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現実にもスキルがあったなら。  作者: 高一の勇者
第一章:始まりの非日常
3/88

悪事を止めよう

最初なので3話連投します。3話目です。

俺は朝の7時頃目が覚めた。顔を洗い歯を磨いた後朝食を用意し、食べながらテレビのニュースを見る。これは俺の日課である。

で、 いつも通りニュースを見続けていたのだが、途中の内容に飲んでいた味噌汁を吹きそうになった。内容が


『スーパーに謎の落雷』


であったからだ。これ確実に俺のことだよね。


「まさかニュースになるとは⋯⋯」

『快晴の中で急に落ちたので目立ったのでしょう』

「いやそれは分かってるけども・・・」


意外と目撃されてたんだなと思いこれからは気をつけようと決意しつつ朝食を終えた。



――――――――――――



そんで今日から明日までスキルを取得することを決めたので早速行動しよう。まずは次のスキルの解放条件である。てなわけで教えて!ライマ先生!


『先生はやめてください。次のスキルの解放条件は『人の悪事を3回阻止すること』です』


よっしゃ了解。今までと比べると難易度が高そうに思えるが躊躇せず出来そうなことで良かった。

まあ家の中にいてもどうにもならないので外に出ることにした。



――――――――――――



現在俺は家を出てしばらく歩いたところにある公園の前にいる。そんでその公園なんだが、


「や〜い、お前の母ちゃんでーべそ!」

「こいつ泣いてるぜ〜弱虫だな〜」

「やーい、泣き虫〜」


小学生どもが典型的なイジメをしていた。3人が1人を囲んでいる。なんかこんな光景今どき見ないよねぇ⋯⋯あと母ちゃんでべそって悪口意味分かって言ってんのかな?小学生の頃はでべその意味知らなかったなぁ⋯⋯

まあ何はともあれイジメは立派な悪事だ。よし止めよう、俺のスキルのために(下衆い)


「おいお前ら、イジメは犯罪だぞ!」


そう言いつつ近づいていく。イジメってやり過ぎると犯罪と同じだと思うし間違ってないよな。


「うっわなんか来た!」

「ぎぜんしゃヤローだ、にっげろー!」

「三十六計逃げるに如かず!」


あ、逃げた。最後の奴難しい言葉知ってんなぁ⋯⋯とか思いつつ囲まれていた子に近づき声をかける。


「大丈夫だった?」

「ぐすっ、うん、大丈夫⋯⋯ひっく」


しゃくりあげながらもその子は顔を上げる。そこで分かったがその子は女の子だった。見た目的には小学校低学年だった。

しっかし女の子を虐めるとは男子の風上にもおけない奴らだな。イジメってのは受ける側は大分辛いんだからな!(経験あり)


「もう大丈夫だからね、安心しな?」


そう言いつつ頭を撫でる。女の子はこっちに笑顔を向けると


「うん、ありがとう、お兄ちゃん」


と、そう言った。お、お兄ちゃんかぁ⋯⋯やばい、なんかこう、込み上げて来るものがある。ってかよく考えたらこれ、傍目からみると犯罪じゃね?いやいや、俺高校生だし、撫でてるだけだし、大丈夫だろ⋯⋯多分。

それでもちょっと怖くなったので撫でるのをやめて声をかける。


「1人でお家に帰れるかい?」

「えっ⋯⋯」


女の子は寂しそうな顔でこちらを見てくる⋯⋯どうしよう。


『家に送って差し上げてはどうでしょう』


それがいいか。


「じゃあ、お家まで送って行こうか?」


女の子はその言葉に顔を輝かせ


「うんっ!」


と言った。

この笑顔を見ると、打算ありでも助けて良かったと思えた。


――――――――――――



女の子を家まで送った後、今俺は別の悪事を探していた。それなりに大きな駅の周辺をうろついている。さっきみたいな簡単な悪事が起きてくれると楽なんだが。

そんなことを考えていると。


『マスター、近くに不審人物がいます』


ライマが警告を発してくれた。何処だ?


『道路を挟んで右前方に見える帽子を被りサングラスを付けてコートを羽織っている人物です』


確かにその人物はいた。けれどもそれだけで決めつけるのもなぁ⋯⋯とか思いつつ観察してみると大きなアタッシュケースを持っていることに気づいた。そしてその人物は駅の方へ向かっている。

俺はライマの警告もあったので尾行することにした。そいつは駅の改札を通り、売店の方へ向かった。

そのまま尾行し続けているとあまり気づかないような所にあるトイレへと入っていった。俺も後に続いてトイレの方へ移動する。

そのトイレは男子トイレ、女子トイレ、多目的トイレに別れていて多目的トイレに鍵がかかっていた。恐らくこの中にいるのだろう。小さく声が聞こえてくる。

俺は多目的トイレのドアに耳を付け会話の内容を聞こうとしてみる。


「⋯⋯を渡そう。ああ、時間は今から3時間後、15時だ。ん?本当に渡してくれるのかだと?さっきから渡すと言っているだろう。金さえ払ってくれるのならな。15時だからな?分かったな?・・・よし、それじゃあな」


電話をしていたらしい。そして今電話を切ったようだ。


「全く薬中はしつこいな⋯⋯何回渡してくれるのか聞くつもりだ。まあ、金が手に入るからいいが。大人しく待つとしよう」


うわあ確実にあかんやつですわこれ。薬の売り買い現場だよこれ。やべえなこれ。確実に止めよう。だからって3時間張り付いてるとバレそうだ。

俺はすぐさまその場を離れる。そこでふと腹が減ったことに気づいたので軽くコンビニ弁当で昼食を済ますことにした。



――――――――――――



今はコンビニへ行く途中なのだが


「きゃー!ひったくりよー!」


とかいう声が聞こえさらに凄い勢いで「どけぇ!」とかいいながらこっちに走ってくる男がいたので立ちはだかり閃雷 (スタンガンレベル)を纏ったパンチを顔面に食らわせて止めた。これで悪事二つ目終了。ってか今どきあんなコッテコテのひったくりあるんだな?

警察に聞き取りされると面倒いのですぐさま離れてコンビニ弁当を買い昼食を済ませた。ほんでそろそろ15時になるのでさっきのトイレへと戻って行く。

そんでトイレの前に着くと明らか挙動不審な小さなカバンを持った女子がいた。見る限り高校生である。これは騙されたパターンだな。

その女子は多目的トイレへと入っていった。俺は出入口付近で待機する。


「ねえ、お金を持ってきたよ、だから、薬を⋯⋯」

「分かってるっての、まあまずは金を寄越せ」

「これ。約束通り10万入ってる」

「ふむ⋯⋯よし、10万確かに貰った。ちょっと待ってろ⋯⋯ほらよ、薬だ」

「あ、ありがとう⋯⋯」

「毎度あり、欲しくなったらまた金さえ出せば売ってやるよ」


取り引きが終わり女子高生が出てくる。そして目の前にいる俺を見て顔を青くする。


「え、あ、あなたは」

「ああ、聞いてたぞ」


狼狽する女子高生に現実を突きつける。女子高生は膝から崩れ落ちてしまった。


「なっ、なんでここにっ!誰だテメェは!」

「いやここトイレだぜ?たまたま来たら会話が聞こえたんだよ」


嘘だけどな。何はともあれコイツは逃がすわけには行かない。俺は女子高生の横を通り過ぎ多目的用トイレの中へ入る。


「くそっ、来んじゃねぇ!」


男はコートの内側に手を突っ込んだと思うと拳銃をこちらに突きつけて来た。まじかなんでそんなもん持ってんだよ!驚き思わず足が止まる。


「へへっ、これ以上近づいてみろ、撃つからな!」


やっべぇどうしよ。ライマ、いい案はあるか?


『『閃雷』の瞬間移動を使えばいいかと思われます』


あ、その手があった。俺は閃雷を発動し瞬間移動を発動する。昨日面白かったから何回かやってたから大分簡単に発動出来た、男の右隣に移動する。


「なっ!?テメェいつのm「はい終了」あばばばばば!?」


首にタッチして閃雷で終了である。男は痙攣し、前のめりにぶっ倒れた。


『スキルの解放条件を達成しました。解放したスキルの名称は『聖光』です。効果対象の傷や状態異常、病気を全て完治させます。また、精神を安定させる効果もあります。ただし、対象に触れる必要があり、現在は1日1回しか使えません』


わぁお便利。制限はあるがそれを差し置いてもかなり使えるな、やったぜ。


「ううう、私はどうすれば⋯⋯」


あ、女子高生が泣いてる。どうすっかなぁ⋯⋯薬中の女子高生の対処なんてどうすればいいのか分からん。

待てよ?ライマ、『聖光』で薬中って治せる?


『はい、薬物による悪影響全てを『聖光』で治療が可能です』


よし治そう。


『⋯⋯スキルがその女子高生にバレるかもしれませんよ?』


だからって薬中のまんまにしといたら人生台無しになるだろ?ほっとけないって。

俺は背を向け顔を覆って泣いている女子高生の肩に手を置く。女子高生はビクッとしたが結局そのまま泣き続けている。

⋯⋯えーと、どうやって使うの?


『対象に触れた状態で『閃雷』と同じように使おうと意識して下さい』


了解っと。行くぜ、スキル『聖光』発動!

すると次の瞬間手の平から光が溢れ、女子高生の体へ流れ込んだ。女子高生は顔を手で覆っていたし後ろだったので気づいていないようだったが、違和感を感じたようだ。光が収まった後に泣き止み、手を下ろし首を傾げている。


「あんなに苦しかったのに⋯⋯治った?」


そう言った後しばらく呆然としていたが突然こちらを振り向いてくる。今顔をじっくり見たが思ったより美少女で少しビクッとした。


「もしかして⋯⋯あなたが?」

「いや、俺は知らんけど⋯⋯」


しらばっくれる。まあ厳しいだろうが。こうなったら話を逸らそう。


「それよりさっさとここから離れろ。今から警察呼ぶから。2度とこんな馬鹿な真似したらダメだからな!」

「いや、でも、」

「まだ見た限り高校生だろお前は。今逮捕されたら進路に響くぞ。もう2度とこんなことしなきゃいいんだ、わかったらさっさと行けっ!」

「っ⋯⋯はい!」


女子高生はトイレを出て行こうとする。あっ


「おい!カバン忘れてんぞ!」


俺は金が入ってるであろうカバンを投げ渡す。女子高生は慌ててキャッチする。


「あ、ありがとうございます!」


女子高生はこちらに頭を下げたあと走り去って行った。


「ふう⋯⋯」


何気に疲れた。正直銃はびびったね。さてと、


「警察呼ぶか⋯⋯」


俺はスマホで警察を呼ぶのだった。



――――――――――――



俺は警察で事情聴取された。俺は女子高生のことは話さず適当に少しずらした話をした。結局銃も見つかり指紋があの男のしかついておらず、また、俺から薬の反応が出ないか調査し反応が無かったのでその話が事実だと判断され釈放された。

いやー事情聴取はかなり疲れた。さっさと帰ってしまおう。やっとのことで自宅に帰りついたが既に時刻は19時を過ぎている。疲れたのでライマに飯を作ってもらいまたもや美味しさに感動した後、風呂に入り歯を磨き布団に入って寝た。全く、スキルのためだったのに大変な目にあった。俺は意識をすぐに闇の中に落としていった。



※追記:07/19 07:18に描写を追加しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] コンバットアーマーが欲しいですね ヒーロー稼業なだけに
[一言] 「俺から薬の反応が出ないか調査し反応が無かったのでその話が事実だと判断され釈放された。」 尿検査を承諾したの?犯罪の容疑者扱いですね。
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