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現実にもスキルがあったなら。  作者: 高一の勇者
第一章:始まりの非日常
22/88

TFSP日本支部③

相変わらず設定に致命的な矛盾が出そうで怖いです。

その後またしばらく歩き、一番奥の扉――これも近未来風――の前で立ち止まり、横にあるボタンの一つを押した。すると扉の上に付いていたスピーカーから男とも女ともつかない声がする。インターホンみたいなものか?


『何の用だ?』

「犯罪組織ウロボロスの構成員の捕縛と、新しく超能力者をスカウトしたことの報告に来ました」

『分かった、入れ』


そのやり取りの後、後藤さんが別のボタンを押すと扉が開いた。


「今から会う人が支部長だ。くれぐれも失礼の無いように」


後藤さんはそう言ったのだが、何故か上田と雨宮が顔を顰めつつ、


「いや、ウザかったらバンバン失礼な事をして問題ないっす」

「そうね、特に柏木、貴方は気をつけた方がいいわよ?」

「え?」


と言う。どういうこと?


「⋯⋯まあ、不快な思いをするかもしれんが、できれば耐えてくれ」


結局後藤さんもそう言う。一体何だってんだよ。支部長が変態とか?


「取り敢えず待たせ過ぎてはいかん。入るぞ」

「ええ⋯⋯気になるんだけど。」


俺はそう言いつつも、行かないという選択肢も無いので、結局ついて行くことにした。


「だ、大丈夫かな⋯⋯」

「何かあった時の為にバリアを用意しといたらどうだ?」

「そうだね」


理恵に障壁を用意させるようだ。まあ用心するに越したこと無いからな。

そうして俺らは扉の奥へと入っていった。



――――――――――――――――



扉の奥は短めの通路が続き、その先にはまた扉があった。その横にあるパネルに後藤さんが手を付けると手形の認証でもしたのか扉が開く。

そして扉が開いたその先には執務室とかにありそうな机があり、そこに一人の男が座っていた。

見た目は若い。大体二十代前半くらいだ。黒髪黒目で恐らく日本人だろう。この人が支部長か。


「失礼します」


後藤さんはちゃんと頭を下げてから中に入る。


「失礼するっすよー!」

「失礼します」

「失礼しますー」


上田お前まともに挨拶も出来ねぇのか。あと雨宮も頭下げてない。坂口さんはちょっと伸びたが普通だった。俺はまともに入ろう。


「失礼します」

「失礼します」

「し、失礼します!」


どうした海斗何故そんな緊張している、声が半分裏返ってるぞ⋯⋯あ、こいつそういや職員室の雰囲気が苦手な奴だったな。そんなことを思っていると支部長が口を開いた。


「第五班、ご苦労だった。そこの三人は初めましてだな。私はTFSP日本支部支部長、最上修一もがみしゅういちだ。以後、よろしく頼む」


うーん⋯⋯普通の真面目な人に見えるけどなー⋯⋯何があるんだろ。

そうだライマ、支部長鑑定出来るよな?


『はい⋯⋯こちらです』


――――――――

『結界4』

結界の展開範囲が半径400mに増している。それ以外は強化無しと変わらない。

『装甲・腕』

マスターの持つ物と同一のスキル。

『指揮』

人に指示を出す際に的確な指示を出すことが可能となるスキル。

『格闘2』

武器を使わず肉体で戦う技術に補正がかかる。

『分体』

マスターの持つ物と同一のスキル。ただし完全な無強化。

破壊王ヘカトンケイル

何かを破壊しようとする時に身体能力に大幅な補正がかかる。ただし体へ負担がかかる。スキル保持者の任意で発動するか否かを決められる。

『頑健』

あらゆる攻撃に対する耐性が上昇する。

『毒耐性』

体に毒となる物に対して耐性を持つ。

――――――――


⋯⋯化けもんっすかコイツ。スキル解放条件分かってないんだよな?


『ええ、恐らく偶然の産物でしょうが⋯⋯これは凄まじいですね』


俺の持つスキルもいくつか持ってるし⋯⋯それに、スキルの相性やばない?『装甲・腕』と『格闘2』と『分体』そして『破壊王』⋯⋯これ分身してなんか腕に纏って破壊王使ってフルボッコにすりゃ大概の敵は倒せるよな。しかも『頑健』で打たれ強いし⋯⋯

っと、驚きが顔に出たら不味い、ライマ、ちょっと表情の制御しくよろ。


『了解しました。意外と抜け目無いですね?』


意外とは余計だ。しかしこいつが結界張ってたのか。しかも強化段階が4だ。何気に初めて見たぞおい。


さて、俺とライマが脳内会議をしていた訳だが、その間に後藤さんが支部長に報告を行っていた。


「最上支部長。先程申し上げた通り、捕縛したウロボロスの構成員と、スカウトした新人についての報告に参りました」

「うむ、ご苦労。まずは捕縛した超能力者の方について聞こうか」

「はい、捕縛した二名のうち、片方はつい先週、今回スカウトした者に接触しているのを確認していた者です。能力を確認した限り、以前からウロボロスの主力の一人として確認されていた『ガンマスター』と思われます」

「成程⋯⋯『ガンマスター』には何度も手を焼かされていたからな、捕縛出来たのは僥倖だ。もう一人は?」

「そちらは未だに確認した事の無い超能力者です。ただ、本人が『パイロキネシス』と呼んでいた火を操る能力を持っています」

「そうか⋯⋯」


こんな会話をしていました。真面目な会話してますやん。そして幹部は『ガンマスター』と呼ばれているらしい。無駄にカッケェ。

⋯⋯しかし、何処に支部長の変態要素が?と思ってちらっと隣の雨宮と上田を見てみると。

雨宮はなんか不思議そうな表情をしている。どうした。

上田は鳥肌が立ったような様子で「何故!?」とでも言うような表情をしている。一体全体何があった。

ついでに見た坂口さんは⋯⋯なんか遠い目をしてる。ってか関係ないこと考えてない?あ、なんか呟いた気がする。


『唇の動きから察するに「今晩はカレーかな」と呟いたようです』


読唇術まで使えるとか流石すぎるよライマさん。略してさすライ。⋯⋯変だな。ってか坂口さんは今日の晩飯考えるのをやめなさい。


その間も報告は続く。


「次は新人についての報告を頼む」

「はい、紹介します。右から柏木海斗、中澤理恵、大葉隆二です。彼らをスカウトするに至った経緯ですが、以前支部長の結界と同じ性質を持つ空間が確認され、その内部で戦闘行為が行われていたことを観測したことは憶えていますか?」

「確か、一週間前に報告があったな。途中で謎の人物が乱入したとも聞いたな。それが?」


あ、それ俺のことっす。見られてたんだな。・・・ますます正体バラせなくなっちまった。


「その時に戦闘行為を行っていたのが柏木と中澤、そして『ガンマスター』だったのです」

「ほう⋯⋯?それで目をつけ、スカウトしたと。」

「そうです。また、その後TFSPに所属していない超能力者が『ガンマスター』と渡り合っていたと確認出来たので、その二人をマークしていたところ、廃工場にて『ガンマスター』と交戦しているのを確認、そして現場に駆けつけた時には既に『ガンマスター』を気絶させていました」

「それはそれは⋯⋯即戦力として期待が出来そうだな。⋯⋯それで、残りの一人は?」


なんか余り物みたいに言われた。


「彼は二人の友人だそうで、勝手に二人が『ガンマスター』と交戦しに行ったのを止めようと廃工場に来たそうです。⋯⋯途中で雨宮の勘違いで交戦し、間に合わなかったようですが。」

「ちょっと!わざわざ言わなくてもいいじゃない!あと、支部長何でそんな」

「雨宮と交戦して無事だったのか?それは凄い!雨宮の能力は防御がしづらいからな」


何故か雨宮の言葉を遮る支部長。なんだよ、何を隠してるんだよ。


「以上で、今回の件についての報告は終了です。次は、新人の超能力についての報告です」

「ああ、それは本人達から聞いた方が早いだろう。君たち、ちょっとこっちに来てくれないか?」


後藤さんの報告形式を断り俺らを呼び寄せる支部長。やだ、嫌な予感がする。

⋯⋯何故かTFSP組が何かを察した様子で哀れな物を見る目で見てくる。一体何だってばよ⋯⋯


取り敢えず指示に従い近くに歩いていく。


「ああ、その辺で止まってくれ。フフフ⋯⋯」


あ、なんかめちゃくちゃ嫌な予感してきた!今笑いながら舌なめずりしただろコイツ!


『っ!マスター!後ろです!!』


えっ何!?俺は反射的に後ろを向き、同時に嫌な予感がしていたせいでグーで裏拳を放ってしまった。


「あふんっ!?」


その裏拳は背後に唐突に現れた⋯⋯支部長の顔面にクリーンヒットしていた。


「⋯⋯え?」


俺は、仰向けに倒れて行く支部長の姿を呆然と見送った。



――――――――――――――――



「もーう、いきなり裏拳は酷いんじゃな〜い?」

「あ、はい、ごめんなさい?」

「まぁいきなり後ろに分身出した、ワタシも悪かったけどねぇ〜?」

「ああ、いや、俺もその、反射的に殴っちゃったし⋯⋯」


問題です。俺が今喋っている人物の特徴を一言で表しなさい。


①オナベ

②オカマ

③オチャヅケ


『・・・②です。何ですか③は』


はーいライマだいせいかーい!ご褒美は特にありませーん!


『⋯⋯取り敢えず現実逃避はやめましょうよ』


あーはいソウデスネー。お茶漬け食いてぇ。


『⋯⋯マスター?』


はいすみません真面目にやります。しっかし⋯⋯オカマだったとはな⋯⋯だから雨宮と上田があんな顔してたわけだ。今上田がすげぇホッとした顔してるんだけど多分普段はコレ(・・)なんだろうなぁこの支部長。いつもと違いすぎて怖くなったんだね。

あと坂口さん。いつまで明後日の方向見つめてんの。まだ今晩のメニュー考えてんの?

そして後藤さん。テメェ何で笑ってんだよ。腹抱えて笑いこらえてやがる。何アレめっちゃムカつくんだけど。


そして何より現在進行形で話しかけているオカマの対応に困る。さっきまでの真面目な雰囲気はどこ行った。逃げてんじゃねーぞシリアス!戻ってこい!


「⋯⋯あの、事態が呑み込めないんですが、一体どういうことなんですか?」


そうだ海斗もっと言ってやれ!意味が分からねぇって!


「支部長と後藤さんはですねー、毎回新人に支部長がオネェであることを隠してですねー、バラした時の反応を楽しんでるんですよー」


あ、坂口さんが答えてくれた。ちゃんと話聞いてたのか。


「いつもは後ろに立った支部長が新人にセクh⋯⋯スキンシップをして驚かせるのだがな。大葉の能力を考えると迂闊だったか」


おい今セクハラって言いかけただろ。


「そりゃいきなり後ろに人の気配が現れたら驚くっての⋯⋯」


気づいたのはライマだけど。まあそのライマが驚いてたみたいだしあながち嘘ではないな。


『無い心臓が跳ねた気分でしたよ⋯⋯』


そんな驚いてたのか。んで、後藤さんの発言を聞いた支部長が話しかけてくる。


「ふぅ〜ん?大葉クンは人の気配が分かるのねぇ?」

「ああ、半径150メートルぐらいまでなら分かるな。あとちょっと離れてくれない?」

「へぇ〜それは便利ね。隠れてる人も見つけられるんでしょ?」

「まあさっきみたいに見えてなくても対応する事が出来る訳だし⋯⋯ていうかだんだん近づいてくんな!」


徐々ににじり寄って来てやがる。しかもコイツ手をワキワキさせて来るもんだから何されるか分かったもんじゃない。


「いいじゃなーい、減るもんじゃないでしょ?」

「俺のSAN値が減る!」

「ふふふ⋯⋯逃がさないわよぉーー!」

「ヒッ」


俺が思わず後ずさりすると、それを見た支部長がギラリと目を光らせ勢い良く動き始めた。が、次の瞬間、


「あ痛っ!?」


支部長がまるで見えない壁にぶつかった様に停止した。ビターン!!と擬音が聞こえてきそうな勢いで。

これは⋯⋯『障壁』か!


「理恵、助かった!マジでどうなる事かと⋯⋯」

「あはは⋯⋯流石にアレ(・・)を放置するのもどうかと思って⋯⋯」


アレ呼ばわりである。もう第一印象はちょっとキモいオカマに決まってしまったな支部長。実際はめっさ強いんだけどねぇ⋯⋯


『めっさ強くてもキモいオカマなのでは?』


⋯⋯確かに。



一度入れてみたかったんですよねこんなキャラ。


スキル一覧です。


名持ち(ネームド)スキル

賢神ライマ

覇王バハムート

極ノ旗(バラキエル)


属性系スキル

閃雷2

蒼炎2


現象系スキル

装甲・腕2

装甲・脚

錬成

聖光2

念話

分体2 特殊強化


身体強化系スキル

心眼2

武装術2


身体変化系スキル

性別反転2

竜化2


ネタ系スキル

自爆Lv1、3、4、MAX


追記:09/06 20:30に誤字修正しました!

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