TFSP日本支部②
気づいたら投稿時間過ぎてました・・・申し訳ありません・・・!
俺が下っ端を、後藤さんが幹部を背負ってビルに入る。まずそのビルの一階は普通にロビーだった。受付の人がいたが、そこはTFSP組の人たちがいるだけで顔パスで通り、エレベーターに乗る。
うおっ、階数が10を超えたエレベーター初めて見たな⋯⋯いやあんま珍しくはないか?
「今から行くのは12階、作戦会議⋯⋯などが行われたりする部屋だ」
「え、そこは普通に会議室でいいんじゃ?」
言い回しに含みを感じたので聞いてみる。
「いやー、あそこの部屋広くて大人数使いやすいもんすから、同僚で集まってゲームとかしたりすることがあるんすよ~」
「最初は会議室だったらしいわよ。ただ、目的外の事に使われることが多くて今じゃ多目的室ね。前見た時は何かの打ち上げやってたわ」
⋯⋯何なの?超能力者って自由人なの?
「まあ今回は直接そこに用がある訳じゃない」
「え、じゃあなんで12階に行くんですか?」
「それは着いてからのお楽しみ、だな」
後藤さんがそう言った直後エレベーターが12階に着いた。
少し廊下を歩いた先にある扉を開くとそこは机と椅子が沢山並べてあり、前の壁にはホワイトボードが着いていた。うん、確かに会議室だ。隅に置いてあるゲームとかマンガとかが無けりゃ。しかし何でここに?
「着いたけど⋯⋯何があるんだ?」
「ちょっと待ってるっすよー」
上田はそう言うとホワイトボードの方へ行き、側面を弄り始めた。すると――
ガチャッ、ウィーンという機械音と共にホワイトボードが上にスライドし、さらにその後ろの壁が左右に自動ドアのようにスライドした。
「「おおーーーー!」」
俺と海斗は「いかにも」な仕掛けに思わず感嘆の声を上げる。壁がスライドした先は行き止まりのようだったが、恐らくこれもエレベーターなのだろう。
「これで地下に降りることが出来るぞ。」
「すげぇな!⋯⋯けどなんで?」
何故こんなにそれっぽくこだわってるんだ?そこは普通機能性重視なんじゃ⋯⋯とか思ってると俺の考えてることが伝わったらしく後藤さんが少しため息をつきつつ言う。
「⋯⋯この仕掛けを作ったのが外国の超能力者の一人でな。秘密基地をとにかくイメージして作られたそうだ。外部からバレにくくはあるんだがな⋯⋯」
あー、そういったスキル持ってる人が作ったのね、これ。それで趣味に走った結果こうなったと。
⋯⋯まあ、男のロマンだし共感は出来るな!
『いえ、もしかしたら女かもしれませんよ?』
その可能性は考えてなかったぜ⋯⋯
「いいからさっさと乗りましょ。」
「そうっすよ、モタモタして支部長に怒られるのは嫌っす」
そう言って雨宮と上田はさっさと入っていく。残りの俺らも乗り込む。しかし結構広いな。合計七人⋯⋯あ、俺と後藤さんがそれぞれ下っ端と幹部背負ってるから九人か。そんぐらい入っててもまだ広さに余裕あるな。
そして最後に乗った坂口さんが「B3」と書かれたボタンを押す。そういやさっきのエレベーターには地下は無かったな。
そんでそのボタンを押してドアを閉めるとエレベーターは降下し始めた。
「うう⋯⋯」
と同時に背中から呻き声が聞こえてきた。もう目が覚めたのか。ちなみに下っ端も幹部も犯罪者を運ぶ途中に着せるような腕が繋がってる拘束服みたいなのを着せた上でいくつかの拘束具でぐるぐる巻きにしてあるのでまったく動けない状態となっている。
「後藤さん、こいつ目を覚ましそうなんですけど。」
「む?そいつの能力は確か炎を操る能力だったな。雨宮、頼む。」
「はいはーい。」
雨宮は下っ端の肌が露出している箇所の一部である首筋に触れ、
「えい」
「アババッバババババ!?」
雷を流し気絶させた。今日だけでこいつ多分3回も気絶してるんだよな⋯⋯同情はしないけど。多分、火で拘束具を焼かれて脱出されないように気絶させたんだろうなー。
その後は後藤さんが今向かっているのは支部長室で、今回の一件の報告、新人の紹介などをするということを説明してくれ、その間に地下3階へ着いた。そしてドアが開くと、
「「おおーーー⋯⋯!!」」
またもや俺と海斗が感嘆の声を上げる。組織のアジトっぽい通路が広がっていたのだ。正直こういうのはけっこうテンション上がる。男の子ですし。
しかしなんというか、ここを作った人とは仲良くなれそうだな⋯⋯やっぱり一度会ってみたい。
「ここデザインも凄いっすけど、構造とか機能とかも超能力によって作られてるらしくて、現代の技術では作れないらしいっすよ」
オーバーテクノロジーじゃないか!テンション爆上がりっすわ。
『子供ですか⋯⋯』
15歳は十分子供だと思いまーす。
『屁理屈言わないでください。それこそ子供っぽいですよ』
正論で返された⋯⋯
「色々見て回りたいだろうが、今は報告と、こいつらの受け渡しが先だ。付いてきてくれ」
そう言うと後藤さんは奥の方へ歩き出し、俺らはそのあとをついて行った。
――――――――――――――――
暫く歩き続けると後藤さんがある扉――近未来的な感じの――の前で止まり、横のボタンを押すとその扉がシュインッという音と共に開いた。見た目通りの開き方したな。
そして中に入るとそこには白衣を来たいかにも研究員ですって格好をした眼鏡をかけた女性が何やら複雑な機械を弄っていた。
その女性は扉が開く音でこちらに気づいたのか振り向き、声をかけて来た。
「あら、和也達、戻ったのね」
和也?⋯⋯ああ、後藤さんの下の名前か。忘れてた。
「ああ、ウロボロスの構成員を二名捕縛してきた。受け渡しを頼めるか?」
「ああ、その背負ってる奴らね?分かったわ、あそこに置いといて」
その女性は機械とは反対方向に並んでいる大きな台⋯⋯色々付いてるし見た感じ拘束台かな、それを指差した。なんか改造人間とか作れそうな見た目してますね。
「ええ⋯⋯人体実験でもするんすか⋯⋯」
「しないわよ、失礼ね。単に拘束するのに便利なだけよ」
上田が思わずそう言うと、女性は心外そうに口を尖らせ、反論した。すいません正直俺もちょっと同じこと思いました。
「麻里、そっちの少年が背負ってる方は火を出せる。耐熱性のある物で拘束して、起きないように睡眠状態を維持してくれ」
「了解⋯⋯って、その子もしかして、スカウト予定だった子?」
と、麻里と呼ばれた女性は俺の方を見て言ってくる。後藤さんはそれに対し首を横に振り返事をする。
「いや、元々スカウト予定だったのはそこの二人だ。その少年は友人だそうで、超能力を持っていることが判明したから一緒にスカウトしてきたんだ」
「なるほどね⋯⋯それで、ここにいるってことはTFSPへ所属することを決めてくれたってことでいいの?」
「そういうことになるな。後ほどきちんと確認をする予定ではあるがな」
「なるほど⋯⋯じゃあ、自己紹介した方がいいわね」
麻里さんが改めてこちらに向き直り、自己紹介をしてくれた。
「初めまして、私は後藤麻里、『リサーチャー』と呼ばれているわ。宜しくね?」
「あ、はい、俺は柏木海斗です」
「私は中澤理恵です」
「大葉隆二です」
リサーチャー⋯⋯まんま研究員か。って待て待て待て。
「後藤⋯⋯って」
「あ、気づいた?和也は私の夫よ?」
「マジすか⋯⋯」
後藤さんアンタ⋯⋯既婚者だったんすか⋯⋯と、思わず後藤さんの方を見てしまう。
「何だその信じられない物を見るような目は⋯⋯私が麻里と結婚しているのがそんなに変か?」
「あ、いや、別に⋯⋯」
まあ別に結婚しててもおかしくないか。あ、そうだ、ライマ、麻里さんの鑑定頼める?
『了解です。こちらになります。』
――――――――――――――――
『究明』
対象を解析できる充分な情報を持っている場合即座に解析が可能になるスキル。ただし推測や仮定からは解析出来ない。
――――――――――――――――
ふーむ、これってあれだ、多分合金を解析したらその元となる金属知ってたらどの金属で出来ているか分かるとかそんなだろ?
『その通りですね。持っている情報によってはかなり詳しく解析が可能になるでしょう』
それでリサーチャーか⋯⋯ただ、戦闘向けではなさそうだな。
『恐らく見ただけで物体の組成も分かるでしょうから、超能力者と判断されTFSPに保護されたのでしょう。この建物を作るのにも一役買っているのかも知れませんよ?』
あー⋯⋯建物全体が特殊な素材で出来てそうだしな、ありうる。
そんな脳内会話をしている間に、幹部と下っ端の受け渡しと拘束が終了した。しかし下っ端の方がやたら強く拘束されてんな、なんか機械付けられてるし⋯⋯その後、「後でお話しましょうねー」という声に見送られこの部屋を去った。
⋯⋯ってかさ、坂口さんが一言も喋ってないから空気なんだけど。忘れられるのはそのせいじゃないのか?
スキル一覧です。
名持ちスキル
賢神2
覇王
極ノ旗2
属性系スキル
閃雷2
蒼炎2
現象系スキル
装甲・腕2
装甲・脚
錬成
聖光2
念話
分体2 特殊強化
身体強化系スキル
心眼2
武装術2
身体変化系スキル
性別反転2
竜化2
ネタ系スキル
自爆Lv1、3、4、MAX
追記:08/16 23:07に文章を修正しました。