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現実にもスキルがあったなら。  作者: 高一の勇者
第一章:始まりの非日常
28/88

急展開な水曜日

思いつくままに書いていると、自分でも急展開だと思うようなものが出来上がったのでこのタイトルです。


おはようさん。ふぁ〜あ。


……あー眠い。なんか今日寝覚めが悪いな……あー……顔洗おう……


俺は顔を洗いに洗面所に行こうとする。しかしその瞬間、俺のスマホが着信を告げた。


「……あ?誰だよこんな朝早くに……」


半ば寝ぼけたままスマホを手に取る。着信は……ノブから?珍しい。とりあえず通話に応じる。


「あーもしもし?何だよ朝早くから……」

『すまねぇ隆二、ちょっと緊急事態なんだ、今日放課後でいいから家に来れないか?』

「あ?なんでそれ朝に言うんだ?別に学校で言えばいいんじゃ……」

『俺は今日学校を休むんだ。だから放課後でいい』

「いやなんで学校休むんだよ……不良かよ……」

『いや、その……』


なんだか歯切れが悪い。一体どうしたんだ?ノブの様子のおかしさで目が覚めてくる。


『…………』

「……あー分かった。とりあえずあんま言いたくないか説明しづらいんだな?」

『……ああ』

「分かった、んじゃ今から行くわ」

『……は?今から!?』


何があったかは分からないが心配だ。今すぐ行こう。


「ああ、緊急事態なら今すぐの方がいいだろ?」

『でもお前学校……』

「親友の緊急事態なんだ、学校なんざ行ってる場合か!」


俺のスキルがあれば大抵のことはなんとかなるだろう。流石に借金だとか家が燃えただとかはどうにもならんが。


『……お前それ休みたいだけじゃないだろうな?』

「そ、そそそそんな訳ねぇし!?」


少し調子が戻って来たようなので乗っかってみる。……まあ学校休みたいってのは多少あるけど。


『それ色々台無しじゃないですか?』


あ、ライマおはよう。深刻に考えすぎるよりマシだろ?


『……ははっ、声上擦ってるじゃないか。……じゃあ、待ってるぜ』


そう言ってノブは通話を切った。さて……とりあえず学校とコーチに電話入れて休むこと伝えとかないとな。



――――――――――――――――――



準備を終え、外に出た。ノブの家は俺の家からそこそこ近い。俺は自転車に乗りノブの家に向かった。

全速力で進むこと二十分。俺はノブの家に着いた。ノブの家はアパートの一室で、一人暮らしだ。その理由としては、ノブの母親はノブが生まれてすぐ他界。父親は某リフォーム番組に出てくる『匠』で様々な所で仕事をしているため、ノブは一人暮らしをしている。


さて、さっそくノブの家にお邪魔しますか。俺はアパートのノブの部屋のインターホンを鳴らした。


『……隆二か、もう来たのか、速いな。』


インターホンからノブの声が聞こえてくる。


「まあな、チャリを全速力で飛ばしてきたからな」

『そうか……とりあえず、入ってくれ。鍵は開いてる』

「おう、お邪魔しまーす。」


さて、ノブは一体どうしたのか……確認するとするか。俺は中に入りノブの私室へと向かう。ドアは閉まっていた。俺はドアノブを回し、ドアを開ける。

中にはベッドに座ったノブがいた。そして、その背中には……




タコのそれから、吸盤と色を取ったような、『触手』が生えていた。




「……よう、隆二」




ノブは、深刻そうな表情で、そう言った。





……いや、ごめん。なんか空気重いけど……俺そんな深刻に捉えてねぇからなこれ?だってこれ、どうせスキルだろ?


『はい、まあ……スキルですね。こちらです』



――――――

『触手』

触手が生やせるようになる。ヌメリなどは無く、自分の意思で自由自在に動かせる。伸縮自在で、最大5メートルまで伸ばせる。

――――――


ほー……これはまた便利そうだな。色々出来そう。しかし……エロ要素は無いんだな。


『マスター?何を考えているのですか?』


いや俺思春期の男子高校生だし大目に見てくれ……

っと、今はそんな話してる場合じゃねぇ。


「なあ……それ何?触手?」

「ああ……多分そうだな。」

「ほー……」


俺は近づいて触手に触れる。おおう、何か凄い独特な肌触り。


「隆二……?」


俺はそのまま触手を握ってみる。うお、ぐにってなる。


「お、おい隆二……?」

「……なあ、ノブ」

「な、なんだ……?」


戸惑ってるノブに俺は言う。



「お前喰〇だったの?」

「違ぇよ!?」



全力で突っ込まれた。


「なんで今日呼んだんだ……?まさか、俺を喰うつもりか!?」

「食わねぇよ!喰〇じゃねぇよ!」

「じゃあなんだよそれ。まるっきり赫〇じゃん」

「違うって!赫〇はもうちょっと内臓っぽいだろ!」


ふはははは。これぞ秘技、シリアスブレイク!


『なんというか、ノブ様だけ一人シリアスしてましたね』


そだねー。


「はあ……こんな状況でお前よくふざけられるな?」

「いやなんか一人シリアスぶってたから……」

「シリアスにならない方がおかしいだろ!触手生えたんだぞ触手!」

「いやー……そう言われても……」


さて、ここからどうするか……


『マスター。提案なのですが……』


ん?何?


『スキルについて、教えてみてはどうでしょう?』


……それは……なんでだ?


『一人くらいスキルについて知っている人物がいた方が、何かと便利だとおもうのです。それに、自分の事情を誰も知らないというのは、かなり心に負担がかかります。それを緩和するためにもスキルについて知らせた方がいいのでは、と思うのです。勿論、強く信用できる人でなければなりませんが』


……そうだな。スキルについて知っているのは恐らく現状では俺だけ。それはつまり、『世界の法則』について俺しか知らない、ということだ。

それは……ちょっと何か起きた時大変かもしれないな。一応TFSPはいるけど、『スキル』を知ってる訳じゃないしな。


海斗と理恵に話すっていう選択肢もあるが……そうなると必然的に俺の正体もバレるし、TFSPに所属した後なのに、今更言う気にもなれない。


ノブをTFSPに所属させる、という手段もあるが……その場合は、「信頼できる」「スキルについて気兼ねなく話せる」という条件の人物を見のがすこととなる。『スキル』を知らないと対処出来ない問題が起きる前に同じ条件の人間と出会う方が難しいだろう。ただでさえスキルを自覚する人間は少ないのだから。


となれば、条件的にはノブが最適か……なら、ノブにスキルについて教えた方がいいだろう。



「……とりあえず、お前に触手が生えた理由なんだが……スキルが原因だ!」

「………………は?」

『……マスター。説明が足りません』


だよねー。


「まあ、つまるところ現実にもスキルはあるんだよ。ラノベとかみたいなの。お前のその触手もスキルなのさ」

「……いやいやいや!おかしいだろ!」

「ん?何?」

「なんでお前そんなこと知ってんの?そもそもそれ、本当なのか?」

「ああ、本当だぜ?『閃雷』」


俺は『閃雷』を発動、全身に緑色の雷を纏う。


「うおっ!?なんだそりゃ!?」

「あとはー、『竜化』」


次に腕だけ『竜化』を発動する。


「うわなんだその腕かっけぇ!?」

「そして……『分体』!」


分身を出現させる。


「おっすおっす、隆二3号です」

「分身!?あと何故3号!?」


2号は仁美になっちゃったしなー。


「さて、これで理解してくれたか?あと十八個はスキル持ってんぞ?」

「……ああ……とりあえず俺の悩みが馬鹿らしいものだったってことは理解したよ……」


ノブは疲れたようにガックリと項垂れた。だが、その顔には僅かに安堵の色も見えた。

まあ、いきなり触手生えたら自分が化け物なのではとか思っても仕方ないよな。安心してくれたなら良かった。


「……それで、何でお前はスキルなんて物があるって知ってるんだ?」

「あーそれはな、『スキルの解放条件が分かるスキル』を持ってるから」

「スキルの解放条件が分かるスキル?……え?それって……とんでもないチートじゃないか!?」


あーうん、察しがいいな。そしてその反応は正しい。だってチートだし。どんなスキルよりもヤバいよなライマ(お前)


『褒め言葉と受け取っておきます。ふふふ……』


顔があったら絶対ドヤ顔してるだろこいつ。なんか感情表現豊かになってない?


「まあチートだな。お陰で現在所持スキルは二十一個だ」

「……それは多いのか?」

「見た限りでは俺以外の最高は八個だな」

「ってことはお前凄い多いってことか……」

「まあとりあえずそれは置いといて……お前のスキルについて教えようか」

「え、分かるのかよ!?」

「ああ、他人のスキルの確認も出来るんだよ」

「本当にチートだなお前!?」


俺というかライマだけどな。


「お前のスキルの名前は『触手』。そのまんまだな。自分の意思で自由自在に動かすことが出来、最大5メートルまで伸ばせる。引っ込ませることは……」


出来るの?ライマ。


『可能です。スキルをオフにするのと同じです』


「……可能だ。マジで喰〇みたいだなそれ」

「だから喰〇じゃねぇって……まあ、引っ込ませられるって分かったのは良かったよ」

「スキルをオフにしようと思えばオッケーだからな。やってみ?」

「分かった」


ノブはすぐにオフにするよう念じたようですぐに触手が引っ込んでいった。ノブはなんだか複雑な顔をして引っ込む触手を見ていた。


「こんな簡単に引っ込むのかよ……悩んで損した……」

「まあ電話したのが俺だったからだな。良かったな?」

「その通りだがなんかムカつくなその言い方……喰らえっ!」

「ぬおぅ!?」


こいつ触手で縛ってきやがった!?やっぱ喰うつもりなのか!?


「やっぱり喰〇だったのかお前!?俺は美味しくないよー!」

「いつまで引っ張るつもりだそれ!?ったく、ちょっとふざけただけだっての」


そう言うとノブは触手を引っ込めた。びっくりしたぜ……


「まあ、なんだ……ありがとな?」

「いいってことよ!」


すっかり元気になったようだ。良かった良かった。


「さて……どうする?今から学校行くか?」

「あーいや……今日はもういいんじゃないか?」

「そうだな!よし!サボろう!」

「堂々と言うなよ……」

「実質サボりじゃん。さて、何をするか……あ、そうだ、折角だし他にも色々教えてやるよ!」

「色々って……何をだよ?」

「本当に色々なんだよ。そうだな……まずは俺のスキルを全部教えとくか!」


しかし、昨日平和な日々が続けばいいのにと思った翌日にこうなるとは……


『フラグ回収乙です』


やかましい!それに、やたら俺と親しい人物がスキル解放するな。巻き込まれ体質ならぬ、『巻き込み』体質なのかな俺。


『……そういえばマスター』


ん?何?


『ノブ様の本名は、何というのですか?』


ノブの本名?えーと確か……あれ?思い出せねぇんだけど。


『……えっ?』


「…………」

「あれ、どうした?急に黙って」


話の途中だったのに黙ったので不審がられる。どうしようか……ええい!失礼だがダイレクトに聞こう!


「あー……お前本名何だったっけ?」

「……はぁ?」

「いや、その……ノブと呼び続けてるうちに本名忘れてしまって……」

「……そういえば中学の頃からノブとしか呼ばれた記憶がねぇ!!」

「本当にすまん……」

「まあ、いいよもう……今回の件でチャラにしてやる」

「ありがとうございます」


流石ノブ心が広いぜ。


「あと、もう絶対忘れんなよ!俺の名前は……」

「名前は……?」











黒須秋人くろすあきとだ!!」






…………何故ノブなんだよ!?



裏事情的なおまけ

ーーーーーーーーーーーーーーーー

作者〔実はノブこと黒須秋人は息抜きで一話だけ書いた作品の主人公の名前だったんですよね。〕

仁美「どんな作品なんだ?」

〔テンプレチート異世界転生ですね。ジャンルがありふれてるせいでどんな展開考えても必ず既視感があって続きを書くのやめたんですよね・・・〕

「で、何故その名前の奴を登場させたんだ?」

〔本来主人公になれたキャラなので折角だからメインキャラとして出してみたいなと・・・ちなみに両親の設定も同じだったりします。〕

「成程。それで、本編にその裏事情は関わってくるのか?」

〔少なくとも今のところ関わらせるつもりはありませんっ!〕

「なら何故言ったんだ・・・」

〔おまけのネタが思いつきませんでした。〕

「ええ・・・」

ーーーーーーーーーーーーーーーー



スキル一覧です。


名持ち(ネームド)スキル

賢神ライマ2(思考補助系)

覇王バハムート(身体強化、妨害系)

極ノ旗(バラキエル)2(スキル強化系)


属性系スキル

閃雷2

蒼炎2


現象系スキル

装甲・腕2

装甲・脚

錬成3

聖光2

念話2

分体2 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2

気功法2


思考補助系スキル

解析


身体変化系スキル

性別反転2

竜化2


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX


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