し)〕
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名持ちスキル
賢神2(思考補助系)
覇王(身体強化、妨害系)
極ノ旗3(スキル強化系)
属性系スキル
閃雷11
蒼炎2
現象系スキル
装甲・腕2
装甲・脚
錬成7
聖光2
念話2
分体3 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
気功法2
思考補助系スキル
解析
身体変化系スキル
性別反転2
竜化2
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX
※追記:09/23 14:11に誤字修正しました。御指摘ありがとうございます!